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Chinese pops  Japanese Pops
Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 
IAN CARR'S NUCLEUS ---> NUCLEUS (IAN CARR'S)
IBIO
CUEVAS DE ALTAMIRA 78(03)/CD/ESP/ESP FONOMUSIC 5046703312
*ワーナースペインからのリマスターデジパックシリーズ。持っていなかったやつはこの機会にと思ってまず聴いたのがこれ。リズムがゆるゆるで、ギターもキーボードもテクニック的に凡庸ではあるが、バンドとしての個性があってバランスが取れているので、けっこう聴ける。メロトロンはじめヴィンテージなキーボードの音、ややハイトーンなヴォーカルに、スパニッシュプログレのエッセンスが濃い目に抽出されている。
IBIS
SUN SUPREME 74/LP/ITA/JPN POLYDOR 23MM0144
s/t 75/LP/ITA/JPN POLYDOR 23MM0145
ICEBERG
TUTANKHAMON 75/CD/ESP/ESP PICAP 80 2026-02
*このファーストアルバムはずっと聞いたことがなかった。後のジャズロック的な洗練はなく、一曲目などソリーナストリングス(かな)にはじけたギターサウンドにヴォーカルが、当時のイエスをポップにしたような音で驚く。ツタンカーメンを題材にしたトータルアルバムらしいのだが、曲はハードプログレな印象。
COSES NOSTRES 76/LP/ESP/ESP BOCCACCIO BS32108
*セカンドアルバム。んーかっこいいよこれは。私は知らないがリターントゥフォーエヴァー風というか互角の貫禄なのだとか。速弾きギターのマックスをはじめ4人のメンバーでポリリズムもばっちり、まったく隙のないテクニカルなプログレをガンガンたたき出す。大傑作。ジャケットデザインも秀逸。
SENTIMENTS 77/LP/ESP/ESP BOCCACCIO BS32110
*サードアルバム。フュージョンとしてさらに洗練されてきているが、その分クセが取れてきて、セカンドに比べればやや物足りなく思うところもある。しかしそこはかとなく漂う暖かさや甘さが、テクニックとアンサンブルのカンペキさを裏打ちして、質感のある音楽にしている。
EN DIRECTE 78/LP/ESP/ESP BOCACCIO BS32123
*垢抜けしたジャズロックのライブ。マックスのギターはじめ、テクニカルだが明るく軽快な演奏で、耳に心地よいが、スペインっぽいところは感じられない。
-->MAX
ILGI
SPELEJU DANCOJU 02/CD/LVA/LVA UPE CD 038
*ラトビアの詩人RAINISの戯曲をもとにしたミュージカル公演のライブらしい(違うかもしれない)。オルフェウスとエウリディケの神話に基づきながらラトビアの独立を求めるようなものらしい(違うかもしれない)。ILGIの名前はずっと気になっていたので、この花火プシューのジャケ買いで恐る恐る聞いたのだが、劇伴ということで細切れの連続でちょっと細かいことはいえないが・・・なんだろうこれは? ヴォーカルは男声も女声も、張りはあるし声域は広いし、歌い方も驚くほど多彩でトラッドの香りもプンプンですごくよい。演奏はアコースティックな響き、クラシカルなダイナミズム、音作りには北欧コンテンポラリートラッドの奥行き感まであって、ワタシはとても気に入ってしまったのだが、果たしてILGIのほかのアルバムがこんな感じなのかはわからないが、この作品の仕上がりから想像する限りでは、きっとすばらしいと思う。
KAZA KAPA DEBESIS 06/CD/LVA/LVA UPE CD048
*おそらくラトビアのトラッドベースなのだと思う。女声ヴォーカル、バイオリン、バグパイプ、コクレなどの楽器に、リズムはわりとシンプルなので、どことなくなじみ深い感じがする。ブックレットに英語の対訳がついているので、素朴な歌詞をなぞりながら聴ける。
IMAGIN'ARIA
IN UN ALTRO QUANDO 96/CD/ITA/ITA PICK UP 5490032
