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MIKE OLDFIELD A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
Chinese Pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 

 チューブラー・ベルズが発売されたのは、いわゆるプログレを聴き始めてから2,3年したころの高校生時代という計算になります。当時東中野にあった輸入盤店で買ったことを覚えています。それはもちろん衝撃的でした。それまで聴いていたどんな音楽とも違っていましたから。その頃はイエス、PFM、マイクのアルバムを繰り返し聴いていたのだと思いますが、特にマイクには何となく感情移入してしまいました。寡作で、一人で多重録音して作品を作り上げるというところに、内気な少年であった(今も内気な中年だけど)私は、妙に共感しちゃったのでしょう(でも一緒に歌えないので、そっちはジョン・アンダーソンだったのだ(笑))。
 ハージェスト・リッジやオマドーンも、それぞれ個性的ながらたたずまいが共通していて、この初期三部作に、私の嗜好は大きな影響を受けました。そのうち、マイクもディスコ?や歌モノを始めますが、これらはそれほど好みには合いませんでした。こんなんだったら特にマイクでなくてもいいや、という感じでしょうか。でも、どのアルバムにもどこかに「あのマイク」の味わいが残っているので、未練がましく聴いているうちに、まず大曲はほとんどが傑作であるし、アマロックやTB2、遥かなる地球の歌のような、好みにぴったりの作品に出会うので、なかなか別れる踏ん切りがつきません(^^;。
 私の好みは、やはり初期三部作と"Incantations"、"Amarok"、"TB2"、"Songs Of The Distant Earth" です。"TB3" 以降はちょっと?です。新しいテクノロジーが大好きだが、追いつけなくなってきているようにも見えます。むしろ、アンプラグドなど枯れた味わいで・・・などという気もするのですが、それでは当たり前すぎるか。呆気にとられるような、しかも必ずしもうまくいっていないようなことを、平気でやってしまうところがマイクらしいのかもしれません。というわけで、これからもどんな作品が出てくるのか、まだまだ楽しみにはしていようと思っています。
MIKE OLDFIELD 

アルバム

TUBULAR BELLS 73/LP/GBR/GBR VIRGIN V2001
*ボクストを買ったときに一旦手放してしまった初期3部作、英ヴァージン盤を後から買い戻していたのだが、先日数百円でこれが落ちていたのを拾ってきてようやく揃って、なんだかホッとした(^^;。これは白黒レーベルでバージンレコードの所在地がノッティングヒルゲイトの盤。さてしかし、あらためてここでどのような感想を書けばよいのだろう・・・。身の回りにはマイクファンが多いので、つい皆が知っていると思ってしまうのだが、考えてみれば例のあそこ以外は聴いたことがない、という人も多いのだと思う。この音の積み重ねの美しさは格別。本来、リズムは時間の流れを作るもの、しかしチューブラーベルズの出だしのリズムは瞬間瞬間を演出するかのような、刹那的な美しさ。ここでの変拍子はテクニカルではなく耽美的で、明らかに他のいわゆるプログレとは一線を画していた。余りにも聴きすぎてしまったので、今では自然に聴こえてしまうが、全体の構成は決して巧妙ではなく、むしろつぎはぎである。しかし、それがまた理論でも技法でもなく感性的なところでしっとりと馴染んでしまっているところが、チューブラーベルズを紛れもなくロックミュージックの傑作に押し上げたのだと思う。
HERGEST RIDGE 74/LP/GBR/GBR VIRGIN V2013
*ハージェスト・リッジは、リミックスされた CD よりも LP の音の方が良いのだそうである。しかし僕は CD のほうはベスト盤の抜粋しか持っていないので、きちんと比較することはできないのであった。確かにミキシングが違うことは分かるが。いずれにせよチューブラー・ベルズと比べると音は良くなった。曲の変化には乏しいが、その分情景音楽としてまとまりがあるとも言える。聴けば聴くほどメロディーの一つ一つの美しさが印象を深める名盤。なおこれにもチューブラーベルズと同様、ベッドフォード&ロイヤルフィルのオーケストラ版があるのだが、公式には発売されなかった。なかなかの作品なのに残念。
OMMADAWN 75/LP/GBR/GBR VIRGIN V2043
*初期三部作の中で一番よく聴いたのは、実はこれである。変化があって一番聴きやすいのだと思う。美しいメロディにリズムを強調したA面が抜群に面白いし、B面ものどかな風情でほっとする。そして "ON HORSEBACK" 。私は特に子どもの歌には弱いので、これでシメられたらもう抵抗できませんな。超名盤です。
INCANTATIONS 78/2LP/GBR/GBR VIRGIN VDT101, CD/GBR/JPN VDJ23005
*初期3部作発表後の長い沈黙を破って、この2枚組みが発売され、手に入れたときの喜びは、今でも覚えています。CDでは1枚になりましたが、LP2枚というのは一曲一曲は短いけれども、アナログレコードの使い方としては贅沢なわけで、当時はそこそこでかいオーディオで聴いていたので(今は悲しいミニコンポ(^^;)、音的にもぶっ飛びました。ミニマルの手法、フェアライトの機能を生かし、マイクのフレーズを料理した大傑作です。
EXPOSED 79/2LP/GBR/GBR VIRGIN VD2511
*インカンテーション、チューブラーベルズ、ギルティのライブ。4チャンネル(SQ方式)になっていると書いてあるが、これまた聴く手段なし。
PLUTINUM 79/LP/GBR/GBR VIRGIN V2141
*んー、これはちょっと、ポップ路線への転向を感じさせた問題作。なお僕の持っているのは初期のプレスで、B面2曲めが "Sally" だが、以後は(クレジットは "Sally" でも)別曲 "Into Wonderland" が入っているそうだ。
QE2 80/LP/GBR/GBR VIRGIN V2181
*錨の穴の開いたジャケット、浮き輪のレーベル(笑)。アバのアライバルにはびっくりだが、違和感がない。曲は短めだが、マイクの味のするインストで、全体にそんなに悪くない。オラビドゥなかなかいい。
