- GABRIEL YACOUB
- TRAD. ARR. 78/CD/FRA/CAN GREEN LINNET GLCD3038
*タイトル通りのトラッドものだが、マリコルヌのリーダーによるこのソロは、アコースティックな音に徹しているところが魅力。78年というとマリコルヌの方はエレクトリックな音やロックテイストが高まっていった時期だから、このようなソロの存在と対比させるのも興味深い。歌詞は英訳付きでありがたい。
- ELEMENTARY LEBEL OF FAITH 87/CD/FRA/FRA PIAS BP3185
*IVAN LANTOS, NIKKI MATHESON との3人組のユニットに、ゲストが加わる。アランスティヴェールも一曲参加。とにかくこの声がマリコルヌのまま、曲やアレンジがプログレッシブだったりエスニックだったりするので、特に初期のマリコルヌに親しんだ耳にはなんとも不思議に聞こえる。トラディショナル・プログレッシブ・ポップスというのはどうだろうか。
- QUATRE 94/CD/FRA/FRA PIAS BP3182
*曲想は確かにいつもの YACOUB なのだが、多彩なバックを迎えて、変化に富む作品に仕上げたこのアルバムは、トラッドのマリコルヌのイメージを超えた、プログレッシブなポップスになっていると思う。ジャケットデザインもテクニカルで秀逸。
- TRI 99/CD/FRA/FRA BOUCHERIE BP3187
*コンピレーションもので、"TRAD. ARR." から "QUATRE" まで5枚のアルバムからの曲に、他のアンソロジーに入っていた曲一曲を加えて16曲、幅広く選曲されている。アレンジにそれぞれの特徴があって、アコースティックなトラッド、弦楽をバックにしっとりと歌う曲、リズムを強調したロックよりの曲まで、いろいろ楽しめる。
- YACOUB 01/CD/FRA/FRA CELLULOID-MELODIE 67030-2
*スリーブも顔のアップのみ、タイトルも名前だけ。このシンプルさには何らかの決意めいたものがあるのかもしれない。基本的にはこれまでのソロ作の延長上にあって、素朴なヴォーカルにちょっと物憂い曲想は相変わらずなのだが、バックには多彩なミュージシャンをそろえ、さまざまな音楽的要素が取り入れられている。
- GALADRIEL
- MUTTERED PROMISES FROM AN AGELESS POND 88/LP/SPA/SPA DAGA LP0005
*一言で言えば、スペインのイエス。編成も5人で、ボーカルはうちの奥さんが「この女の人、きれいな声だね」と言ったほどで、ジョン・アンダーソン風の美声。名前がヘスス(ジーザスだから日本ならイエスねつまり)というのは関係ないですが。みんな演奏は巧いし、アンサンブルも決まっていて、加えてメロディーにそこはかとなく哀愁があって美しいので、単なる亜流バンドとして片付けるのはもったいない。これはファーストアルバムらしい。CD は MUSEA から出ていて、新譜も続いていて、さらに変化に富んだものになっているらしい。
- GARMARNA ---> GARMARNA / HEDNINGARNA Special
- GARYBALDI ---> BAMBI FOSSATI & GARYBALDI
- GATTO MARTE
- DANAE 97/CD/ITA/ITA GM1
*おそらく自主レーベルから出されたデビュー作。ピアノ、パーカッション、バスーン、バイオリンにゲストが加わる。クラシカルなフレーズからロックやアヴァンギャルド風の展開を見せるような流れが心地よい。ドラムスが入るので、わりとリズムがはっきりしていて、この手のチェンバー系としてはロックファンにも聞きやすいほうかもしれないが、それにしても「××に似ている」と言い難いオリジナリティがある。
- GIOCO DEL MAGO ??/CD/ITA/ITA LIZARD CD0016
*バスーン、バイオリン、ピアノ、ダブルベースの四人による不思議なチェンバー系。デビュー作と違ってドラムスがベースに入れ替わった分、ロック色はさらに薄れた。クラシックにもアヴァンギャルドにもノスタルジーにも傾ききらない、微妙なポジションにあるように感じる。JULVERNE がお好きな方には問題なく好まれるでしょう。
- GAZPACHO
- MARCH OF GHOSTS 12/CD/NOR/DEU SNAPPER MUSIC KSCOPE205
- GENS
- GENS 74(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527475612
