Roberto Cacciapaglia を最初に聞いたのは学生時代で、アルバムは "Sonanze" でした。当時はプログレ情報も少なく、いわゆる「ジャケ買い」が常でしたが、このアルバムは絹目の手触りのよい紙質、深い紺青の背景色に浮かび上がるジューハープの写真、ほっそりとした書体と、シンプルに突き詰められたジャケットがずばぬけて美しかったのです。思い切って買って聴いてみたら、すぐに引き込まれてしまいました。それ以来、そもそも寡作な上に、当時品物はおろか情報すらそれほど入ってこない中で、忘れたころに出会っては感動させてもらいました。
エレクトロニクスとオーケストラの、見た目に美しく飲んで甘美なカクテルのような作品がすぐに思い浮かびますが、本格的なオペラ、カンタウトーレ風の歌モノもあって、その多彩さは油断なりません。打ち込み系のビートやサンプリングが目立った時期を経て、近作では生ピアノの響きが最大限に生かされる作品が増えてきた印象です。エレクトロニクスだろうがオーケストラだろうが、もともとメロディラインの美しさが際立っていたので、純粋にピアノソロで演奏されると、もううっとりするほかはありません。
2006年末に来日の話が持ち上がりました。2007年3月現在ではまだ実現していませんが、大いに期待して待ちたいと思います。来日を望む声をぜひオフィシャルサイトにお寄せください。またワタシにブログやメールでお寄せいただいても、お取次ぎいたします。
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