FIVE MILES OUT 82/LP/GBR/GBR VIRGIN V2222
*"TAURUS 2" はなかなかの聴き応え。結局、大曲が僕はいいのだ(笑)。"Family Man" や "Five Miles Out" は、今から考えるとマイクのヴォーカル路線の走りだ。
CRISES 83/LP/GBR/GBR VIRGIN V2262
*大曲 "CRISES" は傑作だと思う。シンセとドラムスのシークエンスが作り出す軽快な疾走感は、"INCANTATIONS" の延長上に位置付けることができると私は思う。逆にいえばそういう作風はここで完結したということになるかもしれない。B面はヴォーカル曲に力が入っているのだが、これらの曲が気に入るかどうかで、マイクの聴き方が変わるかもしれない。僕はちょっとどうも・・・。A面だけで「お気に入りマーク」がついていると考えてください。
DISCOVERY 84/LP/GBR/GBR VIRGIN V2308
*マイクの歌モノが苦手な僕でも "TO FRANCE" は抜群に気に入っている。あとは印象が薄い。
THE KILLING FIELDS 84/LP/GBR/GBR VIRGIN V2328
*同名の映画のサウンドトラック。やや歌モノが納得いかずにいた私にとって、これはコンテンポラリーな作りで、案外好きだった。
ISLANDS 87/LP/GBR/JPN VIRGIN VJL28006
*またまた大作登場で、この "Wind Chimes" はエスニックな香り漂う名曲です。ケチャがはいるなど太平洋的な雰囲気は新機軸。"North Point"、"The Time Has Come" も歌モノとしてはわりと好き。ここまではLPで買っていたんだけど、CDは一曲多いらしい。
EARTH MOVING 89/CD/GBR/JPN VIRGIN VJD32219
*歌モノ中心で、僕にはあまり興味の持てないアルバム。
AMAROK 90/CD/GBR/JPN CD/GBR/JPN VIRGIN VJCP38
*オマドーン2とのうわさもあった傑作。いきなりエスニックでエキセントリックな出だしに打ちのめされる。ラストの盛り上がりまで、息をつかせぬ展開。この思想と構成は確かにオマドーンの一つの発展形だと私には思えるが、何はともあれ1枚1曲の大作で、妙なポップ路線から吹っ切れたと感動したのだが。
HEAVEN'S OPEN 91/CD/GBR/JPN VJCP28015
*このアルバムだけ、クレジットが MICHAEL。ヴァージンとの契約消化のためのアルバムで本人が気に入っていないからという話もあるが、マイク自身がヴォーカルを取っている曲は悪くない。アマロックの後にこれだったので当時はがっかりしたのだが、改めて聴いてみると、"Mr. Shame" なんか彼の歌モノでは傑作ではないだろうか。逆に大曲 "Music from the balcony" が、ちょっとつかみ所がない。
TUBULAR BELLS II 92/CD/GBR/JPN WEA WMC5531
*TBを作り直すという発想自体賛否両論ありましたが、私は気に入って、必死に耳コピして打ち込みに燃えました。セルフカバーと言ってしまうには余りにももったいない、デジタル・エイジのチューブラーベルズ。しかもアコースティックなパートはあくまでアコースティック。とにかく最高です。
SONGS OF THE DISTANT EARTH 94/CD/GBR/JPN WEA WPCR125
*A.C.クラークの小説に基づいたコンセプトもの。SF映画のサントラのような風情があって、叙情的でドラマチック。マイクのメロディーラインの特徴が案外よく出ている作品で、これが気に入ると他のも気に入るのではないか。
VOYAGER 96/CD/GBR/JPN WEA WPCR807
*ケルト音楽のアレンジと、それ風オリジナル。トラッドの小曲にはいつも楽しませてもらってきたが、民族音楽は彼の楽曲のルーツなのだから、やはりこういう、かなり本気入れた(笑)アルバムをいつか出して欲しいと思っていた。
TUBULAR BELLS III 98/CD/GBR/DEU WEA 3984243492
*ついに出ましたTB3。サンダーバード3号ではないよ(失礼)。残念ながら、TBやTB2のような画期的な作品とは思えない。チューブラーベルズやムーンライトシャドウやディスタントアースや・・・諸々の変奏曲集という印象。でもわかっちゃいるけどやっぱ "Secrets" から "Far Above The Clouds" の流れは泣けるぞ。ここで子どもの声とはあざとい。全体を覆うのは透明感で、ビートのはっきりした曲も危惧したほどハウスな音にはなっていなかったけれども、さすがに洗練された作りになっているから、"The Source of Secrets" なんか繰り返し流せば新しいファンもつくだろう。おいしいところの集大成という意味では、刷り込まれた名曲の数々の記憶がチクチクされる快感がまたまたクセになるのだろうが・・・でもやっぱり、あまりにも薄味だ。このタイトルは、もうちょっと取っておいてほしかった。さてさて、次には何をするつもりなのかいマイク(なれなれしいって>自分)。
GUITARS 99/CD/GBR/DEU WEA 3984274012
*マイクがギターだけで作り上げたアルバム。ギター、そして多重録音。これは、ケルト音楽に向かったヴォイジャーと同じように、マイクが自分の原点を踏みしめ、確かめようとする営みとして生まれた作品であろう。ヴォイジャーが内容だとすれば、ギターズは方法だ。もちろん緻密に作り上げられたのであろうが、出来上がってみればそこには余裕しゃくしゃくのマイクの音が聞こえてくる。そういう意味では、緊張感がないのでちょっと物足りないということはあるかもしれない。・・・というような事を考えていたら、TB3とは一体なんであったのか、という問いにも答えが見つかったような気がする。TB3がなぜ「薄味」なのか、それはつまり、あれはTB2のように緻密に構成された作品ではなくて、「チューブラーベルズという(及びそれに象徴され続けてきたミュージシャンとしての)彼の半生そのもの」の追体験だったのではないか。だからこそ Man in the rain はあそこまで Moonlight shadow に似過ぎているのだ。・・・というのはどうでしょうか?
