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Chinese pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 
GABRIEL YACOUB
TRAD. ARR. 78/CD/FRA/CAN GREEN LINNET GLCD3038
*タイトル通りのトラッドものだが、マリコルヌのリーダーによるこのソロは、アコースティックな音に徹しているところが魅力。78年というとマリコルヌの方はエレクトリックな音やロックテイストが高まっていった時期だから、このようなソロの存在と対比させるのも興味深い。歌詞は英訳付きでありがたい。
ELEMENTARY LEBEL OF FAITH 87/CD/FRA/FRA PIAS BP3185
*IVAN LANTOS, NIKKI MATHESON との3人組のユニットに、ゲストが加わる。アランスティヴェールも一曲参加。とにかくこの声がマリコルヌのまま、曲やアレンジがプログレッシブだったりエスニックだったりするので、特に初期のマリコルヌに親しんだ耳にはなんとも不思議に聞こえる。トラディショナル・プログレッシブ・ポップスというのはどうだろうか。
QUATRE 94/CD/FRA/FRA PIAS BP3182
*曲想は確かにいつもの YACOUB なのだが、多彩なバックを迎えて、変化に富む作品に仕上げたこのアルバムは、トラッドのマリコルヌのイメージを超えた、プログレッシブなポップスになっていると思う。ジャケットデザインもテクニカルで秀逸。
TRI 99/CD/FRA/FRA BOUCHERIE BP3187
*コンピレーションもので、"TRAD. ARR." から "QUATRE" まで5枚のアルバムからの曲に、他のアンソロジーに入っていた曲一曲を加えて16曲、幅広く選曲されている。アレンジにそれぞれの特徴があって、アコースティックなトラッド、弦楽をバックにしっとりと歌う曲、リズムを強調したロックよりの曲まで、いろいろ楽しめる。
YACOUB 01/CD/FRA/FRA CELLULOID-MELODIE 67030-2
*スリーブも顔のアップのみ、タイトルも名前だけ。このシンプルさには何らかの決意めいたものがあるのかもしれない。基本的にはこれまでのソロ作の延長上にあって、素朴なヴォーカルにちょっと物憂い曲想は相変わらずなのだが、バックには多彩なミュージシャンをそろえ、さまざまな音楽的要素が取り入れられている。
GALADRIEL
MUTTERED PROMISES FROM AN AGELESS POND 88/LP/SPA/SPA DAGA LP0005
*一言で言えば、スペインのイエス。編成も5人で、ボーカルはうちの奥さんが「この女の人、きれいな声だね」と言ったほどで、ジョン・アンダーソン風の美声。名前がヘスス(ジーザスだから日本ならイエスねつまり)というのは関係ないですが。みんな演奏は巧いし、アンサンブルも決まっていて、加えてメロディーにそこはかとなく哀愁があって美しいので、単なる亜流バンドとして片付けるのはもったいない。これはファーストアルバムらしい。CD は MUSEA から出ていて、新譜も続いていて、さらに変化に富んだものになっているらしい。
GARMARNA ---> GARMARNA / HEDNINGARNA Special
GARYBALDI ---> BAMBI FOSSATI & GARYBALDI
GATTO MARTE
DANAE 97/CD/ITA/ITA GM1
*おそらく自主レーベルから出されたデビュー作。ピアノ、パーカッション、バスーン、バイオリンにゲストが加わる。クラシカルなフレーズからロックやアヴァンギャルド風の展開を見せるような流れが心地よい。ドラムスが入るので、わりとリズムがはっきりしていて、この手のチェンバー系としてはロックファンにも聞きやすいほうかもしれないが、それにしても「××に似ている」と言い難いオリジナリティがある。
GIOCO DEL MAGO ??/CD/ITA/ITA LIZARD CD0016
*バスーン、バイオリン、ピアノ、ダブルベースの四人による不思議なチェンバー系。デビュー作と違ってドラムスがベースに入れ替わった分、ロック色はさらに薄れた。クラシックにもアヴァンギャルドにもノスタルジーにも傾ききらない、微妙なポジションにあるように感じる。JULVERNE がお好きな方には問題なく好まれるでしょう。
GAZPACHO
MARCH OF GHOSTS 12/CD/NOR/DEU SNAPPER MUSIC KSCOPE205
GENS
GENS 74(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527475612
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.8" 所収の一枚。有名なラブロックのバンドだが、聴いたのは初めて。明るくからっとしたメロディと歌声で、ストリングスがぐっと盛り上げるあたりとか、裏声で甘〜く歌い上げるあたりとか、まさに70年代のやり口だが、耳当たりがよくすっきりしている。超希少なシングル3枚6曲のボーナス入りで、これがオケの代わりにメロトロン使っているので、かえって珍重されているというのも、面白い。バッドフィンガーのウィズアウトユー懐かしい。二ルソンそっくりの歌い方だ。
GENTLE GIANT
GENTLE GIANT 70(00)CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9028
*紙ジャケリマスター再発、GGのデビューアルバム。いかにもブリティッシュな重厚さと、意表をつくドラマティックな展開が普通ではない。偏屈さというか暗さが先に立っているので、テクニカルなところが一聴しただけでは際立たない分、かえってジャンルにこだわらず聴いているうちにはまるのかもしれない。それにしても、以前は気が付かなかったのだが、今聴きかえしてみて、アレア、PFM、マクソフォーネなどの、あの時代のイタプログに与えた影響の大きさを感じずにはいられない。アレアツィオーネがこのオチをパロったわけではなかろうが。
