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Chinese pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 
Å
Å 06/CD/ITA/DEU SCHACHTEL ZEIT 01
*オングストロームはどこに並べたらよいのか分からないのでとりあえずここに。まったくどういう人たちなのか知らないのだが、このアートなジャケットの潔さに惹かれて聞いてみた。やはりアートというか現代音楽のようだ。ノイズ、エレクトロニクスも目立つがピアノなど聴くとクラシカルな基礎のヒトタチなのかなとも思う。最初と最後の曲を除くと、タイトルがものすごく長い、というか説明のようになっている。なんだか良く分かりませんが、環境音楽には良い感じです。
ABRAXIS
ABRAXIS 77(15)/CD/BEL/GER PAISLEY PRESS PP101
*COSとメンバーも活動時期も重なり、インストであること以外は音楽性も共通する。DIRK BOGAERTのリーダーアルバムだけあってピアノとフルートが掛け合うインプロなど圧巻。カンタベリー好きの私には大満足のアルバム。
-->COS
A GROUP 
VOLUME 1 98/CD/BEL/JPN KING KICP638
*これはすごい。Xレッグド・サリーのメンバー3人に、キーボードとドラムスを加えたバンド。Xレッグドよりはややストレートな演奏であるが、超絶技巧と普通じゃないアイロニーのセンスはさらに磨きがかかっており、匹敵するもののない相当ヒネモノのプログレッシブで前衛な音になっている。
ABSOLUTE ELSEWHERE
IN SEARCH OF ANCIENT GOD 76/LP(w/booklet)/GBR/GBR WEA K256192
*曲自体はBGM風ですが、特殊ジャケットに挟み込まれたデニケンもののブックレットを眺めながら聴くと、それなりに雰囲気が出ます(そういえばデニケンの宇宙・古代文明ものの本がシリーズで平積みになっていたがまたブームなの?)。ビル・ブラッフォード参加(でも地味)。4チャンネル録音。
ABUS DANGEREUX
LE QUATRIEME MOUVEMENT 79/CD/FRA/FRA MUSICLIP 0800
*最近、ABUS DANGEREUX - ABUS - PIERREJEAN GAUCHER の一連の作品がCD化された。これはファーストアルバムだが、サックス、バイブ、チェロを含めた10人構成で、テクニカルでありながら聴き心地のよい作品。今聴いてもぜんぜん古くなっていない。フランスのジャズロック作品として誰にでも薦められる傑作。
ACQUA FRAGILE
ACQUA FRAGILE 73/LP/ITA/JPN KING K22P113
ADRIANO CELENTANO
IO NON SO PARLAR D'AMORE 99/CE/ITA/ITA CLAN CELENTANO CLN 13642
*超ベテランのチェレンターノの歌声、んーこの一曲目からぐっと来ます。なぜか懐かしい。と思ったら、多くの曲がモゴル&ジャンニ・ベッラ、プロデュースもチェレンターノ&モゴル。おそらく、バッティスティをはじめとする、70年代イタリアンポップスをそのまま熟成させた味わいなのでしょう。キーボードの深み、コーラスのちょっとした投げやりさ、オーケストレーションのアーティキュレーションなどなど、どの曲をとってもそのアレンジの、とにかく歌メロを引き立たせるさじ加減が絶妙なのです。いい曲そろってます。半透明プラスチックケース入りデジパックもかっこいい。
PERSEMPRE 02/CD/ITA/ITA CLN 2051 2
*最近のバッリョーニの雰囲気を思い出すが、バッリョーニより一回り以上年上なんだよね。もう60代も半ばでこの声の張りと色気は反則といいたくなるほど。しっとりとしてマイナーな曲ばかりだが、これがもう、どれもよい。
AFTER CRYING
FOLD ES EG 94/CD/HUN/HUN BG CD002
*ハンガリーのバンドの(多分)4枚目。バンド名以外はハンガリー語でまったく分からない。ジャズロックが基調なのだと思うが、クラシカルな要素やトラッドな要素などが混ざり合っていて、独特な雰囲気。ロックな部分がELPっぽかったり、たまにアレンジのセンスが泥臭く感じられるところもあるが、クラシカルな部分は技巧に支えられて迫力があるし、全体としてはきわめてユニークで聴き応えあり。
AGITATION FREE
LAST 76/CD/DEU/FRA SPARAX 14229
*サードアルバムだが、活動休止後に出たアウトテイクものらしい。遠い音像が瞑想を促す、実験的要素の強い作品になっている。M2はこんなのもできますというような叙情メロディが聞き物だったり、おそらくLPではB面一曲の大作M3は、なかなか気持ちいいです。
AGORA'
LIVE IN MONTREUX 75(03)/CD/ITA/ITA BTF VMCD086
*いきなりモントルーライブでデビューしてしまったバンド。かつて日本盤LPも出たので買った記憶があるから、たぶん注目度も高かったのだと思う。今回はBTFから、見開き紙ジャケに8ページの解説ブックレットつきでセカンドともども再発。ただし木は立体切抜きにはなっていないが。ソプラノサックスがリードするジャズロックで、ECM系ほどではないが深い響きを聴かせる演奏が多く、スピード感や重さよりは透明感や浮遊感が味わえる。
AGORA' 2 76(03)/CD/ITA/ITA BTF VMCD087
*セカンドアルバムはスタジオ録音。メンバーが一人交代+増員、ファーストとそれほど音楽性に違いがあるとは感じないが、フリーフォームな断片が織り込まれるなど、ややジャズの前衛に傾きつつあったのかもしれない。時折聞かせる各楽器のソロパートのかっこよさは、演奏の水準の高さを知らしめる。これだけ深みのある思索的なジャズロックを展開していたのに、二枚のアルバムで解散したというのは惜しい。
AGRICANTUS
HABIBI 05/CD/ITA/ITA CNI CNDL18400
*イタリアの地中海音楽の大御所の最新アルバムは、洗練された余裕ともいえる聴き心地のよさ。打ち込み系のリズム、サンプリングやエフェクト処理なども今風であるが、不自然さがあんがいないのはさすがにさまざまな音楽を試してきた経験の厚みか。ノリのよさでついつい引き込まれる。とはいえ女性ヴォーカルのうまさを堪能すると、よりアコースチックな音で聴きたい気がしてしまうのも正直なところ。
AIRLORD
CLOCKWORK REVENGE LP/AUS/JPN KING K25P411
AKRITAS
s/t 73/CD/GRC/GRC POLYGRAM 521 197-2
*ギリシャのプログレバンド。いちおうロックの体裁は保っているが、上手いのか下手なのか良くわからない演奏を、独特のアクの強いセンスでくりひろげる。これはこれでたいへんユニークな作品。
AKSAK MABOUL
UN PEU DE L'AME DES BANDITS 80/CD/BEL/AUT CRAMMED DISKS CRAM002
AKSAK MABOUL の2作目。一曲目はぶっこわれた COS 、二曲目はぶっこわれた JULVERNE 、といった具合。クラムド・ディスクの創始者でもある HOLLANDER の面目躍如の大傑作。BERCKMANS と VAN HECKE の管絃が炸裂、CHRIS CUTLER と FRED FRITH も全面参加で、重戦車級というよりは殺人ブルドーザー級の得体の知れなさ故の恐さのある破壊性である。
AKTUALA
s/t 73/CD/ITA/ITA ARTIS ARCD038
*ワルテル・マイオリという人を中心にした無国籍民族音楽作品。いわゆる地中海音楽というよりは、さらにマグレブから中近東寄りの印象の音。サードイヤーバンドに近いという説もあるが、スピード感や迫力があって、けっこうはまる。