THE MILLENNIUM BELL 99/CD/GBR/DEU WEA 8573808852
*これはなんというか、テーマがミレニアムだから当然といえば当然だが、お祭りのようなアルバムである。古代から現代までの歴史がテーマである。オーケストラとコーラスが前面に出ていてギターの出番が少なく、メロディはともかく音的には「どこがマイクじゃあ!?」と言いたくなる面もある。TB3以来の、あまり作りこんでなくて勢いで行っちゃいました的な雰囲気もある。タイトル曲の盛り上がりもDJ風の軽薄な部分があるのは気に食わない。私としては「TB3+ギターズ+ミレベルをギュッと濃縮して一枚のアルバム作ってほしい」というのがホンネである。・・・と、まあ、もし文句をつけようと思ったらいくらでも文句はある。しかし、もはやここに新しい刺激を求めても仕方がないであろう。そういう聴き方は、もうマイクには私はしていない。曲ごとには、SONGS OF THE DISTANT EARTH や PLUTINUM や KILLING FIELDS や TB3 などなどを思い出させてくれる。それに、・・・いいのだ、お祭りなのだから! ジャケットの外側には作者としての MIKE OLDFIELD の名前がまったくない。だからこれはたぶん、本来の意味で文字通り「企画盤」なのだ。そう思って聴くと、このクラシカルでゴージャスな明るさは新鮮だ。一般受けもするだろう。私はTB3よりはこっちが好きだが、まるで逆の人もいると思う。ただ、どちらもとても「今のマイクらしい」作品なのだと思う。
TRES LUNAS 02/CD+CDROM/GBR/DEU WEA 0927 458922
*ワーナー・スペインからの発売。スペインではマイクはテレビショーにもよく出演したりして、ずいぶん人気があるようだ。本作は、最近のマイクが取り組んでいた "Music VR" という、CG 動画と音楽の統合作品のようなものが入っているCD-ROMとセットになっている(フルバージョン楽しむには別に登録料が必要とは・・・)。マイク以外はヴォーカルに SALLY OLDFIELD, AMAR, JUDE SIM, あとはアシスタントエンジニアとパーカッションプログラミングという構成。全体の雰囲気は最近になく私の好みの幻想味にあふれたもので、やはり映像に挑戦していた "SONGS OF THE DISTANT EARTH" に近いものがあり、そこでやり残していたことをやり遂げたという意味もあるだろう。どの曲もマイクのメロディラインの美しさが素直に味わえ、聴きやすいのだが、淡々とした美しい曲が並ぶ分、盛り上がりには欠けていて、ストーリー性のあった "SONGS OF THE DISTANT EARTH" に比べると物足りなさは残る。シングルカットされたヴォーカル曲 "TO BE FREE" はシンプルで明るいが、マリンバ風のパーカッシブな音が「呪文」あたりを思いださせもする懐かしい響きもある歌。
TUBULAR BELLS 2003 03/3CD+1DVD/GBR/DEU WARNER 2564602052
*チューブラーベルズ30周年は、ついにマイク自身による再演となった。ひきつづき、ワーナー・スペインからの発売。最新のデジタル技術はかつてのアナログ・オーバーダビングの限界をやすやすと超えてしまっているから、なんとも余裕のある演奏振りである。最初に気になるのはベースのモジュレーションであり、土壇場でぶっとぶのは「ぐるるるるららららんどぴあーのう!」の巻き舌であるが、全体としてはよりくっきりと音がわかり、メロディやコードがわかるということで、オリジナルでやろうとしたことをきちんとやり遂げたという以上には、何も足さず、何も引かず、というところ。30年前にこのテクノロジーがあったらこうなっていただろう、という意味で、新しさはまったくないが、まさにそれゆえにチューブラーベルズ・スピリットそのものという作品。というわけで、あえて「お気に入り」マークはつけない。なお、私が購入したのはTB2、3にボーナスDVDがセットされたボックスだが、どうも紙がヤワでしまりがない。始末が悪いので外箱をつけて欲しかった。また、TB2003のみ悪名高きコピーコントロールCD。わたしのPCでは専用プレーヤが立ち上がるものの、つながって演奏される曲間がそのつどぶちきれて、悲惨な再生になってしまった。しかしリッピングはできてしまうようである。つまりコピーコントロールといいながらコピーはできて聴くほうはちゃんと聴けない。なんでこんなばかげた規格?がとられるのだろう。
LIGHT + SHADE 05/2CD/GBR/EU MERCURY 9873810
*ついに出てしまいました、マイクの2枚組新作。まずクレジットを見てみよう。4本のギターとベース、一台のピアノの名前がある。しかしキーボードは "ROLAND AND YAMAHA" と記されているのみ。その後にマック+ロジック、ウィンドウズ+FLスタジオ、さらに多くのソフトウェアの名前がクレジットされていく。そういう世界である。果てしなく心地よいし、聞きなれたメロディ、フレーズ、リフが現れては消えて、記憶をくすぐる。これからもあえて聞こうとするようなアルバムではないけれど、音の美しさに酔えば、大好きだったマイクはそこにもここにも息づいているから、BGMとしてPCから流し続けるにはぴったりのニューエイジジャンル。おまけのソフトは、何曲かのトラック音量をビジュアルにリミックスできるというお遊び。
MUSIC OF THE SPHERES 08/WAV/GBR
*いったん発売が延期になった時には、すでにネットに流出していたらしく、今回ほど事前情報がいきわたっていた(人によっては、もうほぼ全曲聴いていた)ことはなかっただろう。単純に言えば、マイクが旧作をモチーフにして作ったスコアを、カールジェンキンズがクラシカルなオーケストラアレンジに仕立てた作品というところだろうか。オーケストラはこれまでも使っているし、クラシカルな展開やアンプラグドの構成も初めてではないが、オケ+クラシカルアレンジ+アンプラグドの三位一体は初めてかと思う。前作のもろニューエイジなちょっとオールドというかアウトオブデイトな感じよりは、普遍性がある分、賢いコンセプトかもしれない。ただこうなってしまうと、もうなんだか「本格的な映画のサントラ」みたいで、曲も良いしアレンジも見事だから悪くはないのだが、ちょっと物足りないのは仕方がない。なお今回は私は iTunes shop のダウンロード販売を利用した。プレミアライブバージョンがまるまるついてくる。
RETURN TO OMMADAWN 17/CD/GBR/EU VIRGIN CDV3166
