>HOME >MUSIC >"E"
A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
Chinese pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 
EARTHWORKS ---> BRUFORD'S EARTHWORKS
ECLAT
VOLUME3 97/CD/FRA/FRA KEZAKO 971
*もろにイエスタイプの、フランスのテクニカルプログレ。インスト中心で、超絶技巧ではないがどのパートもそれなりに巧く、アンサンブルが決まっている。スピード感も十分で構成も飽きさせない。びっくりするようなところはないが、それなりに満足のできる作品。
EDHELS
ORIENTAL CHRISTMAS 85/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4007
*インストプログレバンドのデビュー作。ギターはフリップやピナスあたりを意識しているのかもしれないが、なかなかメロディアスで上品、上手いとは思うがそれほど緊迫感のある演奏ではないので、比較的聴きやすい作品である。しかしこのジャケットの腹の出たヒゲの東洋人、インストだから歌詞から想像するわけにもいかないし、いったい何者のつもりなのだろう?
EDOARDO BENNATO
NON FARTI CADERE LE BRACCIA 73(01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 862562
*ギターやマンドリンなどでEUGENIO BENNATO、ピアノやオーケストレーションにROBERTO DE SIMONE の名前などが見える。とはいえNCCP風というわけではなく、素朴な明るさのある歌モノで、敢えて言えばマカロニウェスタン風か。
I BUONI E I CATTIVI 74(01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 872292
*金ぴかリマスター盤で音は良いが解説も歌詞も何にもなし。タイトルは「善人と悪人」。トニ・エスポジトやエウジェニオも参加、オーケストレーションはロベルト・デ・シモーネ。アメリカナイズされたカントリー風に基調があるようでいて、地中海風だったり歌劇風だったり、独特の搾り出すようなヴォーカルが、色々な曲想に乗って自在に歌い上げる。
LA TORRE DI BABELE 76(04)/CD/ITA/ITA BMG 82876624422(1)
*TRYLOGY'S BOX を某店で見かけて、廉価版だとときどき1000円を切ることもあるイタリアン・ポップスの旧盤3枚セット、売れ残って3000円を切ったら買おうと思っていたら、やはりバーゲンプライスで2200円位で買えたのでしめしめです。箱の中身は紙ジャケといってもペラの厚紙の袋兼用で、こりゃやはり一枚千円以上出して買うようなブツではありませんでした。かつての GOLDEN COLLECTION のつもりで開けると拍子抜けします。でも盤のほうはなかなかよいです。いきなりなじみのしゃがれたヴォーカルとアメリカンな響きでいつもどおりだねえと思いきや、"Ma chi e'" なんて面白い曲があったりもして、やはりこの個性は捨てがたいものがあると思いました。
BURATTINO SENZA FILI 77(04)/CD/ITA/ITA BMG 82876624422(2)
*TRYLOGY'S BOX に収められた一枚。相変わらずアメリカンなギターとハモニカ、聞きなれた甲高く響く独特のヴォーカル。このアルバムでは "Dotti, Medici e Sapienti" という歌曲風の曲がユニーク。
UFFA' UFFA' 80(04)/CD/ITA/ITA BMG 82876624422(3)
*TRYLOGY'S BOX に収められた一枚。まるでコーランの詠唱のような一曲目から、掛け声が面白いタイトル曲のラストまで、意表をつく展開の面白さ。あの嗄れ声もこのアルバムでは全開の暑苦しさだ。このへんちくりんなジャケットの絵はなんとトニ・エシポジトだが、演奏はしていない。
SONO SOLO CANZONETTE 80(01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 845542