*イタリアの90年代のプログレ。演奏はなかなか上手いし、バイオリンが入るあたりもカッコいいのだが、歌い方がちょっとメタルっぽかったりするわりにはよわっちい感じもしたり、演奏が70年代プログレっぽいフレーズを入れたかと思うとハードロック風ギターを決めたり、などなど、さまざまな特徴がとりとめなく、なんだか日和っている感じに聴こえ、全体を纏め上げるような強い個性がほしいように感じる。ただし、シアトリカルな感じもするので、歌詞が分かればまた違うのかもしれない。
IMAN
CAMINO DEL AQUILA 80/CD/ESP/FRA MUSEA FGBG 4109.AR
*スペインプログレの名盤の一つ。オーソドックスな4人編成で、ヴォーカルも入るが、全体としてはインストが主。演奏技術や構成力はかなりのもので、流麗なメロディに嫌味のない厚さのアンサンブル、生ギターの歯切れよさとシンセ類のふんわりした音色の対比が心地よい。
IMANOL
MEA KULPARIK EZ ?/CD/ESP(BASQUE)/ESP ELKAR KD132
*バスクの音楽はいかが、みたいなシールが貼ってあった格安のCDで、検索してみたところ9枚のアルバムがあり、これは5作目のようだ。とは言え、何せいったいどういう人で、何を歌っているのかまったく分からない。しかし聴いてみると、リュイス・リャックに似た暖かで力強い歌声で哀愁漂うメロディを歌うので、これがなかなか渋い。多彩なバックの達者な演奏も相俟って説得力のある逸品。特に最後の曲はプログレッシブで美しい。
INDACO
VENTO DEL DESERTO 97/CD/ITA/ITA IL MANIFESTO CD013
*まったくどういう人たちなのか知らないのだが、写真を見た限りではけっこう皆おじさんでかなりのキャリアと見た。民族音楽系の6人組ロックグループ。ゲストが凄くて、マウロ・パガーニ、トニ・エスポジト、フランチェスコ・ディ・ジャコモなどなど。パガーニやデ・アンドレの地中海志向の音楽に共通するセンスで、すごいテクニックで余裕の演奏を聴かせる。こんな実力派がまだまだいるのだろう。やっぱりイタリアはあいかわらず恐るべし。バンド名はインディゴ・ブルーのインディゴのことらしい。
AMORGOS 99/CD/ITA/ITA IL MANIFESTO CD037
*デジパック仕様のしゃれたジャケット。こちらもゲストにレスター・ボウィ、パガーニ、ディ・ジャコモ、ヴィットリオ・ノチェンツィなどなど。地中海の香りを漂わせつつも、いっそう変化に富んだ楽しい曲が次々と飛び出す。比較的ロック寄りだし、トランス系っぽい曲もあったりして、わりととっつきやすいかもしれない。
LIVE...SPEZIE... 00/CD/ITA/ITA IL MANIFESTO CD057
*これまでのスタジオ盤ではついゲストの豪華さに気が散るが、このライブアルバムを聴くと、メンバーの実力のほどを再認識させられる。とはいえ技巧に走り過ぎるのではなく、一つ一つの音をライブでもじっくりと聴かせようとしている。とにかくリズムの重さ、エレクトリックギターのギンギンに歪んだ音まで馴染ませてしまうアンサンブルの厚さには舌を巻く。トラッドはやはりライブなのだ、という基本にあらためて気づく。
TERRA MARIS 03/CD/ITA/ITA HELIKONIA HKVS1102
*今回も、エウジェニオ・ベンナート、マウロ・パガーニ、ダニエレ・セペなど、豪華ゲストを迎えて、地中海音楽を楽しませてくれる。楽器の音色もガブリエッラのヴォーカルもたいそうエキゾチックだし、どっぷりとトラッドかと思うと、エレクトリック・ギターがアドリブするロックな曲や、最後の曲などはジャズの音だったりもして、実に幅広い音楽性に驚く。
PORTE D'ORIENTE 05/CD/ITA/ITA MANIFESTO CD155
*ベスト盤のようで、手持ちのアルバムに含まれていないのは2曲だが、別バージョンなどがあるかはちゃんと聞き比べていないので分からない。アレンジが聴きやすいのと、ゲストが豪華なので、地中海音楽の一枚として安心してお勧めできる楽しい作品。こうしてあらためて聴くとM8のギターとバイオリンの掛け合いはなんともかっこいいです。パガーニファンは聞き漏らしてはいけませんな。
TRACCE MEDITERRANEE 06/DVD/ITA/ITA DVDIN 0229