TAPPETO VOLANTE 76/CD/ITA/ITA ARTIS ARCD044
*これは3枚目になるらしい。ゲストにトリロク・グルツやクラウディオ・ロッキの名も見える。分厚い音でありながら躍動感あふれ、聴き応え十分。さらに迫力を増した感のある傑作。
ALAMAAILMAN VASARAT
VASARAASIA 00/CD/FIN/EU LASKEUMA LR001
*ホイリイ・コーンの3人を含む5人組で、その発展形と聞いていて興味はあったのだが、某店でかかっているのを聴いて思わず即買い。国籍不明エスニック変態チェンバー好きな人には絶対お勧め。
KÄÄRMELAUTAKUNTA 03/CD/SWE/SWE SILENCE SLC014
*北欧変態チェンバー真打の二作目。技術的にも音響的にも高度でありながら、日本人にもなじめそうな、ヂンタのような素朴なメロディが不思議な郷愁を誘う。
MAAHAN 07/CD/FIN/JPN TOBASIS WSCT11007
*江古田バディに生アラマー聴きに行ってきました。ホント面白かったです。黒づくめのメンバーたちが並ぶステージで、太ったヒゲのサックスとやたらノッポのトロンボーンの両フロントが、ギャング映画にでてくるちょっとドジな凸凹コンビみたいな感じで暴れます。タイトなドラムスと組む二台のチェロが、ボウイングも鮮やかに歌うかと思うと歪んだギターやはじけるベース並みの音圧とリズムで押しまくり、そこに足踏みオルガンや鍵盤ハモニカの無防備なほど素朴な音色がすっと入りこむ。これはやはりあまりにも独特の世界です。もちろん音はこの最新アルバムで楽しめます。トラッド、ジャズ、ロック、なんでもありのようで、ここにしかない音楽です。日本盤はボーナス一曲入り。
HUURO KOLKKO 09/CD/FIN/DEU NORDIC NOTES LR02/NN027
*重量級管絃ロックが帰ってきた。秋に再来日が予告されている。がっちりと固めたリズムのノリに、サックス、トロンボーン、チェロの厚いアンサンブルが無国籍のメロディを弾ませる。音が重いから暗いというか黒いイメージなのだが、なぜか北欧のバンドによく感じられるどこかひょうきんというかいたずらっぽさが見え隠れしていて、心躍る楽しさである。
ALAMAAILMAN VASARAT & TUOMARI NURMIO
KINAPORIN KALIFAATTI 09/CD/FIN/FIN NORDIC NOTES NN026
*アラマイルマン・バサラとシンガーソングライターらしい人との連名というか、シンガーソングライターの方がメインなのだと思うが、バンドの破天荒で超重量級の音と張り合う濃厚なダミ声がとてもよく合っている。
ALAMEDA
ALAMEDA LP/SPA/SPA EPIC EPC32134
MISTERIOSO MANANTIAL 80/LP/SPA/SPA EPIC EPC32179
*これは多分2枚目。出だしのスパニッシュギターで、まず感動させてくれます。ギター以外もテクニカルなところがなかなかで、何せメロディラインがコテコテにスペインしているかと思うと、スカッとジャズロックになってみたりするので、呆れながらも思いっきり楽しめてしまいます。ブロッケでは物足りないがトリアーナでは濃すぎるという人によいかも。
NOCHE ANDALUZA 83/LP/SPA/SPA EPIC EPC25543
*これはたぶん4枚目のアルバムだと思うが、ジャケットの雰囲気ほどには垢抜けたポップになったというほどではない。やや濃い目のスパニッシュメロディに、ヴォーカル重視の構成は、かえってポップでもなくプログレッシブでもなく、やや中途半端な感じがする。しかしアップテンポな曲はほどほどにバランスが取れて、なかなか魅力的である。
ALAN SORRENTI
ARIA 72/CD/ITA/JPN KING KCIP48
*アラン・ソレンティのファースト・アルバム。イタリアの70年代初期の音、歌の濃さが好きな人にはたまらないだろう。20分近い大作 "ARIA" は、ジャン・リュック・ポンティのバイオリンが、ソレンティの生ギターと思い入れの強い語り調の歌に絡む。最初のうちは一歩間違えれば神田川、という感じで始まるが、プログレッシブな音作りと構成で次第に激しくも妖しく盛り上がる。フランスのブーズなどに近い味わいになっている。
ALAS
MIMANE BANDONEON 05/CD/ARG/ARG SONORAM SWM01003
*南米モノはどうも合わないと敬遠していたのだが、久々に ANACRUSA 聞いてよかったので手を出してみたら大当たり。やはり民族性が強いといいです。このバンドはかなりベテランらしいですが、 DANIEL BINELLI というバンドネオンの人が加わって、非常にすばらしいです。
ALBERTO CAMERINI
CENERENTOLA E IL PANE QUOTIDIANO 76/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205 301
*「シンデレラと毎日のパン」というタイトルの作品で、内容的には当時のクランプスっぽい政治的なメッセージがありそう。しかし曲は骨太のロックを基本に仕掛けにも凝っていて、演奏は力強く、聴き応え十分の傑作、これまたまさに当時のクランプスの音である。最後の曲などアレアみたいだ。バックも WALTER CALLONI, HUGH BULLEN, LUCIO FABBRI, CLAUDIO PASCOLI, PAOLO TOFANI, PATRIZIO FARISELLI などなど超豪華。
GELATO METROPOLITANO 77/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205 302
*クランプス2作目のこのアルバムでは、前作より幾分か肩の力が抜けて、地中海というか民族風の味わいが強まった。B2のアントネッラ風の女声ヴォーカルなどまた一段と良い味。しかし相変わらず密度の濃い演奏である。
COSMI COSMETICI 78/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205 303
*もう入手をあきらめていたクランプスからの3作目。何かのついでに寄った中古屋で、ややジャケットがくたびれてはいるものの捨て値に近い価格で見つけたときには、28年のギャップが一気に埋まってめまいがするほどうれしかった。CD化されていないからなおさらだが、クランプスがLPでほしくなるのは、このアートワークの魅力も確かにある(文字を多用するから、解像度の悪い製版のCDだとほとんど読めなかったりするし)。さて中身だが、明るい曲想が増えているが、相変わらずバック陣のテクニカルな演奏は頼もしく、ポップでロックンロールな切れ味のよい音を聞かせながら、オペラ風の歌やオーケストラも入る千変万化の展開が楽しい。このあとクランプスからはベストアルバムが出るのみで、CBSに移ることになるが、その後の展開を考えると、クランプス時代ではこのアルバムこそもっともカメリーニらしさが発揮されたのかもしれない。生き生きとしたすばらしいアルバムである。
LA BOTTEGA DEL CAFFE c/w PIZZA BREAK 84/7EP/ITA/ITA CBS A4166
*昔、クランプスから出していたアルバムの雰囲気からして、このシングル盤を見たとき、ジャケットデザインからもタイトルからも別人かと思ったのだが・・・。クランプスから移籍後、グラム風のポジションで活躍していたらしい。詳しいクレジットはないが、共同プロデュースは PIERO BRAVIN。しょっぱな、A面はもろサンバ、B面はもろスクラッチな一発をかましてくれるが、・・・うーん、曲はとてもよくできているのだが、歌詞がわからないので何ともいえないがアレンジはいかにも・・・。アルバムもこんなカンジの曲が並んでいるのだろうか?