ACQUIRING THE TASTE 71(05)/CD/GBR/JPN UNIVERSAL UICY-9688
*タイトル曲あたりを聞くと、あああのイタリアの某有名バンドはまんまこれか、と気づかされます。それほどまでに、当時のヨーロッパのバンドに与えた衝撃は大きかったのでしょう。あまりにも鮮やかに複雑な楽曲を編み上げてしまう技には唸らされっぱなしです。
THREE FRIENDS 72(05)/CD/GBR/JPN UNIVERSAL UICY-9689
*3枚目のアルバム。3人の友達が大人になって別々の道を歩んで遠ざかってしまうというコンセプトアルバム。歌詞はわかりやすいのだが、複雑で緻密なアンサンブルがとにかく聴きモノ。これだけテクニカルなのにこれ見よがしの盛り上がりというかハッタリをあえて持ち込まないあたりが、今ひとつ目立った存在にならなかった理由でもあるのでしょうが、しかしまさにそれこそがGGらしさでしょう。このアルバムでも某PFMのソコやココのもとが聴けます。あ、イエスのアソコもなんか聞こえたような・・・。
OCTOPUS 72(00)CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9029
*GGの4作目。音も演奏も洗練されながら端整で重厚な味わいが増していて、気品と迫力が相俟って高まっている名盤。このアルバムを聴くと、PFMの「幻の映像」を思い出す。緊張感と叙情性が両立する作品というのは、プログレの世界でも案外少なくて、その意味ではオクトパスは30年近く経った今でもなお、私にとっては確実に十指に入る傑作である。
IN A GLASS HOUSE 73(00)/CD/GBR/GBR? alu-gg-02
*ガラスの割れる音で有名な?ジェントル・ジャイアントの5作目のアルバム。ファンクラブが企画したというこの再発CDは、紙製特殊ジャケットを再現、迫力のライブ2トラックがボーナス(アルバムを再体験できるランナウェイ/エクスペリエンスとインナグラスハウスという選曲も心憎い、74・76年ドイツでの録音)、リマスターで歌詞つきと至れり尽せり。実は私はGGのレコードは持っていなかったので、聴いたのは実に久しぶりのことになるのだが、今でもぜんぜん古びていない、ユニークな発想と複雑なアンサンブルを圧倒的に楽しんでしまった。GGというと変拍子とよく言われるが、作曲作法がクラシカルなので、結果的にそうなっているだけである。裏返していえば、かつてプログレジャンルでよく言われたクラシックとロックの融合などというくだらないものではなく、必然的にアンサンブルが重視された作品を高度なロックミュージックの技法で演奏しているということである。ブリティッシュプログレの大御所の中では、圧倒的に高貴なバンドだと私は思っている。初めてGG聴くという人にもお勧め。
FREE HAND 75(05)/CD/GBR/USA DRT RTE00350
*35周年記念リマスター盤が続々と出るので、この機会にぜひすべて聴いてみたいと思うのだが、なかなか・・・。とりあえずこの一枚。7枚目の本作は、複雑なポリリズム、コーラスワーク、高度な演奏力が相俟って、なんとも奇抜なのに聞き心地のよい傑作になっている。GGをもっと早くから聞いていれば、イタプログのあれやこれやが彼らの影響下にあったことに気づいていただろう。それぐらい、アイデアの塊のようなアルバムだ。
THE OFFICIAL LIVE - PLAYING THE FOOL 76/2LP/GBR/GBR ESSENTIAL ESSLP006
*これはかっこいいですね! テクニカルでありながら(しかもMCはけっこう明るかったりするのに)重く暗いこの雰囲気は、ブリティッシュならでは。すべての楽器の演奏力がすごい。スタジオ盤そのままの緻密さに熱気がプラス、このライブから入っても十分GGが分かる。
GERALDO CARDINALE
UN LUNGO CAMMINO CD/ITA/JPN KING KICP35
*この人のことはよく知らないが、いろいろな笛を演奏している。いわゆる地中海音楽というよりは、マイク・オールドフィールドやフランコ・バッティアート、ペペ・マイナやピッキオ・ダル・ポッツォなどに通じるものがある。
GHOULIES
DOGGED BY DOGMA LP/GBR/GBR LOUNGING LA01
*デイヴ・スチュアート、ピップ・パイルら参加。でもなんだかよく分からないアルバム。
GIANFRANCO MANFREDI
MA NON E' UNA MALATTIA 76(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592512
*Ricky Gianco や PFM にも詞を書いているくらいで、歌には何かテーマ性もあるようだし、最初のほうはなんとなく軽快な伴奏にシニカルな雰囲気でしゃがれた声をはりあげているのだが、"Puoi Sentirmi?" なんてソリーナ風のバックにしんみりと歌い上げたりするあたりから、70年代イタプログの流れとも合流しそうな、個性豊かなカンタウトーレのアルバムだったのだと気づく。ぜひ後半までじっくり聞いてください。
ZOMBIE DI TUTTO IL MONDO UNITEVI 77(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592972