*アルバムの数が多いので、なかなかこの人はどういうミュージシャンと言ったらよいのかまだ分からないのだが、単にアメリカナイズされた歌でもない。これはバックにイタリアのジャズロック系で知られた面子が並び、癖の強いヴォーカルがオールディーズやポップのパロディであるかのように、ありがちな展開を壊していく。"ROCKOCCODRILLO" なんて癖になるユーモラスな曲があるかと思えば、そのあとは急に歌曲になったりするのだ。とにかく楽しいし、他には見当たらない作品である。
EDOARDO DE ANGELIS
SALE DI SICILIA 11/CD/ITA/ITA RAI TRADE RTP0252
*タイトルに魅かれて購入したものの、ベテランのカンタウトーレであることぐらいしか予備知識もなかった。1945年ローマ生まれ。ちょっと面白いのはカピトロ・セイのアルバムでフランチェスコ・デ・グレゴーリと歌詞を共作したり、スコラ・カントルムにも作詞作曲していたりしたようだ。ソロアルバムは18枚ほどあるようだ。このアルバムはシチリアをテーマに多彩なゲストを交え、地中海色の濃い作品になっていて、ほかのアルバムを聴いていないのでなんとも不確かだが、おそらくユニークな作品になっているのだと思う。柔らかい語りのような歌い方がまろやかで温かく、いろいろな歌手や演奏家との共演も楽しい。終曲"Spasimo"は、語りからアコーディオンの哀愁漂う三拍子の歌になり、最後はバッティアートの声も聞けて、特に印象に残る。
EDUARD ARTEMIEV
THREE ODES 84(02)/CD/RUS/SWE ELECTROSHOCK ELCD030
*アルバムの存在は知っていたが、これはリマスタリングされてようやく発売されたCD。かつての「西側」諸国にとっては幻となった、モスクワオリンピックの開会セレモニーのための作品。歓声なども入っているが、まさにその時のライブ録音なのかどうかは分からない。壮大なシンフォニック組曲で、シンセサイザー、バンド、コーラスなどのバランスもよく、メロディも流麗で "Wormth of the earth" で少し感じたような泥臭さもなく、素晴らしい。タルコフスキーのサントラもの(こちらもリマスター再発された)と対にして楽しむべき傑作。なおアルバムの表記は "EDWARD ARTEMIEV" になっている。
WARMTH OF EARTH 85/CD/RUS/FRA MUSEA FGBG4309AR
*アルテミエフは私の認識では「タルコフスキー映画のサントラを作っていた現代音楽家」である。一般に知られたのは、モスクワ・オリンピックの開会式の音楽担当としてであろう。もうけっこう高齢のはずだ。しかしこの作品は、女声ヴォーカルとブーメラン・アンサンブルというロック・グループによって演奏されていて、シンフォ系プログレとして完成度の高いアルバムになっている。シンフォ系といっても歌は力強いし演奏力は確かだし、音的にはやや泥臭いところもあるのだが、一曲一曲に変化があるのみならずそれぞれ奥行きも広がりもあって、非常にしっかりした聴き応えがあり、満足感が大きい。
SOLARIS, THE MIRROR, STALKER 90/RUS/JPN EVA WWCX2021,(02)/CD/RUS/SWE ELECTROSHOCK ELCD012
*タルコフスキーが死んでから、わたしはあまり映画を見なくなってしまった。わたしは自分が映画好きだと思っていたのだが、実は映画が好きだったのではなくて、タルコフスキーが好きだったのかもしれない。さて、これはタルコフスキーの三つの映画からのサントラ編集盤で、さらに「アンドレイ・タルコフスキーに捧ぐ」という、すばらしいオリジナル曲入り。シンセサイザーもののサントラということでイメージする腑抜けたようなムード音楽とも陳腐な電子音楽とも違って、あくまで冷徹で深みのある曲として、一つ一つが美しく煌いている。さらに、正直なところ細かい場面までは思い出せないところもあるが、印象に焼き付いているタルコフスキーの映像が次々に浮かんでくるものだから、聴いていて本当に身震いしてしまうのだ。ストーカーのテーマ、ソラリスの帰還などはもう感無量。
P. S. レム逝去の知らせを聞いてしばらくして、エレクトロショック盤を見かけたので、つい買い足してしまいました。
THE ODYSSEY 97/CD/RUS/SWE ELECTROSHOCK ELCD008
*このアルバムはつづりが EDWARD ARTEMYEV だ。コンチャロフスキー監督のスペクタクル映画オデッセイのサントラ。民族風、現代音楽、さまざまに展開し、オーケストラルでスケール感もよくて申し分なし。やはりアルテミエフはサントラがよいなあ。
A BOOK OF IMPRESSIONS 02/CD/RUS/SWE ELECTROSHOCK ELCD018