*もうあまり期待はしていないのだが、今回はちょっと違った。なにせ、タイトルが「オマドーンに還る」である。昔で言うA面B面一曲の、パートT・U構成。一人多重で制作というのは、むしろチューブラーベルズの手法であるが、これがあのオマドーンをほうふつとさせるものだとしたら、それはもう感動以外の何ものでもない。ということで、久しぶりに食指が動いた。初期三部作の内、オマドーンが良かったのは、マイクが徐々に開かれてきたことによっていたのではないかと思う。トラッドの香りを保ちつつ、アフリカンドラムスやコーラスでリズムやハーモニーの厚みとダイナミクスを取り入れ、そして最後にあのオン・ホースバック。しかし残念ながら、そこまでの期待はやはり大きすぎたようだ。本作の出だしは素朴なトラッドのメロディ、生ギターの爪弾き、・・・しかしその後の展開は単調だ。一人多重ゆえの小ぢんまりとしたまとまり方は、オマドーンの名を冠するにはあまりなじまない。やはり私にとっての最大の興味は、あの最後の盛り上がりが、40年後の新作でどう解釈され表現されているのか、と言うことだったのだが。


企画盤等

TUBULAR BELLS (quadraphonic version) 73/LP/GBR/GBR VIRGIN QV2001
*このチューブラーベルズのLP、4チャンネルなんですが、もう再生装置がありません。アルバムの最後に、ラジコンの飛行機かなにかをぐるぐる飛ばしている音が入っています。
TUBULAR BELLS 73/LP(PICTURE)/GBR/GBR VIRGIN VP2001
*僕の宝物番外編のピクチュア盤。
THE ORCHESTRAL TUBULAR BELLS 75/LP/GBR/GBR VIRGIN V2026
*盟友デヴィッド・ベッドフォードのオーケストレーション。ただこのころのベッドフォードがらみの盤はなんだか録音がはっきりしないのが残念。
BOXED 76/4LP(box set w/booklet)/GBR/GBR VIRGIN VBOX1
*初期の3作のリミックス3枚と、シングル盤などを集めた1枚の、4枚組み。ブックレット付き。僕の宝物その1です。
THE SINGLES 80/miniLP/GBR/JPN VIRGIN VIP5905
*シングル盤を集めたもの。日本の編集。 12インチなんだけど、写真付きラベルが大きくて録音時間は短い。
AIRBORN 80/2LP/GBR/USA VIRGIN VA13143
*つくづく因果だなあと思うのは、サリー入りプラチナムをオークションにいったんは出したものの腹が据わらずに引き上げたところで、この珍盤を見つけて落札しちゃったこと。といっても格安なのに回転寿司になっていたので、最初見送っていたのについにたまらずに入札、開始価格で落とせたわけだが。これはアメリカのヴァージンの正規盤なのだが、1枚目はプラチナムのようでありながらside2の一曲目がギルティ、side3がTB1のライブで79年3月から4月のヨーロッパツアー、side4が呪文のスタジオと同じツアーのライブ音源の組み合わせ、という微妙な編集もの。ジャケットはだいぶよれていますが中身はとてもきれいで問題なし。まあ久しぶりに明るく元気なTB1のライブ聴きいてシアワセな気分でした。
THE COMPLETE 85/2LP/GBR/GBR VIRGIN MOC1
*2枚組みベスト盤。アルバム未収録ものが多く、お値打ち。CDは曲が多いようだ。
ELEMENTS 93/4CD(box set w/booklet)/GBR/GBR VIRGIN CDBOX2
*美麗プラスチックボックス入りベスト盤四枚組、ブックレットつき。僕の宝物その2です。
XXV THE ESSENTIAL MIKE OLDFIELD 97/CD/GBR/DEU WEA 3984-21218-2
*芸能活動25周年記念盤(って書くと何だか演歌歌手の人みたいだが(^^;)。チューブラーベルズから始まって、来年発売予定のチューブラーベルズ3の予告編で終わる全14曲。マイク音楽のベスト盤というよりはむしろサンプラーと言うべきで、一枚の廉価盤CDにすべてを詰め込んだ風であるから、鑑賞に堪えるレベルのしろものではないが、それは致し方ないか。さてファンにとっては何といっても注目のチューブラーベルズ3だが、・・・うーん、これだけでは何とも言えないが、このところ立て続けにシングルで出ている(らしい)ダンス風焼き直しの流れでないことを祈るばかり。それにしても、2は確かに新しい出発を感じさせる90年代のチューブラーベルズであったが、さほど間を置かずに3をやる意味は一体何なのだろうか?あとは発売を待つばかり・・・。
TUBULAR BELLS (25th Anniversary Edition) 98(73)/CD/GBR/EU VIRGIN CDVX2001
*「チューブラーベルズ」発売25周年記念の、S. Heyworth によるデジタル・リマスター・バージョン。ブック形式銀枠デザインのジャケットに32ページの写真入り解説付き(ざっと見たところでは R. Newman "The Making of …" からの引用のようで、同書を持っている人には資料的価値はない)、ゴールドディスク(しかしこれがまた取り出しにくい構造・・・)。リマスターの成果だが、さすがに一つ一つの音がとてもはっきりとして、スプライシングテープもヘナヘナになっていたというマスターから起こしたものとは思えない。パート2のあのニセ原人のあたり(^^;など、迫力が増した。しかし、何だか「楽曲」としての雰囲気よりも、「音」がきちんと聞こえている、という感じになった。するともう耳になじんでいたはずの、ちょっとしたタイミングのずれやミスタッチなどが、引っかかってくる。これは単なるリミックス盤ではなかった経験である。まあ聞きつづけていると案外、こっちが自然に思えてくるかもしれないけど。あとは残りの初期作品も続けてリマスターしてくれると楽しみが増えるのだが。
HERGEST RIDGE THE CLASSIC ALBUM DELUXE EDITION 10/2CD+1DVD/GBR/GBR UNIVERSAL 5326754
*チューブラーベルズのリミックスはもう追いかける気がまったくないのだが、このハージェストリッジには期待した。2010ミックスのほか、オリジナル、デモなどが含まれていて、まあおかしな話だが最注目は「オリジナルが初版LPミックスか?」という点だ。よく知られているように、CDはBOXED版の4chミックスが使われていて、初版LPミックスはその後使われていない。4chミックスは、おそらく位相の関係で後ろから聞こえるようにした音が、2chで聞くと引っこんでいてほとんど聞こえない。4chミックスが標準になったいきさつは知らないが、聴き比べてしまうと、やはり初版LPミックスのほうがバランスがよいし、音の粒立ちというか輪郭が鮮明な印象である。そこでこのデラックスエディションの「オリジナル」だが、初版LPそのままかどうかは私の耳では断言できないが、明らかに初版LPで聞こえていて4chミックスで聞こえなかった音が聞こえているので、ファンの長年の希望をかなえるものだと言ってよいと思う。またデモバージョンは、私は初めて聞いたが、作曲は出来上がっていて、アレンジもほぼ固まっている段階のものと思われる。まるごと別テイクかは判断がつかないが、少なくともかなりのトラックは別テイクで、荒削りながら、彼のギターに関心があれば聞く価値はあるのではないか。さて肝心の2010ミックスだが、ギターのパートをかなり強調したミックスで、これは私には違和感が強くていただけなかった。久々に食指を動かされた企画盤だったが、よく考えてみるとCD2だけでよかったかなと、、、。新しいデザインのジャケットは、これはこれでよいんじゃないですかね。