ALBERTO RADIUS ---> FORMULA 3 / IL VOLO Special
ALBERT MARCOEUR
ALBERT MARCOEUR 89/2CD/FRA/FRA BAILLEMONT CD905
*フランスのザッパと言われるらしいが、今まで聞いたことがなかったところ、中古で4in2のこの2枚組が格安で落ちていたので聞いてみた。"ALBERT MARCOEUR ('74)", "ALBUM A COLORIER ('76)", "ARMES & CYCLES ('79)", "CELUI OU' Y'A JOSEPH ('84)" の4枚所収。フレンチアヴァンギャルドとしてはリズムはシンプルでメロディもはっきりしているので、比較的聞きやすい方ではないかと思うが、歌詞がまったくわからないから、この分量を聞き続けるのはちょっときびしい。
ALE MOLLER
HASTEN OCH TRANAN 96/CD/SWE/SWE AMIGO AMCD732
*スウェーデン・トラッドの世界でいろいろな人と組んで多くのアルバムを出しているマルチ・プレーヤーの作品。「馬と鶴」というタイトルの劇伴らしい。笛と様々な弦楽器を操り、ギター、ダブルベース、フィドルが加わり、美しく神秘的な演奏を聴かせる。歌は LENA WILLEMARK で、これがまた美しい。音的にはジェラルド・カルディナーレなどを思わせるところもある。
ALFIO ANTICO --> EUGENIO BENNATO / NCCP / MUSICANOVA Special
ALFREDO CARRION
LOS ANDARES DEL ALQUIMISTA CD/SPA/SPA FONOMUSIC CD1049
*スペインのプログレというと、好き嫌いは別にしてカナリオスの『四季』を挙げないわけにはいかないが、そのコーラスやオーケストラをアレンジしていたのがこの人。このアルバムも、雰囲気はカナリオス的だが、はかなげな女声ヴォーカルが歌い上げる哀愁漂う曲がたいそう美しい。ただカナリオスでもそうなのだが、いかにも普通のロックっぽいバックが流れると、なぜロックにしなければならないのか、というところが引っかかる。何だかもったいなくて、もっと徹底してクラシカルなアレンジで聴きたいと感じてしまうのである。
ALFREDO TISOCCO
RITAGLI D'ANIMA 88/CD/ITA/ITA ARTIS ARCD001
*二曲あるが、いずれもピアノ曲。一曲目よりも二曲目のほうが若干現代音楽っぽいか。といっても、必ず美しいメロディが出てきて聞き手を救うのはオパス・アヴァントラと同じ。聴き心地よく想像力を刺激する作品。音質が余りよくないのが残念。
BALLET COLLECTION 94/CD/ITA/ITA ARTIS ARCD022
*オパス・アヴァントラのリーダー、アルフレド・ティソッコのソロ・ワークの一つで、タイトルどおり、70年代から80年代に彼によって書かれた、バレエ用の音楽を集めたもの。流麗なピアノ曲あり、リズムのはっきりしたクロスオーバー調あり、なつかしの電子音楽あり、現代音楽小曲集の趣。最後はポップな可愛い曲だ。解説がイタリア語・英語・ちょっとあやしい日本語の三カ国語で書かれているのが愉快。
ALGANAS TRADGARD
ALGANAS TRADGARD 72/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD3611
*スウェーデンの幻のサイケバンドの唯一の作品。プログレの編成にバイオリンや東洋風打楽器などが加わり、女性ヴォーカルが透き通った音を聞かせるかと思えば呪術的な語りが入ったり、コラージュがあるかと思えばエコー効きまくりのギターリフが入ったりといったあんばいで、クリムゾン、フロイド、サードイヤーバンド、バッティアートなどなどの音やアイデアを髣髴とさせる、なかなか得体の知れない、しかしその変幻がまた楽しめる作品。
ALICE ---> ALICE Special
ALLAN HOLDSWORTH
ROAD GAMES LP/GBR/JPN WARNER P6194
VELVET DARKNESS LP/GBR/USA CTI 6068
ALLUSA FALLAX
INTORNO ALLA MIA CATTIVA EDUCAZIONE 74/LP/ITA/JPN KING K25P428
ALMAMEGRETTA
LINGO 98/CD/ITA/ITA BMG 74321548252
*うーんなんなんだろこれは? イタリアのヒップホップというかトランス? メンバーの名前がフルネームでなかったり(ナントカ・T、とかそんなの。ジャンルによって名前の名乗り方まで一緒に揃っちゃうのね)、楽器がボーカル以外はビーツ、サウンズ、ノイズなんて書いてあったりというのがソレっぽい。ビルラズウェルがベースで参加、一曲だけだがギターにピーノ・ダニエレの名前も。アラブ風の節回しがあったりして、確かによく耳にするヒップホップみたいなヤツとは違った雰囲気はあって、面白味は感じるが、ワタシの守備範囲ではないかな。
ALPHATAURUS
s/t 73/LP/ITA/JPN KING K22P328
ALQUIN
MARKS 72/LP/NLD/NLD POLYDOR 2419060
ALWA
ALWA 02/CD/SWE/SWE AMIGO AMCD747
*女声ヴォーカルの半音階の不協和音が不安に響き、音のイメージはヤアラルホーンに近く感じる。サックスが入るのはコンテンポラリートラッドではむしろ異色かもしれないが、起伏のある展開と相俟って、バンドの個性となっているだけではなく、楽曲としてはなじみやすいかもしれない。おどろおどろしさよりは幻想味が効いている。
AMAROK
ELS NOSTRES PETITS AMICS 94/CD/SPA/SPA SBD BCD001
*近作が好評のスペインのアマロックですが、その初期のアルバムです。何に似ているといえば確かにマイク・オールドフィールドの影響はありますが、バンドとしてのアイデンティティはくっきりと個性的です。プログレッシブトラッドの名盤の一つではないでしょうか。アコースティックな音の奥行きとキーボードのセンスの良いふんわりとしたアレンジ、女声ヴォーカルのほのかな色気もいいです。
AMEDEO MINGHI
COME DUE SOLI CIELO 94/CD/ITA/ITA FONIT CETRA TCDL380
*あまり評価の高いコメントを見かけなかったので手を出しかねていたミンギなのだが、シンプルなデジパックのジャケットと3ケタの価格に惹かれて買ってみたら、かなり良いじゃないですか。打ち込み系と聞いてテクノ風?と誤解していたが本格的なアレンジが施された精緻なキーボードオーケストレーション、壮麗なコーラスもついて、美しいメロディに丸い声が引き立っている。日本語のコーラスがつくM3、クラシカルなアレンジで Lino Vairetti の名もあるM7などは特に感動的。このアルバムに関していえば、ワタシにはアタリの一枚でした。
AMON DUUL 2 
LIVE IN LONDON LP/GER/JPN EMI LLS80086
ANACRUSA
ANACRUSA 73/CD/ARG/ARG CD45003
*アルゼンチンのバンドの、ファーストとセカンドのカップリングらしい。全曲はいっているのかどうかは不明。南米音楽はよく分からないのだが、これは繊細なアコースチックな演奏に民俗音楽の風情が満ち、何といううたい方なのか知らないが節回しも独特の女性ヴォーカルが声量もあって音域も広く、繊細ながら迫力もあってすばらしい。
DOCUMENTOS 75,76(05)/CD/ARG/ARG ACQUA AQ068
