>HOME >MUSIC >"C"
A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
Chinese pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 
C. S. I. (CONSORZIO SUONATORI INDIPENDENTI)
TABULA RASA ELETTRIFICATA 97/CD/ITA/ITA POLYGRAM 536200-2
*イタリアのオルタナティヴ系バンドらしい。ゴリゴリしたツインギターに押しの強いリズム、硬派の演奏は迫力満点。技巧的なのだがあえて色彩を排し、ロックなのだが怪しげなヒネリを時折効かせているところなど一筋縄では行かない。おそらく歌詞が分かれば、さらに深い何かがあるのだと思うが、分からなくてもカッコイイ。
LA TERRA, LA GUERRA, UNA QUESTIONE PRIVATA 98/CD/ITA/ITA BLACKOUT 536884-2
*96年のライブ。ロバートワイアットトリビュートアルバムで初めて聴いて気になっていた。かのアルバムでロバートが歌っていた "Del Mondo" も彼らの曲で、このライブにも入っている。鋭利で攻撃的な部分と、幻想的で浮遊感のある部分が、絶妙のテクニックとアレンジに支えられて両立している、不思議な音。ホイリーコーンやサムラ、ストーミーシックスやデウスエクスマキナなどの雰囲気が近いかも。
CAFEINE
LA CITADELLE 94/CD/FRA/FRA MSI B27TIRET6
*MUSEA から新譜が出て好評らしいカフェインだが、もうこの時点(デビュー?)で既にスキが全くない。90年代のアトールと言いきっていい。オーソドックスな5人組だが、すべて上手い。音作りといいアンサンブルといい、完全にプログレのツボを押さえきった上での完成度。90年代のイタリアやフランスのプログレは、あまり熱心に聴いては来なかったのだが、知る限りではやはりこれはピカイチだと思う。すべてのプログレファンに推薦。
NOUVEAUX MONDES 00/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4340.AR
*うーんこれはかっこいいな。おしゃれなイエス+クリムゾンみたいな。7,8分くらいの長さの、しっかりと構成された曲が中心で、アンサンブル重視の本格プログレにヴォーカルが入ればフランスのエスプリたっぷりで、これは納得の一枚。
CALICANTO
ISOLE SENZA MAR 05/CD+BOOK/ITA/ITA FELMAY 9788883143229
*絶品。これはすばらしい。もう25年の活動暦を持つベテランのグループらしいが、ベネチアの民俗音楽を出発点に、地中海音楽や古楽を広範に探求した成果ともいえる作品である。アコースチックな楽器とヴォーカルのハーモニーは端正そのもので、完成度の高い、それでいて開放感あふれる音に仕上がっている。
MOSAICO 11/CD/ITA/ITA FELMAY 012980602626
*すでに結成30年という大ベテランのトラッドバンド。オーケストラと民俗楽器、歌で美しく構成されている。インスト曲と歌の入る曲、民俗楽器の素朴な響きとオーケストラの包容力のある響きと、まさにモザイクのような組合せが繰り広げられる。自分の好みとしてはより渋くてざらついたものなのだが、このように洗練された贅沢ともいえる民族音楽の到達点に触れることももちろん感動的である。
CAMEL  
MOONMADNESS 76/LP/GBR/JPN KING GP1035
CAMPO DI MARTE
CAMPO DI MARTE 73/CD/ITA/ITA MELLOW MMP181
*最近再結成して、ライブアルバムも発表したようだが、これは73年というイタプログ興隆期の隠れた名盤の一つ。7パートからなる組曲構成で、ヴォーカルも入るもののインスト重視の作品。オルガンやエレクトリックギターが活躍するハードプログレな展開が目立つが、アコギやフルート、メロトロンのたおやかな音色が魅力的な部分もあって、多彩な可能性を思わせる。
CAN
RITE TIME 89/CD/GER/JPN PHONOGRAM PPD1131
CANO
AU NORD DE NOTRE VIE 77/LP/CAN/CAN A&M SP9028
CANTINA SOCIALE
BALENE (C'E' QUALCOSA DI PIU') 01/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ART404
*クロヴェッラプロデュースの7人組のバンドで、ルックス的にはかなり微妙だが、サックスやバイオリンも入り、キーボードはメロトロン風の音も入るし、演奏はかなり充実したプログレ。サックスが目立つせいもあって、バルカン風ともいえる民族性のある曲も聴ける。ヴォーカルはアルティの来日公演でその実力を見せたヤノ・ニコロ。このやや芝居がかったヴォーカルのクセの強さは独特。
CAPERCAILLIE
CASCADE 84/LP/GBR/GBR FIVE RECORDS SRT 4KL 178
CANZONIERE DEL LAZIO
QUANDO NASCESTI TUNE 74/CD/ITA/ITA BRAVO BR128553751-2
*まさかのファーストアルバムのCD化。NCCPなどと同様に、最初はトラッドをトラッドらしく演奏していたのである。したがって、ミラダスのつもりで聴くと肩透かしを食らうかもしれないが、これはこれで民謡モノとしてすばらしく楽しい作品である。演奏も歌も実に味があってうまい。聞いたことのある曲もあるんだけど・・・。
LASSA STA LA ME CREATURA 74/LP/ITA/ITA INDIGO ITGL14003
*ジャケットがかなり悪趣味なセカンドアルバム。しかしこれはすばらしい。ミラダスのような熱狂はまだないのだが、あきらかにその前哨というか企みのようなものを感じてしまう。ディオニソス的な祝祭性や呪術性、シニシズムの香りがたまりません。
SPIRITO BONO 76/LP/ITA/ITA INTINGO/RICORDI ORL 8272
*地中海の香りがさらに増した感のある本作、軽快でスピード感のある最後の曲には、ミラダスの一曲目と共通のメロディが含まれていて、アルバム全体がいわば次作の序奏になっているかのようである。
MIRADAS 77/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5351, 94(77)/CD/ITA/ITA MERCURY 522 568-2
*これはクランプスレーベルらしいヘヴィなジャズロックと、地中海音楽の融合。大傑作だと思います。もうとにかく一曲目にそのまま乗っかって突っ走っていくうちに聴き終わってしまうような勢いと、じっくり聞き込むと実に細やかな情感と、楽しみ方もいろいろである。
MORRA 1978 78/LP/ITA/ITA INTINGO ITLM14503
*ミラダスに続く5枚目のアルバム。前作に比べるとやや大人しくなった感はあるが、歌も演奏も地中海の郷愁たっぷり。
CANZONIERE DELLA RITTA E DELLA MANCA
MALEVENTO 94/CD/ITA/ITA NEW TONE NT6734
*地中海音楽の名盤のひとつと言ってよいと思う。NCCPのように本格的なヴォーカル、民族楽器とプログラミングキーボードの音も溶け合い、オリジナル曲もトラッドも懐かしい調べとなって楽しませてくれる。NCCPあたりよりもより聞きやすい展開なので、地中海音楽の入り口で聴く一枚としても勧められる。
CARAVAN
(w/THE NEW SYMPHONIA)s/t 74/LP/GBR/JPN KING SLC815
CANTERBURY TALES LP/GBR/JPN KING GP1093
CARLO FAIELLO --> EUGENIO BENNATO / NCCP / MUSICANOVA Special
CARLO SILIOTTO
ONDINA 79/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527382432
*お買い得シリーズ "Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.6" 所収の一枚。CANZONIERE DEL LAZIO, CARNASCIALIA のバイオリニストのソロアルバム。バックにはこれまでのバンドの人脈を含めおおぜいが名前を連ねている。軽やかなリズムに、多彩な構成のアンサンブルがすばらしく、メロディにはときおりサラセンの調べも聞こえる。最後のタイトル曲を含む2曲の盛り上がりはむしろイタリアの歌モノファンに喜ばれそうだ。意趣は異なるがパガーニのファーストソロと並ぶ、バイオリニストが主役の地中海トラッドの名盤である。
CARMEN CONSOLI
ELETTRA 09/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527232089