OMMADAWN THE CLASSIC ALBUM DELUXE EDITION 10/2CD+1DVD/GBR/GBR UNIVERSAL 5326761
*オマドーンは、これまでリマスターCDを購入したことがなかったので、ハージェストリッジと同時に購入してみた。2010版を最初に聞いたが、ほとんど違和感なく、オリジナル版と聞き比べてみると、全体のバランスを壊さずに一つ一つの楽器音をくっきりさせたという印象だ。これならこれからは2010版を聞くことになるかも。結果的に最大の聞きものはLOST版だ。最初のうちオリジナルの空気感がなくてエレクトロニクスが目立っている。オリジナル冒頭のアコギの雰囲気は後半にでてきて、パーカッションと歌に入り、このまま第一部の終わりかと思っていると、とんでもない掛け合い漫才が始まるという驚きの展開だ。エンディングもパーカッションのフェイドアウトではなく、TBパート1風。というわけで、なかなか面白かった。
INCANTATIONS DELUXE EDITION 11/2CD+1DVD/GBR/GBR UNIVERSAL
*さて、今度はインカンテーションのデラックス盤です。ジャケットは新デザインだ。しかし中身はちょっとどうかな。CD1はリマスターにギルティがおまけというのは、あまりにも雰囲気が違いすぎ。CD2はボーナスだが、リミックスにトラッドを挟み込んだ構成も微妙。DVDは5.1ミックス、VCとウェンブリー・ライブは "exposed dvd" 等で既出。4曲目にマスタリングミスがあって音が飛ぶというトラブルで、交換に出している。結果的に、CD2の細切れのリミックス以外は初物はなく、ネタ探しに行き詰り感が強い。さて、次はプラチナム、サリー入りで出すのでしょうか。まさかワンダーランド版リマスターと盤起こしサリー版の2枚組みなんてことはないでしょうな。ところで初版はマスタリングミスで、4曲目で音飛びが起こる。というわけで返品中だ。
CLASSIC ALBUM SELECTION (6 ALBUMS 1973-1980) 12/6CD/GBR/GBR/UNIVERSAL 370 490-6
*このところのデラックス・エディションの一枚ものを六枚セットにした超お買い得ボックスセット(公式サイトでは20ユーロ)。特にマニアでなければ、ほぼ一枚分のお値段で6枚聞ける。私もこれを買っておけばあれこれ取っておかなくても良いということで入手。残念なのはプラチナムがやはり "Into Woderland" だったこと。これでサリー入りの正規盤プラチナムの可能性はほぼなくなったということか。というわけでLPはまだ手放せなくなった。さて、プラチナムとQE2はデラックスエディション買わなかったので、久しぶりに聴いた。大作路線からの転換期というのは、プログレのバンドでは珍しくない通過点であるけれども、プラチナムは全般にアレンジがシンプルすぎて、やはりどうにも物足りない印象が強い。一方で、QE2は、彼のいろいろな音楽の要素や指向性がうまくバランスがとれているのと、メロディの温かさにアレンジの厚みが加わって、聴いていて楽しく明るくなれる。このあとのFMO、CRISESという流れを振り返って、あらためてホッとさせられながら聴くからかもしれない。


bootleg

TUBULAR BELLS LIVE 73?/CD/GBR/GBR? MOTB62573
*私はブートには手を出すほうではないのですが、これだけは欲しかったのです。クレジットどおりとすれば、これはチューブラーベルズの最初のプロモーションライブだからです。ブランソンの自伝にも、当日になって演奏できないとぐずるマイクをベントレーに乗せてドライブに連れ出し、この車をあげるからと説得する場面が印象的な、1973年6月25日、クイーンエリザベスホールのライブです。ミックテイラー、スティーヴヒレッジ、フレッドフリス、テッドスパイトが参加とあります。スタンシャルの名もありますが、例のあそこのナレーションは、どうしちゃったのというくらいガタガタです。基本的にはアルバムを忠実に再現しようという試みで、パート2冒頭にホーンパイプのパートが重なるアレンジが目立つくらいで、へなへなになったカセットでオリジナルのTBを聴いているつもりになってしまうくらいです(^^;。音はかなり悪く、雑音やら不自然なクロスフェード(おそらく音が途切れたかとんでもない雑音が入ったところをカットしたのでしょう)やらで、まあ普通だったら腹立っちゃうようなものですが、中古で格安でしたし、当時の雰囲気を(味わうというのは無理だが少なくとも)想像することができるので、まあ満足です。ジャケ裏に書かれている、チューブラーベルズの曲構成は興味深いです。
BALM FOR THE WALKING DEAD ?/CD/GBR/? ANT209
*マイクのブートとしては有名なもので(といっても、また別のブートのコピーらしいが)、いわゆるレアトラック集。曲目と掲載のコメントをご参照ください(アルバムタイトルをクリック)。プラチナムの初期盤のみ収録のサリー(パンカディドルの音質がヘン)や、ドンアルフォンソのロングバージョンにドイツ語バージョンなどの有名どころのほかにも、ソノシートや放送など、なかなか聴くチャンスのない音源が多い。曲として魅力がある "PASSED YOU BY" や、放送で流れたTB2あたりが聴きもの。中古でよく出回っているし、音質もほとんどのトラックはまあまあで造作もよいから、安値で拾えれば持っていて損はないと思う。
JUST ONE NIGHT ?/2CD/GBR/? CANTERBURY DREAM CTD-001/2
*ブートは好かないとか言っておきながら3枚目だが(^^;、2枚組で1,000円だったものでつい・・・。これは1982年5月29日、たった一度だけのマイクの日本公演のブートである。怪しいナンバリング付のチケットのコピーが入っている。音質はこの時期のブートにしては良い方ではないだろうか。雑音も少ないし、レンジは狭いがバランスはとれていて聴きやすい。活気のあるライブ演奏がたっぷり2枚分聴けるので、これもまた中古で安く落ちていたら買って損はないかも。


シングル盤

THEME FROM THE MORTION PICTURE "THE EXORCIST" 74/EP/GBR/JPN WARNER-PIONEER P-1321W
*まあ話のタネに(^^;。これはヴァージンの両面マイクの「本命盤」では「ない」、ワーナーパイオニアの純粋?な「サントラ盤」のシングル。レーベル面のカッコの中(つまり作曲者として)以外にはマイクのマの字もない、まあニセモノと言えばニセモノ、ホンモノと言えばホンモノ・・・。B面の「イラクの遺跡」もけっこう怖いよ(^^;。