*んんーすごく気持ちいいー。要はシンセサイザ音楽で、70年代から90年代まで幅広く集められた作品集ということだが、ふわふわ鳴っているだけのようでいながら、やはりそこはアルテミエフ、ソラリスのサントラやカッチャパッリャのソナンツェに匹敵する奥行きと美しさがある。
EDUARDO BORT
EDUARDO BORT 75/LP/SPA/SPA FONOMUSIC 84.2780
*スペイン・プログレの名盤の一つ。そんなにスペイン臭くはないのですが、かといってイギリスにもイタリアにもフランスにもこういう音はないでしょう。迫力の生ギターに、ややハイトーンでときどき危なっかしいが美しい(しかしかなり怪しい英語の)ヴォーカルは、全体に「サイケ風」ではあるが、力強さや明るさが「いわゆるサイケ」とは違う。エレクトリックギターもメロトロンもミニムーグも大活躍、スピード感はそれほどないものの、テクニックやアンサンブルは手堅いし、メロディや音作りは相当個性的だがヘンではないし、プログレには間違いない。一度聴くと忘れられなくなるタイプのバンドですね。録音も結構よいです。ところで私が手に入れたのは直輸入盤の新星堂の帯がついているLP。新星堂がこういう形でプログレの名盤を扱っていたのは知りませんでした。
EDUARDO PANIAGUA
ALARIFES MUDEJARES 99/CD/SPA/SPA PNEUMA PN170
*スペインの古楽の演奏家の作品。建築家として活躍したスペインのムスリムたちによって作られた聖マルティン教会にインスパイアされたものということのようだ。特にサントゥールやナイ(ネイだったっけ)の音が印象的なので、ジェラルド・カルディナーレあたりを思い出させる。パニアグア・ファミリーの作品は賛否両論あるようだが、私には古楽の専門知識がないおかげで、地中海音楽の一つとして楽しく聴けて幸せである。このリストに入れるかどうかはジャンル的に微妙ではあるが、そういうことで入れてある。
EDWARD ARTEMIEV --> EDUARD ARTEMIEV
EGBERTO GISMONTI
CORACOES FUTURISTAS 76(12)/CD/BRA/JPN EMI BOMBA BOM24190
*まったく聞く機会がなかった、ジズモンチ。すでに入手困難、日本初CD化につられて聞いてみたが、これはなるほど素晴らしい。両親はレバノン人とイタリア人、ブラジルで生活し、フランスへ留学、ギターとピアノ、歌も歌い、オーケストラからコーラス、民俗楽器からシンセサイザーも取り入れる、まさにノンジャンルの天才か。このアルバムは帯のうたい文句ではプログレッシブ・ジャズ・ロックだが、その言葉の印象とも違う。アルバムのコンセプトに準じて、曲ごとに個性的な顔を見せるので、アルバム総体のうたい文句すら無効にするということだ。テクニカルな演奏も叙情的なパートもいずれも完成度が高く魅力的。ジズモンチというジャンルが確立しているのか。どこまで追いかければよいのだろうか。
FANTASIA 82(12)/CD/BRA/JPN BOMBA BOM24193
*ジスモンチのCD、こう一気に出ても追いかけきれません。嬉しい悲鳴というやつ。これも初CD化とのこと。シンセサイザ(OB-Xaだからあのヴァンヘイレンのジャンプのイントロで有名なやつですね)を多用した作品で、はかない夢のような音像が新鮮。音楽家や家族にささげた組曲構成の、物語性を感じさせる展開がすばらしい。ジスモンチのアルバムを聴いていて、今になって考えさせられるのは、そもそもこの時期のシンセサイザーは、タッチやアーティキュレーションなど当然限界があるので、威勢のよいブラス音はともかく、こうまで繊細に弾きこなすには相当の技と言うか、機械を楽器として手なずける力が必要だったはずだということ。とはいうものの、やはりM6のギターや終曲のピアノを聴くと、その美しさは感動的。
EGG
EGG 70/LP/GBR/JPN KING SL286
THE POLITE FORCE 71/LP/GBR/JPN KING SL290
THE CIVIL SURFACE 74/LP/GBR/GBR CAROLINE C1510, (04)/CD/GBR/JPN VIRGIN VJCP68688
*実はあまりこのアルバムは聴いてこなかったのだ。でも紙ジャケリマスター再発盤が店でかかってるのを聴いて、こんな良かったっけ!状態。ハットフィールズにヘンリーカウのメンバーまで加わった無敵のアンサンブル、ユーモアも超絶テクニックも自在にくりひろげ、どこを聞いてもおもしろい。典型的なカンタベリーテイストの「エニアグラム」30年前の音だなんて信じられないかっこよさ!