*BMG "GLI INDIMENTICABILI" シリーズ。ジャケットの絵は一見、またまた CESARE MONTI か・・・と思ったが違った(^^;。これは何か社会風刺的なコンセプトの作品だったのだろうか。作詞は本人ですが、作曲はCLAUDIO DANTES, RICKY GIANCO, CLAUDIO FABI, ROBERTO COLOMBO, GIULIANO ILLIANI, バックには JULIUS FARMER, CLAUDIO BAZZARI, TONI ESPOSITO, LUCIO FABBRI, MAURO PAGANI, CLAUDIO PASCOLI, GIANNA NANNINI(!)などなど、これって、凄くないですか? ラブソングうたっても大丈夫なしっとりした声で、曲も演奏も良いから、歌詞が重要かもしれないけど分かりませんが、それでもなお充実の作品。
UNIVERSITA DELLA CANZONETTA 82(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592822
*これはたぶんQディスクの再発盤。明るいコーラスやはねるリズムの4曲。この作品だけ聞くとうーんいい曲だけどちょっと変わってる?くらいで終わりそうだけれど、ほかのアルバムとの流れで聞くと納得の小品というところか。
GIANLUIGI DI FRANCO
GIANLUIGI DI FRANCO 90/CD/ITA/JPNN KING KICP42
*かつて地中海音楽コレクションで日本盤になっていたのに、聞き漏らしていた。いやこれは何とも、すばらしい出来だ。もとチェルヴェッロのヴォーカリスト、といってもこれはまったくプログレではない。一旦はミュージシャンの道をあきらめ、音楽療法士(!)として働いていた彼が、再びヴォーカリストとして作り上げた作品。コラード・ルスティチがアレンジ・プロデュースを買って出て、ギターで参加している。バックの充実した演奏と、地中海の香り十分ながらも洗練された聞きやすさで、音楽療法士だけあって、これが実に心休まる音楽に仕上がっているというのは、思い込みだろうか。
GIANNA NANNINI
UNA RADURA... 77(03)/CD/ITA/ITA BMG 74321987532
*うれしいリマスター再発。後の作品に負けず劣らずの傑作。最初に味も技もあるバック陣を紹介してしまうと、ドラムスがディチョッチョ、デピスコポ、カッローニ。ベースにジヴァス、カレロら。キーボードにはプレモリやらクラウディオファビ。サックスのパスコリなどなど。このPFM人脈を従えて、強烈な声量ある嗄れ声でガンガン、あるいはおそらく自分のピアノをバックに切々と歌い上げるオリジナル曲の数々の出来もなかなか。ジャジーな曲になると、さすがにバックも聞き応え十分だし、一枚で二度三度おいしい。
CALIFORNIA 80/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6501
*このアルバムがいわば出世作になるらしい。渡米から帰国後のヒット作。単独で3曲、パオロッツィとの共作が3曲、そして「ミーアンドボビーマギー」もなかなか! そう言えばジョプリンも嗄れ声だが、もちろん仕上がりはそれぞれだ。タイトル曲は8分を超える大作で、長いインストもそこそこ聴かせると思ったら、ワルテルカローニ、ステファノプルガ、クラウディオパスコーリ等々というメンバー。前向きな明るさが爽快な作品。
G. N. 81/CD/ITA/EC RICORDI 74321 29771 2
*プロデュースはなんとカッチャパッリャ。ジャンナの声はやはり凄みがあるが、ロックの迫力と、おそらくジャンナの持ち味にカッチャパッリャの緻密なプロデュースが相俟って、きわどいバランスが成り立っている。そういうギリギリさが快感となる傑作の一つである。
LATIN LOVER 82/LP/ITA/ITA RICORDI SMRL6297
*コニー・プランク、ヤキ・リーベツァイトというカン周辺人脈がバックを固め、それでいてマウロ・パガーニも参加という、なんと言ってよいのか分からない不思議なコンセプト。基本的には非常にロックンロールなジャンナと、なんだかノリが合ってないような感じなのだが、それがあえて出されたジャーマンっぽさかもしれないし・・・。音的に面白いことは確かで、加えてジャンナの声の個性があまりに強いので、バックと溶け合うというよりは戦っているような雰囲気を、魅力と感じるかどうかで評価は変わる。「ヨーロッパの少年」はヨーロッパ各国でヒットしたそうだが、バイオリンが泣きまくるドラマティックな名曲である。
MALAFEMMINA 88/CD/ITA/GER POLYDOR 837097-2
*いつもながらのかすれ声でロックを歌う。共作を含めば全曲作詞作曲もジャンナである。ただ、その分、ことばのわからない私などには、やや一本調子にきこえることも。
SCANDALO 90/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL 6425
*三曲目にコラージュされている子どもの歌("Giro giro tondo 〜"ってやつ)、アレアのアルバムでも使われていたが、イタリアではおなじみの歌なのだろうか。ベテランのロックシンガー、ジャンナの、歌の迫力も十分ながら、曲やアレンジも、時折プログレッシブだったり地中海風だったり、凝りに凝っていて、すごくかっこいい。バックにはNCCPのメンバーも。
-->NCCP
X FORZA E X AMORE 93/CD/ITA/ITA RICORDI TCDGN 6463
*スリーブの姉御の写真が凄くかっこよいので是非見てください。今回もバックはコレまでの人脈に、ジョヴァノッティやサイモンフィリップスまで。演奏がこなれていて曲の完成度が高い感じでいいアルバムです。
DISPETTO 95/CD/ITA/ITA POLYGRAM 527 174-2
*このタイトルに加えて舌を出した写真のジャケットなのだけど、その表情が妙に無防備なので、何かしら居心地の悪さのようなものを感じてしまう。相変わらずのかすれ声だが、鼻にかかった感じが強くなっていて、ちょっとした脱力感もある。そこにはジャンナの肩の力が抜けたというよりは、まだまだ表現の幅には余裕があるのだ、という挑発のようなものを感じるのだが。