*前作から地中海音楽志向を明確にした彼女の、スタジオアルバムでは7枚目の作品。シチリア生まれの彼女の原点回帰なのか、燻されてくすんだように落ち着いた声がエスニックなメロディやアコースティックな音にあまりにもよくなじみ、どの歌も彼女ならではのものに聞こえる。今年のイタリア女性ボーカルモノとしては、スザンナパリージと並ぶ気に入りかも。BATTIATOのファンならぜひアラビア調のM6を。
CARNASCIALIA (PASQUALE MINIERI-GIORGIO VIVALDI)
CARNASCIALIA 79/CD/ITA/ITA POLYGRAM 522 837-2
*カンツォニエレ・デル・ラツィオの PASQUALE MINIERI と GIORGIO VIVALDI のバンドだが、ほかにもメンバーは共通しているから、実質CDLの続編のようなアルバムだ。DEMETRIO STRATOS の追悼コンサートライブにも参加していた。DEMETRIO STRATOS や MAURO PAGANI も何曲か参加している、地中海音楽の傑作。ゆったりとした雰囲気は FABRIZIO DE ANDRE の最近のアルバムに通じるものもある。
CAROLA
I DENNA NATT BLIR VÄRLDEN NY 07/CD/NOR/NOR KIRKELIG FXCD326-2
*トラッドヴォーカルとオーケストラ、さまざまな民族楽器によるクリスマスソング集。曲は聞きなれたものが多いが、裏返るビブラートを聞かせる唱法やエキゾチックな楽器の音を生かしたアレンジがすばらしく、季節にかかわらず聞きたくなる。
CARPE DIEM
EN REGARDANT PASSER LE TEMPS 75/LP/FRA/FRA CRYPTO ZAL6418
CUEILLE LE JOUR 76/LP/FRA/FRA CRYPTO ZAL6403
*サックスが入っているがわりと軽めのロック。
CIRCONVOLUTIONS 15/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4960
*なんとカルペ・ディエム38年ぶり!の新譜である。管楽器奏者のみ死去のため交替しているとのことだが、実に奥深い、すばらしい作品である。ただし10分オーバーの2曲は78年のライブ。当時、アルカンヌ/クリプトレーベルらしいちょっとフワフワした、管楽器とフランス語のボーカルが印象的で、私にはモナリザあたりよりはお気に入りだったバンド。プログレとしてもやや異端の香りが現代に受け継がれて、輪郭はくっきりしているが個性は失われていない。聴きごたえでは78年ライブ音源になるのだが、通しで聴いて違和感なく楽しめるところはよく考えられている。
CATERINA CASELLI
PRIMAVERA 74/LP/ITA/JPN KING NAS1420(ERS28028), (05)/CD/ITA/JPN ARCANGELO ARC7109
*70年代半ば、プログレ全盛期の歌モノアルバム。といっても別にプログレなわけではなく、メロディが良くてクセのない、美しいオーケストラに聴きごこちのよい女性ヴォーカルという作品。
P.S.*紙ジャケCDで買いなおし。同時に出たアリーチェのファーストやリッカルド・フォッリのセカンドと、アレンジャーが同じ人だった。いずれもドラマティックなオーケストレーション。
CATHARSIS
32MARS 75/LP/FRA/FRA FESTIVAL FLD652
ILLUMINATIONS 75/LP/FRA/FRA FESTIVAL FLD655
LE BOLERO DU VEAU DES DAMES 76/LP/FRA/FRA FESTIVAL FLD676
ET S'AIMER...ET MOURIR... 76/LP/FRA/FRA SONOPRESSE 36613
*このバンド、フワフワと軽くて、しかもLP1枚に30分くらいしか入ってなくて、でもジャケットのセンスといい、曲の雰囲気といい、フランスなんだからこんなバンドがなくちゃ、という気にさせる。
MASQ - LES CHEVRONS - 32 MARS ??/CD/FRA/FRA GRIFFE GRI 19009 2
*初期3枚のベストで手持ちと少し重なるのだが、以前から某ショップで店晒しになっていて、ついに300円、さらに2割引セール対象で240円になっていたので、いたたまれずに救出。かなりおざなりなスリーブ(4人の男が車に乗っているのを正面から撮った写真・・・)にはバンド名とタイトルのほか66分52秒の収録時間がわざわざ印刷してあるのは、LPのころの収録時間がえらく短かったことを記憶しているものにとってたいそう重要な情報と思われたのだろうか。中身のほうは、女性スキャットに軽快なリズムというものもあれば、ちょっとフランスのエスプリ?とアヴァンギャルド?をほどよくかき混ぜたようなものもあれば、何かトラッド?の香りのようなものが漂うものもあるし、といった具合。そしてどんなヘンな曲もとにかく音がむやみに薄くて軽い。やはりフシギとしか言いようのないバンドだ。
CATHERINE RIBEIRO + ALPES
4 ALBUMS ORIGINAUX(NO2 / AME DEBOUT / PAIX /LE RAT DEBILE ET L'HOMME DES CHAMPS) 12(70/71/72/74)/4CD/FRA/FRA MERCURY 279 506-0
*なんと、入手困難な初期4作品が一挙にそろう、廉価版ボックスセットである(私はHMVで2695円で買った)。ありがたい時代です。フランスの70年代ロックとしては、プログレファンの評価は高かった記憶がある。私も何か持っていたはずだが、見当たらないので、たぶん印象に残らないまま手放してしまったのだろうから、こういう形で再発してくれたことがまず喜ばしい。まず "no2" である。RIBEIRO+2BIS 名で出したアルバムがあるからセカンドなのだろうが、RIBEIRO+ALPES 名では最初のアルバムということになる。フリースタイルのサイケデリックな演奏に語りや叫びも交えた歌、ギター伴奏のアコースチックな曲もある。オリエンタルでクラシカルなM4あたりはかなり良い感じ。詩の部分がわからないのはちょっとつらい。"AME DEBOUT" はドスの利いた声が堪能できるタイトル曲も良いが、怪しげな雰囲気の伴奏をクローズアップする "Alpes" や、割と普通のフォークな感じさえ感じさせる終曲など、変化に富んだ楽しい作品である。最高作との評判がある "PAIX" は、短めの二曲と長めの二曲の組合せ。サイケデリック色はやや薄まってきた感はあるが、やはり詞の比重が大きく、プログレッシブ・ロックの範疇には入りにくいと感じる。"LE RAT DEBILE ET L'HOMME DES CHAMPS" は、おそらくA面3曲でB面1曲だったと思われる。A面の三曲はいずれもフォーク風で、アレンジのゆるふわ感は強いが、メロディもわりとあって聴きやすい。B面の組曲は相変わらずのアヴァンギャルド。アルバム全体を通して音像が遠いので、ひずんだ音が出てきても夢想的な空間が壊れることはない。4枚通して聴くのは辛いが、淀んでいるほうの70年代前半にどっぷり浸かれる経験になる。
CECILIA CHAILLY
ALONE 06/CD/ITA/ITA EMI 00946 373731 2 5
*デアンドレトリビュートのコンピでハープの弾き語りを聞いて以来気になっていたアーチスト。このアルバムでは、Ludovico Einaudi が一曲ピアノで協力しているほかは、ハープはもちろんピアノ、バイオリン、パーカッション、フルートなど多彩な楽器を一人で操り、さらに家族によって録音された幼少時のテープがコラージュされている。高名な作曲家である父親の Luciano が2002年に亡くなっているから、タイトルからも何かそういう喪失の思いもこもったものなのかもしれない。ハープがメインという作品を他に聞いたことがないのだが、さらになんとも美しく悲しい歌やテープの声、パーカッションやバイオリンなども効果的に入り、たとえようのない体験をさせてくれる一枚である。
CELESTE
CELESTE 76/LP/ITA/ITA GROG GRL02
*グロッグの2番でこのレーベルの人気アルバムだが、私にはなんだかフォークみたいという第一印象が強かったが、メロトロンの音と独特の重さがよい。
0.720 ALEACION
0.720 ALEACION 86/LP/MEX/MEX (NO NUMBER)
*メキシコのプログレ。アルバムタイトルというかグループ名だが、0.720 はジャケット写真のお金?の合金(aleacion)の純度か何かなのだろうか( 0 はスペイン語で cero らしいから、Cに入れましたが)。よく分からないグループなのに、意外な拾い物。ギターをはじめピアノやフルート、バイオリン、打楽器類などアコースティックな音が主体ながら、メロディやアンサンブルに親しみやすさと幻想的な美しさがあふれている。
CERVELLO
MELOS 73/LP/ITA/JPN KING K22P325
*後にオサンナのダニーロと兄弟でノヴァを結成することになる、コラード・ルスティチのバンドの、唯一のアルバム。演劇的な構成、複雑なアンサンブルをこなしていて、変化に富んでおり、ダイナミック。ジャケットデザインもすごくヘン。同時期のムゼオ・ローゼンバッハなどのヘヴィ・シンフォよりも、僕にはこっちの方が好み。