EIDOLON
DREAMLAND 09/CD/FRA/FRA MUSEAMP3089
*フランスのプログレバンドで自主盤風のつくり。トータルアルバムの構成で、いかにもな電子音、英詩の朗読からの入り方が、もう、70年代風がお好きな方にはかなりつかみが良いのではないだろうか。ハードプログレな演奏にメロトロンやハモンドのサウンドと来ている。バイオリンまで聞こえてくる。しかし英語のヴォーカルやコーラスが弱いし、曲も演奏も全体的に一本調子にマイナーで緩めだ。70年代にセンチメンタルに浸るという以上のものが聞き取れるかどうか。
ELECTRIC FRANKENSTEIN ---> AREA / ARTI + MESTIERI Special
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA 
s/t 71/LP/GBR/USA UA UAS5573
*このファーストアルバムは、弦のゴリゴリした荒削りな演奏が独特で、後のポップ路線が想像できないアヴァンギャルドな作品。
E.L.O.2 73/LP/GBR/JPN TOSHIBA EOP80816
ON THE THIRD DAY 73/LP/GBR/JPN WARNER P8422W
ELECTRICA DHARMA ---> COMPANYIA ELECTRICA DHARMA
ELEKTRIKTUS
ELECTRONIC MIND WAVES 76/LP/ITA/ITA PDU PLDA6050
ELENA LEDDA
SONOS 89/CD/ITA/DEU BIBER 66391
*ELENA LEDDA & SUONOFFICINA 名義。サルディーニャの歌手のアルバムで、トラッド主体の作品。透明感と厚みのともに備わった声にこまやかで安定したトレモロのかかったような歌い方がなんとも美麗で、歴史上の変転をうかがわせる多様な文化の背景が溶け合っている。バックの演奏も素朴なようで緻密、控えめなようでいて存在感のあるものになっている。ラストはなんと18分超の大作。
INCANTI 03/CD/ITA/ITA FELMAY FY8061
*これはすばらしい。地中海音楽の女声ヴォーカルでは一番好みに合う。発声はテレーサデシオなどの系列だが繊細さも安定感も鍛え上げられた声がすばらしい。端正な歌い方に流麗な民族楽器のアンサンブルが絶妙。疲れているときに聴くと癒されるというよりはねぎらわれるような音楽だなあ。
AMARGURA 04/CD/ITA/ITA MOROCCO MARM003
*地中海音楽のなかでもしっとりと落ち着いた声を聞かせる彼女だが、オリジナルに加えてなんと「サテンの夜」も汎地中海の音に歌われているなど、多様な表情で聞かせる好盤。彼女の声はそういえばサテンの感触があるかも。終曲はファブリツィオ・デ・アンドレの曲だ。
LIVE AT JAZZINSARDEGNA 08/CD/ITA/ITA SARD CD0006
*2007年の録音を主として、ジャズインサルディーニャという活動からのライブ。オフショットの動画入り。ライブという状況で躍動感のさらに増した演奏が聴ける。歌声がますます熟成されている驚き、声の張りと言い節回しに漂うエキゾチックな哀愁と言い完璧だ。
CANTENDI A DEUS 09/CD/ITA/ITA SARDMUSIC SARDCD0011
*様々な起源を持ちながらサルディニアで歌い継がれている宗教歌と、その研究に基づいて作曲された歌で構成された作品集。アコースティックな弦楽器に、荘厳な音作り、磨き上げられた彼女の声は、最近よく聞かれる宗教テーマの地中海+古楽テイストの作品集の中でも出色の感動作と思う。
ELENA LEDDA & ANDREA PARODI
ROSA RESOLZA 07/CD/ITA/ITA SARD CD0004
*タゼンダはあまり良さが分からなかったが、その元リーダーとエレーナレッダの組み合わせはどうよ、と思ったらこれがすばらしい。一曲目、波打ち際のSEに、おいおいこうベタにくるかい、と思ったがみごとに嵌められた。甘くかすれた男声、伸びやかでハリのある女声に、ギターやバイオリンの抒情が張り詰めて、素朴さと洗練の境界に奇跡的に成り立つ音である。地中海音楽の輝かしい結晶。
ELLEN OAK
HILDEGARD OF BINGEN - THE HARMONY OF HEAVEN 95/CD/USA/USA BISON TALES 001