BOMBOLONI 96/CD/ITA/GER POLYGRAM 533 181-2
*ベスト盤だが、新曲3曲にライブからの選曲やボーナストラックもあって、聴き応え十分。「アメリカ」や「ラテンラバー」が入っていて、「カリフォルニア」や「ヨーロッパの少年」が入っていないというのは、実は私は後二曲がかなり好きなのだが、ナンニーニを知るためには正しい選曲だと思う。黄色と銀色を基調にしてボンボローニのレシピまでついたアートワークも最高にかっこいい。表紙の愛らしい少年も、ボンボローニを食べ続けると1ページ(カウントダウンになっている)の兄ちゃんのようになってしまうのですね。爆弾姐御ナンニーニ最初の一枚にぜひ。
ARIA 02/CD/ITA/EU POLYDOR 589 765-2
*ジャリジャリにノイズなテクノをバックに、姉御がギリギリと歌いまくる。溶け合っているというかうまく混ざり合っているといえばそうなのだが、せっかく痛いトゲのある声なのにエフェクトかけすぎでノイズに混ぜ込んでしまうのはもったいなくはないか。ヴォコーダー風のグリッサンドなんかかけちゃうやつ(何と言うのか分からないが、シェール以来?やたら使われるヤツね)まで・・・。まあそれでもやはり、もとの声が声だから、存在感は相変わらずなんですが。パガーニがマンドリンとフルートで参加しているが、パガーニ買いをするほどではない。
PERLE 04/SACD/ITA/EU POLYDOR 9815677
*スリーブのクロッキーのような似顔絵にドット文字、ケースには赤い半透明のシールが(ちょっと斜めに)貼ってあって、角の丸いケース入り(SACDだから?)。これで全体のデザインが決まっていてかっこいい。再録ものが多いので見くびっていたらとんでもない、前作同様だいぶ音はいじってあるのだが、がさついた声がローファイでより生っぽく聞こえて、ピアノ主体の淡々とした伴奏にぐっと引き立つ仕掛けだ。名曲「ヨーロッパの少年」や「カリフォルニア」のアレンジは、元の曲をまったく新しくよみがえらせたというべきだ。打ち込みのリズムに始まる「ラテンラバー」の壊れかけた盛り上がりもすばらしく怪しい。私は "ARIA" よりはかなり気に入った。でも、・・・まさか、マドンナの "AMERICAN LIFE" のセンを狙ったってわけじゃあ・・・。SACDプレーヤで聴いてみたいものです。
PIA 07/CD/ITA/ITA POLYDOR 1732214
*前作をさらに超えて彼女の声質の魅力を表現しきった、傑作というべきアルバム。楽曲のアレンジも多彩で、美しいストリングスとコーラスに絡めた3曲目、不思議なサンプリングとラップの6曲目など、先の展開が見えない多彩さ。
GIANNI BONFIGLIO
LUCI SPENTE A TESTACCIO 79(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527487212
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.8" 所収の一枚。このシリーズ、だんだんマニアックな選択になって、オケ入り歌モノがいくつもあって続けて聴いていると、どれがどれだかわからなくなってきた。でも確かに、どれも完成度高いのですよねえ。さて、これもその一枚。明るく爽やかな曲調が多く、声質はやや乾いた感じで、歌い上げよりは語り調もあってカンタウトーレ寄りの雰囲気。ストリングスのアレンジは必ずしも洗練された方ではないが、サックスやクラリネット、オーボエやトランペットなどがカウンターパートを奏でたりするのが印象的。そこがけっこう個性になっているかもしれない。しかし最後の曲はなんか唐突にフェイドアウトしちゃう、、、
GIANNI D'ERRICO
ANTICO TEATRO DA CAMERA 76(03)/CD/ITA/ITA BMG 82876544042
*今回のBMG紙ジャケシリーズ一番の注目作という、この一作のみ残して他界したカンタウトーレの作品。やさしいメロディが多く、ジャケットの暗い雰囲気に反して、意外に聴き心地の良いヴォーカル。バックの面子は全く分からないが、イルヴォーロばりのバックバンドの演奏も素晴らしい。
GIANNI MOCCHETTI
BETA 05/CD/ITA/ITA SPINTAPES SCD001
*70年代の初期バッティアート作品にも参加していたギタリストで、当時の曲をバンド形式で演奏している。こういうスタイルだとかえってバッティアートの楽曲の魅力がさらに増して感じられる。サイケデリック・フォークの雰囲気だ。生ギター、リコーダー、女声の "Sequenze e Frequenze" など改めてよい曲だと思う。
GIANNI MORANDI
UNO SU MILLE 85/CD/ITA/ITA BMG 74321573812
*若々しいけれども深みのある歌声が魅力のモランディ、曲や詞はルッジェリ、ミンギ、フォッサティ、カッサーノといったあたりをいろいろと取り上げ、エイミイ・スチュワートとのデュエット曲、バカロフによるアレンジの曲などもあって、変化に富んでいて楽しい。ジャケット写真の雰囲気どおりの、明るく華やかなアルバム。
(IL) GIARDINO DEI SEMPLICI
IL GIARDINO DEI SEMPLICI 75(05)/CD/ITA/JPN ARCANGELO ARC7110
*ベタ甘のラブロックかと思って聴いたことがなかったのだが、紙ジャケリマスター発売に乗じて聴いてみることにした。イプーがまるでだめなワタシとしては、さすがに繰り返し聞いてみたいアルバムというわけではやはりなかったが、それでも "NEW YORK"(!)なんて曲あたり、けっこう力強くて、このアルバムくらいはあってもよいなあと思わせた。ステッカー入り。この枯葉のジャケットは確かによいねえ。
I GIGANTI
TERRA IN BOCCA 71/CD/ITA/JPN KING KICP2103
