- LUCIO BATTISTI
- オリジナル・アルバム
- LUCIO BATTISTI 69(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321 761892
*24 BIT REMASTER の GOLDEN COLLECTION (BMG CFD01104, 2001) でついに入手したファーストアルバム。手持ちのベスト盤に未収録だった4曲も聴けて、胸のつかえも取れた。さすがにアレンジは時代を感じさせられるものの、リマスター盤で良い音質で聴けるせいもあろうが、曲はやはり一つ一つ味わいがある。
- EMOZIONI 70(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321 761882
*ベスト盤ですべて聴いていたのでアルバムとしてはこれまで購入していなかったのだが、GOLDEN COLLECTION の一枚としてようやく入手。もともとシングル盤の集成のようで、ファーストアルバムとも二曲重複しているくらいで、この順序で聴いたからといって新しい発見は今のところないのだが、やはり名曲ぞろいである。
- AMORE E NON AMORE 71/LP/ITA/JPN KING GXF2044, (01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 872242, (07)/CD/ITA/EU 88697151112
*リコルディレーベルでの3枚目に当たるこのアルバムは、バッティスティのアルバムの中でも特異な作品だから、これだけ聴いて彼の作風を判断しない方が良いのは確かだが、単に歴史的名盤として「終わった」とする意見に与することは私にはとてもできない。サイケデリックでプログレッシブ、斬新なコンセプトや音作りもすばらしいが、その中には90年代の作品にまで連綿と受け継がれている彼の歌心がちゃんと込められていることが、聴き込むほどに感じられるはずである。 P. S. 24 BIT REMASTER 盤は GOLDEN COLLECTION の一枚として、セットのみの発売となった。音の粒立ちが良くなって、さらに名盤の感を強くした。 P. P. S. 07年リマスター盤には、オリジナルアルバム未収録(ベスト盤等ではおなじみ)"ELENA NO" がボーナス収録。
- VOL.4 72/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6484
*バッティスティの横顔の切り絵になっているジャケットはなかなかしゃれている。マリオ・ラヴェッツィがロレダナ・ベルテとファウスト・レアーリの共演でも取り上げている一曲目 "LA TRE VERITA" は、クロサワの羅生門にインスパイアされたという、サイケ調のなかなか面白い曲。
- UMANAMENTE UOMO: IL SOGNO. 72/LP/ITA/ITA NUMERO UNO ZSLN55060, (01)/CD/ITA/ITA BMG 74321 896012, (07)/CD/ITA/EU 88697151132
*ヌメロウーノレーベル設立後の意欲作。FORMULA 3 のサードアルバムのタイトル曲にもなった "SOGNANDO E RISOGNANDO" も入っています。荒削りなバックにどこか不安げな響きのあるボーカルがたまりません。それにしてもこのアルバムが当時のイタリアの年間アルバムチャートで一位になったというのは、いろいろな意味ですごい。 P. S. 一連のデジタルリマスター、デジパック再発シリーズですが、アニマラティナはなぜ出ない?(P.S. 後から出ました) とはいえ、この名盤が遅ればせながら発売されたのは歓迎です。ベスト盤などでそれなりによい音質では聞けたのですが、この作品は、一曲一曲独立はしていますが、やはりタイトル曲がインストであったり、"Sognando e Risognando" からやはりインストの "Il Fuoco" へ流れて終わるところにコンセプトを感じるからです。あたたかな印象のタイトル曲も題名は意味深で、"IL FUOCO" は暗く怪しい曲ですし。さてしつこいですがアニマラティナもぜひリマスター盤を!(註:後日発売されました) P. P. S. 07年リマスター盤には、オリジナルアルバム未収録(ベスト盤等ではおなじみ)"ANCHE PER TE" と "LA CANZONE DEL SOLE" がボーナス収録。