*ガルマルナのアルバムで知って以来、すっかり気になっているのがビンゲンのヒルデガルト。哲学者であり、音楽家であり、医学にも詳しく、修道院長ということもあってか教皇をはじめとする教会の権威者や国王らとも文通している。このアルバムで歌っている人はヒルデガルトを長らく研究してきた音楽家ということで、これは彼女のライブツアーの録音である。この音がクラシックなのか古楽なのか、そういうジャンルでどういう評価を得ているか分からないが、ひたすら単旋律をあくまでも美しくしっとりした声で歌い続けるのは私などには驚異だ。もちろん気持ちよすぎて眠ってしまいます。
ELVY SUKAESIH
THE RETURN OF DIVA CD/IDN/JPN SME SRCL2371
*インドネシア・ダンドゥットの歌姫。久保田真琴プロデュース。まさかこんなところで「恋のフーガ」に再会するとは・・・。
EMILIO LOCURCIO
L'ELIOGABALO 79(97)/CD/ITA/ITA MP MPRCD010
*イタリアBMG紙ジャケのつもりで注文したら、届いたのはMPレコード版でした。8つ折のインナーが入っているからいいけど。さてこれはどういう人の、どういう作品なのか、よく分からない。ポップオペラということで、ルーチョ・ダッラ、テレーザ・デシオ、クラウディオ・ロッリらが配役に並ぶ。ダッラはアコーディオンも弾いていてこれが良い感じ。演奏にはピエロルネイレの名前もあったり、バイオリンやメロトロンが活躍していたりで、かなり楽しめる。タイトルはアルトーの作品、あるいはもともとのローマ皇帝から取ったのだろうが、イラストからはつながりは分からない。コンセプトと音を含めて、雰囲気はウィグワムのビーイングあたりに通じるかも。
EMMA HÄRDELIN ---> GARMARNA / HEDNINGARNA Special
EMMANUEL BOOZ
LE JOUR OU LES VACHES... 74/LP/FRA/JPN ATLANTIC NOTE01L(WPL24)
*フランスのプログレの伝説のミュージシャン。他の作品も含めてなかなか手に入らないのだが、セカンドアルバムの日本盤(出てたんですねえ・・・)の中古LPをようやくゲット。音楽劇のような味わいはアンジュやモナリザを思わせるところもあるが、それらのどこかのどかでエスプリな感じとは違って、これは思い入れの強い歌といい、緊張感のある演奏といい、凄絶な悲壮感が覆っている。
DANS QUEL ETAT J'ERRE 79/CD/FRA/? EBCD02
*ブーズの2〜4枚目がCDで出回ったのだが、正規盤ではないらしい(Not for sale. Promotional use only とある)。この作品は、あいかわらずこのヴォーカルの濃さが私にはちょっとキツいのだが、ロックウッドのバイオリンはじめ演奏の緊張感が凄すぎ。
ENGLAND
GARDEN SHED 77/CD/GBR/JPN VICTOR ERC32004
*イギリスの幻の「最後のプログレッシヴ・ロック」。70年代のプログレ、という意味でなら、これは分かる。70年代半ばの、イエスやジェネシスの音である。達者な曲と演奏で、単なるコピーバンドと斬って捨てるにはもったいないことは確かだが、90年代の今となっては、色彩感やスピード感がなさすぎて、当時のイエスやジェネシスのアルバムのような、古びていない魅力というものがあるかどうかは、僕には分からない。
ENID 
AERIE FAERIE NONSENSE 77/LP/GBR/GBR EMI INS3012
TOUCH ME 79/LP/GBR/JPN KING K22P510
SOMETHING WICKED THIS WAY COMES 83/LP/GBR/JPN KING K22P505
*エニッド、もしくはロバート・ジョン・ゴドフリーは、クラシック風の曲をクラシック風に演奏してしまう。これはロックをクラシック風に演奏したりクラシックをロック風に演奏したりするタイプの「シンフォニック・ロック」とは違うと思う。"AERIE FAERIE NONSENSE" あたり、ジャケットもきれいだし、嫌いではない。
ENSEMBLE HAVADIA
81-82 06/CD/ITA/ITA WARNER 5051011-4590-2-3
*ブルガリア出身らしい MONI OVADIA という音楽家を中心とし、イタリアで活動した二つのグループ、"Gruppo Folk Internazionale" と "Ensemble Havadia'" がロルケストラレーベルに残した全仕事がCD再発。こちらは2in1になっている。最初のアルバムは、オーケストラのチューニングから始まり、哀愁たっぷりのメロディと重厚なアンサンブル、魅力的な女声ヴォーカルに、まず引き込まれる。歌詞が分からないのが残念だが、何が飛び出すか分からないシアトリカルな展開と、多彩な楽音が弾けるクラシカルな響きは、大いに楽しませてくれる、水準の高い作品。後半は一転して、カリブ風からハットフィールド風までなんでもありの、軽妙でありながら重厚、シリアスさとコミカルさが同居する、目くるめくも正体不明な超絶音楽になる。呆気に取られるとはこのことでしょう。いやあ参りました。