CHERRY FIVE
CHERRY FIVE 74(01)/CD/ITA/ITA CINEVOX MDF349
*ゴブリンの前身にしてイタリアンジャズロックの名盤。チネヴォックスの一連の再発シリーズの一環として出た一枚。デッドな音作り、ハイトーンの英語ヴォーカルと、今ではさすがに古臭く聞こえる部分もあるものの、当時のイタリアの音として、水準は非常に高い。シモネッティ&モランテのキーボードとギターは上手いし、ドラムスのボルディーニは当時のイタリアのドラマーにしてはかなりシャープな叩き方をする。特に後半の盛り上がりは聴きモノ。
LA CHIFONNIE
LA CHIFONNIE LP/FRA/FRA WEA 883008
*オリジナルのインスト曲も含めて、素朴なバイオリンやアコーディオンや声が、実にトラッドな味わいですばらしい。こういう曲を聴くと心底、ダルシマーやバイオリンを弾いてみたい、素朴な歌と踊りを楽しみたい、という気持ちになる。まったく言葉も風土も違うのに、おそらくはその土着性のたたずまいが、限りなく懐かしい気持ちを抱かせるのだと思う。
CHRIS SQUIRE
FISH OUT OF WATER 75/LP/GBR/JPN WARNER P10068A
*イエス関連買戻しシリーズ(^^;第2弾(第1弾はモラーツ)。ジョンアンダーソンには替わりがいるがスクワイアにはいないという意味で、真のミスター・イエスは彼でしょう。リッケンバッカーの乾ききった音で歌いすぎるくらい歌ってしまうベースラインの凄さは、もう言葉もありません。このソロは、ブラッフォードのドラム、モラーツのキーボード、メルコリンズにジミーヘイスティングスと豪華なメンバーに支えられて、変化に富んだ曲が並ぶ。ジョンのソロがイエスの発展形だったのに対し、このソロは明かに独自性を出しています。私には "Silently Falling" や "Lucky Seven" の緊張感と叙情の絶妙なバランスがたまりません。
-->YES
CHRISTIAN DECAMPS & FILS
VESOUL 95/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4143.AR
*新作も出ているクリスチャン・デカンのバンド。クリスチャンとトリスタン、ギターにはジャンパスカルボフォ、ベース THIERRY SIDHOUM、ドラムス HERVE ROUYER の5人グループでのライブ。クリスチャンは危ないおじさん風に暴れているし、トリスタンの頭は爆発しているし、ボフォがすっかりアンジュ風の音とフレーズを聞かせるのもご愛嬌。クリスチャンのヴォーカルの表現力がまったく衰えを知らないのには驚かされる。17分近いM12のドラマチックな展開は感動的。
CHRISTIAN VANDER
TRISTAN & ISEULT LP/FRA/FRA EGG 90171
CICO ---> FORMULA 3 / IL VOLO Special
CIMBALIBAND
MOLAVA - A BALKAN KAPUJA 15/CD/HUN/HUN FONO FA3652
*ホームページは完全にハンガリー語で詳しいことがほとんど分からないのだが、バンド名のとおり、ツィンバロムをメイン楽器とし、女性ボーカル、ギター、バイオリン、コントラバス、パーカッションのメンバーから成る、バルカンフォークバンド。アルバムもこれですでに6枚目ぐらいになるようだ。ツィンバロムの速弾きなどはなかなか聞く機会もないので、けっこうスリリングに感じたり、フォーク歌いのしなやかな美声をじっくり聞かせたりと、シンプルでアコースティックな音なのに迫力があって、楽しい。
CIRCUS 2000
AN ESCAPE FROM A BOX 72/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VM015
*トータルコンセプトでちょっと深刻っぽい雰囲気のロック。演奏は70年代初期のイタリアとしては水準以上。歌は英語で、アニセットあたりを思い出す、少女声で力むタイプの女性。この歌が好き嫌いを決めそう。
CIRO DAMMICCO
s/t 72/CD/ITA/JPN KING 292E2063
*やや丸みのある力強い歌声で、わりとゆったりぎみのロック系の曲を中心に歌うカンタウトーレ。濃い味のバラード歌い上げ型ではなく、曲にも変化があるので、70年代のイタリアンロックに馴染んだ耳には聴きやすい部類に入ると思う。例によってメロトロンモノのような扱いを受けることもあるが、いくらなんでも的外れだろう。むしろオルガンがカッコよかったりする。アレンジはダリオ・バルダン・ベンボとのことで、これは納得。
CITTA FRONTALE
EL TOR 75/LP/ITA/ITA CETRA LPX46, (04)/CD/ITA/JPN WARNER WAS1002(WCCP201)
*オザンナから分かれたグループ。オザンナの重さが好きだった人には不評らしいが、僕は飄々としたサックスの響き、軽快なヴォーカルなどが好きで、よく聴いていました。
CLAIRE DITERZI
BOUCLE 05/CD/FRA/EU NAIVE NV808011
ROSA IN ROUGE 10/CD/FRA/EU NAIVE NV821411
*マリコルヌの復活ライブでマリーと美しいデュエットを聞かせていた人で、ブック風の装丁のこのアルバムはローザ・ルクセンブルクをテーマにした演劇用の音楽らしい。銃かと見紛うギターを背負ってブーツのひもを結ぶ、あまりにもかっこいい表紙に期待が膨らむが、中のアートワークも素晴らしい。ミュージックコンクレート風の一曲目に始まり、ラップ調の曲もあったりして意表を突かれるが、冷たく美しい "L'Arme A Gauche" からパリミュゼット風の "Aux Marches Du Palais" への流れなど特に好きで、歌い方も曲想に合わせてじつにさまざま、すごい歌手だと思う。公式サイトにあるタイトル曲のPVも凝ったつくりで素晴らしい。
CLARA MURTAS
BOGHES E COROS - IL CANTO SACRO POPOLARE IN SARDEGNA 07/CD/ITA/ITA RAI TRADE RTQ0012
*感動の作品。RAIのRADIO3でシリーズ化されているラジオライブの録音ということらしい。クララ・ムルタスが、男声四部合唱と三本笛ラウネッダスの演奏に乗せて歌う、サルディーニャの宗教音楽。冒頭、ラウネッダスの演奏からして圧巻で、彼女の歌声の張りと厚みは言うまでもなく、宗教音楽ならではの男声の響きが時代を遡らせる。ライブの空気感も収められた名盤。
CLARA MURTAS + ENNIO MORRICONE
DE SA TERRA A SU XELU 02/CD/ITA/ITA TEATRO DEL SOLE TDS022001X
*んーこれはすごい。分厚い解説が付いているのだがイタリア語なのでわからない。限定版で3曲入りのミニアルバム。まずインストでオーケストラと歪んだギター。モリコーネの音楽性のすごさ。次にカンツォニエレ・デル・ラツィオのクララの歌。情熱と深さと密度。オーケストラなのにクラシカルでもないし、クララが歌うのにエスニックでもない、唯一無二の音楽。
CLAUDE GIGURRE
ENTRE LACE 98/CD/CAN/CAN PNCD1289
*詳しいことは不明、カナダのトラッド・フィドラーのようだ。ギタリストがサポート、一部ベーシストがゲストに入る。シンプルな構成ながら、思いもよらぬ表情の豊かさ、華やかさが楽しめる。タイトルが英語の曲もフランス語の曲もあるし、GABRIEL YACOUB の曲も取り上げている。
CLAUDIO BAGLIONI
QUESTO PICCOLO GRANDE AMORE 72(01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 761832
*バリオーニ初期の名盤が金ぴか24ビットリマスターで再登場。デジパックはいいんだけど歌詞がほしい。でもやっぱりこれは面白い。声や歌い方は今よりずっと荒っぽいが、メロディやアレンジは意外なほど古びていなくて、繊細だ。いかにも70年代初頭の、プログレなイタリアのカンタウトーレならではの作品だ。
GIRA CHE TI RIGIRA AMORE BELLO 73(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321 761822
*トータルアルバムの構成で、曲もアレンジもものすごく面白い。オーケストラの盛り上げもそうだが、丸っこく歪んだギターの音や茶目っ気のある投げやりなコーラスなども、当時のイタリアの音そのものである。最後はおなじみ "Giro, giro, tondo..." に子供の声で締めるあたりは私の弱いところを衝かれる。アルバムとしてはいつ聴いてもすばらしいが、今に至るバッリョーニの圧倒的な歌の魅力を知ってしまった後では、彼のアルバムとしては物足りなく聴こえてしまうのは、まあ仕方ない。
E TU... 74/LP/ITA/ITA RCA TPL11067
*イタリアの超有名カンタウトーレの、初期の傑作らしい。プロデュースはヴァンゲリスだが、むしろこれ以前の作品のほうがプログレっぽいところもあるらしい。