- IL MIO CANTO LIBERO 73/LP/ITA/ITA NUMERO UNO DZSLN55156, 73(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321 761872
*小粒ながら気の利いた感じの曲が多くて、僕の中ではかわいらしいイメージ(^^;のアルバム。白地にたくさんの素足、素手というジャケットデザインも気に入っている。タイトル曲 "IL MIO CANTO LIBERO" は、とりわけ名曲。泣ける。 P. S. 24 BIT REMASTER シリーズ。このジャケットを見た小学生の息子が、手ばっかりなのを面白がったので、私は「でね、裏はね・・・」と裏返してみたら・・・!!! 私が持っているLPは手と足だったんですが、このデジパックは、両面が手だったということに、やっと気がついたのでした。やっぱり足はほしいですね(なんのこっちゃ)。さて、この盤はもともとバック陣が充実しているので、リマスターのおかげか(というのは私はCDの通常盤を持っていないのでよく分からないのですが)音がくっきりとしてとてもよいです。とにかくこのタイトル曲はいい歌だ。
- IL NOSTRO CARO ANGELO 73/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD74011, 73(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321 821232
*タイトル曲 "IL NOSTRO CARO ANGELO" をはじめ、"LA CANZONE DELLA TERRA" もいいし、ラストの "QUESTO INFERNO ROSA" の、歌もさる事ながらまったく洗練されていない(^^;バックの盛り上がりが最高("SOGNANDO E RISOGNANDO" の好きな人は必聴)! 佳曲揃いのお勧め盤。 P. S. 24 BIT REMASTER シリーズ。もともとバックはすかすか、音もぼこぼこした感じで、バッティスティのこの時期の盤のなかでは、楽曲はよいのに演奏はずば抜けてチープな印象でした。まあ好きな人間にはその雰囲気がたまらないのですけれど。それがリマスターでどのように変わっているのかというと、・・・すかすかぼこぼこのままくっきりしていました(^^;。タイトル曲やラストの曲、やっぱり大好きです。
- ANIMA LATINA 74/LP/ITA/ITA NUMERO UNO DZSLN55675, 74/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD74012, 74(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321 917892
*バティスティのアルバム中、アルバムトータルとしてはもっとも気に入っている作品。ジャケットも美しい。彼の渋い歌声と、ブラスを含めたバンドの厚すぎず薄すぎない絶妙のバッキングが融合して、独自の世界ができています。 P. S.やっと 24 BIT REMASTER シリーズで出ました。この作品はぜひ聴いてください。プログレッシブを超えたプログレッシブな音楽の、一つの到達点ではないかと思います。タイトルから想像されるような、ステレオタイプなラテンの音や雰囲気は、ないわけではありませんが、すぐにはかなさと哀愁のなかに融解していきます。そして、音もフレーズも次々と昇華していくような可憐な美しさと軽味は、似た作品を思いつかないばかりか、バッティスティらしさの滲み出す作品でありながら、もっとも異色です。ほとんど曲間のない構成は、思えば "Amore e..."や "Umanamente Uomo..." で試みたと思われるトータルコンセプトを洗練させた形でついに実現したのではないでしょうか。この作品発表後のバッティスティは、都会派ポップス路線に向かっていきます。