ENSEMBLE NIMBUS
KEY FIGURES 94/CD/SWE/SWE AD PERPETUM MEMORIAM APM9403AT
*サムラのドラマーを始め、ギター&ベース、キーボード、バイオリン、クラリネットの5人編成。クリムゾンやマグマにも通じるヘヴィ・プログレッシブで、テクニックは凄いしレコメン系の硬派の音なのだが、クラリネットの響きのせいかどこか温かみもあって、たいへん心地よく乗れる作品である。お勧め。
SCAPEGOAT 98/CD/SWE/SWE TAP RHCD12
*ギター、クラリネット、ドラムス、バイオリンという4人組みで、ドラムスはサムラの HASSE BRUNIUSSON 、ほかに TOMAS BODIN, STOMU IMAZAWA, STEFAN KARLSSON がゲストで一曲ずつ加わっている。サムラ系というよりは、バイオリンやギターが「太陽と戦慄」である。敢えて言えばクリムゾンがちょっとサムラしてみました、というところで、音も曲も凝りに凝っていてたいへん面白い。
GARMONBOZIA 00/CD/SWE/SWE TAP RHCD25
*前作の内ジャケがそのまま外のデザインになっていて、ぱっと見たときはブートかと思った(^^;。前作と同じメンバーで、ゲストに TOMAS BODIN, STEFAN CARLSSON (あれ、前作と綴りが違う(^^;)が2曲ずつキーボードで参加。少し肩の力が抜けてきたような余裕も感じられるが、相変わらず緊張と不安をかき立てるメロディとアンサンブルに引きずり込んでくれる。
ENTELI
LIVE 97/CD/SWE/SWE AMIGO AMCD738
*マルチプレーヤーの ALE MOLLER、サックスの JONAS KNUTSSON、ヴォーカルやフィドルの LENA WILLEMARK 他5人組のバンドのライブ。無国籍トラッドとジャズが融合した味わい。
ENZO AVITABILE
BLACK TARANTELLA 17/CD/ITA/EU SONY 88985393062
*チッタ・フロンターレでフルートやサックスを演奏していたのが思い出されるが、この声にはとにかく惚れてしまう。様々なミュージシャンと共演しながら、長年、ナポリ音楽を追求してきた。ジョナサン・デミも、彼のドキュメンタリーフィルムを撮ったほどである。本作もブックレットにはナポリ方言、標準イタリア語、英語の三言語で歌詞が書かれていて、その活動の証が見て取れる。参加メンバーは実に多様で、PINO DANIELE, RAIZ, FRANCESCO GUCCINI, BOB GELDOF, FRANCO BATTIATO, DAVID CROSBY, MAURO PAGANI などなど、錚々たる顔ぶれであり、彼の影響力の強さを物語っている。とまあ、話題も十分だが、一度アルバムを聴けば、理屈は吹っ飛ぶ。すべての曲がそれぞれに個性的で、美しく、奥深い。私が聴いた2017年発表のアルバムではベストオブベストの一枚。
EPIFANI BARBERS
MARANNUI 04/CD/ITA/ITA FOREST HILL FHME 36
*BBSでYouさんに教えていただいた、マンドリン奏者のアルバム。ずばり、傑作です。アコーディオン、ベース、パーカッションに男女のヴォーカルが加わる。バンドの名前は、床屋さんでミュージシャンの人が開発したマンドリンの奏法にちなんでいるらしい。デジパックのジャケットやスリーブも床屋さんの写真ですごくいい感じだ。音のほうは、実は最初聴いたときはベンナートのアルバムつながりなのでわりと軽い音だな、という印象だったのだが、まもなくこれは何とも、聴いたことのないユニークでエスニックな演奏だと気づき、やめられなくなった。ベンナートよりは地中海の対岸というかマグレブな感じ(ってどんな感じかといわれても実は困るが)、さらに無国籍な個性もあって、聴いたことのない作品だ。ベンナートが好きな人なら絶対にこの魅力にはひっかかる。きっとワタシのようについつい「おいぱ!」と口にしてしまうようになるでしょう。
EQUIPE84
ID 70/CD/ITA/JPN KING KICP2391
*ディチョッチョがドラムスで参加。ビートポップスからサイケの影響を受けるころのイタリアの音。怪しげなドラムスとメロトロンらしきフルートのタイトル曲からスタートするものの、中身はヴォーカル曲になる。いわゆるラブロック的なベタな感じではなく、やや乾き加減の、軽快でポップな、サージェントペッパーあたりを意識した造りで聴き心地が良い。
EQUIVOCI ---> LUCIO BATTISTI Special