*最近はライブ映像が次々DVD化されてうれしい限り。なんと、インダコのライブである。例によってバックステージなどは言葉が分からないからどうしようもないが、雰囲気は伝わってくるし、ライブ映像はすばらしい。これまでの作品で演奏のすばらしさは十分伝わってきていたが、ライブ映像でそれを再確認する形だ。ゲストの顔ぶれでもディ・ジャコモなど楽しませてくれる。"CANTO DI PRIMAVERA" やってます。
INGRANAGGI DELLA VALLE
WARM SPACED BLUE 16/CD/ITA/ITA BLACKWIDOW BWRCD191-2
*おおこれは、ビンテージ臭イタプログにつきまとうだるさがない、かっちりとした演奏力に支えられた、独特の翳りのあるメロディ、深みのあるサウンド。インスト主体だが歌が入るとオサンナ風で、やはり70年代からの伝統を受け継ぎつつも、現代のバンドとしか言えない進化系。まあ最近はそんなにちゃんと聞いていないからうかつなことは言えないけれど、久しぶりに満足できるイタリアの本格的な新興プログレバンドに出会った思いだ。
INGRID KARKLINS
A DARKER PASSION 92/CD/LVA/USA GREEN LINNET GLCD1118
*ラトヴィア生まれでアメリカで活動するシンガーのデビュー作。ラトヴィアのトラッドをあまり聴いたことがないので、このアルバムがどれくらいラトヴィアっぽいのかは判断がつかないのだが、端整なつくりの、くすんだような色調でありながら不思議な陰影のある歌と演奏には強くひきつけられるものがある。
ANIMA MUNDI 94/CD/LVA/USA GREEN LINNET GLCD1141
*やはりこれは不思議な音楽だ。自作曲に、ラトヴィアその他のトラッドを織り交ぜながら、フレットレスベースの響きが特徴的なバックを従えて、まったく独自の世界を作り上げている。牧歌的というのとも神秘的というのとも違う広がりと奥行きがある。
IN SPE
SÜMFOONIA SEITSMELE ESITAJALE 83/CD/EST/EST EESTI RAADIO ERCD028
*こ、これはすごい。エストニアにこのようなバンドがあったということはまったく知りませんでした。これはデビュー作のリマスターらしいのですが、とにかく巧いんだけど、音の極め方の水準が高い。リコーダーが入るのがユニークなんだけど、完璧にロックアンサンブルに溶け込んでいる。リズムの刻みが個性的でスリリング。似たバンド、スッキリ割り切れるジャンルやカテゴリが見つからない、しかし間違いなくプログレッシブなロックバンド。
TYPEWRITER CONCERTO IN D 94/CD/EST/EST MUSEA FGBG4118.AR
*タイトル曲はクラシカルな展開。プログレッシブだがシンフォニックというほどの厚みはなく、タイプライターといえばルロイ・アンダーソンの出来栄えには遠いが、確かな演奏力で独特の索漠たる雰囲気が漂わせるあたりが個性的である。
INTERGALLACTIC TOURING BAND
INTERGALLACTIC TOURING BAND 77/LP/GBR/GBR CHARISMA CDS4009
INTI-ILLIMANI
ANTOLOGIA II 1979-1988 00/CD/CHL/ARG WARNER 85738 28212
*チリの民族音楽ベースの、おそらくかなり人気の高いバンドらしい。本作はおおむね80年代のアルバムからのアンソロジーだが、厚みのあるコーラス、ギターを主とした演奏の淡々とした美しさが暖かい。インスト中心の曲になると、南米民謡でおなじみ的アンサンブルもあれば、多彩で情熱的なアレンジも聞かれ、飽きさせない。
IONA
WISDOM 96/CD/IRL/GBR 3CORD CDCORD2
*アイリッシュ・トラッドのIONAの4曲入りシングル(3枚のアルバムから1曲ずつと、インストの未発表曲)。さわやかで美しい。でも僕の趣味としては、ちょっと音的にきれい過ぎるのが物足りない。
IRENE PAPAS w/VANGELIS
ODES 79/LP/GRC/NLD POLYDOR 2473109, CD/GRC/NLD POLYDOR 833 864-2
*大女優のイレーネ・パパスと、ヴァンゲリスの取り合わせが不思議で、思い切って買ってみたのですが、大正解でした。ギリシアの歴史物語を、ヴァンゲリスのアレンジをバックに歌い上げています。ヴァンゲリスの音は無駄がなく薄めなので、こういう歌唱力のある人のバックを務めているときはすごく良い。
RAPSODIES 86/CD/GRC/NLD POLYGRAM 829 413-2