TAKE 4 78/EP/GBR/GBR VIRGIN VS238
*トラッド曲集。
GUILTY 79/12EP(blue vinyl)/GBR/GBR VIRGIN VS24512
*なんとダンス風の12インチシングル。なんだかんだ言っても結局聴いていましたけど。クレジットによると Steve Winwood がオルガンを弾いている。
FAMILY MAN 82/EP(PICTURE)/GBR/GBR VIRGIN VSY489
*ピクチュア盤。
MISTAKE (WALDBERG) / THE PEAK 82/EP/GBR/GBR VIRGIN VS541
MOONLIGHT SHADOW 83/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS58612
*マイクの歌モノでは代表曲でしょう。そんなに嫌いではなかったのですが、ビデオクリップ見たらあまりにもブリブリで(笑)、どうも好かなくなってしまった。B面のとぼけたトラッドの方が好きだったりする。
SHADOW ON THE WALL 83/12EP/GBR/GBR VS 625 12
*アルバムバージョンよりちょっと長い。裏は "TAURUS 3"。
CRIME OF PASSION 84/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS64812
*なんかフツーの歌。
TO FRANCE 84/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS68612
*"TO FRANCE" はマイクの歌モノではずば抜けて気に入っている曲です。この曲だけあればいいってくらいで。ほのかなトラッドの香りに美しいヴォーカルが感動を呼びます。B面も面白い。最後の曲はケチャのコラージュで、後の "WIND CHIMES" の伏線になっているわけだろう。このケチャのサンプルは、おそらく "MUSIC AND RHYTHM" の VIC COPPERSMITH-HEAVEN のと同じだ。
TRICKS OF THE LIGHT 84/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS70712
*これもフツーの歌だな。B面にはカラオケまで入っている。
ETUDE 84/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS73112
*サントラ、キリング・フィールドからのシングルカット。これのビデオクリップも案外好きだ。
PICTURES IN THE DARK 85/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS83612
*これは歌モノとしてはなかなか凝った作りになっていて、聴き込むと面白い。インストのパートを組み合わせて大曲にしたらどんなだったろうなどと想像したくなる。
SHINE 86/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS86312
*ジョン・アンダーソンが歌ってます。当然、ジョンの歌になっちゃってます。ジョンが歌えばなんでもイエス。ひたすらハッピーな曲です。
ISLANDS 87/12EP/GBR/GBR VIRGIN VS 990 12
*インストパートが最後に付いている分、アルバムよりちょっと長い。他に "WHEN THE NIGHTS ON FIRE" は当時CDのみの収録だったので、LPしか持っていない人(私(^^;)には価値があった。ウィンドチャイムズの抜粋はアルバムと同じ。
THE TIME HAS COME 87/12EP/GBR/GBR VIRGIN VST1013
MAGIC TOUCH / MUSIC FOR THE VIDEO WALL 88/12EP/GBR/GBR VIRGIN 609 872-213
ONE GLANCE IS HOLY 89/CDS/GBR/GBR VIRGIN 662-761-211
*MIKE OLDFIELD with ADRIAN BELEW 名義で、エイドリアン・ブリューがリードヴォーカルをとっている。アルバムでは単に "HOLY" というタイトルなのに、シングルではタイトルが長い。3つのバージョンが入っているが、どのミックスもアルバムとは違っている。離婚後に息子に会えるときの気持ちを歌った曲ということである。
TATTOO 92/CDS/GBR/GBR WEA 4509-91409-2
*TATTO(Edit), SILENT NIGHT, SENTINEL(Live)の3曲入り。タトゥーのエディットは地味なもの。センティネルのライブはエジンバラコンサートのもの。きよしこの夜は、まさにまんまなのだが、たまたまこのシングル盤を拾ったのが20世紀最後のクリスマスの数日前と言うことでして、縁起モノですね(^^)。
IN DULCI JUBILO - THE MIKE OLDFIELD CHRISTMAS EP 93/CDS/GBR/GBR VIRGIN VSCDT1486
HIBERNACULUM 94/CD/GBR/GBR WEA 4509-98768-2
*「遥かなる地球の歌」からのシングルなのだが、2〜3曲目はどちらもアルバム未収録の美しい曲なので、お買い得。
WOMEN OF IRELAND INTERACTIVE CD ROM TRACK INCLUDES THE VIDEO 97/CDROM/GBR/GBR WEA 3984-21265-2
*CD-ROM 部分は、"Women ..." のダンス風リミックス?に、それらしいビデオ・クリップの付いたものが目玉で、他に簡単なバイオ、ディスコグラフィー、数枚のポートレート。デザイン的にも公式ホームページのミニチュア版といったところ。ビデオはまあそれなりだが、 "Women ..." のダンス風リミックス?はまったくいただけません。次々こんなのを作らせないと商売にならないのでしょうか。音声トラックは他に "Women ..." のアルバムバージョン(やっぱこれでなくちゃ)と "Mike's Reel" というお約束の楽しいトラッド。
MAN IN THE RAIN 98/CD/GBR/GBR WEA 3984-25184-2
*TB3からのシングルカット。やっぱりいくらなんでも "MOONLIGHT SHADOW" に似すぎ。2曲目の "SERPENT DREAM" と3曲目の "THE INNER CHILD" はライブだが、特に「ライブっぽさ」を感じるようなものではない(もともとそういう曲ではない)ので、なんだか物足りない。"The Source of Secrets" か "Far Above The Clouds"にしないのは、どこかで使うのに取ってあるのか?