- LA BATTERIA, IL CONTRABASSO, ECCETERA 76/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD70146
*実はジャケットがダサダサなのでずっと買う気がおきなかったのだが、聴いてみたら案外いけた。一曲目(ラストにもちょっと入っているが)の "ANCORA TU" は、ベスト盤のタイトルにもなっていたりするからきっとヒットしたのだと思うが、いい歌である。この歌が以後の都会派ポップス路線の嚆矢になったのだろう。
- IO TU NOI TUTTI 77/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD70147
*ハリウッド録音で、バックの雰囲気はカリフォルニア風に(^^;洗練されているが、バッティスティの持ち味はよく出ていて、悪くないと思う。
- IMAGES 77/CD/ITA/ITA BMG 74321-19932-2
*世界進出向け?の英語盤。CDはナンバー入り限定盤(僕のは0251)。あちこち注文したのだが入手できず諦めていたのに、たまたま立ち寄った新宿南口のタワーで新品に遭遇して驚いたの何の。中身は実はあまり期待していなかったが、なかなかどうして、聴きなれた曲も新しいアレンジと別の言葉を得て、新鮮な気持ちで楽しめた。歌詞付きで意味がわかりやすいのもありがたい。
- UNA DONNA PER AMICO 78/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD74181
*ロンドンと、The Manor (!)で録音している。一曲目の "Prendila Cosi'" はしっとりとした名曲で最高です。どの曲もそれぞれいいんだけど、アレンジや録音がまた実に良質で、バッティスティの歌がよく引き立っている。ちょっとした仕掛けの類もよくできている。完成度の高いアルバムだと思う。
- UNA GIORNATA UGGIOSA 81/CD/ITA/ITA NUMERO UNO PD70079
*ロンドン録音で、バックのメンバーも豪華だが、なんだかクロスオーバーっぽい演奏がスマートすぎて、イタリア色が褪せていてもの足りない。曲は良いが、引っ掛かりがない感じだ。後半の曲がいい。
- E GIA 82/CD/ITA/ITA BMG NUMERO UNO PD75371
*エレクトロニックなバックで、これが意外にもバッティスティの歌にかなり合う。見開き写真付き8ページのスリーブに珍しく歌詞が付いていたり(LPのジャケ裏と内袋か)、彼の他のアルバムとデザインが違って、キレイな感じでとまどう。軽快で幻想的な雰囲気もある、印象深いアルバム。"ANIMA LATINA" とともに(雰囲気はまったく違うが)プログレ・ファンにもわりとお勧め。
- DON GIOVANNI 86/CD/ITA/ITA BMG 74321194152
*前作で一気にエレクトロポップに向かうか、と思わせておいての本作は、フュージョンなバックもあればエレクトロニックなものもバラードも、と変化に富んだ名曲ぞろい。歌モノとしての深みを感じさせる。この時期の名盤に推す人も多い(が、僕は "E GIA" の方が好き)。
- L'APPARENZA 88/CD/ITA/ITA BMG NUMERO UNO PD71850
*このアルバムから、白地に黒の線画あるいは文字という、えらくあっさりとしたジャケットデザインが続く(例によって歌詞カードもなし)、曲の方もさっぱりとした味付けながら、ドラマチックな展開の歌が多い。アルバム全体としての印象はあまり強くないが、どの曲もそれぞれ味わいがある。僕は "Per Altri Motivi" がわりと好きだ。
- LA SPOSA OCCIDENTALE 90/LP/ITA/ITA CBS 466727 1
*「西洋の花嫁」というタイトルの意味は如何に。歌詞にはクセがあるのかもしれないが、曲はやさしいエレクトロ・ポップという印象。改めて聴いてみると、この前後のアルバムの橋渡し的な作りになっているのが良く分かる。ここで参加したアンディ・ダンカンが、以後の音作りに大きくかかわってくるわけである。
- COSA SUCCEDERA ALLA RAGAZZA 92/LP/ITA/ITA SME 4723281