SABATO POMERIGGIO 75(01)/CD/ITA/ITA 74321 761842
*バカロフがアレンジとキーボードで全面参加、効果音まで鏤めた凝りに凝った構成でドラマチックに盛り上げるが、それでいてバッリョーニの甘くも力強い歌をじっくり楽しむことができる。バカロフの仕事にはこの時期のいろいろな作品で触れられるが、アーチストとの噛みあわせがしっくり行っているものは案外少ないと感じている。ところが本作は、バッリョーニが本来持っている詩情ある歌作りとの相性がよく、アルバム全体の気品が非凡に高く仕上がっていると思う。大傑作。
E TU COME STAI? 78/CD/ITA/ITA COLUMBIA COL4665322
*移籍後一作目。妻が "ASSOLO" にハマって、なかでも "Un po' di piu'" が良いというので、オリジナルが入っているこれをかけてみたのだが、あまり気に入らなかったようだ。同じ椅子に座った写真でも、"Viaggiatore..." と比べると圧倒的に若造くさい長髪スタイルもお気に召さなかったようで(^^;。全体にスピード感というかロックテイストが強まって、声のオヤジくささとのバランスが絶妙で、私はなかなか気に入っているのだが。ラストの曲なんか盛り上がってカッコイイし。
ASSOLO 86/2CD/ITA/ITA SONY COL 450364 2
*イタリアの歌手の2枚組ライブ、というのは、イタリアンポップスがわりと好きな私でも、ちょっと引くところが実はあるのである。やはり言葉が分からないから、興味がもたないということなのだが。この盤も、名作と聞きつつ手を出しかねていたが、未開封新品が格安で出ていたので、聴いてみた。さすが国民的歌手である。何せ、会場が一緒に歌っちゃっている(^^;。これはかなり感動的。曲メロは良いし、声は美と力を併せ持っているし、バックの演奏の控えめなのにしっかりと歌を支えているところも職人的。さすがに2枚通してじっくりと聞き込む時間はめったにないのだが、その値打ちはあるすごいライブ盤だ。
OLTRE 90/CD/ITA/JPN EPIC SONY OY8P 90095, 90/2CD/ITA/ITA CBS 466135 2
*とにかくオルトレを聴かずしてバッリョーニを、いやイタポップを、いや・・・を語るなかれ、というほどのアルバムなのだそうで、実は1枚ものは聴いていたのだがちゃんとした?2枚ものは今回はじめて聴きました。バッリョーニの2枚組は旧譜も価格がなかなかというかほとんど落ちないので、手を出しかねていたのですが、ようやく安く手に入ったのです。バッリョーニを順を追って聴いてきたわけではないので・・・というか、ヴァンゲリスつながりで "E TU..." を大昔に聞いてこりゃジャンル違いと遠ざかり、格安ダンボールからシャレた装丁に惹かれて "VIAGGIATORE SULLA..." を拾ってはまったというのはバッリョーニ聴きとしてはあまりの邪道かとは思いますが、声とメロディだけでも十分いけるとはいえ、2枚組みのヴォリュームを本当に楽しむには、たぶん歌詞の深さを味わわなければいけないのでしょうね。私などには2枚組みは宝の持ち腐れかもしれませんが、でもそんな私にとってすら、捨て曲なし、まったく飽きずに聴きとおせてしまう傑作だとは言わせてもらいましょう。
ASSIEME 92/CD/ITA/ITA COL4720692, 92/CD/ITA/JPN EPIC SONY ESCA 5702
*日本盤が安く入手でき、対訳がついていてラッキー。なるほどこの詞はすごいね。副題に "OLTRE IL CONCERTO" とあり、オルトレ発表後のライブツアーのようだが、オルトレからの曲は14曲中4曲だけで、ライブ向きに過去の曲も含めてうまく構成されている。例によってしっかりと録られたオーディエンスの合唱も盛り上がる。ところで同じツアーからのライブがこの後もう一枚出ている("ANCORASSIEME")。担当者が弱気だったか、買いやすさを考えた親切心か、2枚組3枚組をガンガン?出すバッリョーニにしては珍しいやり方だ。
ANCORASSIEME 92/CD/ITA/ITA COL 4727742
*"ASSIEME" と同じツアーシリーズの続編。こちらも名曲ぞろい。2枚組みにしなかったのは売れ行きを見てということか、こういう売り方は他にも例があるので、チャート対策かも。
ATTORI E SPETTATORI 96/2CD/ITA/NDL SME COL 486650 2
*バッリョーニもアルバムが多いだけでなくライブも多いので、それほど念入りに聞き比べているわけではない自分としては、だんだんどれがどうという感想が書きにくくなってきた。ひょんなことから手に入れたこのアルバムも、二枚組みでどちらも70分超の聴き応え。バッリョーニのライブは観客の声をうまく拾っていて、ライブの一体感がとにかく印象的だが、これも一曲目から会場が合唱している。アレンジは変化に富んでいるし、バックの音も厚いので、迫力あります。とにかく、バッリョーニの声があまりにも魅力的なので、ファンはライブの光景を目に浮かべながら、私などにはBGMのつもりがつい耳を奪われながら、大いに楽しめる作品でしょう。
VIAGGIATORE SULLA CODA DEL TEMPO 99/CD/ITA/ITA SONY COL 495070 2
*ミーナもバリオーニも実に久しぶりに新作を聞いたところなのだが、ビッグネームになるとCDの造りが凝っている。それだけ予算をかけられるということか。透明プラスチックの外箱に肖像、紙製の内ジャケットに背景が印刷されている。切り込みの窓から覗くCDの面が窓からの眺めに見える。ROMトラックつきで、デザインも洗練されている。さて中身のほうだが、私はバリオーニをずっと聴いてこなかったので、彼のディスコグラフィの中でこの作品がどう位置付けられるのかは知らない。しかし楽曲は良く練れていてすばらしく、歌の深みはさすがベテランとうならせるものがあるし、コラド・ルスティチはじめバックを支えるメンバーも実力派、洗練された完成度の高い作品になっていると思う。
ACUSTICO - SOGNO DI UNA NOTTE DI NOTE 00/2CD/ITA/HOL SONY COL4999119
*別にアンプラグドというわけではなく、野外ライブの2枚組み。うーんなんてカッコイイおやじなんだ! この声で歌い上げられる名曲の数々。カンペキです。
SONO IO 03/CD/ITA/ITA SONY COL512019 2
*久々の新作のジャケットは前作ほど凝ったものではなく、紙カバーが付いた上品なつくりで、デザイン的にも濃紺や銀基調から白基調と明るいものになった。この対照は内容をそのまま表していると言ってよく、ピアノやギターやオーケストラが生き生きとメロディを引き立たせる、華やかさや軽快さのなかにしんみりした味を効かせた曲が多い。古くからの彼のファンには、前作よりも支持されるのではないだろうか。9曲目あたりの盛り上がりなどいかにも彼らしい。ただ、録音の加減かこちらの再生環境のせいか、やや声が引っ込んで聞こえるのがちょっと物足りなかったりする。
CRESCENDO & CERCANDO TOUR 2003 2004 05/3DVD/ITA/ITA SONY 99720 264491
*ううーんなんてかっこいいオヤジなんだ再び。ついに手を出してしまいました、総収録時間9時間の3枚組みDVD。一枚目の "CRESCENDO" はビートルズのイエスタデイで幕をあける。ジョナサンデミを思わせるようなシンプルなセットのシートが取り払われていく中で、中央ステージで歌うクラさまのかっこよさはなんと言ったらよいのでしょうか。二枚目の "CERCANDO" はぐっとシックな演出。黒尽くめのオヤジ(いや若い人もいるんだけど)が一人また一人と現れ、6人がギター抱えてずらりと並んで名曲 "STRADA FASCENDO" を歌い始めるのって、こんなのあり?というかっこよさ。もちろんいきなり会場は大合唱です。
Q.P.G.A. 09/2CD/ITA/ITA SME 88697432002
*Q.P.G.A.は "Questo Piccolo Grande Amore" の頭文字。2枚組み全52曲のセルフカバー、そのすべてが、別のアーティストとのコラボという、とてつもなく贅沢で、彼以外にこういうことのできるアーチストもほとんどいないだろうというしろもの。共演者は、Andrea Bocelli, Irene Grandi, Riccardo Cocciante, Pino Daniele, Pooh, PFM, Angelo Branduardi, Fiorella Mannoia, Ivano Fossati, Dolcenera, Ennio Morricone, Luis Bacalov, Gianni Morandi, Franco Battiato, Laura Pausini, Mina. Alice, etc.etc... といった具合である。ほぼすべてのイタリアンポップファンが、どの曲かで欲しくなってしまうだろう。一曲一曲が楽しみだが、主役はあくまでバッリョーニの嗄れ声だ。
CLAUDIO DENTES
PANTAREI 78/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527334097
*Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.5 収録盤。前半はギターとエレクトロニクス主体だがパーカッションその他も加わって、なかなか壮大な雰囲気。ミニマルでもなくフリーフォームでもなく、メロディも明るめなので、ぺぺ・マイナやマイク・オールドフィールドのような、といわれるとまあそうかなという印象だ。ところが後半になるとロックバンドスタイルになる。なんだ、ロックギターガンガン弾きたかったんじゃないの?という感じだ。なんと、DAVID VORHAUS がシンセサイザー、ROSSANA CASALE が歌で参加。
CLAUDIO PASCOLI
NAIFUNK 78/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527334073
*お買い得シリーズ "Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.5" 所収の一枚。70年代のイタリアン・プログレ作品でしばしば名前を見かける、サックス&フルート奏者のソロ・アルバム。キーボードやパーカッションも演奏している。バックにはワルテル・カローニやクラウディオ・ファブリなど、やはり知られた名前が並び、きわめて強烈でのりの良いジャズロックを聞かせている。シンセファンにも、ピキピキ跳ね回っているアープの音がたまらないだろう。音作りも含めて先鋭的で力強く、このシリーズで聞けたことが幸運に思える一枚。
CLAUDIO ROCCHI 
VIAGGIO 70/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VM044, (03)/CD/ITA/ITA BMG 743219850829
*ロッキのファーストソロ。マウロ・パガーニがバイオリン、フルート、コンガで参加。最初の曲などは時代の前衛でバッティアートの初期作品を思わせるが、基本的にはギターと歌が主体。ローファイでサイケデリックなつくりは、今聴くとかえって新鮮。
P.S.*やっと入手しましたイタリア盤紙ジャケ。音が凄く良いです。ロッキの繊細さが一つ一つの音にきらめきをもって張り詰める。やはりすばらしい作品です。旧盤を手放そうかと思ったが、こっちには歌詞がついていないので、やっぱりとっておくことに。残りの盤もぜひリマスター再発して欲しいものです。
VOLO MAGICO N.1 71/LP/ITA/ITA ARISTON ARLP12067, (03)/CD/ITA/ITA BMG 82876544092
*ロッキの初期の代表作ということになろうか。アルベルト・カメリーニやリッキー・ベローニがギターで参加、シンプルながら厚みのあるアコースティックな音を作り出している。おなじみのメロディもさることながら、全体に淡々としたフォークサウンド。ジャケットは観音開きになると宇宙の写真になっていて、また裏面はギターを抱えたロッキの写真で、解説つきの中袋がある。LPは上から取り出す式。
P.S.*紙ジャケリマスターCD化。ジャケットの観音開きとイラストの入った内袋は再現されている(中身の出し入れは横向き)。ロッキの写真のほうがオモテで石壁がウラだったんですね。まあとにかくこれでよい音で聴ける。やはりこの雰囲気はすばらしい。他の盤もぜひ再発してほしい。
LA NORMA DEL CIELO volo magico n.2 72/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VM048, (04)/CD/ITA/ITA BMG 82876 637412
*シタール入りの曲や独特の浮遊感、優しいメロディーと生ギターの甘美な響きから、サイケモノのイメージも確かにあるが、意外に楽曲ごとにメリハリのある、プログレッシブ・フォークロックの傑作ではないか。繰り返し出てくるテーマの切なさがまた胸を打ちます。ファブリのバイオリン、パガーニのフルートなども聞ける。
P.S.*こちらも紙ジャケリマスターCD化。
VADO IN INDIA 72/EP/ITA/ITA ARISTON AR0559
*ヤフオクでお安く手に入れることができた、アルバム未収録のシングル盤。ジャケットは薄い紙だから当然傷んでいたが、盤はまあまあの状態。両面同じ題名で、タイトル通りのゆるゆるのインドに行くぜ的インプロヴィゼーション。生ギターとパーカッションに、淡いヴォーカルで、サイケというにもアッシドというにもあまりにも単調なモノ。
ESSENZA 73/LP/ITA/ITA ARISTON AR12112
*のっけから私の最大の弱点である「子供の声」に直撃されてメロメロ。内ジャケの写真のイメージです。ラストも子供の声で締められては何も言えませんな。でもこれでなぜジャケ裏は足裏健康法のツボ? 電気羊が人間の夢を見ているような、慕わしげで儚げで浮遊感のある美しいメロディは、なぜか遠く聞こえる。ひょろひょろした電子音にもアコースティックな香気がある。全体的にはバッティアート初期作品に近い印象。
IL MIELE DEL PIANETI LE ISOLE LE API 74/LP/ITA/ITA ARISTON AR/LP12135
*ほとんどあきらめかけていたのに、5枚目と6枚目を、たまたま一挙に入手できた。気長に待つものですな。ジャケット画はサイケデリックなものを想像させるが、実験的な音づくりはしているものの曲はむしろ親しみやすいほうだ。バックに Aktuala, Trilok Gurtu, Lucio Fabri が加わったのが効果的で、エスニックな雰囲気に加えてパーカッションやバイオリンがアクセントになっている。前作までに感じられた儚さや危うさはやや後退して、アコースチックで淡々としたメロディに穏やかさや安らぎを感じる。
ROCCHI 75/LP/ITA/ITA ARISTON AR/LP12279
*このLP、数年前に一度、中古店で見かけたものの、格安にもかかわらず手持ちがなくて、出直した時にはもう売れてしまっていて悔しい思いをしていたのだ。そのときより千円高かったのがちょっと痛かったけれど、とにかくこれでロッキ名義の通常版はほぼ揃えることができた。自宅での多重録音やセッションで作られたアルバムで、メンバー的には Rocchi のほか カバーデザインを手がけてきた Manuela(ガールフレンド?)の名前がある。一曲目のセッションには Mino de Martino, Paolo Tofani, Elio d'Anna など従来作でなじみの名前のほか、Franco Battiato(セッション中ちらりとバッティアートの初期作品のメロディが聞こえる)も参加。メロディのないミュージックコンクレート風など、次作につながる実験的な要素が強い作品。
SUONI DI FRONTIERA 75(09)/CD/ITA/DEU DIE SCHACHTEL DS18
*ジャケットはオリジナルではありませんが、三面開きでブックレットつきの、資料的な意味合いでありがたいCD化です。基本的にはギターやエコーにVCS3の電子音がガーガーピコピコ鳴ってるやつで、彼のアルバムとしては、もっとも実験的な一枚といえるでしょう。ごくわずか、メロディのある部分では、彼独特の節回しの断片は味わえます。
A FUOCO 77/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5451, (03)/CD/ITA/DEU EDEL 0151982CRA
*これはかっこいい! 歌モノプログレの一変種として、アヴァンギャルドな作風もあればオーケストラルな編曲もあって、曲毎に新鮮。メロディアスかつリズムのハッキリしたロック、クラシカルなアレンジで感動的なバラッドなどなど、どの曲も音の厚みもしっかりしているので、ストレートに楽しめる名盤である。P. S.03年にリマスターCDで復活。まだ聞いていない人はぜひ。
NON CE N'E' PER NESSUNO 79/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205 452, (03)/CD/ITA/DEU EDEL 0151992CRA
*前作ではオーケストレーションによる広がりのある音作りが特徴だったが、本作では本格的なロックミュージックを、お得意の哀愁味あるメロディに組み合わせて、シンプルなノリのよさに、相変わらずの特徴あるメロディラインと訴えかけるような歌い方がはまっている。彼はこの後、インド世界?にのめりこんでいくようだ。P. S.03年にリマスターCDで復活。まだ聞いていない人はぜひ。
UN GUSTO SUPERIORE 80/LP/ITA/ITA ISKCON KC108003
*クランプスを離れてインド思想にはまっていたころの作品で、パオロ・トファーニとの連名。とはいえほとんどの曲はロッキの生ギターとヴォーカルも哀愁味よりは力強く、トファーニらのタイトな演奏がかみ合って、クランプス時代よりも切れ味の良い上質のイタリアンロックである。ラストはインド風味が出てきて、ハレクリシュナなんて歌っている。
RAS MANDAL REGGAE 80/LP/ITA/ITA ISKCON KC108005