*3作目と4作目の2in1らしい。南米のトラッドベースのバンドの広がりをとらえきっていないので、この有名なバンドのすばらしさをどう形容してよいか分からないのだが、ジャズ風のベースライン、フルートやリードの物悲しい響き、ピアノやギターの空気感のある詩情、男女のヴォーカルの掛け合いといった、情緒あふれる演奏には胸が震える。ゆったりと聞き流すのもよいがそれではもったいない、何かしら思いに沈みそうなときにじっくりと耳を傾けたい傑作である。
EL SACRIFICIO LP/ARG/FRA PHILIPS 9101177
FUERZA 82/CD/ARG/ARG RAYUELA069
*これまでの集大成と言える、オーケストラと多彩な楽器が哀愁あるメロディを盛り上げるドラマチックな作品。30年余りを経た今聴くと、さすがに大仰さを感じることを禁じえないものの、8分余りの大曲 "VOZ DE AGUA" のめくるめくような展開をはじめ、後半のインスト主体の演奏は特に素晴らしい。
ENCORDADO 05/CD/ARG/ARG ACQUA AQ069
*再結成なのかな? 旧曲の新録音は感動的。音は新しくなったが、深い憂愁が漂うバンドのカラーは変わりがない。今ならまずこの一枚といえるだろう。
ANDHIRA
...SOTTO IL VENTO E LE VELE incontro con FABRIZIO DE ANDRE 04/CD/ITA/ITA ALABIANCA 12855389621
*「風と帆の下に ファブリツィオ・デ・アンドレとの出会い」(合ってるかな・・・)というタイトルに思わず注文。女性3人のコーラスにピアノとパーカッションのグループに、弦楽カルテットがついています。クラシカルですが、歌い方はベルカントではなく民族系だと思います。演奏やアレンジはクラシックのテクニックに裏付けられ、コーラスはブルガリアンボイスのような響きがあって、美しさ、完成度の高さは見事としか言いようがありません。あまり使いたくない言葉ですが、癒されます。デ・アンドレの曲以外にも、メンバーのピアニストの曲や、民謡なども、ごく自然な統一感を持って構成されています。デ・アンドレのファン以外でももちろん楽しめる、聴き心地のよいコンテンポラリーなコーラス作品。バッティスティ作品に対するエクイヴォチの解釈がすんなり楽しめた人には、絶対のお勧め。
NAKITIRANDO 11/CD/ITA/ITA ALABIANCA ABR128554017-2
*前作でデアンドレへのオマージュを果たした地中海音楽集団の、本作も素晴らしい完成度で聞かせる、さまざまな音楽の要素をちりばめた傑作。マウロ・パガーニが紹介文を書き、ブズーキとバイオリンで一曲参加している。どの曲もアコースティックな楽器類の繊細さ、コーラスの彩りとともに、複雑だが軽やかなリズムで変幻自在に展開する。
ANDREA PARODI ---> ELENA LEDDA & ANDREA PARODI
ANDREA TICH
MASTURBATI 78(04)/CD/ITA/DEU EDEL 0154142CRA
*EDELのクランプス再発モノ。思わせぶりなタイトルとジャケットで、LP買い逃して以来気になっていた盤です。なかなかの優男、という他は例によってどういう人かまったく知りません。ベースに HUGH BULLEN 、バイオリンとシンセに LUCIO FABBRI 、そしてプロデュースが CLAUDIO ROCCHI というあたりで、ピンと来る人はずばり買いです。つまりワタシの大好きな部類です。音もアレンジも、たぶん歌詞も、徹底的に凝りまくっていて、演奏も全体にタイトだしテクニックもすごいが、生ギターのコードストローク、いろいろなSE、コロコロ変わるリズムや裏声、ブオイーンと鳴り響くベース、・・・この時代の、クランプスの、気がつけば地中海の潮の香も漂う、フォークタッチのアヴァンジャズロック?といえば分かる人には分かる(^^;音、それでいて個性的です。分からない人は・・・ぜひ聴いてみてください。
SIAMO NATI VEGETALI 10/CD/ITA/ITA SNOWDONIA SWITCH001
*懐かしい名前を見つけて思わず購入。サイトを見ると活動は続けていたらしいが、純然たるソロ作品としてはクランプス時代以来なのだろうか。ともあれ、生ギターにシンプルなエレクトロニクス、けだるいボーカルに奥行きの深いリバーブと、アッシドサイケなフォークプログレの音作りがとてもうれしい。初期のクラウディオロッキやバッティアートの好きな私には抵抗できない音だ。
ANGE 
AU DELA DU DELIERE 74/LP/FRA/JPN PHONOGRAM BT5169
*最高作に推す人も多い、サードアルバム。
PAR LES FILLES DU MANDRIN 76/LP/FRA/FRA PHILIPS 9101090
*今でもときどきふと"Jure!"と歌ってしまう(^^;くらい、よく聞きました。コミカルなシンセのうなりに、重めのギター、唾の飛ぶようなフランス語のヴォーカルの取り合わせがすばらしい。フランスのロックと言えばアトールと並んで絶対に外せない一枚でしょう。
PAR LES FILLES DU MANDRIN (english version) 76/LP/FRA/FRA PHILIPS 9101160
*たまには"Swear!"と歌ってみることも・・・(^^)。でもやっぱり英語では雰囲気がいまいち。
TOME VI 77/2LP/FRA/FRA PHILIPS 6641715
*アンジュの評価は結構バラツキがあるように思うがどうだろうか。私はやはりマンダランの演劇性に圧倒的に感激したため、どうしても評価が高くなる。これはアンジュ最盛期の2枚組みライブで、もうなんとも聴き応え十分で満足。プログレ本流?でもないし、ハードでもシンフォでもない独特の存在感が、ライブでもよく表れていると思う。
MOTEUR! 81/LP/FRA/FRA PHILIPS 6313156
*この作品を聴いたときはショックだったというか、ごくフツーのロックバンドの雰囲気になってしまっていて驚いた。これ以来、アンジュの作品からはまったく離れてしまった。
A...DIEU 96/CD/FRA/FRA SERGENT MAJOR WM331-992-005
*久しぶりに買ったのが、このアンジュのラストコンサート(らしい)のライブ盤(再結成?されたようだが)。"Par Les Filles Du Mandrin" のような演劇性は薄れているので、今やそれを期待するのは間違いだとは分かっていても、物足りなさを感じないといえばうそになる。でもおなじみの曲が入っている(トリは "Hymne a la vie" だ!)し、演奏もハードでノリもよく、最後までいっきに聴かせることは確か。
CULINAIRE LINGUS 01/CD/FRA/FRA M10 322012
*健在振りを見せ付けるなかなかの力作。紙ジャケのデザインもシンプルだけれども凝っている。食や性についての何か怪しげなコンセプトアルバムの雰囲気で、歌詞が分かればさらに面白いのだろうが、そうでなくとも分厚くて饒舌な、まぎれもないアンジュの音が楽しめる。
EN CONCERT - PAR LES FILS DE MANDRIN MILLESIME 77 03/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4542.AR
*"TOME VI"と同じコンサートの「後半」なのだそうで、マンダラン全曲にボーナス2曲。なんでこれが今まで出なかったのか分からない。もちろん、音も問題なし。アンジュのもっとも充実していた時代に、もっともすばらしい作品が、スタジオ盤以上の迫力で生き生きと演奏されているのを、27年後の今、耳にしているのだ。感無量。その後のシアトリカルなプログレでマンダランを超えた作品は現れたのだろうか・・・って、しつこい?