FAR ABOVE THE CLOUDS CD1 99/CD/GBR/DEU WEA206CD1
FAR ABOVE THE CLOUDS CD2 99/CD/GBR/DEU WEA206CD2
*どうのこうの言うのもばからしいリミックス盤。12インチもあるのでお好きな方はどうぞってとこか。でもなあ。サンプリングは自然音とかラジオとか、異質なものを統合して新しいものを生み出す画期的な技術だったのに、ギョーカイ内部でフレーズサンプリングで一つのネタを繰り返し再利用して稼ぎ尽くすのなんて、ミュージシャンもDJ?もそれでOKなのだろうか。音質が良くなってシンクロも精確になったってだけで、やってることはイーノ&バーンとか、「ペルシアン・ラブ」の焼きなおしじゃないか。なんて言ってちゃ今時シゴトにならないんだろうかなあ。マイクもインタビューでデータ渡せばリミックスやってくれるヤツがいてなんて言ってて、抵抗感ないみたいだし。そもそももとネタのTB3だってかなりそういうモノなので、あえて言えば、これらのシングルなんて使いまわしのそのまた使いまわしなんだし。せめて再々利用の分だけ値段安くしていいんじゃないか。それにしてもこんなの同時に二枚も出すなって。
TO BE FREE - THE REMIXES 02/CDS/GBR/DEU WARNER 09274 67752
*なかなか手に入らない、と下で愚痴っているのを聞きつけたTさんが、見かねて譲ってくださいました。持つべきものはマイクファンの太っ腹な人生の先輩であります。感謝感激です。美しいスリーブの写真に、中身はシングルバージョンと、リミックス4バージョンの併せて5曲入り。曲自体は素直な歌で悪くないです。ちょっと素直すぎるのですが。
THOU ART IN HEAVEN - THE REMIXES 02/CDS/GBR/DEU WEA 0927483732
*うーん、アルバム "TRES LUNAS" からワーナースペインからのリリースになって、シングル盤がすっかり入手難になった。"TO BE FREE" のシングルが入手できない。こちらは忘れたころに届いた。タイトル曲の Radio editとリミックスが5曲、"TO BE FREE" の西独仏語バージョン3曲の計8曲入り。リミックスのほうは、例によって例の如し。じっくりと聴き込むようなものではない。"TO BE FREE" の外国語版は面白い。


ビデオ

THE ESSENTIAL 80/VC/GBR/JPN VICTOR VBM13, 80/LD/UK/JP PIONEER MP140-25VN
*一般に発売された最初の公式ビデオ。ギターの弾き方講座みたいなのも語ってしまうインタビューと、コンサート・ライブ。このビデオ、何度見たか分からないほど見た。でもベータのビデオデッキがオシャカになって以来、見れなくなってしまった(ToT)。
P.S.その後、中古のベータデッキを入手して無事ダビングしました(^^)。
P.P.S.さらに滅び行くメディアLD盤も買ってしまいました(^^;。
THE WIND CHIMES 88/VC/GBR/JPN JIMCO JIVR69106
*ビデオクリップ集。 "The wind chimes" はじめ "Islands" からのオリジナル6曲に、5曲プラス。トータルで "Elements" ビデオと4曲重なるのだが、"Shine" や "Pictures in the dark" 収録はうれしい。
TUBULAR BELLS 2 LIVE AT EDINBURGH CASTLE 92/VC/GBR/JPN WEA WMV57026
*エジンバラ城でのライブビデオ。アレンジは完璧で、加えてこの臨場感・・・。バグパイプバンドが登場するところなど、もうゾクゾクです。
ELEMENTS 93/VC/GBR/JPN POLYDOR POVP1016
*かつてテレビ放映されたことのある、チューブラーベルズの昔のスタジオライブ映像の一部が見られる。私の手持ちの埼玉テレビのビデオ録画(ゴースト入りまくりで光化学スモッグ警報のテロップまで入っちゃう(ToT))に比べると桁外れに画質がよいので、何とかフルバージョン出してほしいものだが・・・。全10曲入り。チューブラーベルズ2までの歩みが、インタビューを交えて分かるように構成されている。最後にインタビュワーの鼻にハエがとまったと大笑いするマイクが明るい。
TUBULAR BELLS III PREMIERE PERFORMANCE RECORDED LIVE AT HORSE GUARDS PARADE LONDON 98/VC/GBR/JPN WARNER WPVR-90001
*TB3のいわゆるワールドプレミアライブのビデオ。やはり楽曲としての統合感の弱さは否めないと思うし、ライブにしてもTB2のような厚みには欠けるが、少数精鋭のバック陣の演奏も文句なしの出来で、さすがにかっこいいです。でもバージン時代の曲は、契約上の理由だろうがビデオに入っていないから(別音源で聴く機会があったがなかなかの盛り上がりで、ビデオに入らないのがかえすがえすも残念)、アンコールが直前の繰り返しになるのが終わり方として不自然。いっそ切っちゃったほうがすっきりしたかも。
TUBULAR BELLS 2 & 3 99/DVD/GBR/JPN WARNER WPBR-90203
*2in1でさらに期間限定廉価版で出ていたので、DVDで買いなおし。うーん、こうやって続けてみると、どうしても2の濃さと3の薄さが、余計はっきりと見えてしまいますね。やはり2あたりまでが、私にとっての「好きなマイク」ということに確定しそうです。
MILLENIUM BELL - LIVE IN BERLIN 02/DVD/GBR/JPN WARNER WPBR90135
*実はこれ、ビデオテープではだいぶ前にある方のご好意で見ていました。DVDレコーダをやっと買えたので、自分用の最初のソフトとしてようやく購入。中身はベルリンで行われたミレニアム年越しイベントでのライブ。観客50万人、テレビ放映で1億人に配信(ホントか?・・・見ることのできる人が、という意味でしょうね。日本語解説の「一説には80億人」っていったいどういうこと?)とか。TBやムーンライトシャドウもやっていて、後半にはミレベルからの曲が並ぶ。メイキングやインタビューもあり。演奏も映像も良好。
ELEMENTS 04/DVD/GBR/EU VIRGIN EMI 724359999098