*忘れた頃に見つかる未入手のクラウディオ・ロッキのLP。まだコンプリートは遠い・・・。で、ロッキとレゲエというのが結びつかないのだが、正確にはメンバー6人の連名のアルバムで、リズムはレゲエで歌はロッキの郷愁サイケで、しかもハレクリシュナを歌うという、正体不明のステキな作品。このアルバムを出した後、インドを彷徨っていたとかで足掛け14年間のブランクに入るという意味で、画期的な作品なので非常に気になっていたから、聞けてよかったです。前作と同じインドのグルみたいな人がクレジットされている。歌詞つき内袋と、ハレクリシュナのブックレットが入っている。
CLAUDIO ROCCHI 94/CD/ITA/ITA POLYGRAM 522 883-2
*インド帰り?なのかどうか知らないが、ジャケットのデザインと言い写真の表情と言い、けっこういっちゃってるかも、と思いつつ聴くとこれがなかなかどうして! むしろ一聴するといささかきれいにまとまりすぎている気さえする20年ぶりの Volo Magico vol.3 なのだが、もともと哀愁系メロディ作りのうまさが売りの人、聴き込むうちに、サイケデリックの混沌を突き抜けてより高い精神性にたどり着いた(のかどうか解らんがとにかく)厚みも熱さも十分の作品であることに気づかされるだろう。ルチオ・ファブリがギターその他とプロデュース、ワルテル・カローニがドラムス、ワルテル・マイオリが民族楽器、他にゲスト多数。カメリーニ、トファーニ、フィナルディなどなど豪華ゲストで10分超の1曲目の盛り上がりもすごいが、2曲目のアリーチェとの掛け合いも繊細で美しく鳥肌モノ。最後は名盤ア・フオコを思わせるオーケストレーションで締める。本来の居場所を見つけたような、大満足の復活盤。
I THINK YOU HEARD ME RIGHT 95/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VM055
*もとストーミー・シックスのメンバーだったが、独立してからも坊さんになった?とか、さまざまな顔を見せる不思議な人のようだ。アルバムがたくさんあって、どれを聴いたらいいのか迷ってしまう。これは未公開音源(もっとも古いもので68年、新しいもので93年だが、70年代が多い)を中心に編まれたアンソロジーのようなのだが、サイケデリックでプログレッシヴな音は個性的で、かなり楽しめた。マウロ・パガーニやパオロ・トファーニが参加している曲もある。
VISIONI PRIMA 97/CD/ITA/ITA RICORDI 74321513022
*クラウディオ・ロッキのアルバムは、とにかく手に入りにくくなってしまった。これもベストアルバムなので、聴いたことのない曲は数曲なのだが、そのためだけに買ってしまった。選曲がよいから入門用としてお勧めなのだが、名曲ぞろいのこの盤すらなかなか手に入りにくいと来ている。サイケは一定のブームが続いているのだから、ぜひ再発してほしいと思う。
SULLA SOGLIA 98/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VMCD063
*68年録音のパガーニとの2曲をのぞいて、97年にアンプラグド新バージョンとして録音されたもの。もともと生ギターとパーカッションを多用する音作りが基本の人だから、特にアンプラグドという雰囲気は感じない。というかエレクトリックギターも結構使ってるんですけど。まあそれはそれとして、録音がよくなったせいか、かつての非現実性というかサイケな味わいに加え、しっとりと聴かせる深みがある。2曲目などすごくかっこいい。ジャケットのデザインもよい。
PEDRA MENDALZA 07/DVD/ITA/ITA BTF CRC22231, CD/ITA/ITA BTF CRC22231/2
*実に久々の新作ということになるが、DVDの映像作品が主で、同時発売のCDはサントラであるから、彼の曲だけではない。映像のほうは、いかにも神秘主義者の彼らしい、結局なんだかよくわからない作品でした。ドキュメンタリー風でCG入れて仕上げみたいな感じで、映像的には美しいが、映画として成立する類の作品ではないような。きれいなお姉さんがあやしいお姉さんや変なおじさんたちと謎の文書をたどってパワースポットみたいなところを回る。途中長々とおばさま人類学者の講釈が入っている。んでちょっとなんだかエロティックな感じで終わる、と。要するに何だったのかだれか教えてください。音のほうはサントラなのでいろいろだが、Tofani や Maioli といったおなじみのメンツも加わって、全般的には映像同様サイケデリックな感じで、生ギターで歌が入ると、ああクラウディオロッキだなあと安心したりする。ということはつまり、映像的にも音楽的にもあまり2007年的ではない。
IN ALTO 11/CD/ITA/ITA CRAMPS CRSCD0211
*前作がサウンドトラックだったので、フルアルバムとしては98年以来ということになるかと思う。10年以上の時を隔てて、まずこの儚く寂しげな歌の響きがそのままであることに感動する。気だるいまどろみと不安を掻き立てるようなあやふやな悪夢が寄せては返すような曲想は健在である。
vdb23 / nulla e andato perso 14/CD/ITA/EU WARNER ALABIANCA AKR 128554112-2
*Gianni maroccolo e Claudio Rocchi名義。一昨年亡くなったClaudio Rocchi、最近知ったのが Psych-out というサイケ専門レーベルから、数枚の発掘音源が出ていたこと。残念ながら限定版LPが多く、"Concerti 1973/4/5" はLP二枚組のボリューム、クランプスでお蔵入りになっていたという"Mirrage"なんてLPと77年の映像のDVD付いてたり、と、手に入れられなかったのが悔しい思いである。しかしせめてもの救いは、遺作になると思われる本作が、40ページほどの綴じ込みブックレット付きの上質な装丁でCDリリースされたことである。GIANNI MAROCCOLOという人が主として作曲、ロッキの作詞という形態が多いが、CHRISTINA DONA, FRANCO BATTIATO(!), PIERO PERU などが歌で参加している作品や、渡辺岳夫のキャンディキャンディの挿入歌(元歌を知らないのでそう言われても良く分からない)まである。作曲がロッキではなくても、また曲ごとにユニークであるのに、不思議に思えるほど聴きなじんできた哀愁と空気感に満ちている。収録時間も長くて、じんわりとRocchiの霊と交信している気になれてお得(なんたってRocchiだからね、その辺にいそう)。
CLEARLIGHT
LES CONTES DU SINGE FOU LP/FRA/FRA RCA ISA9009
CLEARLIGHT SYMPHONY
FOREVER BLOWING BUBBLES LP/FRA/JPN VICTOR VIP4051
-->"V"
COLLEGIUM MUSICUM ( MARIAN VARGA & )
s/t 75/CD/SLOVAKIA/SLOVAKIA OPUS 9356 0446
*95年デジタルリマスター盤。解説もついているが、もちろん言葉がまったく分からないのでお手上げ。スロヴァキアのELPと言ったところか。拍手が入るがそんなにライブっぽくなくて、端整な演奏。オルガン中心だがバンドの演奏力もなかなかで、クラシック曲を取り上げたり、ジャズっぽいアレンジをしたり、変化があってそこそこ楽しめる。
COMPANYIA ELECTRICA DHARMA
ORDINARIES AVENTURES LP/SPA/SPA EDIGSA UM2051
TRAMUNTANA LP/SPA/SPA EDIGSA UM2039
*スペインのエスニック・ジャズ・ロック(とでも言いましょうか・・・)。グループ名のイメージとは違って、軽快でユーモラスなところもあって、好きです。
L'ANGEL DE LA DANSA 78/CD/SPA/SPA PDI 80.1248
*ジャケ写のせいか、もっともよく知られていたアルバム。彼らの盤を聴くときには、怪しげなバンド名や、ソプラノサックスのひょうきんな響きにごまかされてはいけない。アンサンブルの絶妙さに引き込まれると、このバンドの実力の凄さ、構成の見事さに驚くだろう。
FIBRES DEL COR 89/CD/SPA/SPA PDI 80.1789
*バンド名が短くなっている(ELECTRICA DHARMA)この時期は、曲もポップなものが多いのだが、とにかく活動を続けていること自体がまず凄い。スペインでは人気があるのだろうか。管楽器のひょうきんさにそこはかとなく込められた哀愁味のダルマ節も効かせて、彼らにしか作れない作品である。最後のナンバーなどは往年のファンも納得するのでは。
SONADA! 00/CD/SPA/SPA MONDICOR 20152
*まず聴いてうれしくなってしまった。技術的には洗練されているし、80〜90年代にどんな作品を出していたのか知らないのだが、70年代の作品とポリシーが何も変わっていない。つまり、お祭り音楽そのままだ。オリジナルメンバーが一人だけなどといった再結成?モノとは違って、FORTNEY 兄弟の結束は固いようだ。極めつけは "TRAMUNTANA 77/00"! 痛快!