*ビートポップグループだったジガンティが最後に発表した、LP片面一曲ずつのプログレ超大作。劇的な構成、起伏に富んだ演奏、重厚なコーラスと、コテコテのイタリアン。アレス・タヴォラッツィ、ヴィンチェ・テンペラ、マルチェロ・デラカーザといったゴージャスなゲストの力も大きい。やはりこれは70年代プログレの必聴盤でしょう。なおイタリア盤は長らくアウトテイク?モノだったらしいですが、オリジナルテイクでデジパックでボーナスにポスター?まで付いたものが発売されたということです。
GILGAMESH
GILGAMESH 75/LP/GBR/GBR CAROLINE CA2007
ANOTHER FINE TUNE YOU'VE GOT ME INTO 78/LP/GBR/GBR CHARLY CRL5009
GINEVRA DI MARCO
DISINCANTO 05/CD/ITA/ITA ON THE ROAD OTR14
*元 C.S.I. のヴォーカリスト。三島由紀夫の『翼』の一節が引用され、アートワークにも翼の絵が出てくるところから、なにかインスパイアされた作品なのかもしれない。まずは、ほとんどパーカッション音のみの伴奏でストレートに歌い放つ一曲目から、そのかっこよさに圧倒される。バックの演奏も非常にタイトで、少なめの音数で彼女の声質をくっきりと縁取る。
STAZIONI LUNARI PRENDE TERRA A PUERTO LIBRE 06/CD/ITA/ITA EDEL 0175392RAF
*前作とは打って変わって、主に地中海各地のトラッドを取り上げた作品集になっている。一曲目が RADIODERVISH の名曲で、ストレートな力強さにまずひきつけられるが、二曲目も聴き覚えがある。これはなんと、イレーネ・パパスが "ODES" で歌っていた曲ではないか! パパスは幽玄な雰囲気で歌っていたが、このスカ風のアレンジも絶妙だ。どの曲もアレンジはCSI以来の凝ったつくりなので、その流れで聴いて違和感はないが、選曲も魅力的で彼女の実力を思い知らされるすばらしい完成度だ。
DONNA GINEVRA 09/CD/ITA/ITA EDEL MASOCD90149
*歌姫の新譜はさらに楽曲の幅が広がり、哀愁に満ちたスローな曲もあれば、濃い目の地中海風味もありで、彼女の歌芸のあまりの達者さに身震いする傑作である。半分はトラッドのアレンジで、前作の延長上にはあるが、アルバムトータルとしての完成度は高く、終盤に向かっての盛り上がり感がすごい。
GINO D'ELISO
IL MARE 76(90)/CD/ITA/JPN EDISON ERC28026
*やっと聴きましたジノ・デリソ。これは噂にたがわぬ名盤でした。メロディのうつくしさ、声の潤いもすばらしい。このCDでは訳詩もついていてたいへんうれしい。イル・ヴォーロばりのバック陣の演奏はクラウディオ・パスコーリのプロデュースの仕事でしょうか、インストパートの彩の豊かさも魅力的。
SANTI ED EROI 79(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527459837
*クラウディオ・パスコリとクラウディオ・デンテスがアレンジとプロデュース、バックのメンバーもパスコリらの管にルーチョ・ファブリのバイオリンも入って、とにかく変化に富んで楽しく、凝りに凝った作り。70年代プログレッシブの流れと、カンタウトーレの個性がかみ合った傑作だと思う。
GIORGIA
MANGIO TROPPA CIOCCOLATA 97/CD/ITA/ITA BMG 74321 50863 2
*ピノ・ダニエレがプロデュースとリズムトラックを担当。短く刈り込んだヘアスタイルから、もっとクールというかカタい音を予想していたら、歌も曲も明るく伸びやかなのでちょっと肩透かしを食らった感じ。癖や小細工のない、よく練れた歌い方で気持ちよく聴けて、好感のもてるヴォーカルアルバム。
GIPO FARASSINO
IJ BOGIANEN 72(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527435572
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"ETHNO FORK ITALIA GLI ANNI '70" からの一枚。ピエモンテ方言でうたうトリノ出身のシンガー。今は政治家になっているらしい。声といい節回しといい、かつてのファブリツィオ・デ・アンドレを思わせる深みと渋さだ。
GIUNI RUSSO
MORIRO' D'AMORE 03/CD/ITA/ITA SONY COL511058 2
*2004年に惜しくも世を去った女性ヴォーカリスト。驚異的な声はたとえばアンレノックスや往年のアントネッラルッジェーロなどを想像させる声量も音域も豊かなもの。このアルバムはフランコ・バッティアートのプロデュースになるスタジオ録音が4曲に、音楽的(だけではない?)パートナーであるMaria Antonietta Sisiniプロデュースのライブ11曲を組み合わせたお買い得盤。バッティアートプロデュースの曲は、バッティアートとロベルトコロンボがアレンジ、打ち込みの音に達者なヴォーカルが乗る。カッチャパッリャがピアノ弾いてたりする。アリーチェ+バッティアートファンなら絶対に気に入る。シシーニプロデュースのライブはバッティアートと共演したりカミサスカの曲を歌ったり、ルイジテンコ(この Ciao Amore Ciao は絶品!)、日本語の「さくら」まで歌っていて、うまさと楽しさのすべてが味わえる名演。すばらしい。
NAPOLI CHE CANTA 04/DVD/ITA/ITA SONY COL202335 9
*詳しいことは判らないが、古いナポリの風景を撮ったフィルムに、ナポリターナをはじめとするジウニの歌をサウンドトラック風というか無声映画の伴奏として付けたもののようだ。DVDではフィルムを普通に流すバージョンのほか、フィルムに組み合わせて歌うジウニの姿を映すバージョンもあるのがうれしい。アンコールではサクラも聞ける。ノスタルジックな映像も美しいし、有名な曲もしばしば顔を出す伴奏の組曲もすばらしい。コンセプトとしても比類のない作品。