*やっと手に入れたパパス&ヴァンゲリスの傑作。ラストの語りなどはもうぞくぞくする。前作よりは歌が少なく、その分ヴァンゲリスの楽曲のおどろおどろしさで全体を統一しているので、"Earth" や "Heaven And Hell" の頃のヴァンゲリスが好きな人にもおすすめ。アルバムとしての完成度は高いが、イレーネ・パパスを味わおうというのなら前作のほうが濃い。
ISABELLE BOULAY
MIEUX QU'ICI-BAS 00/CD/FRA/FRA V2 VVR1013568
ISILDURS BANE 
SAGAN OM DEN IRLANDSKA ALGEN - SAGAN OM RINGEN 81,83,87/CD/SWE/SWE SVENSKA UNIKUM SUCD00392
*トールキンの指輪にちなんだこのバンド、けっこうアルバムをみかけるのだが、600円で売っていたこれを初めて聴いてみたら、なんとまあ素晴らしい! 変化に富んだ構成、手堅い演奏を繰り広げる編成(特にフレットレスベースがかっこいい)に、フルートやマレットなどが効果的に味付けする。時期によって違った傾向をもつようだが、これはシンフォニックな上質のプログレ。一枚目と四枚目の2in1で70分超、お買い得感もひとしおです。
ISLANDS
PICTURES 77/LP/CHE/CHE ROUND RECORDS 01001
*スイスのプログレバンド唯一の作品。録音はリコルディのスタジオ、プロデュースはクラウディオ・ファビだから、経緯は分からないがイタリアのプログレ界と何らかの関係はあったのかもしれない。さてギーガーの手になるジャケット(やっぱりコレはLPに限るネ)から暗黒系と勘違いしている人(かつての自分)もいることだろうが、内容はすばらしく品位の高いプログレである。マルチプレーヤーの4人組だが、基本はヴォーカル、キーボード、ドラムス、管という構成で、ギターレスにありがちなキーボード目立ちたがりバンドとはまったく違う、ほとんどチェンバー系にも近い緻密なアレンジとサウンドになっている。レベルの高いイエス(・・・いいのか、こんなこと言って・・・)とでも言うべき雰囲気がある。絶品。
ISOLA
PORTA D'ORIENTE 10/CD/ITA/ITA CNI CNDL23714
*これが4枚目になるらしいが、私は5枚組オムニバスの "Scicillia" 収録曲しか聞いたことがなかった。Battiato 絡みの一曲目が、エキゾチックなメロディながら打ちこみっぽいリズムとヴォーカルプロセッサーでギチギチな音で、これは疲れるかなと思ったが、2曲目以降は次第にアコースティックな音づくりになっていって、聞き終えてみれば地中海音楽の新しい息吹を感じさせてくれる作品だった。ヴォーカルのIolanda Vacalebreの声はそのままでも十分がさついていて、ギター、笛、バイオリン、パーカッションのバックに奥行きがあって、そこにあるはずもない故郷への憧憬がそそられる。チェロと男性ヴォーカルの "Patri Nostru”、続く甘くも悲しげな "Ya baii" への流れなど素晴らしく感涙ものだ。
ITOIZ
EZEKIEL 80/CD/ESP/ESP ELKAR LV004
*一曲目の出だしはちょっとはずしたかと思ったが、全体に親しみやすいメロディと軽やかな演奏はいえ、独特の奥行き感のある演奏、ギターに加えてフルートやバイオリンやサックス、少年合唱団の醸す哀愁に、次第に説得力と感動を覚えていく。そんなにトラッド臭が強くはないし、どうやらコンセプトもののような構成で、イタリアもののメロディアスだがちょいジャズロックがかったプログレとか好きな人にはかなり受ける作品ではないだろうか。
MUSIKAZ BLAI 83/LP/ESP(BASQUE)/ESP ELKAR ELK58
*70年代から活動しているバスクのバンドで、スペイン語とフランス語の対訳がついている。確かに言葉は聞きなれないが、高水準の洗練されたロックバンドである。GEPRには82年までの3枚が入っていて、このアルバムには記述がないのだが、もしかすると古いほうがプログレっぽかったのかもしれない。
ITZIAR
ITZIAR 79/CD/ESP(BASQUE)/ESP ELKAR KD-10.111