COMUS
FIRST UTTERANCE 70,71(98)/LP+12EP/GBR/ITA GETBACK GET541
*これはイタリアで出された、ファーストアルバムと、シングルの二枚組み再発盤。特段歌は上手いということもなく、特に女声の線の細さが私の好みではないのだが、ギターやバイオリンまで危さを強調していて、またメロディもいかにもフォーク風だと思っていると奇妙な日本趣味が顔を覗かせたりで、このバランスが取れているのかいないのか分からない怪しさというか油断ならなさは唯一無二だ。昔、ヴァージンから出たアルバムを聴いて、なんだか腑抜けたフォークロックみたいに聴こえてすぐに売り払ってしまったのだが、案外聴きこめば魅力があったのかもしれない。
CONFLUENCE
4 VOYAGES LP/FRA/FRA RCA FPLI0132
LA CONFRERIE DES FOUS
LA CONFRERIE DES FOUS 79(14)/CD/FRA/DEU ORIGINAL MUSIC RECORDS OM71070
*79年にBALLON NOIRから唯一のアルバムを出したという、フレンチトラッドグループ。ドイツ?のレーベルからまさかの再発。音楽と芝居を組み合わせた、楽しいパフォーマンスを8人組で多様な楽器で表現している。バイオリン・ビオラ・チェロにハーディガーディという擦弦楽器と、多人数のヴォーカルがあいまって、音だけ聞いていてもたいそう賑やか。トラッドにつながるというよりは中世的な仮面劇のラインで捉えると、そういうバンドがたくさんあったのもこの時期のフレンチミュージックシーンだったのかも。さぞかしシアトリカルなライブが展開したのだろうと想像される。
CONGRESO
PAJAROS DE ARCILLA 84/CD/CHL/CHL MUSICA & CULTURA 555
*ついに足を踏み入れてしまいました、南米の地。以前サグラド辺りを聞いて、まあちょっと趣味とは違うなと退却していましたが、「チリのサムラ」という謳い文句につられ、しかも実質的な2in1のおトクさも加わって・・・。本編は84年発表の6枚目だかのアルバム、追加で78年変名で発表したというミサ曲をまるごと(ったって28分あまりだけど)収録。本編の音は確かにサムラに通じるものはある。フルートやサックス、チェロが入っていて、カッチリしていてテクニカルなんだけど、妙に力の抜けたようなところもあって余裕を感じさせる。音的にはサムラというよりはピッキオじゃないかな。ミサ曲のほうはロックオペラ風の雰囲気で、というと私は苦手な口なのだが、ただ大仰に聞こえがちな英米系のその手のものとは違って、楽器使いやコード進行にクセがあって、ちょっと聴いたことのない、南米といわれれば「あ、そうかな?」という(ってどんなんだか)厚手のぬくもりがよい。前半と後半で明らかに雰囲気が違って、一枚で二度おいしい。
CONQUEROR
STEMS 14/CD/ITA/ITA/MARACASH records MRC040CD
*何がきっかけで聞こうと思ったのか忘れてしまったのだが、最近あまりCDを買わなくなって、盤選びの感覚が鈍っているかもしれない。出だしで、こりゃだめかな、と思った。ゆるゆるである。Vo.&Keyの女性が中心の4ピースバンドとなると、構成がベーシックな分、テクニカルであるとかアンサンブルに緊張感があるとか、そういったものがほしいと思ってしまう。長い曲の大仰さも70年代オマージュ的なのだろうか。声質も艶がないので物足りないが、"Un'altra Realta" や "Sole Al Buio" といった曲は、シンプルな歌モノとして聞くと悪くない。ただインストのパートになると途端につまらなくなるのだが。・・・あーまた偉そうに書いてしまった。こういうのを聞いて、こういうことを書いていると、自分はいったい何を音楽鑑賞に求めているのかが分からなくなる。たぶん、もうちょっと刺激がほしいのでしょう。すみません。
CONSORZIO SUONATORI INDIPENDENTI ---> C. S. I.