ANGELO BRANDUARDI 
ALLA FIERA DELL'EST 76/CD/ITA/ITA POLYDOR 825 766-2
*地中海風インストが絶妙に美しい "IL FUNERALE" など、実にすばらしい。エスニックな香りと哀愁漂う名盤だが、6曲目などもろにペルー風だし、地中海にこだわったと言うわけでもなさそう。
COGLI LA PRIMA MELA 79/CD/ITA/ITA POLYDOR 557 474-2
*歌詞つき3面デジパック。初期の傑作とされている "ALLA FIERA DELL'EST" がいまひとつ腑に落ちていなかった反面、"FUTURO ANTICO" や "L'INFINITAMENTE PICCOLO" がたいへん素晴らしいので、そのミッシングリンクを見つけようと思っていたのだが、たまたま拾ったこの作品がもうすでに十分素晴らしいのだった。歌い方の癖が気になっていたのだが、それを突き抜けてしまうと、良質のオーケストラのバックに "FUTURO..." 系の地中海の香りや古楽の響きがすでに満ちていて、典雅と素朴が奇跡的に共存するかのような調べを綴り出していく、それはもう味わい豊かな傑作です。
CONCERTO 79/2CD/ITA/ITA EMI 7991972
*箱入りブックレットつきで、普通の2枚組とは違う豪華な作りだが、内容に見合っているというべきだろう。78年から79年のライブからの収録で、バックのメンバーがかなり豪華。知っているところでもMAURIZIO FABRIZIO, NOCENZI兄弟、GIANNI DALL'AGLIOなどなど。ブランデュアルディの声は線が細いのに気張って歌う感じで、ライブだとどうかと思っていたのだが、かえってダイナミックな仕上がりになっていてスタジオ盤より聞きやすかったりする。もちろん、哀愁を帯びつつも明るさのあるブランデュアルディ節の名曲ばかりで、バック陣の演奏は文句なしの巧さ。
FUTURO ANTICO 97/CD/ITA/ITA EMI 724356648128
*RENATO SERIO 指揮の CHOMINCIAMENTO DI GIOIA 演奏による、ヨーロッパの中世音楽を古楽器の演奏に乗せて歌う、意欲作。お得意のバイオリンの曲や、唯一有名な曲と言えるスカボロ・フェアも。最後にはバチカンのライブが一曲。なぜか郷愁めいたものを感じさせる素朴なメロディに、しっとりとして奥行きのある演奏、ひたすら素晴らしいとしか言いようのない作品。
FUTURO ANTICO 2 99/CD/ITA/ITA EMI 5 56881-2
*RENATO SERIO 指揮、FINISTERRAE 演奏のシリーズ第2弾はよりアンサンブルが重視され、演奏にさらに厚みが加わり、端整さが際立つ作品になっている。この本格的な挑戦が、大傑作 "L'INFINITAMENTE PICCOLO" を産み出したのであろう。
L'INFINITAMENTE PICCOLO 00/CD/ITA/ITA EMI 5249452
*まず最初に、これは大傑作である、と言いきってしまおう。聖フランチェスコの生涯をたどったトータルコンセプトもので、ここには FUTURO ANTICO 二部作で追求された古楽志向が、ブランデュアルディのトラディショナルかつクラシカルなバックグラウンド、やや線の細さと言うか危うさすら感じさせる端正な持ち味と完璧に融合し、さらにもっとも現代的な、解像度の高い音作りを得て、この作品に結実した。バッティアート、マドレデウスらのゲスト、エンニオ・モリコーネのオーケストレーションも最大限に効果的に、楽曲に息吹を注いでいる。すべての人に聴いてほしい。
FUTURO ANTICO 3 - MANTOVA: LA MUSICA ALLA CORTE DEI GONZAGA 02/CD/ITA/ITA EMI 7243 557420 2 5
*すっかりおなじみとなった FUTURO ANTICO 三作目。ENSEMBLE SCINTILLE DI MUSICA 演奏。毎回入れ替わるアンサンブル担当であるが、今回は指揮者も替わった。ただもうここまで来てしまうと、ブランデュアルディが古楽のバンドをバックに歌っている、というところだけがはっきりしてくるから、オリジナリティあふれる "L'INFINITAMENTE PICCOLO" の素晴らしさのあとでは、いささか精彩を欠いて聴こえてしまうし、果たして彼の個性の豊かさがどこまでこの一枚から感じ取ることができるかは微妙になってくる。
FUTURO ANTICO IV - VENEZIA E IL CARNEVALE 07/CD/ITA/ITA EMI 8032732380039
*3があまりピンときていなかったのだが、久しぶりに出たこの4、なかなか良いじゃないですか。演奏は ENSEMBLE SCINTILLE DI MUSICA。ときおり語りが入ることもあって、トータルな流れがあるようだが、例によってそのあたりはわかりません。しかし典雅でゆったりした演奏にクセのある声がむしろ自然になじんで、まさに目の前で楽士たちが自分のために演奏してくれているような臨場感がすばらしい。キラキラ星もあります。3も聴きなおしてみようか。
FUTURO ANTICO 5 08/CD/ITA/ITA EDEL 0196559TRM
FUTURO ANTICO 6 - ROMA E LA FESTA DI SAN GIOVANNI 09/CD/ITA/ITA EMI 8032732380169
*この2枚を手に入れるに当たっては、ちょっといろいろあったのです。発売すぐに海外通販なり西新宿なりで買えば、どうということはなかったのですが、買いそびれていたのを、HMVの通販が特価になっているのをたまたま見つけて、2枚まとめて注文したところ、なぜか5ではなく4が届くは、6は入荷しないという連絡がいったん来たけどサイトでは販売しているじゃないか、とか、まあいろいろやりとりがあったのです。でも最終的にはどちらも入荷したので、安く買えたわけですが。さて、そんないきさつもあって、両者一度に聞くことになっただけに、バックの楽隊も同じで、雰囲気も似ているので、なかなか区別がつきにくい。強いて言えば、5の方は典雅な古楽の響きが魅力で、奏楽と歌の掛け合いの、一つの極みを感じます。6はストーリー性があるようで、語りと歌が物語を綴り、奏楽はやや控えめにそれを支える印象です。聞きなじんだトラッドが最後にタランテッラのリズムで跳ねると、芳醇な地中海風味が引き締まります。それにしてもこのシリーズはどこまで続くのでしょうか(追記:この感想をアップしないうちに、すでに7が発売になってしまいました)。あるいはライフワークなのかもしれませんが。
ANNA OXA
ANNA OXA 79(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321913192
*おそらく2作目のアルバム。廉価盤再発ながら音質がとてもよい。アレンジといい音作りといい、非常に凝っているのだが、アンナの歌声にはどっしりとした存在感があるので、それはもう濃厚で芳醇な曲の数々が楽しめます。カジュアルな姿のジャケットが珍しいが、これがまたカッコイイです。
TUTTI BRIVIDI DEL MONDO 89/CD/ITA/ITA CBS 465497 2
*うーん美人で美声。ニュートロルズのジャンニベッレーノが全面参加、このアルバムがきっかけかどうか、ニュートロルズとのライブ盤を出し、結婚までしちゃうのですね。でもすでにこの作品で、二人の創造性は素晴らしい融合を果たしていますね。これだからもう、才能のある人たちって・・・。
LIVE CON I NEW TROLLS 90/2CD/ITA/ITA CBS 466728 2
*今日歯医者に行ったら、有線でルーチョ・ダッラの名曲「カルーソー」が流れていたんです。えらく歌のうまい人によるカバーでしたから、たぶんボッチェリか誰かだと思うのですが、そういう有名どころは聴かないので確かなことはいえません。で、帰ってから、数日前に中古屋で安く落ちているのをやっとみつけて買ったまま聴いていなかった、このオクサのライブを出してきて聴いてみたら、なんと「カルーソー」やってるじゃないですか! 「コンチェルト・グロッソ」やってます、というだけがアッピールされますけれど、「カルーソー」入ってるのを知っていたら、もうとっくに新品を買っていたでしょう。・・・てことは、私の懐具合にとっては、知らなかったから良かったということになりますが。オクサのカルーソー、悪くないですが、歯医者の(じゃないって)カルーソーも含めて、やはりダッラのが一番ですな。聴きたくなってきた。後で聴こう。聞いたら一日3回カルーソーだ。次の曲はファウスト・レアーリの極めつけのガサガサ声の熱唱とのデュエットで、これがまたよろしい。もちろん、2枚組みライブのどこをとっても、すばらしいです。オクサの歌は、ライブなのに意外なほど繊細な持ち味が出ていて、予想以上に良かったです。伴奏はたぶんニュートロルズ+オーケストラですから、まあ鉄壁ですね。うまいです。そんなわけで、ニュートロルズ以外のファンもぜひどうぞ。ところでこの盤、曲目の入った二つ折りのインナーしか入ってなくて、演奏者や作曲者のクレジットも何もないけど、もとは入っていたのでしょうか。
DI QUESTA VITA 92/CD/ITA/ITA COLUMBIA COL471501 2
*イタリアのベテラン歌手の、少し前のアルバム。最近でもサンレモで優勝するなど相変わらずの活躍ぶりだが、このアルバムでもすでに円熟した歌を聴かせてくれる。手馴れた作曲は元ニュートロールズで夫の GIANNNI BELLENO 。曲はいいし、声量も表現力もすばらしく、加えてこの美貌(^^;。とても抵抗できません。
ANNBJORG LIEN 
ANNBJORG 89/CD/NOR/GBR FOR-X FXCD88
*これはとても素敵だ! 彼女は hardingfele(共鳴弦のあるバイオリン)奏者・作曲家で、最新作の評判が非常に良いので気になっていたら、このアルバムを中古で見つけた(250円!)。トラッドと新作が半々ぐらいのインストアルバムだが、楽曲の構成の豊かさに奥行きのあるアンサンブルで、すぐに気に入ってしまった。キラキラした明るさとしっとりした響きが愛らしく美しい。それにしても、このような作品がまだまだあるのだと考えると、北欧のフィドラーの世界の広さ深さは驚くべし!