ERIS PLUVIA
RINGS OF EARTHLY LIGHT 91/CD/ITA/FRA MUSEA FGBG4048.AR
*90年代イタリアのバンドで、演奏はそつがないし、歌は英語だし、サックスやバイオリンも入って、堂々の抒情派シンフォプログレの大作。まあちょっと堂々とし過ぎていて(^^;、聴いていて気恥ずかしくなるところもある。もうちょっとはりつめた冷たさみたいなものがあったらよいのだが。
ERMANNO DE BIAGI
L'ALBERO DELLA PAZZIA 79(10)/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 0602527459868
*THE UNIVERSAL MUSIC COLLECTION シリーズ、"Progressive Italia Gli Anni 70 Vol.7" 所収の一枚。水音から始まる一曲目にやや身構えたものの、全体にメジャーキーが多くほのぼのした歌声、ややサイケ色が漂うものの、聴きごこちのよいカンタウトーレ作品。
ESAGONO ---> AREA & ARTI + MESTIERI Special
ETNA
ETNA 75/CD/ITA/ITA MELLOW MMP209
*イタリアン・ジャズロックの屈指の名盤。何かタイトルらしきレタリングのようなものが書いてあるのだが、読めない。オーソドックスな四人組でオールインスト、ひたすらテクニカル、硬質なリズムを刻む。安心してそのスリルに身を任せてしまうことのできる作品。FLEA から発展したバンドで、中心メンバーのマランゴロ兄弟は後に GOBLIN に参加する。
ETRON FOU LELOBLAN
BATELAGES 77/LP/FRA/FRA GRATTE-CIEL 2001
*アヴァンギャルドでヤケクソな感じ。こういうきわめて突拍子もない演奏をするバンドは好きです。
EN PUBLIC AUX ETATS-UNIS D'AMERIQUE 85/CD/FRA/FRA MUSEA GA8612.AR
*なんと、アメリカでライブなんかやっていたんですね! このめちゃくちゃな、しかし実に巧妙にそのようにくみ上げられた音の物語は、たしかにライブで聞きたい。
EUANTHIA REMPOUTSIKA
TO ASTERI KI HE EUKHE 98/CD/GRC/GRC WEA 3984 25821 2
*紙ジャケなんだけど、ひまわり畑で夜空に浮かぶ地球を見上げるこの絵、すごく気に入った。どういう人なのかはわからないが、たぶんバイオリンを弾く作曲家。キャロライン・ラベルが何曲か参加しているから、私の言うところの美麗残響系にゅうえいじモノ(^^;の恐れは多少感じていたのだが、オーケストラによる大仰にセンチメンタルでメロディアスな映画音楽風の似たような曲がここまで並ぶとさすがに・・・。ただしラベル参加のアレクサンドリアという曲はエスニックな雰囲気の歌モノでかなりよいです。
EUGENIO BENNATO --> EUGENIO BENNATO / NCCP / MUSICANOVA Special
EUGENIO FINARDI
NON GETTATE ALCUN OGGETTO DAI FINESTRI 75/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5151
SUGO 76/LP/ITA/JPN WARNER P10313C
*アレア、アルティと並んで日本に紹介されたフィナルディだが、アメリカ育ちということもあってか、わりとストレートなロックシンガーという印象。
BLITZ 78/CD/ITA/ITA POLYGRAM 846 464-2
*クランプス時代のアルバムだが、あらためて聴くとかなりよいではないか。バックのジャズ・ロックの演奏は、クランプスのあのプログレッシブでアグレッシブな迫力が素晴らしく、フィナルディの歌も力強い。これは古いアルバムも聴きなおす必要がありそうだ。
MILLENNIO 91/CD/ITA/ITA WEA 9031 75691-2
*フィナルディはクランプス時代の2枚しか聴いたことがなかったが、もうアルバムは通算20枚ほどにもなろうというヴェテランロックシンガーである。久々に聴いた90年代初めの本作、がさがさした声質は相変わらずだが深みというか丸みを帯びていて、若い歌い手にはとうてい不可能な余裕がある。聴きこむほどに深まる味わいはさすがである。印象的なメロディの曲も多く、演奏も洗練されている。
OCCHI 96/CD/ITA/ITA WARNER 0630-16031-2