CORDE OBLIQUE
VOLONTA' D'ARTE 07/CD/ITA/FRA PRIKOSNOVENIE PRIK108
*生ギターとバイオリンの音が特に美しいアコースチックなバンドに、複数の女性ヴォーカルを聞かせる地中海トラッド。これが2枚目らしい。インスト曲もあってトータルな構成がとられているようだが、アレンジも音質もきわめて完成度が高い。トラッドに土臭さを求めるとすればちょっと洗練されすぎている感じではあるが。
COROU DE BERRA
MASCHI, FEMMINE & CANTANTI 05/CD/FRA/EU FORREST HILL 9788888978093
*LI TROUBAIRES DE COUMBOSCURO と同様、フランスのイタリア寄りの地域で独自の文化を持つCoumboscuroの音楽を演奏するバンドで、私は聞いたことはないのだが、これまでにもアルプス地方の音楽を紹介してきたらしい。このアルバムでは、ファブリツィオ・デ・アンドレの曲を取り上げて、美しくもたくましいコーラスを聞かせる。LI TROUBAIRES DE COUMBOSCURO のアルバムにもデ・アンドレは参加していたし、民衆音楽を紹介した彼の功績は大きい。弦楽をメインにしたバックのクラシカルな響きと、民族系のコーラスは、ANDHIRAの傑作によく似ている。
CORRADO RUSTICI
AHAM 16/CD/ITA/EU SONY 88985341882
*一聴して、まずは70年代のイタリアのプログレをさらに研ぎ澄ましたような曲の素晴らしさに感動するのだが、その音作りの良質さに気づいてスリーブの解説を読むと、驚きのコメントがそこにあった。「シンセ、サンプラー、電子楽器は一切使っていない」。ボーカルと手拍子以外は、すべては6年がかりの研究でルスティチがギターで作り出したというのだ。それを知って例えば一曲目を聴き直せば、これサックスじゃなかったのか!というような驚きと感動を味わい直せる。とにかく凄いのは、ほぼすべてをギターでやっていますというとややイロモノを予想すると思うのだが、知らずに聞くと良質のプログレバンドの作品にしか聞こえないところである。伝説的名盤になるであろう。
CORTE DEI MIRACOLI
CORTE DEI MIRACOLI 76/LP/ITA/ITA GROG GRL04
*これも人気のあるアルバム。もろイタリアらしい盛り上がりにリバーブかけすぎのサウンドがちょっと安っぽい感じはするが、プログレな音のわりにはポップで、歌いやすい感じはよいかも。
CORTEX
TROUPEAU BLEU 75/CD/FRA/FRA DARE DARE DDCD005
*カンタベリー風にフレンチの洒落っ気をトッピングしたジャズロック。曲によってはもろにハットフィールドあたりを思い出してしまうものもアリ。はっきりした女声ヴォーカルにエレピやサックスの絡みが軽快で、実に聴き心地がよい。
COS
POSTAEOLIAN TRAIN ROBBERY 74/CD/BEL/FRA MUSEA FGBG4028.AR
*ようやく幻の?ファーストアルバムが手に入ってうれしい。この再発盤は、オリジナルからシェルの意向で一曲除いて、COS の前身 CLASSROOM のトラックを四曲加えたもので、詳しい解説も付いている。全曲シェルの作品で、軽快だが一癖あるジャズ・ロック風の演奏に、パスカルのやや鋭角的な高音のヴォーカルがのる。結局、この頃から COS のスタイルは完成していたのだ。
VIVA BOMA 76/CD/BEL/FRA MUSEA FGBG4159.AR
*これはセカンドアルバムらしいです。ジャケット写真だけはずっと記憶に残りながら手に入らず、悔しい思いをしていたが、ムゼアから再発CDが出てようやく聴くことができた。LP未収録のデモ曲など4曲がおまけ。続く3枚よりもわりとハードでシリアスな印象。演奏は(いい意味で)力が入っていて、水準が高い。これを聴くと、続く3枚の、どんどん(いい意味で)力が抜けていきながら突き抜けていく様子に合点がいく。
BABEL 78/LP/BEL/DEU GBD 0056081719
SWISS CHALET 79/LP/BEL/DEU GBD 0057081718, (14)/CD/BEL/FRA MUSEA FBBG4551
*これでCOSのLPはすべてCDになった。このCD版は、ボーナスが入っているだけではなくて、LPの時より収録時間が長い曲がある。特に"Wagon"など4分弱だったのが6分もある。聴き比べてみると、この曲は最後にエコーをかけて繰り返しを断ち切るような終わり方をするのだけれど、そのエンディングまでの繰り返しが長いようである。"Achtung TV-Watchers"は4分だったものが5分あるが、こちらはエンディングのインストに入るまでがほぼ1分長い。けっこう謎だ。LPとCDでは音質が違うので確かなことは言えないが、長さが違うのだからリミックスには違いないが、"Pasiones"のように明らかに別テイクというほどの違いは感じなかったので、違和感なく楽しめた。ボーナスの3曲はいずれも未聴のライブ音源でもあり、手放しでうれしいCD化である。
PASIONES 82/LP/BEL/DEU GBD 0038081804, (05)/BEL/FRA MUSEA FGBG4552.AR
*唐突にCD化されたCOSのフルアルバムとしては最終作の傑作。スペイン内戦をテーマにしたコンセプトもので、シアトリカルな展開に余裕で飛ばしまくるリズムセクション、ユーモラスでシニカルな演奏と歌が絶妙。この名作がよい音質で楽しめる上に、84年ツールーズでの、音のよいライブ音源が7曲分も入っていて、さらにリハーサル一曲、 "HOTEL ATLANTIC" から2曲と、合計ボーナス10曲の大盤振る舞い。いままでまったく入手できなかったので勧めにくかったが、これで胸張って言える、「黙って買って聞け!」と。しかし・・・、このCD版は、なんとワタシの大好きな "FRAU Y MANN" が別テイクか少なくともかなりリミックスされているようで、なんだか聞きなれないのと、最後の最後に余韻がブチ切れるという悲惨さ。自分で短めのリバーブつけたくなっちゃいますよまったく。なぜこの曲だけ、極端に違うのだろうか。
HOTEL ATLANTIC 83/12EP/BEL/DEU GBD 601815
*タイトル曲は(たぶん)アルバム未収録で、とぼけた味(ドゥワップ・テクノって感じ?)なかなか面白い。ただしアルバムと別バージョンの曲は、アルバムより演奏が薄くてもの足りない感じがする。
LA COSCIENZA DI ZERO
SENSITIVITA 13/CD/ITA/ITA ARTROCK FAD010
*70年代プログレファンにはたまらないでしょう・・・という作品。ツインキーボードの6人組に、ゲストでフルートやバイオリンも入り、大仰なアレンジやボーカル、ややもっさりしたドラムス。クレジットを見ると、アナログシンセ、メロトロン、ソリーナとあるから、もうヴィンテージプログレ確信犯である。このバンドを70年代に聞いたら、確かにいたプログの傑作として聞いていたと思うのだが、今聴いてそこまで感動しないのは、一つにはどの曲も基本的にテンポがゆるいのと、どうしてもそういう、狙って作られた感がしてしまうからかもしれない。誤解だったら申し訳ないのだが。
COSES
PERQUE NO S'APAGUI L'AIRE 78(05)/CD/SPA/SPA FONOMUSIC 5046770812
*リマスター・デジパック。このシリーズ、まったく知らなかったバンドもあって感動的なのだが、このバンドの音もなんともユニークなものだ。出だしはカンパニア・エレクトリカ・ダルマを思い出させるが、アンジュのようなシアトリカルなヴォーカルもある。ずばりカタルーニャなんて曲もあるくらいだから、政治的主張もあるのだろうし、ドラマティックな展開からトータルコンセプトも感じさせる。6人組でスケールも大きく、コーラスワークやアレンジなどは本格的。ラストは13分以上の大作で締める。
COSTE APETREA --->SAMLA MAMMAS MANNA Special
COTO-EN-PEL
HOLOCAUST 78/CD/SPA/USA LASER'S EDGE - MARQUEE LE1006/MARQUEE9118
*スペインのクリムゾンとも言われるが、そればかりでもなく、アコースティックな響きで往年のイタリアンプログレを思わせるところもあるし、怪しい雰囲気で初期ヴァンゲリスの呪術性すら思い出してしまうところもあった。それだけ個性が強いと思う。演奏は地味だが非常にキッチリしている。いかにもスペインというところはほとんどない。暗さというよりは静謐さがかえって不気味な印象をもたらす。
CRACK
SI TODO HICIERA CRACK 79/CD/SPA/JPN KING KICP79
*このアルバム一枚のみを残して消えたスペインプログレ伝説のバンド。テクニカルな演奏にフルートとキーボードの美しい一曲目が実に素晴らしい。全体に漂うイエスの海洋地形学あたりの影響と、ヴォーカルがいくらかやわなあたりが気にはなるが、テクニックと叙情性を兼ね備えた典型的なプログレ名盤の一枚と言える。
CRISTIANO DE ANDRE --> De Andre Special
CURLEW
FABULOUS DROP 98/CD/USA/USA CUNEIFORM RUNE105
*ツインギター、サックス、ベース、ドラムスの五人組。ニューヨークのアヴァンジャズロック系では良く知られたバンドらしい。ギターとサックスが金切り声をあげ、ドラムスとベースが刻むリズムはねちっこく、醸し出される痙攣するドライブ感が強烈に気持ち良い。
CYBOTRON
IMPLOSION 80(05)/CD/AUS/AUS AZTEC AVSCD008
*懐かしい名前を見つけて、格安だったのでつい購入。オーストラリアのエレクトロニックで、たしかコブラかどこからか、バンド名義の第一作が出ていたのを、ヘンなネコとロバみたいな絵だったので記憶していた。これはサードアルバムにボーナスつけての再発盤。ピーターガンなんかもやってる。ドラムやベースも入っているが、とにかく基本的にあまり巧くない(笑)のだが、全体的な土臭さみたいなものが、ヨーロッパのこの手の作品とは一線を画しているような気がする。アナログシンセの音を懐かしむのにたまに聴きたくなりそうな一枚。3面開きデジパック、詳細な解説ブックレットつき。

ページの先頭へ

copyright 1996-2016 rim-mei