FELEFEBER 95/CD/NOR/USA SHANACHIE 64060
*以後の作品に比べるとオーソドックスな出来であるが、それだけにトラッドを美しく精緻に表現し尽くした感のあるアルバム。ここまでの彼女の到達点。
PRISME 97/CD/NOR/USA SHANACHIE 64082
*ますます色彩感豊かな作品になっている。トラッドの編曲は2曲で、あとは共作も含め自作曲だが、トラッドのイディオムをさらに洗練したとでも言うか、ある時は複雑でスリルある疾走感、ある時は奥行きのある情感、といった具合に、一つ一つが個性豊かな佳曲ばかり。バックの演奏の厚みも申し分なく、でしゃばり過ぎないもののキーボードも活きていて、トラッドに拒否反応のないプログレファンにもお勧めできる。ついつい繰り返し聴きたくなる傑作。
BABA YAGA 99/CD/NOR USA NORTHSIDE NSD6044
*これは素晴らしい! アンビョークの演奏に比較的トランスなアレンジのバックが似合っているばかりでなく、サーミの民族色も加わって、多彩な構成と深みのあるアレンジが楽しめる。アンビョークをまず一枚といえば迷わずお勧めの傑作。
ALIENS ALIVE 02/CD/NOR/NOR GRAPPA GRCD4178
*これはすごく心地よいです。ヘンにプログレと似ているとか言わないほうがよいかもしれない。まずはアコースティックなソロから始まり、エキサイティングな演奏が繰り広げられる。日本でもディストリビュートされた(KORUNA MUSIC)ようなので、ぜひ!
ANTIDEPRESSIVE DELIVERY
CHAIN OF FOODS 07/CD/NOR/FRA MUSEA FGBG4770
*北欧ハードプログレの快作。タイトなリズムにオルガンや懐かしやクラビの音が絡み、英語のヴォーカルときて、イエスやクリムゾンの全盛期の響きがそこここに。ブリティッシュ・プログレの残り香をリフレッシュさせる好盤。
ANTONELLA MAISTO
...di TERRA 09/CD/ITA/ITA PROVINCIA
*EUGENIO BENNATOが関係していたということとジャケットの写真のイメージから、PIETRA MONTECORVINO と比べながら聞いてしまったが、ジャンル的にはファドなのだそうで、そのあたりは私は疎いので、ファドとしてどうとかはいえないが、ナポリの歌手の歌としては、たしかに聞きなれない節回しがあって、新鮮味がある。ところでこのCDは番号がない。
ANTONELLA RUGGIERO 
LIBRA 96/CD/ITA/ITA MCD77000
*マティア・バザール脱退後の初ソロアルバム。ロベルト・コロンボとの共作で、インドの楽器を多用したオリエンタル調が特色。マティアの全盛期の張り出すような存在感ではなくて、漂うような雰囲気をかもし出すあたり、物足りないと取るか深みを増したと取るかは好みの問題か。
REGISTRAZIONI MODERNE 98/CD/ITA/ITA UNIVERSAL UMD77545
*マティアバザール時代のヒット曲を、さまざまなバンドをバックに新録音したセルフカバーアルバム。バラエティに富んでいて面白いのだが、とにかく圧倒的に良いのが RAPSODIJA TRIO というアコーディオン、バイオリン、ギターをバックに歌う「ローマの休日」アコースティックバージョン。この一曲だけでもこのアルバムは聴く価値ありと言ってしまおう。その他、ラップやトランスでは到底マティアバザールの歴史や存在感には太刀打ちできないと思わせる中、やはりブルーヴァーティゴの貫禄はさすがで、マティアバザールの歌の骨組みをわざとかなり残しながら、温度や色彩を完全に奪い去った上で再構築してしまっていて、ここまでやるかとうならされる。
SOSPESA 99/CD/ITA/ITA UNIVERSAL UMD77583
*かつてのマティア・バザールの歌姫アントネッラの、99年サンレモ2位の "Non ti dimentico" を含む最新アルバム。迫力ではマティア・バザール時代のオペラヴォイスに及ばないのは致し方ないが、ロベルト・コロンボの、エスニックでエレクトロニックなプログレッシヴサウンドに乗せた歌の味わいは、ハーブとスパイスが両方効いた新しいイタリア料理のような魅力があって、結局やめられない。歌詞は公式サイトで。
LUNA CRESCENTE [SACRARMONICA] 01/CD/ITA/HOL SONY COL 505272 2
*アントネッラに弦楽カルテットという取り合わせが、さすがに新境地と言える落ち着きを醸し出している。グノーのアヴェマリアのような聴きなれた曲は物足りないが、そこはロベルト・コロンボの目配りが利いていて、通して聴けば単調にならない選曲が見事。でもやはり破天荒な曲を歌って欲しいと思う私はワガママでしょうか。
SACRAMONIA LIVE [IL VIAGGIO] 04/CD+DVD/ITA/ITA LIBERA 32779 530015
*2003年7月、ボローニャでのライブで、DVD+CDの豪華セット。弦楽四重奏とパーカッションのバックは同じメンバーだが、第一バイオリンの人がディルバ弾くのには驚いた。つまり 副題が "IL VIAGGIO" (="LIBERA" の収録曲)であることからも、いわば "SACRAMONIA" と "LIBERA" のコンセプトを併せ持つ不思議なライブになっている。声量や迫力、DVDで見るご尊顔のアップからは、さすがに歳月を感じますが、その分刻み込まれた年輪は円熟味でもなく枯淡でもなく、この人独特の香気を増したとしか言いようがなく、その個性の強さにただただ聞き入るばかり。
ANTONELLA RUGGIERO & ROBERTO COLOMBO (COLOMBORUGGIERO)
POMODORO GENETICO 08/CD+DVD/ITA/ITA EDEL 0193552LIB
*DVD付新作は二人の名前をくっつけてしまったほどのおしどりコンビ、音はエレクトロニクスが主体でアンビエント風にやや前衛味が加わっているが、奥行きある幻想的な仕上げ方は同じ。歌詞はなくアントネッラの声がロベルトの作り出す音のもっとも重要な一部として溶け合っている。DVDのほうは"Attesa"のビデオクリップだが・・・姐さんちょっとコワイ・・・というか絵的にはファーストソロの頃とコンセプトがまったく変わらない。
ANTONIETTA LATERZA
ALLE SORELLE RITROVATE 75(07)/CD/ITA/JPN UNIVERSAL POCE1181
*クランプスのマニアックな再発シリーズ、今も活躍するフェミニスト・フォークのシンガーらしい。かすれた響きの声質、どうしてもイタリア風味のメロディはもろ好みだが、この歌詞はすごいな。ジャケットの写真もじつはちょっとアレだったわけですね。
APHRODITE'S CHILD
666 70/2LP/GRC/GBR VERTIGO 6673001
*これ以前はヴォーカルのデミス・ルソスのバンドというポップなイメージでしたが、ヴァンゲリスが主導権を握ったのでしょうか、このコンセプトアルバムの迫力はすごいです。
ARACHNOID
ARACHNOID 75/LP/FRA/FRA MUSEA FGBG2019
*ムゼアから再発され、日本盤も出たことがある、フランス・プログレッシブの名盤。オリジナルはなかなか発売できず、予定曲も落ちてしまうなど大変だったらしい。クリムゾンやエルドン系の幻の名盤というと玉石混交だが、これはダークでヘヴィなプログレとしては歌心があって、なかなかよい。
ARBETE & FRITID
DEEP WOODS 70-79/CD/SWE/SWE RESOURCE RESCD501
*70年代に8枚のアルバムを残した音楽集団で、これはそのベストアルバム。基本的にはトラディショナルフォークだが、トラッド調もあればコメディ風もあり、ハードでアヴァンギャルドな音もあればサイケ調のけだるい音もある、といった具合で、つかみ所がないほど(笑)たっぷり16曲が楽しめる。