*スチュワート&ガスキンのアルバムにも顔を出しているダンカン&コナーのエレクトロニックなバックが、バッティスティの枯れたヴォーカルに絡む。白地に名前とタイトル(少年の日の出来事、というような意味か)、そしてその手書きの頭文字という、とてつもなくシンプルなジャケットデザイン。語りのような歌もあればけっこう盛り上げる歌もあり、淡々とした歌い方なのに奥行きの深さを感じさせるさすがに大ベテランの味。
- HEGEL 94/CD/ITA/ITA BMG 74321 229162, (03)/CD/ITA/ITA BMG 74321 948282
*イギリス録音。音はエレクトロニックだが、曲は変化に富んでいるし、あいかわらずのしぶい声が不思議な落ち着きを生み出している。それにしてもテーマが「ヘーゲル」と来た(^^;。歌詞が手に入れば意味を探ってみたいが、分からなくても曲は曲としてじゅうぶん楽しめる傑作。
P.S.*某ショップのカタログを何気なく見ていたら、03年になんと紙ジャケで再発されている。コンプリートから流れたものか? ヘーゲルしかないのは、これだけ作りすぎちゃったとか、あるいは他もあったけど売り切れたのか・・・。何はともあれ、久しぶりに聞いたが、この遺作、ちゃんとバッティスティ風味が出てて、やはり良いのだ。デビューから駆け抜けてきた彼の作品の変遷を改めて辿り、そこに貫かれてきたバッティスティの世界の見え方に思いを馳せ偲ぼう。
- ベスト・アルバム、企画盤
- ANCORA TU - GREATEST HITS 93/CD/ITA/DEU BMG RCA 74321 13983 2
*ドイツプレスのベスト盤で、歌詞は付いていないが簡単な英語の解説があって、ちょっと助かる。"UMANAMENTE UOMO: IL SOGNO."から2曲、"IL NOSTRO CARO ANGELO", "IL MIO CANTO LIBERO", "LA BATTERIA, IL CONTRABASSO, ECCETERA" からそれぞれ4曲が収められている。妥当な選曲・・・と言いたいところだが、"IL NOSTRO CARO ANGELO" が2回入っているのがヘン(^^;。ジャケットに「4曲オマケ(plus 4 bonus tracks)」と書いてあるから、てっきり「11から14はライブか? 同じ曲が入っているんだから、少なくとも別バージョンには違いないよなあ?」と思い込んで買ってみたのだが・・・心持ちミキシングの音質が違うかも?という気がしないでもないが、ほとんどまったく区別がつかないのである(^^;;;。うーん・・・。まあ、いい曲なんで2回聴いても別にかまわないという人には、廉価盤でもあるし、バッティスティ入門に悪くないのだが・・・。(P.S. ITALIAN MUSIC FAVORITES の片山さんからご教示いただいたのですが、ボーナストラックはCD化したときに加えられたもので、同じ曲が2曲になったのは、まあイタリアだからでしょう、とのことです(^^;)。
- LE ORIGINI 94/CD/ITA/ITA RTI RTR4100-2
*2枚組み全26曲入りの、リコルディ時代のシングル曲を収録したベスト盤。下の "I SINGOLI 1966-1972" とほとんど曲が重なるが、デジタルリミックスされているので、もともとあまりレンジの広い録音ではなかった曲も、音質がきれいになっていて聴きやすい。全曲歌詞付きなのもうれしい。
- LE ORIGINI vol.2 95/CD/ITA/ITA RTI 0212-2
*2枚組みで合計139分53秒、全30曲。ヌメロ・ウーノ設立後の、"UMANAMENTE UOMO: IL SOGNO.", "IL NOSTRO CARO ANGELO", "IL MIO CANTO LIBERO", "ANIMA LATINA" という、もっともプログレッシヴな曲が充実していた頃の4枚のアルバムのほとんどの曲と、未収録曲2曲(シングル盤のみの発表だった "La canzone del sole" と "Anche per te")が入ったベストアルバム。なぜこれを買ったのかというと、歌詞が付いているから(通常のアルバムには付いていない)。でもモノクロームの写真とミュージシャンたちのいくつかのコメント、そしてどうしても欲しかった何曲かの歌詞の載った48ページのブックレットを含め、装幀がとても洒落ていて、くやしいけどうれしい(^^;。バッティスティがはじめてという人に勧めるには一枚物でも選曲の良いベスト盤はあるが、バッティスティの「この時期」をまとめて聴きたい人にはお買い得。でも名作 "ANIMA LATINA" がこんな風にバラバラにされてるのはちょっと、ねえ・・・。