MEDITERRANEA TOUR + A CASA DI IDA RUBINSTEIN 05/DVD+CD/ITA/ITA EDEL NARDV10105 9
*既発のCDにボーナスDVDを付けたという趣。CDのほうは歌唱力の可能性を極限まで実現したとでも言うべき傑作。DVDは84年秋のツアー映像ということだが、画質は三倍モードの家庭ビデオ録画並で、いまどきリマスターもなしかと思うのもつかの間、すばらしい声量と技巧に舌を巻く。エレクトロポップな音作りがマティアバザールとかぶってしまうのがなんとももったいない。ビデオクリップやテレビショウらしきライブ、シスターのインタビュー(追想かなにか?)などのエクストラも楽しめる。
UNUSUAL 06/CD+DVD/ITA/ITA RADIO FANDANGO/EDEL 0175312RAF
*CDは他のミュージシャンとの共演を集めたもののようで、Battiato との共演も "La sua figura" と "Strade parallele" の二曲が収められている。DVDは2001年ミラノのコンサートの模様を収めたもので、映像は荒いが、彼女の声をよく聞かせるすばらしいライブを髣髴とさせる。
GJALLARHORN
RANAROP 97(02)/CD/FIN/FIN VINDAUGA VDMCD902
*一番最後になってしまったがファーストアルバム。来日公演会場で買って、サインしてもらっちゃった。ライブすばらしかったです。新しいドラマーの息もぴったり、しかも小さいのに表現力の凄いドラムセットにびっくり。イェニイの歌は最高。トロンボーンのようなディジェリドゥは「スライディジェリドゥ」ってやつ? これが音程は出るし演奏のパフォーマンスもなかなかで面白かった。なおこの盤は2002年バージョンとあるので、最後の曲あたりが加えられたのかもしれない。それにしてももう最初から、完成しています。すばらしい。
SJOFN 00/CD/FIN/FIN NCB RANARCD1
*んもーこれはすごくかっこいいです。知人に聞かせてラジカルトラッドファンに教化しようなどと企んでいる方には特におすすめ? 歌も演奏も隙がなく、音作りが今様で、ヘドニンガルナやガルマルナよりさらに洗練されています。なぜか北欧のラジカルトラッドにはディジェリドゥがよく使われていますが、この作品などをきくとあまりにもその音がマッチしているので驚かされます。迫力、呪術性、耽美的雰囲気がたっぷり楽しめます。
GRIMBORG 02/CD/FIN/NOR FREA MWCD4040
*ヤアラルホーン、と読むらしい。スウェーデン語を話すフィンランドの地方のバンドだそうだが、ガルマルナの新譜といわれても納得してしまいそうな、北欧トラッドの演奏力と美声ヴォーカル。しかしエンマよりもずっと安定した発声とディジリドゥーの迫力が特徴となっている。最近ヘドニンガルナもガルマルナも新譜がご無沙汰でさびしい思いをしている、北欧ラジカルトラッドファンには絶好のお勧め。
RIMFAXE 06/CD/FIN/DEU WESTPARK CD87130
*来日公演もすばらしかったヤアラルホーン、久しぶりのこのアルバムでますます進化している! ディジェリドゥのかわりにバスブロックフレーテが入り、オーケストラの大幅なによって奥行きはさらに増し、無国籍ワールドミュージックというよりは、方法としては現代音楽に近づきつつ、中世的な深みを表現するという、ラジカルトラッドの潮流をひとつ超えた高みに到達した作品である。必聴。
GOBLIN 
ROLLER 76/LP/ITA/JPN KING GXF2056
SUSPIRIA 76/LP/ITA/JPN EMI EOS80845
*映画「サスペリア」は怖かった(^^;。サントラではあっても、れっきとしたプログレだと思います。「プロフォンド・ロッソ」に比べればマイク・オールドフィールドからのパクリ度も低下したのでは。
IL FANTASTICO VIAGGIO DEL... 78/LP/ITA/JPN KING K25P360
GODLEY AND CREME
CONSEQUENCES 77/3LP(boxed set w/booklet)/GBR/JPN SFX10038-40, 77(01)/2CD/GBR/JPNN MERCURY UICY-9170/1
*10CCから分かれたユニーク2人組の大長編コンセプトアルバム。アイデアとセンスのかたまりのような人たちで、この後の作品も面白い。
P. S. LP初版を復刻したボックスが出た。ブックレットはもちろんかつての中袋まで再現しているのに、CDは2枚にまとめてしまっているのがやや画竜点睛を欠くと言わざるを得ないが、まあ中身はすばらしいので許す。ギターアタッチメントのギズモをはじめ、ストーリー展開に合わせて多用される特殊効果は、今ならばデジタルでいくらでも処理できるだろうが、25年前、ローテクとアナログでここまでやり尽くしていたというのも驚きなら、この流麗な展開の見事さと余裕は到底再現できまい。サラ・ヴォーンのボーカルまで聴ける。二人の天才が存分に発揮された空前絶後の傑作という認識を新たにした。
ISMISM LP/GBR/JPN POLYDOR 28MM0080
BIRDS OF PREY LP/GBR/JPN POLYDOR 28MM0248
FREEZE FRAME LP/GBR/JPN POLYDOR MPF1275
HISTORY MIX VOL.1 LP/GBR/GBR POLYDOR POLH22
-->10CC
GOMA
14 ABRIL 74/CD/SPA/SPA FONOMUSIC LV 019
*バンド名やジャケットからは怪しげな雰囲気が漂っているが、実はサックスが入ってちょっとジャジーな感じの本格的な演奏を聴かせる正統派スペイン・プログレ。メロディは明るく、生ギターのソロなども楽しめる。トリアナあたりに近いスパニッシュな香りと、ブロッケあたりの洗練がうまく共存している。