AREA ---> AREA / ARTI + MESTIERI Special
ART BEARS
HOPES AND FEARS 78/LP/GBR/GBR RE RE2188
WINTER SONGS 79/LP/GBR/GBR RE RE0618
ART OF NOISE
WHO'S AFRAID OF? LP/GBR/JPN POLYSTAR 25SI248
*オーケストラ・ヒットと言えばアート・オブ・ノイズだったですねえ(^^;。画期的な作品であったことは間違いなし。
ARTCANE
ODYSSEE 77/LP/FRA/FRA PHILIPS 9101141
ARTI + MESTIERI ---> AREA / ARTI + MESTIERI Special
ARTTU TAKALO
NEVERSTOPDREAMING 05/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2098
*これはXLのマレット奏者のソロアルバム。iTunes に取り込むとサウンドトラックに分類されるのだがそうなのか? 弦楽とマリンバの叙情的なメロディと、ピアノやアコーディオンなどアコースティックな楽器からエレクトロニクスやSEまで、自由な取り合わせは確かに映像的で官能的である。
DARK.DARK.DARK 06/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2110
*XLのマレット奏者のソロアルバム。前作がオーケストラルなアレンジだったのに対して、今作はバンドタイプのジャズロック風のアレンジで、XLの多様性をよく反映している感じもする。マレット主体ということもあって、スピード感のある曲はピエールメーランのゴングあたりがお好きな方にもお勧め。
PROTOCOLS OF DANCING 08/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2119
*WDに行ってすでに国内盤しか並んでいなくても、図々しく「コレの輸入盤もうないですか?」と明るく聞くと店長は「ありますよ!」と快く出してくれますのでご安心を。さて期待十分の新作は、リズム的にはシンプルなまとめ方で、前作よりだいぶスッキリした印象である。象徴的なのは「雨とバラとキス」あたりの本格ジャズロックか。とはいえ、ちょっとコミカルな「東男に京女」("Tokyo boys & Kyoto girls" ・・・誰が教えたんだろ)なんて曲や、ブルースハープが入っちゃったりもアリで、あいかわらずにんまりさせられてしまいますが。前作のつかみ所のなさに戸惑っていた方は、前々作とは異なる方向ながら、彼のマレットに弦楽とエレクトロニクスたっぷりのジャズロックの傑作である本作をお試しいただきたい。
THE TRUTH IN DARK PHRASES 10/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2133
*コンスタントに作品を発表するタカロ、今回はさらにアンサンブル重視の構成になっていて、ややジャズロックに回帰しているかもしれない。タイトル曲などはピアノとストリングスの美しいメロディの小曲で、次の曲が緊張感のあるコード展開でひずんだギターが叫んだりするので、ペッカを思い出させる。超絶マレットはどうなったかと思えばM7でちゃんと楽しめる。
SONGSFORSADPEOPLE 12/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2148
*まずこの一曲目が、とにかくすばらしい。ペッカ、XLに共通する、美しくも緊張感のあるコード進行がたまらなく好きだ。ジャズロックとクラシックの真正の融合というべき作風は、大好きな "NEVERSTOPDREAMING" の雰囲気に近く、大満足の新作だ。
Sept. Naif 14/CD/FIN/FIN ROCKADILLO ZENCD2157
*いつもながら洗練された曲が並ぶすばらしいアルバム。オーケストラもよいが、アコーディオンやボーカルの入ったアコースティックでトラディショナルな曲が多く、マレットをスリリングに弾きならすジャズロックな曲もよい。takaloの多彩な魅力を、肩の力を抜いて楽しめる。
-->XL
ARTURO STALTERI
RACCONTI BREVI & ...E IL PAVONE PARLO ALLA LUNA 94/CD/ITA/ITA MATERIALI SONORI 90053
*ピエロ・ルネール解散後、77年から81年までに録音された、幻想的で格調の高い現代音楽作品集。キーボード(特にファルフィッサのオルガン)とギター(わりとアコースティックが多い)を中心としたキラキラした音の粒立ちが魅力的。メロディが叙情的で、難解な感じはない。ほとんど一人で演奏されていて、93年に一部楽器を加えたりリミックスされている。
IN SETE ALTERE-->FRANCO BATTIATO tribute
ART ZOYD
UBIQUE 00/CD/FRA/FRA ORKHESTRA AZ2000U
*ディックのユービックが引用してある。聴かずにはおれないでしょう。アールゾイのエレクトロニックな5人に加えて、M. Berckmans 指揮のユービックオーケストラは、10数名のギター&ベース、10数名のブラスアンサンブル、やはり10名を超えるドラムス&パーカッションというとんでもない構成になっている。とはいえこのメンバーで豪勢なロックオーケストラのようなものは端からありえないわけで、それはもう怪しげなサウンドトラックのような、暗黒のボレロとでもいうべき果てしなく不安を煽りたてる凄絶な組曲が仕立て上げられている。
ASGARD
L'HIRONDELLE 76/LP/FRA/FRA WEA 56288
TRADITION & RENOUVEAU 78/FRA/KOR M2U 1001
*このバンドのファーストアルバムを私は持っているのだが、あまり強い印象はなかった。マリコルヌあたりと比べると、クセやヒネリがあまりないので、聞き流してしまうせいでもあろう。このセカンド?の再発CDも、プログレッシブ寄りのフォークバンドの作品として、悪くない。このCDはベルギーでデジタルリマスタリングされ、韓国の新レーベルから1500枚限定紙ジャケで出されたもの。厚手の二つ折りで歌詞つきブックレットも付いているのだが、解説はすべてハングルなので私にはまったく分かりません。
ASHRA
NEW AGE OF EARTH 77/CD/DEU/GBR VIRGIN CDV2080
*この一曲目のシークエンスは、実はずっとワタシの頭の中にしみついていた。あまりにも単純で、何も引っかかるところのない、ひたすら聴き心地のよい音とリズムのせせらぎが、ときおり記憶に蘇っていた。でも不思議なのは、久しぶりにこのCDで聞きなおしてみたところ、かえって印象というか記憶が薄まったようなのだ。もはや聴覚から濾し取られ浄化され、ずっと深いところに純化されて落ち着いていた音楽の記憶が、あらためて入ってきた聴覚と照合されたときに、「あれ、こんなもんだったっけ・・・」という確認を経て、無効化してしまったかのようだ。案外、昔の思い出の曲を聴きなおすというのも考え物かもしれない。このアルバムに関して言えば、画期的な作品であったことは確かだが。
ASIA MINOR
BETWEEN FLESH AND DIVINE 81/LP/FRA/FRA WAM101
ASTOR PIAZZOLLA ---> MILVA & ASTOR PIAZZOLLA
ATOLL
MUSICIENS-MAGICIENS 74/LP/FRA/FRA EURODISC 87008