- I SINGOLI 1966-1972 96/2CD/ITA/ITA BMG SATBCD370782
*リコルディレーベル時代のシングル盤を集めた二枚組み。最も古いものは30年余り前の曲だから、さすがに古くささはあるが、私は最初期の2枚のアルバムは持っていないので、すでに「イタリア歌謡界のスタンダードナンバー」となった(たぶん)名曲の数々もあるし、音質は当然よいだろうし、というわけで、つい買ってしまった(^^;。曲名で見る限り、1stアルバムの6曲、"EMOZIONI" の全曲、"AMORE E NON AMORE" の3曲、"VOL.4" の4曲が入っている(もっともアルバムの間でもともとダブりもあるので数え方が難しい。最初のうちはまずシングル盤が出て、曲がたまるとアルバムになっていたのだろうから、ベスト盤かオリジナルアルバムかという区別自体が難しい)。"ELENA NO" は、オリジナルアルバムには(たぶん)収録されていない。ブック形式の箱入りジャケットで、シングル盤のジャケット写真を載せた16ページのグラビアがとじ込んである(しかしA面とB面同じ写真を載せるよりも説明と歌詞をつけてほしいぞ)。CDもオープンリールテープみたいなデザインが印刷してあって洒落ている(しかしこの箱は、下側のCDの出し入れがものすごくしにくい(^^;)。限定版でナンバー入り、僕のは12984(「当たり」とかはないのだろうな(^^;)。
- RESPIRANDO 99/CD/ITA/SPA BMG 74321645272
*バッティスティのスペイン語曲集。きちんと聞き比べていないから確かなことはいえないが、ヴォーカルトラックの入れ替えばかりではなく、たとえば "RESPIRANDO" はアレンジも違って、もともとラテンな曲でもあり、イタリア語版よりもさらによい感じだ。うーんこれでまた久しぶりにもっと聞きたくなったぞバッティスティ。やはりこの悲しげな声とメロディすばらしいな。
- LE AVVENTURE DI LUCIO BATTISTI E MOGOL 04/3CD/ITA/ITA BMG 82876662802(3)
*バッティスティ+モゴル時代、68年から80年までのリマスター3枚組みベスト。モゴルのコメントがあって、歌詞も入ったブックレットつき。しかし目当ては冒頭の69,70年の未発表曲三曲。うーん商売がうまい・・・。音は古いものも含めてびっくりするほど良いのは確か。未発表曲もバッティスティらしい曲でよいです。しかし3枚組み・・・。
- BATTISTI-PANELLA: IL COFANETTO 06/3CD/ITA/ITA SONY 88697001612
*バッティスティがモゴルと別れてパネッラと組んだ、"DON GIOVANNI" から "HEGEL" まで、86〜94年の5作品を3枚のCDに順番に収めた、お買い得盤。ブックレットには曲ごとに歌詞ではなく詩のようなものが付いている(歌詞は上のリンクからどうぞ)。後期作品はベストモノに取り上げられることも少ないので、この機会にぜひこの「小箱」を。
- IL NOSTRO CANTO LIBERO 07/2CD+DVD/ITA/ITA SONY BMG 88697199762
*イタリアモノに多いCDケースタイプとDVDトールケースタイプの二つの装丁があるベストモノで、2CD+DVD。中身は多分一緒だと思うが分からない。ワタシのはCDケースタイプ。最近は YouTube でけっこう見られるようになっているものの、よい画質ではなかなか見る機会がない、RAI提供の古い映像を集めたDVDがついているのが最大の売り。バッティスティの映像は、テープは店頭で見た記憶があるが(当然テープの頃はPAL再生ができず、見たとしても指くわえてたから正確に記憶していないが)、DVDは初ではないか。ここに収録されている映像はリコルディ時代の懐かしいものばかりだが、驚いたのはオマケ映像で、フォルムラトレが二曲やってる! ・・・と思ったら、ケースの表示と実際の曲目は微妙に異なっていて、トレは一曲だけだった。映像の方はチコがメインで、ギターとキーボはあまり映らないのは仕方がないか。ロレンツィはクラビとハモンドとペダルで忙しそうだ。それからモゴルのロングインタビュー。これは字幕なしではワタシにはどうしようもない。CDは初収録が2曲。71年のシングル盤か。"IL MIO BAMBINO" はなかなかドラマチックな曲だ。ベストものとしてはやや中途半端で、既成のファン向きの企画。