GONG
MAGIC BROTHER MYSTIC SISTER 69/LP/GBR/GBR AFFINITY AFF4
CAMENBERT ELECTRIQUE 71/LP/GBR/GBR CAROLINE C1520
CONTINENTAL CIRCUS 71/LP/GBR/FRA PHILIPS 6332033
RADIO GNOME INVISIBLE No.1 FLYING TEAPOT 73/LP/GBR/GBR VIRGIN V2002
RADIO GNOME 2 ANGELS EGG 73/LP/GBR/GBR VIRGIN V2007
YOU 74/LP/GBR/GBR VIRGIN V2019
SHAMAL 75/LP/GBR/GBR VIRGIN V2046
GAZEUZE! 76/LP/GBR/JPN COLUMBIA YX7160
LIVE ETC 77/2LP/GBR/GBR VIRGIN VGD3501
GONG EST MORT?/VIVE GONG 77/LP/GBR/FRA TAPIOCA TP10002/3
LIVE FLOATING ANARCHY 1977 77/LP/GBR/FRA ? LTM1002
ESPRESSO 2 78/LP/GBR/GBR VIRGIN V2099
*ゴングの収集は弟の担当だった(^^;のであまり意識していなかったが、こうして見ると、いっぱいあるなあ。もちろんこの後もリリースしているのだろうし、時々?来日したりもしているらしいし。ここまで来るとほとんど怪物バンドだ。いや最初から怪物だったか。
GONG (PIERRE MOERLEN'S)
DOWNWIND 79/LP/GBR/GBR ARISTA START1080
LIVE 79/LP/GBR/GER 202205
TIME IS THE KEY 79/LP/GBR/GBR ARISTA START1105
GOWEN, MILLER, SINCLAIR, TOMKINS
BEFORE A WORD IS SAID LP/GBR/US EUROPA JP2007
GRANADA
HABLO DE UNA TIERRA 75/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY S32.643
*フルート、バイオリンもこなすマルチインスト奏者のカルロス・カルカモのセンスが弾けたようなデビュー作。フュージョン、ロック、サイケなどさまざまな要素があって、散漫な印象を受けやすいが、聴き込むとちょっと抜け出せない魅力がある。
ESPAÑA, AÑO 75 76/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 17.0824/4
*本作からはインストになり、構成上片面分は組曲になっているなど、大きく勝負に出た。それほどテクニカルなわけではなく、リズムがもたついた感じのするところもあるが、まあ当時のスペインやイタリアでは平均的ではある。たださすがにアコギは巧いし、フルートやバイオリンもあいかわらず印象的。曲想は個性的なもので、節回しがいかにもスペインっぽいところがあって、それだけでも十分楽しめるのだが、熱さよりは渇きを強く訴えかけるような風情に味わいがある。改めて聴くとアイデア的には1作目と3作目の中間的なものなので、ちょっと中途半端かもしれない。ところでジャケットもなかなか気に入っているのですが、内面の腐ったキウイみたいな気味の悪い写真は、いったい何なのでしょうか?ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。
VALLE DEL PAS 78/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 17.0908/1
*なんとオケまで入れてしまった大胆なインストシンフォプログレに発展した本作、グラナダの最高作とも言われる。すっかり垢抜けて、完成度では確かにナンバーワンの出来。オケ入りシンフォといっても、いかにもという盛り上げ方ではなく、ほぼ完全にオケ曲に仕立ててあるか、あるいはさりげなく、しかし非常に心憎い入り方をしているかのいずれかというアレンジなので、バンドとオケの組み合わせとしては実は稀に見る成功作だと思うのだ。
GREAVES, BLEGVAD, HERMAN
KEW RHONE LP/GBR/GBR VIRGIN V2082
GREGORIO PANIAGUA & ATRIUM MUSICAE DE MADRID
MUSIQUE DE LA GRECE ANTIQUE 78/LP/SPA/JPN VICTOR VIC28067
*E. パニアグアのCDを聴いていて、そういえばと思いだし、LPの箱の奥から引っ張り出してきたのが20年ほど前のこのアルバム。確か兄弟のはずだ。このアルバムは古代ギリシアの楽器を再現して、資料もろくにないところから古代ギリシア音楽を再現したという、意欲作といえば意欲作、キワモノといえばキワモノの作品。ニセモノと切って捨てる人もいたが、ホンモノがもはやどこにもないわけだから、ホンモノのフリさえしていなければ(批判の対象にはなれども)非難の対象にはならないのではないか。あらためて聴いてみるとなかなか不思議な、アヴァンギャルド古楽風地中海音楽とでも言うべき雰囲気で、これはこれで面白い試みだと思います。ハルモニア・ムンディ(レーベルがそうなんです(^^;)に耳を傾けるピタゴラスにでもなったつもりで聴いて楽しめればよいのだ(笑)。
GREGORY ALLAN FITZPATRICK ---> SAMLA MAMMAS MANNA Special
GROBSCHNITT
SOLAR MUSIC LIVE 78/LP/GER/GER BRAIN 0060139
THE GROUP --->PEKKA POHJOLA
GROUPA