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.8" 所収の一枚。有名なラブロックのバンドだが、聴いたのは初めて。明るくからっとしたメロディと歌声で、ストリングスがぐっと盛り上げるあたりとか、裏声で甘〜く歌い上げるあたりとか、まさに70年代のやり口だが、耳当たりがよくすっきりしている。超希少なシングル3枚6曲のボーナス入りで、これがオケの代わりにメロトロン使っているので、かえって珍重されているというのも、面白い。バッドフィンガーのウィズアウトユー懐かしい。二ルソンそっくりの歌い方だ。
- GENTLE GIANT
- GENTLE GIANT 70(00)CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9028
*紙ジャケリマスター再発、GGのデビューアルバム。いかにもブリティッシュな重厚さと、意表をつくドラマティックな展開が普通ではない。偏屈さというか暗さが先に立っているので、テクニカルなところが一聴しただけでは際立たない分、かえってジャンルにこだわらず聴いているうちにはまるのかもしれない。それにしても、以前は気が付かなかったのだが、今聴きかえしてみて、アレア、PFM、マクソフォーネなどの、あの時代のイタプログに与えた影響の大きさを感じずにはいられない。アレアツィオーネがこのオチをパロったわけではなかろうが。
- ACQUIRING THE TASTE 71(05)/CD/GBR/JPN UNIVERSAL UICY-9688
*タイトル曲あたりを聞くと、あああのイタリアの某有名バンドはまんまこれか、と気づかされます。それほどまでに、当時のヨーロッパのバンドに与えた衝撃は大きかったのでしょう。あまりにも鮮やかに複雑な楽曲を編み上げてしまう技には唸らされっぱなしです。
- THREE FRIENDS 72(05)/CD/GBR/JPN UNIVERSAL UICY-9689
*3枚目のアルバム。3人の友達が大人になって別々の道を歩んで遠ざかってしまうというコンセプトアルバム。歌詞はわかりやすいのだが、複雑で緻密なアンサンブルがとにかく聴きモノ。これだけテクニカルなのにこれ見よがしの盛り上がりというかハッタリをあえて持ち込まないあたりが、今ひとつ目立った存在にならなかった理由でもあるのでしょうが、しかしまさにそれこそがGGらしさでしょう。このアルバムでも某PFMのソコやココのもとが聴けます。あ、イエスのアソコもなんか聞こえたような・・・。
- OCTOPUS 72(00)CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9029
*GGの4作目。音も演奏も洗練されながら端整で重厚な味わいが増していて、気品と迫力が相俟って高まっている名盤。このアルバムを聴くと、PFMの「幻の映像」を思い出す。緊張感と叙情性が両立する作品というのは、プログレの世界でも案外少なくて、その意味ではオクトパスは30年近く経った今でもなお、私にとっては確実に十指に入る傑作である。
- IN A GLASS HOUSE 73(00)/CD/GBR/GBR? alu-gg-02
*ガラスの割れる音で有名な?ジェントル・ジャイアントの5作目のアルバム。ファンクラブが企画したというこの再発CDは、紙製特殊ジャケットを再現、迫力のライブ2トラックがボーナス(アルバムを再体験できるランナウェイ/エクスペリエンスとインナグラスハウスという選曲も心憎い、74・76年ドイツでの録音)、リマスターで歌詞つきと至れり尽せり。実は私はGGのレコードは持っていなかったので、聴いたのは実に久しぶりのことになるのだが、今でもぜんぜん古びていない、ユニークな発想と複雑なアンサンブルを圧倒的に楽しんでしまった。GGというと変拍子とよく言われるが、作曲作法がクラシカルなので、結果的にそうなっているだけである。裏返していえば、かつてプログレジャンルでよく言われたクラシックとロックの融合などというくだらないものではなく、必然的にアンサンブルが重視された作品を高度なロックミュージックの技法で演奏しているということである。ブリティッシュプログレの大御所の中では、圧倒的に高貴なバンドだと私は思っている。初めてGG聴くという人にもお勧め。
- FREE HAND 75(05)/CD/GBR/USA DRT RTE00350