- LUCIO BATTISTI ( I CAMPIONI )
- L'AUTORE, L'ARTISTA 98/BOOK+CDS/ITA/ITA ENERGIE ISSN11243260
*バッティスティの80年代までの活動を追ったムックの様なもので、関連のあるレコードジャケットはもちろん、雑誌や新聞の記事などが生のままで盛りだくさんに、オールカラーで収録されていて、イタリア語が読めないワタシが見ても時代を感じさせられて、楽しく、非常に興味深い。80年代で切っているのが中途半端なのだが・・・。オマケCDの中身はバッティスティがメンバーとなっていたらしいカンピオーニというビートバンドのシングル二曲(曲はカバーもの)と、17分あまりの79年のインタビュー。
- PRIME EMOZIONI 06/BOOK+CD+CDS/ITA/ITA ICE 001100BOX
*上記のCDS付きムック "L'AUTORE, L'ARTISTA" に、独自編集と思われる8曲入り20分ほどの I CAMPIONI のCDを追加して、さらにがっちりした箱に入れたもの。"L'AUTORE..." を未入手の人には、この機会にとお勧めできるが、すでに持っている人はカンピオーニのCDがほしいかどうかだろう。あと箱か。音はあまりよくないが、曲は「オー・プリティ・ウーマン」などのカバーも含め、いかにも60年代っぽいビートポップ。今さらではあるのだが。
- トリビュート
- artisti vari
- INNOCENTI EVASIONI 93/CD/ITA/DEU WEA 4509 94586 2
- INNOCENTI EVASIONI 2 93/CD/ITA/DEU WEA 4509 96531 2
*バッティスティの名曲をさまざまなアーティストが歌う2枚。いずれも新録音のようで、アレンジや音作りが今風、とにかくバッティスティ&モゴルの曲が良いし、それをベテランから最近の実力派までがそれぞれに歌い上げているので、本当に聴き応えのある、楽しいアルバム。たとえばロレダナ・ベルテがハスキーに "Prendi fra le mani la testa" を歌ったかと思えば、ロサナ・カザレがささやくように "Aver paura d'innamorasi troppo" を歌うなんて、贅沢な楽しみとしか言いようがないです。幸せです。アンナ・オクサが私の大好きな "Prendila cosi'" を表情豊かに歌っているのなんて、もうイタリアもの聴いててよかったとつくづく思うひとときです。レゲエ、ゴスペル、ビッグバンド、アンビエント風にハウス風など、アレンジも多種多様で、一つ一つうならされる。こういうトリビュート企画モノって興味を持った事がなかったのだが、認識不足でした。すごいものはすごい。このしゃれたジャケットデザインは、バッティスティの "VOL. 4" のパロディでしょうか。
- LE BELLE DI LUCIO BATTISTI 98/CD/ITA/ITA D.V.MORE CDDV6274
*バッティスティ追悼のアルバムなのだろうか。往年のグループが名を連ねているのだが、各曲の録音?年が1993〜1998で、フォルムラ・トレはわかるがリベッリ、カマレオンティ、ディク・ディクなども新録音なのだろうか。推測だが、それぞれのアーチストが最近出したアルバムから拾ってきたのだろう。Stefano Sani という人が、あの名曲 "I GIARDINI DI MARZO" をチャカポコしたアレンジで軽快に演っているのとか、バッティスティが自身の歌手デビューに先だって提供した曲を演じるリベッリやディクディクなど全16曲。たっぷり楽しめます。
- VIVA BATTISTI 98/CD/ITA/ITA RTI SP61202