*次作があまりにも輝いているので陰に隠れがちだが、本作もプログレ作品としてはかなりの完成度を持っている。まだバイオリンが入っていないし、ギターもまだ別人だが、アンサンブルの的確さはすばらしい。フランスのイエスとも言われるが、明らかに強い個性を持っていた。
L'ARAIGNÉE-MAL 75/LP/FRA/FRA WEA 913002, LP/FRA/JPN KING GXF2049, CD/FRA/JPN KING KICP2712, (02)/CD/FRA/JPN MUSEA-ARCANGELO ARC7008
*ヨーロッパのアヴァンギャルドでプログレッシブな作品としては、やはりこれが最高では? 原盤、日本版、CDと3枚持っているのは、あまりにもよく聴いたため。紙ジャケットCDも出るらしいんだけど・・・(^^;。バイオリンがとにかくかっこよくて、パガーニと並んで「聴くと習いたくなる」作品。なんといってもこの、片面一曲の、邦題「組曲:夢魔」・・・形式的にイエスの「危機」と比べることもあるがあまり意味がないと思う。ギリギリの緊張感あふれるアンサンブル、叙情的な部分における美しさ、ともにイエスの最盛期を凌ぐ。
P. S. 迷っていましたがやっぱり買ってしまいました、デジリマ紙ジャケ。解説を読むとジャケットの品質向上に時間がかかって遅れたとか。私自身はそれほどこだわるほうではありませんが、確かにこれは原版に迫る出来ですね。作る側のこだわりには無条件に敬意を表します! 私にはムゼア盤の解説ブックレット、特に歌詞がうれしいです。音ももちろんよいし、またはまってしまいました。まさかプログレファンでこの超名盤を聴いたことのない人ってのはいくらなんでもいないとは思いますが、もしそういう人がいたらこの機会にぜひ。
TERTIO 77/LP/FRA/GER ARIOLA 25688, (02)/CD/FRA/JPN MUSEA-ARCANGELO ARC-7009
*人気のあるアルバムですが、僕にはヴォーカルの弱さが感じられてちょっともの足りません。バイオリンが抜けちゃったし・・・。曲は悪くはないのですが、全体的な緊張感の弱さが、前作と比べてしまうと、どうしても・・・。
P. S. LPしか持っていなかったので、紙ジャケリマスター再発を期に購入。バイオリンが抜けた穴の大きさもさりながら、生に近い音でとられたヴォーカルの物足りなさ、アレンジや音に感じられるイエスの強い影響など、やはり前作に比べるといささか魅力は薄いと言わざるを得ない。
ROCKPUZZLE 79/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4024.AR
*アトールが解散の危機に直面していた時期に作られた、事実上の最終作(後に再結成アルバムを出し来日もしたわけだが)。このムゼアからの再発盤は本体8曲に英語版などのボーナスが6曲。本体部分は、小ぢんまりとした印象だが、これはもうどうしてもセカンドの出来が圧倒的であっただけに、比べてしまうからで、オーケストラも入って心地よく、アレンジやアンサンブルも凝っていて、十分に楽しめる。ボーナスは、とくに81年録音の最後の3曲は、ANDRE BALZER も CHRISTIAN BEYA も不在で、ジョン・ウェットンがベースとヴォーカルで加わっている。新生アトールのデモテープだったがついに日の目を見なかったということらしい。彼の作詞作曲による "HERE COMES THE FEELING" は、後にエイジアのデビューアルバムに入ったというのが、運命の明暗(大げさか)を感じさせる。
L'OCEAN 89/CD/FRA/JPN KING292E2056
*驚きのアトール再結成&来日・・・といっても、クリスチャン・ベヤ以外オリジナルメンバーは不在で、いわばロックパズルのボーナストラックの裏返しのような構成。初っ端、ヴォーカルの声質やメロディラインから、アトールじゃなくてアンジュのアルバムを買ったのだっけ、と一瞬思ったほどだが、アルバム全体としては変化があって、ポップな雰囲気のタイトル曲のほかにもプログレ王道路線やクラシカルな小品も。複雑なアレンジの曲もあるし、キーボードアンサンブルにせよギターソロにせよ、かなり聴き応えがあって、アトールのアルバムだということを忘れれば、相当の傑作といってよい出来でしょう。ヴォーカルはBALZERを意識しすぎの感もありますが、これはやはり過去の栄光バンドの宿命でしょうから・・・。
TOKYO C'EST FINI 90/CD/FRA/JPN 292E2075
*東京ライブ。オリジナルメンバーは多分、ギターだけですが、けっこう雰囲気は出ています。特にライブともなると、新しいバンドとしてのアイデンティティを追究しつつ、過去の栄光の作品も求められるのがつらいところでしょう。
ILLIAN, J'ENTENDS GRONDER LA TERRE 03/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4531.AR
*何とまあ、アトール再結成である。正式には CHRIS BEYA ATOLL というバンド名だが、 "L'OCEAN" がすでに BEYA のバンドだったから、同じようなものだ。トータルアルバムのようである。ドラマーは MICHEL ALTMAYER 。うれしいのはバイオリンやサックスのゲストも入っていることで、なかなかにぎやかなかつてのアトールらしさが、嫌味なしに再現する。ここまでかつてのアトールらしさが現前すると、かえって物足りなく、印象が薄く感じられてしまうのだが、いまどきのプログレとして一流のつくりであることは確か。
AYU LAKSMI
SVARA SEMESTA2 15/CD/IDN/IDN DEMAJORS
*現代のバリ音楽を象徴するような、すばらしい作品。エキゾチズムを満足させてくれる民族楽器の音の数々に、ジャズやヒーリング系のミュージシャンも加わって、ミステリアスな音楽の世界を築いている。歌手であり女優でもあり、素晴らしいキャリアを積み重ねてきただけに、妥協のない作品を作り上げていてさすがだ。深みのある声質が何よりも魅力なのは言うまでもない。ただいささか隙がなさすぎるところは、いわゆるワールド系というよりはもうちょっとトラッドを期待する気分には、逆に物足りなさにもなる。
AZABACHE
DIAS DE LUNA 79(04)/CD/SPA/SPA FONOMUSIC 5046770822
*リマスター・デジパックで奇跡のCD発売。力強いヴォーカルと思い切りのよいアレンジで剛健な感じのプログレである。それほどスパニッシュな音を使っているわけではないのに、キーボードやギターのフレーズの明るさと哀愁の微妙なバランスが、スペイン以外のバンドでは聞けない味なのだ。似たもののない、スペイン・プログレの傑作の一枚。
AZAHAR
ELIXIR 77/CD/SPA/SPA FONOMUSIC CD1402
*スペイン・プログレの名盤の一つ。イエスっぽいなかにちょっとカンタベリーなフレーズとアンサンブルが聞こえたり、ギターもフリップ臭もあれば見事なスパニッシュもあり、といった具合。最後の組曲もスパニッシュな歌まではいって、哀愁のギターで盛り上がるのはちょっとマイクオールドフィールド風でさえある。ごたまぜのようでありながら、粒立ちの良い音で浮遊感もエキゾチズムもしっかり効かせた個性的なアルバムに仕上げている。ドラムレスなのにリズムの弱さも感じさせない。
AZAHAR 79/CD/SPA/SPA FONOMUSIC CD1423
*ドラムスが入ってロックバンドとしては聴きやすくなったものの、個性はあいかわらず。リズムがはっきりした事も手伝って、キーボードとギターはやはりイエスっぽい節回しだが、アコースティックやヴォーカルが入るととたんにエキゾチックな香りが濃厚に漂う。

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