*35周年記念リマスター盤が続々と出るので、この機会にぜひすべて聴いてみたいと思うのだが、なかなか・・・。とりあえずこの一枚。7枚目の本作は、複雑なポリリズム、コーラスワーク、高度な演奏力が相俟って、なんとも奇抜なのに聞き心地のよい傑作になっている。GGをもっと早くから聞いていれば、イタプログのあれやこれやが彼らの影響下にあったことに気づいていただろう。それぐらい、アイデアの塊のようなアルバムだ。
- THE OFFICIAL LIVE - PLAYING THE FOOL 76/2LP/GBR/GBR ESSENTIAL ESSLP006
*これはかっこいいですね! テクニカルでありながら(しかもMCはけっこう明るかったりするのに)重く暗いこの雰囲気は、ブリティッシュならでは。すべての楽器の演奏力がすごい。スタジオ盤そのままの緻密さに熱気がプラス、このライブから入っても十分GGが分かる。
- GERALDO CARDINALE
- UN LUNGO CAMMINO CD/ITA/JPN KING KICP35
*この人のことはよく知らないが、いろいろな笛を演奏している。いわゆる地中海音楽というよりは、マイク・オールドフィールドやフランコ・バッティアート、ペペ・マイナやピッキオ・ダル・ポッツォなどに通じるものがある。
- GHOULIES
- DOGGED BY DOGMA LP/GBR/GBR LOUNGING LA01
*デイヴ・スチュアート、ピップ・パイルら参加。でもなんだかよく分からないアルバム。
- GIANFRANCO MANFREDI
- MA NON E' UNA MALATTIA 76(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592512
*Ricky Gianco や PFM にも詞を書いているくらいで、歌には何かテーマ性もあるようだし、最初のほうはなんとなく軽快な伴奏にシニカルな雰囲気でしゃがれた声をはりあげているのだが、"Puoi Sentirmi?" なんてソリーナ風のバックにしんみりと歌い上げたりするあたりから、70年代イタプログの流れとも合流しそうな、個性豊かなカンタウトーレのアルバムだったのだと気づく。ぜひ後半までじっくり聞いてください。
- ZOMBIE DI TUTTO IL MONDO UNITEVI 77(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592972
*BMG "GLI INDIMENTICABILI" シリーズ。ジャケットの絵は一見、またまた CESARE MONTI か・・・と思ったが違った(^^;。これは何か社会風刺的なコンセプトの作品だったのだろうか。作詞は本人ですが、作曲はCLAUDIO DANTES, RICKY GIANCO, CLAUDIO FABI, ROBERTO COLOMBO, GIULIANO ILLIANI, バックには JULIUS FARMER, CLAUDIO BAZZARI, TONI ESPOSITO, LUCIO FABBRI, MAURO PAGANI, CLAUDIO PASCOLI, GIANNA NANNINI(!)などなど、これって、凄くないですか? ラブソングうたっても大丈夫なしっとりした声で、曲も演奏も良いから、歌詞が重要かもしれないけど分かりませんが、それでもなお充実の作品。
- UNIVERSITA DELLA CANZONETTA 82(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592822
*これはたぶんQディスクの再発盤。明るいコーラスやはねるリズムの4曲。この作品だけ聞くとうーんいい曲だけどちょっと変わってる?くらいで終わりそうだけれど、ほかのアルバムとの流れで聞くと納得の小品というところか。
- GIANLUIGI DI FRANCO
- GIANLUIGI DI FRANCO 90/CD/ITA/JPNN KING KICP42
*かつて地中海音楽コレクションで日本盤になっていたのに、聞き漏らしていた。いやこれは何とも、すばらしい出来だ。もとチェルヴェッロのヴォーカリスト、といってもこれはまったくプログレではない。一旦はミュージシャンの道をあきらめ、音楽療法士(!)として働いていた彼が、再びヴォーカリストとして作り上げた作品。コラード・ルスティチがアレンジ・プロデュースを買って出て、ギターで参加している。バックの充実した演奏と、地中海の香り十分ながらも洗練された聞きやすさで、音楽療法士だけあって、これが実に心休まる音楽に仕上がっているというのは、思い込みだろうか。