*この廉価盤は、もともと "MINA CONTRO BATTISTI" という、ミーナとバッティスティのカバーを交互に入れた2枚組の変わった企画モノ(そういう歌合戦のようなテレビ番組らしい)があったのだが、そのバッティスティのカバーだけを一枚にまとめたもののようだ。ホセ・フェリシアーノ、ウィルソン・ピケット、エウジェニオ・フィナルディ、クリスチャーノ・デ・アンドレなど、バッティスティの名曲がそれぞれの持ち味で歌い上げられ、バッティスティ亡き今聴くと、私にとっては文字通り涙モノ。あらためてメロディメーカーとしてのバッティスティの素晴らしさを感じる。
- BATTISTI IN JAZZ 04/CD/ITA/ITA ELLEU 788874762460
*うーんジャズって大人の味だネ!って、すみません、普段聴かないので、こういうアルバムがジャズ的に?どうなのか分からないですが、バッティスティの作品がどれもこれも、本人はもとより広く取り上げられているポップシンガーたちの諸作品とは、まったく違ったアレンジで、新鮮な気持ちで聴けて楽しめて、これはまたバッティスティの楽曲のすばらしさと個性を改めて味わわせてくれる作品でした。リストアップされているミュージシャンは次のとおりです。MANGO, MARIO RAJA BIG BANG, ENRICO RAVA, RICCARDO BIANCHI, MARCO MICHELI, ROBERTO GATTO, DANILO REA, MASSIMO BOTTINI, BATTISTA LENA, MIA MARTINI, MAURIZIO GIAMMARCO, ENRICO SANTACATTERINA, SERGIO "SERGHEJ" COSSU, PAOLO FRESU, ALESSANDRO DI PUCCIO, ALESSANDRO FABBRI, MAURIZIO LAZZARO, LELLO PARETI, STEFANO "COCCO" CANTINI, MASSIMO MORICONI, ERIC MARIENTHAL, ELLADE BANDINI, RENATO SELLANI, MASSIMO MANZI, TIZIANA GHIGLIONI, FRANCO SANTARNECCHI, FRANCO NESTI, ENRICO PIERANUNZI, MARK JOHNSON, RITA MARCOTULLI, GIORGIO GASLINI。
- INNOCENTI EVASIONI 2006 06/CD/ITA/ITA WARNER 5051001492327
*なんとまあなつかしいジャケットで2006年版のトリビュートはうれしい企画。93年版との重複もあるのだが、新録が8曲だからよしとしよう。なかでも Max Pezzari が "La Metro Eccetra" を取り上げているのはすばらしい。ホワイトアルバム4作品はもっともっと評価されて欲しい。ドルチェネラ、リガブエのアコースティックな歌も聴きモノ。バッティスティは永遠だ。
- EQUIVOCI
- SINCERAMENTE NON TUO 03/CD/ITA/ITA EPIC SONY EPC513392 2
*まずこのスリーブのデザインに、バッティスティファンは息を呑んだのではないだろうか。発売が予告されていながら、逝去によって幻となったアルバム "L'ASOLA" のデザインなのだ(勘違いだったらごめん)! このグループは、女性二人、男性一人のヴォーカルに、女性三人、男性一人の弦楽四重奏がつくという構成だが、クラシカルにもアヴァンギャルドにも傾きすぎることなく、絶妙なバランスで個性を発揮するコーラスグループである。グループ名も "EQUIVOCI AMICI" からとられたものだろうか。"DON GIOVANNI" 以降のパネッラと組んだバッティスティの5枚のアルバムの作品からの選曲で、バッティスティのカバーとしてまず取り上げられることのなかったパターンだ。特に最後の「ホワイトアルバム」4作品は、あまり評価されることが少なかっただけに、この作品がきっかけになって再評価されたりするとすごくうれしい。とにかく聴くべし。最後に隠しトラックあり。
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