*これはびっくり、まさかのレア映像満載のDVD。VC/LD盤の "WIND CHIMES" の全部(たぶん・・・バージョン違いは確認していないので)と、"ELEMENTS" のかなりの部分(インタビューも)を合わせて、さらにいくつかの珍しいクリップを加えたというところで、収録時間も3時間近い。なんと言っても、VC/LD版ではほんのサワリしか収められなかった、BBCのテレビ放映用スタジオライブのチューブラーベルズパート1が、完全版で、美しい映像と音で見られるのがまずは感激。やはりこれは名曲という以上に、一つの出来事というべき作品ですね。ワタシはUHF局放映のとんでもなくひどい映像のビデオテープしか持っていなかったので、こんな風に見られる日がいつか来ると信じて早幾年・・・。感動です。メンバークレジットが出ます。JOHN FIELD(flute), FRED FRITH(guitar), JOHN GREAVES(kbd & bass), STEVEHILLAGE(guitar), TIM HODGKINSON(kbd), KARL JENKINS(oboe), GEOFFLEIGH(flute), PIERRE MOERLEN(percussion), MIKE OLDFIELD(bass & acoustic guitar), TERRY OLDFIELD(flute), MIKE RATLEDGE(kbd), MICK TAYLOR(guitar)。んー、知らなかった面子も何人か。いやーすごいですね。クリップ集もみたことのないものがいくつかあって、ちょっと某超大国大統領に似ていないでもないような気がするおっさんがとぼけた演技を見せる "DON ALFONSO" (TB1見終わって感動に浸っているとこれが始まってあっけにとられるので注意)や、ワタシはなかなか気に入った "BLUE PETER"、アニメーションがサイケエイジを感じさせる "GUILTY" など楽しめる。インカンテーションが使われている"THE SPACE MOVIE"のフルバージョン(かどうか確かめてはいないが)も収録。あと "Heaven's Open" って、やっぱり悪くないです。それ以前のヴォーカルものはやはりあまりピンと来ないですね。もちろん、"To France" は別格ですが、このビデオは口パクですねえ、残念。
EXPOSED DVD 05/2DVD/GBR/GBR VIRGIN 094633803794
*またまた驚きの蔵出し映像、79年エクスポウズド・ツアー。画質や音質はまったく問題のないもの。この時代でマルチアングルというので驚いたが、要はもともと複数のカメラで撮影しているわけで、それらが並行して見られるようにしてあるという仕掛け。ズームやパンでピントがずれるのや中途半端なアップなどもそのまま含まれているが、これはこれで興味深く、また結果的にミュージシャンたちの手元を映している映像をじっくり見られるのもそのおかげ。とはいえ、演出らしい演出の感じられないステージ、曲が終わると鳴らされる鳴り物、休憩時間からステージに降り注いだ大量の紙飛行機は、当時の一般的なライブビデオとしては商品化に不適と考えられてお蔵入りになっていたのだとしたら理解できないでもない。ケースにも注意書きがあるとおり途中一瞬停止する部分もある。演奏そのものは、多くのミュージシャンが参加し、聞き所は多いが、楽器としてはブラスがけっこう目立っている(インカンやギルティに合わせた編成になっている)上に、この時期のかなりロック寄りのアレンジが、チューブラーベルズではやや違和感を与える結果になっており、またギルティも、今こうして見るのは、ちょっとつらいものがある。しかし、やはり再確認させられるのは、インカンテーションズがいかにすばらしい作品であるかということだ。新譜が出て間もない発売タイミングが、ほとんど嫌がらせのように感じてしまう。
LIVE AT MONTREUX 1981 06/DVD/GBR/? EAGLEEYE EE39088-9
*81年モントルー・ジャズフェスにおける、バンドスタイルの80年代マイクの貴重なライブ映像。バージンにはサンクスはあるがイーグルアイというところからのディストリビュート。映像も音も良く、QE2、プラチナムといったこの時期の新譜と、オマやTBのバンドアレンジの取り合わせがしっくりとなじみ、聴き応えのあるライブになっている。正直なところ、見るまでは80年代マイクのライブを侮っていたかもしれない。なかなか良いですよ。それにしてもマギーのファッションセンスは・・・。
LIVE IN GERMANY 1980 12/DVD/GBR/EU IMMORTAL IMM940380, 12/CD/GBR/EU IMMORTAL IMA104891
*1980年のドイツ公演がCDとDVDの両方で発売されたわけだが、廉価とはいえ正規ルートでの流通のようである。81年のモントルーのDVDが出た後では、インパクトは今一つというところ。画質・音質も劣る。とはいえ録音の悪さを、ライブの雰囲気と解するなら、これはこれで意味があるかも。


トリビュート

DUO SONARE
DUO SONARE PLAYS MIKE OLDFIELD 96/CD/DEU/DEU MDG 630 0628-2
*生ギター2本でチューブラーベルズを再現するという、とんでもない作品。しかしもともとTBはアコースティックな音が基本だから当然かもしれないが、自然な仕上がりになっていると思う。なかなかダイナミックな演奏で、飽きさせない。マイクファンの間でこの作品が案外好評なのも分かる。
(v/a)
KEEP ON DREAMING... HIAWATHA 2000 00/CD/GBR+DEU/? AVALON/H2 (no number)
*ドイツで2000年に開催された、MIKE OLDFIELD TRIBUTE のライブというかファンの集まりのようなもののようだが、TOM NEWMAN, BARRY PARMER, MICKEY SIMMONS が加わっているところがミソ。TOM NEWMAN BAND は、何せ本人がいるわけだから、フェアリイ・シンフォニイからの曲は繊細に仕上がっているし、"SUPERMAN" などもなかなか楽しい。MIKE OLDFIELD TRIBUTE BAND は、BARRY PARMER のヴォーカルで "SAVED BY A BELL", "DISCOVERY", "SHADOW ON THE WALL" が聴けるのだが、彼の歌自体がワイルドなので仕方ないかもしれないけれども、いささか荒い印象。しかも "I SAW HER STANDING THERE", "TWIST AND SHOUT" をノリノリで歌い始めてしまって、トリビュートはどこかに飛んでしまう。ボーナス扱いの "ON HORSEBACK" も、マイク以外の人が歌うというのが納得できるかどうか。まあ基本的には珍盤ということでしょう。

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関連盤
BEDFORD-NEWMAN-OLDFIELD, DAVID BEDFORD, KEVIN AYERS, MICHEL POLNAREFF, PEKKA POHJORA, PHILIP GLASS, SALLYANGIE, TOM NEWMAN, "V"
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