- GIANNA NANNINI
- UNA RADURA... 77(03)/CD/ITA/ITA BMG 74321987532
*うれしいリマスター再発。後の作品に負けず劣らずの傑作。最初に味も技もあるバック陣を紹介してしまうと、ドラムスがディチョッチョ、デピスコポ、カッローニ。ベースにジヴァス、カレロら。キーボードにはプレモリやらクラウディオファビ。サックスのパスコリなどなど。このPFM人脈を従えて、強烈な声量ある嗄れ声でガンガン、あるいはおそらく自分のピアノをバックに切々と歌い上げるオリジナル曲の数々の出来もなかなか。ジャジーな曲になると、さすがにバックも聞き応え十分だし、一枚で二度三度おいしい。
- CALIFORNIA 80/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6501
*このアルバムがいわば出世作になるらしい。渡米から帰国後のヒット作。単独で3曲、パオロッツィとの共作が3曲、そして「ミーアンドボビーマギー」もなかなか! そう言えばジョプリンも嗄れ声だが、もちろん仕上がりはそれぞれだ。タイトル曲は8分を超える大作で、長いインストもそこそこ聴かせると思ったら、ワルテルカローニ、ステファノプルガ、クラウディオパスコーリ等々というメンバー。前向きな明るさが爽快な作品。
- G. N. 81/CD/ITA/EC RICORDI 74321 29771 2
*プロデュースはなんとカッチャパッリャ。ジャンナの声はやはり凄みがあるが、ロックの迫力と、おそらくジャンナの持ち味にカッチャパッリャの緻密なプロデュースが相俟って、きわどいバランスが成り立っている。そういうギリギリさが快感となる傑作の一つである。
- LATIN LOVER 82/LP/ITA/ITA RICORDI SMRL6297
*コニー・プランク、ヤキ・リーベツァイトというカン周辺人脈がバックを固め、それでいてマウロ・パガーニも参加という、なんと言ってよいのか分からない不思議なコンセプト。基本的には非常にロックンロールなジャンナと、なんだかノリが合ってないような感じなのだが、それがあえて出されたジャーマンっぽさかもしれないし・・・。音的に面白いことは確かで、加えてジャンナの声の個性があまりに強いので、バックと溶け合うというよりは戦っているような雰囲気を、魅力と感じるかどうかで評価は変わる。「ヨーロッパの少年」はヨーロッパ各国でヒットしたそうだが、バイオリンが泣きまくるドラマティックな名曲である。
- MALAFEMMINA 88/CD/ITA/GER POLYDOR 837097-2
*いつもながらのかすれ声でロックを歌う。共作を含めば全曲作詞作曲もジャンナである。ただ、その分、ことばのわからない私などには、やや一本調子にきこえることも。
- SCANDALO 90/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL 6425
*三曲目にコラージュされている子どもの歌("Giro giro tondo 〜"ってやつ)、アレアのアルバムでも使われていたが、イタリアではおなじみの歌なのだろうか。ベテランのロックシンガー、ジャンナの、歌の迫力も十分ながら、曲やアレンジも、時折プログレッシブだったり地中海風だったり、凝りに凝っていて、すごくかっこいい。バックにはNCCPのメンバーも。
- X FORZA E X AMORE 93/CD/ITA/ITA RICORDI TCDGN 6463
*スリーブの姉御の写真が凄くかっこよいので是非見てください。今回もバックはコレまでの人脈に、ジョヴァノッティやサイモンフィリップスまで。演奏がこなれていて曲の完成度が高い感じでいいアルバムです。
- DISPETTO 95/CD/ITA/ITA POLYGRAM 527 174-2
*このタイトルに加えて舌を出した写真のジャケットなのだけど、その表情が妙に無防備なので、何かしら居心地の悪さのようなものを感じてしまう。相変わらずのかすれ声だが、鼻にかかった感じが強くなっていて、ちょっとした脱力感もある。そこにはジャンナの肩の力が抜けたというよりは、まだまだ表現の幅には余裕があるのだ、という挑発のようなものを感じるのだが。
- BOMBOLONI 96/CD/ITA/GER POLYGRAM 533 181-2