*T氏お勧めのフィナルディ、本作はさらに落ち着きと色気のあいまった声を聞かせてくれます。レコーディングはミラノとニューヨークです。バックの音も今風でけっこう演奏が目立っているのに、この声質で埋もれないのはさすがの巧さ。カッコイイおやじだ。曲も味のあるのが多いが、ワタシ的には "Dopo l'amore" がイチオシかな。月並みな表現ですが燻し銀のような味わいです。
IL SILENZIO & LO SPIRITO 03/CD+DVD/ITA/ECC EDEL 0152938ERE
*今までT氏にさんざん勧められてきたフィナルディですが、いまいちピンときていませんでした。でもこれを聴いてワタシの中でフィナルディは突き抜けました。傑作です。というか、感動の名盤です。正直なところ、フィナルディの声はあいかわらずで、それ自体はあまり好みではないのです。しかし、ここではバッティアート、デアンドレ、レナードコーエンのカバー、トラッドのアレンジから、なんとバッハまで、ピアノとアコギと笛、チェロが入った古楽風のすばらしいアンサンブルで地中海の風を吹かせてしまっていますから(インストナンバーあり)、そこに割り込む力んだダミ声、もうこれはたまりません。この流れの中でM8のソウルフルなヴォーカルを聴くと、コントラストが強すぎて却ってすっきりと聴けて、ここでフィナルディのヴォーカルが「うまい!」ということに気づくのです。DVDでは本番までの毎日のリハーサル風景、メンバーのインタビュー、一向に上達しないビリヤード、そしてもちろん6曲分のライブ映像まで見られます。この歴史のありそうな洋館(療養所?)がまたすばらしい(そのサロンでのライブ録音なのです)。これでイメージもつかめて二度というか二倍、三倍おいしいです。
'E ZEZI
TAMMURRIATA DELL'ALFASUD 76(96)/CD/ITA/ITA BRAVO/CGD BR128553754 2
*このアルバムだとバンドの正式名称は "GRUPPO OPERAIO 'E ZEZI DI POMIGLIANO D'ARCO" になるのだろうか。調べてみるとポミリャーノ・ダルコとはヴェスヴィオに接したナポリ地方の古い町で、豊かな伝統文化があるとともに、夏にはジャズフェスティバルも開かれるとか。このバンドはこの町の出身であるということだ。もっとも初期の作品であると思われるこのアルバムは、土着性の高い音楽で、ギターや打楽器や笛に地声の掛け合いなどに、台詞回しが続く場面もあったりと、きわめて泥臭いものだが、例によって言葉がわからないのに、異国の街角で出くわした理解不可能な大騒ぎに覚えるような興奮がある。初期のNCCPなどを思わせる。
AUCIELLO RO MIO posa e sorde 94/CD/ITA/ITA TIDE SQUAD 022CD
*二曲目のその名もポミリャーノ・ダルコにふさわしく "VESVIO"、NCCPのようなすばらしい声量の男女のボーカル、豊かな響きの打楽器でまずはまります。初期作品に比べるとだいぶ洗練されてきて、地中海らしき波音もほの聞こえ、聞きやすくはなったものの、破天荒な面白さもパワーアップ、アコースチックな楽器の響きに、しばしばはさまれる語りの調子は、一貫したものです。傑作です。
DIAVULE A QUATTO 03/CD/ITA/ITA MANIFESTO CD115
*紙ケースと歌詞・アート入りブックレット付き。どんなバンドなのか分からないが、12人組にダニエレ・セペなどゲストも数人加わる。アートワークは明らかに政治的なものだ。地中海メロディを奏でるアコースチックだがにぎやかな伴奏に、抜群にうまい声量たっぷりの男女ヴォーカルもあって、雰囲気はNCCPだがさらに土臭さが優る。
EZRA WINSTON 
MYTH OF THE CHRYSAVIDES 88/LP/ITA/ITA EWLP01
*イタリアンプログレッシブの遅れてきた実力派。オフィシャルサイトもあるし、最近2作目がボーナス入りでCD化されたしで、まだがんばっているのかもしれない。これはデビュー作だが、メロディがすこぶる良い。曲想も幻想味と迫力の取り合わせが絶妙である。演奏もテクニカルで悪くないのだが、ヴォーカルの存在感がやや曖昧だ。頑張って凝ったこともしているのだが、力不足の感。全体としてはやや小味のイエスといったところだが、なかなかの傑作には違いない。
ANCIENT AFTERNOON 90/LP/ITA/ITA ANGEL MF005
*2作目。雰囲気はずばり昔の PFM や MAXOPHONE ですね。英語で歌っていますが、ポンプっぽさもまったくなく、流麗で美しい、スケールの大きな正統派のプログレッシヴ・ロック。曲も演奏もツボを押さえていて、ちょっと悔しい気もするが、抵抗できない(^^;。新しいデザインでCD化されたようだ。

ページの先頭へ

copyright 1996-2012 rim-mei