UTAN SANS 88/CD/SWE/SWE AMIGO AMCD721
*トラッドのベテラングループらしい。アコースティック主体のインストゥルメントで、明るくほのぼのとした音だが、しかしそこはかとなく漂うペーソスがスウェーデンという国柄を思わせる(勝手な思い込みかもしれないが)。小春日和に聴くとピッタリという感じがする。
GROUPA med LENA WILLEMARK
MANSKRATT 90/CD/SWE/SWE AMIGO AMCD725
*歌手 LENA WILLEMARK を加えてのアルバム。リーダーの MATS EDEN の曲、トラッド、WILLEMARK の曲など、バラエティに富んでいるのも魅力。いかにもトラッドらしい暖かい弦楽器やアコーディオンの音に、ジャズ風のクールな管楽器の音が絡む演奏は、より深みを増しており、そこに哀愁漂うヴォーカルが加わる、なんとも情感豊かな作品。プロデュースは ALE MOLLER。
GRUPPO 2001
L'ALBA DI DOMANI LP/ITA/JPN KING K25P413
GRUPPO FOLK INTERNAZIONALE
75-79 06/2CD/ITA/ITA WARNER 5051011-4591-2-2
*ブルガリア出身らしい MONI OVADIA という音楽家を中心とし、イタリアで活動した二つのグループ、"Gruppo Folk Internazionale" と "Ensemble Havadia'" がロルケストラレーベルに残した全仕事がCD再発。こちらは大真面目なのか人を喰っているのかわからないバンド名の3枚のLPと一枚のEPを、2枚にまとめたものらしい。CDのスリーブデザインは4枚のオリジナルのジャケットを並べたものでぱっとしないが、よく見るとLPのジャケットはいずれもなかなか魅力的。まず最初の一枚、しょっぱなカントリー風(だがどこか違う)曲で煙にまかれる。すぐに東欧風のトラッドコーラスでほっとしたのもつかの間、英語の歌も次々飛び出し、コーラスというかフォークというか、やたらうまいんだけれど正体のつかめない、不思議なアルバムになっている。だがこれで怯んではいけない(じつはワタシはいったんここで止まっていた)。次は管楽器や打楽器が活躍することもあって、バルカンからスラブの風味が強くなり、しかもコーラスにせよ演奏にせよしっかりとした安定感があって、そうとう楽しめる作品になっている。さらにその後は無国籍トラッドに転じて、クラシカルな雰囲気も加わりチェンバー・エスノとでも呼びたいような端正な仕上がりに。最後はコーラスワークが見事な展開。どの作品も徹底的に作りこまれていて、CD2枚続けて聞くとさすがにおなかいっぱいになるが、旧LPで2枚目や3枚目あたりを単独で聞いていたら、申し分なく傑作と言っていただろう。まだまだこんな時代を超えた名盤が埋もれているのだろうか。深すぎる。
GRYPHON
GRYPHON 73/LP/GBR/JPN TOSHIBA IRS90364
MIDNIGHT MUSHRUMPS 74/LP/GBR/JPN TOSHIBA IRS80284
RED QUEEN TO GRYPHON THREE 74/LP/GBR/JPN TOSHIBA IRS80162
*古楽器を使い、中世の民衆音楽を取り入れたロックという、一歩間違うとキワモノになってしまうところを、グリフォンは実にユニークかつ音楽性豊かな曲を作り上げている。これら3枚のアルバムは、オリジナル曲、トラッド、いずれも楽しめる。
GUALBERTO
A LA VIDA, AL DOLOR 75/CD/SPA/SPA FONOMUSIC CD1387
*シタールの入る曲もあって、全体にサイケな浮遊感が漂い、軽めのヴォーカル、全編で活躍するバイオリン、生ギターやフルートの調べがアコースチックな快さを誘う。インプロビゼーション風の曲も、もしかするとクリムゾンの影響?と思いきや、南スペインの陽光にすっかり無防備かつポジティブになったクリムゾンのようであったりする。
VERICUETOS 76/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 17.0826/8
*スペインのプログレ。シタールの音がちょっとサイケ風の味付けをしていて、サードイヤーのような雰囲気もある。
GUIGOU CHENEVIER
RUMOURS OF THE CITY 98/CD/FRA/USA CUNEIFORM RUNE114
*かつて ETRON FOU LELOUBLAN のドラマーで、今や VOLAPÜK を率いる GIGOU CHENEVIER が、VOLAPÜK のメンバーらに加えてアマチュアミュージシャンの演奏もコラージュして作り上げた、アヴァンギャルドなレコメンチェンバー系の傑作。厚い音に破天荒な展開で、これは面白い!
---> VOLAPÜK
GÜLSEN
ONSOZ 09/CD/TUR/TUR SONY88697640962
*トルコの女性ボーカルもので、話題作のようだ。固めのリズムにトルコ風の音階がよくマッチしたポップスの典型か。バラード調の哀愁ある曲もなかなか美しい。シンプルな繰り返しがリズムに盛り上げられていく構成が、一時期よく聞いていたタルカンを思い出させる。とはいえ聞き慣れるほどにはトルコの歌を聴いていない耳には、エレクトロニクスも情感豊かに響くのがおもしろい。
GUNNFJAUNS KAPELL
DAMMET LATTAR 89/LP/SWE/SWE SJELVAR SJELP6
*男3人女2人のトラッドバンド。シンセサイザのクレジットもあるのでどんなかなと思ったが、ほぼアコースティックトラッドのつもりで聴いて間違いない。インストルメンタル中心だが歌も悪くないし、音が豊かで元気も良くて、なかなかの好盤。
GWENDAL
GWENDAL LP/FRA/FRA EMI 2C06412725

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