*ベスト盤だが、新曲3曲にライブからの選曲やボーナストラックもあって、聴き応え十分。「アメリカ」や「ラテンラバー」が入っていて、「カリフォルニア」や「ヨーロッパの少年」が入っていないというのは、実は私は後二曲がかなり好きなのだが、ナンニーニを知るためには正しい選曲だと思う。黄色と銀色を基調にしてボンボローニのレシピまでついたアートワークも最高にかっこいい。表紙の愛らしい少年も、ボンボローニを食べ続けると1ページ(カウントダウンになっている)の兄ちゃんのようになってしまうのですね。爆弾姐御ナンニーニ最初の一枚にぜひ。
- ARIA 02/CD/ITA/EU POLYDOR 589 765-2
*ジャリジャリにノイズなテクノをバックに、姉御がギリギリと歌いまくる。溶け合っているというかうまく混ざり合っているといえばそうなのだが、せっかく痛いトゲのある声なのにエフェクトかけすぎでノイズに混ぜ込んでしまうのはもったいなくはないか。ヴォコーダー風のグリッサンドなんかかけちゃうやつ(何と言うのか分からないが、シェール以来?やたら使われるヤツね)まで・・・。まあそれでもやはり、もとの声が声だから、存在感は相変わらずなんですが。パガーニがマンドリンとフルートで参加しているが、パガーニ買いをするほどではない。
- PERLE 04/SACD/ITA/EU POLYDOR 9815677
*スリーブのクロッキーのような似顔絵にドット文字、ケースには赤い半透明のシールが(ちょっと斜めに)貼ってあって、角の丸いケース入り(SACDだから?)。これで全体のデザインが決まっていてかっこいい。再録ものが多いので見くびっていたらとんでもない、前作同様だいぶ音はいじってあるのだが、がさついた声がローファイでより生っぽく聞こえて、ピアノ主体の淡々とした伴奏にぐっと引き立つ仕掛けだ。名曲「ヨーロッパの少年」や「カリフォルニア」のアレンジは、元の曲をまったく新しくよみがえらせたというべきだ。打ち込みのリズムに始まる「ラテンラバー」の壊れかけた盛り上がりもすばらしく怪しい。私は "ARIA" よりはかなり気に入った。でも、・・・まさか、マドンナの "AMERICAN LIFE" のセンを狙ったってわけじゃあ・・・。SACDプレーヤで聴いてみたいものです。
- PIA 07/CD/ITA/ITA POLYDOR 1732214
*前作をさらに超えて彼女の声質の魅力を表現しきった、傑作というべきアルバム。楽曲のアレンジも多彩で、美しいストリングスとコーラスに絡めた3曲目、不思議なサンプリングとラップの6曲目など、先の展開が見えない多彩さ。
- GIANNI BONFIGLIO
- LUCI SPENTE A TESTACCIO 79(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527487212
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.8" 所収の一枚。このシリーズ、だんだんマニアックな選択になって、オケ入り歌モノがいくつもあって続けて聴いていると、どれがどれだかわからなくなってきた。でも確かに、どれも完成度高いのですよねえ。さて、これもその一枚。明るく爽やかな曲調が多く、声質はやや乾いた感じで、歌い上げよりは語り調もあってカンタウトーレ寄りの雰囲気。ストリングスのアレンジは必ずしも洗練された方ではないが、サックスやクラリネット、オーボエやトランペットなどがカウンターパートを奏でたりするのが印象的。そこがけっこう個性になっているかもしれない。しかし最後の曲はなんか唐突にフェイドアウトしちゃう、、、
- GIANNI D'ERRICO
- ANTICO TEATRO DA CAMERA 76(03)/CD/ITA/ITA BMG 82876544042
*今回のBMG紙ジャケシリーズ一番の注目作という、この一作のみ残して他界したカンタウトーレの作品。やさしいメロディが多く、ジャケットの暗い雰囲気に反して、意外に聴き心地の良いヴォーカル。バックの面子は全く分からないが、イルヴォーロばりのバックバンドの演奏も素晴らしい。
- GIANNI MOCCHETTI
- BETA 05/CD/ITA/ITA SPINTAPES SCD001
*70年代の初期バッティアート作品にも参加していたギタリストで、当時の曲をバンド形式で演奏している。こういうスタイルだとかえってバッティアートの楽曲の魅力がさらに増して感じられる。サイケデリック・フォークの雰囲気だ。生ギター、リコーダー、女声の "Sequenze e Frequenze" など改めてよい曲だと思う。
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