*詳しいことは知らないのだが、バスクのフォークロックバンドらしい。プログレッシブな演奏とフルートや女声ヴォーカルというと、ある種の先入観を持ちがちだが、このバンドは、たおやかさの内に秘められた情熱とでも言うべき独特の奥行きがある、強く美しい音楽を奏でる。
IVA NOVA
KRUTILA PILA 14/CD/RUS/RUS IVA NOVA GEO081CD
*ロシアものはまともに聞いたことがなかったのだが、なんとなくこれには呼ばれている気がして聴いてみた。ギターレスでアコーディオンがフロントの、ロシアの4人組ガールズ?バンド。プログレッシブだったりエレクトロニカだったりもするのだけど、トラディショナルなリズムがあって、ホルメル周辺の北欧アコーディオンバンドの哀愁に、スラブ的な土臭さを塗したような聴き心地で、実にユニーク。これは当たりだった。三つ折り紙ジャケットのデザイン、英訳付の歌詞ブックレットと、作りも上質。
IVAN CATTANEO
UOAEI 75(04)/CD/ITA/EU BMG 82876592502
*04年のBMG "GLI INDIMENTICABILI" シリーズ、発掘モノを廉価盤(標準価格5ユーロですぜ!)で出しているシリーズだが、知らない人の知らないアルバムと、知っている人の知らないアルバムもごっそりで、全部欲しいくらい。さて、この作品は、知らない人の知らないアルバム。このヘンなジャケットはもしかして・・・と思ったら、やはりCESARE MONTI。まずはこの人の声の、女声と聞き間違いそうな不思議さ、フルートが飛び交う怪しげなサイケ調に、一発で毒される。しかしバックには MAURO PAGANI, RICCARDO GIAGNI, WALTER CALLONI といった顔ぶれが控えていて、素晴らしい演奏が聴ける。初期クラウディオ・ロッキの世界がさらに裏返って別次元の世界に入ってしまったような雰囲気がたまりません。これはちょっとばかりすごいよ。
IVAN GRAZIANI
BALLATA PER 4 STAGIONI 76/CD/ITA/ITA BMG 74321460162
*フンカムンカのアルバムでも欠かせない役割を果たしていたが、本作は Claudio Pascoli, Hugh Bullen, Walter Calloni, Lucio Fabbri などのバックで、カンタウトーレ作品としては演奏も非常に充実している。パスコリのプロデュースとあってか、一曲目などぜんぜん曲想が違うのにバッティスティのアニマラティナを確実に彷彿とさせたりもするが、アレンジがすごくかっこいい。もちろん、それよりなによりグラツィアーニの作詞作曲、この声質のままでかなり高い音までまっすぐに出し切ってしまう歌がまたなんともすばらしい。
PIGRO 78/CD/ITA/ITA BMG 74321460172
*遠目にはユーモラスなジャケットの絵、しかしブタのサングラスに映っているものは・・・というわけで、何か皮肉な意味合いが込められた作品なのかもしれない、と思って辞書を引いたら、"pigro" とは「怠け者」の意味だった。あいかわらず曲の凝りよう、声の渋さが素晴らしいです。
IVANO FOSSATI
IL GRANDE MARE CHE AVREMMO TRAVERSATO 73(04)/CD/ITA/ITA BTF VMCD091
*紙ジャケ再発。IVANO ALBERTO FOSSATI 名義。
LA MIA BANDA SUONA IL ROCK 79(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321765372
*この時代、アメリカやイギリスで録音するイタリアのアーチストは多かったが、この作品もマイアミ録音でバックもおそらくアメリカ人だが、ちゃんとイタリア語で歌っているのはえらい? リズムやアレンジにはフロリダの陽光もきらめくし、渋い歌声がブルースをかなり意識しているところもあるが、妙に暗く重いメロディがずしんと来るのは、やはりアニマラティーナというかイタリアの魂だ。このイタリア魂があるから、今日のフォサーティにつながるのだ。M4 "VOLA" がいいなあ。
LA PIANTA DEL TE 88/CD/ITA/AUS CBS 460664 2
*タイトル曲ではウニャ・ラモスがケーナを吹き、他にファブリツィオ・デ・アンドレ、フランチェスコ・デ・グレゴリ、テレサ・デ・シオがコーラスで参加している曲もあり、またコンピュータの使用もクレジットされていて、一枚のアルバムに意欲的にさまざまな工夫をちりばめたことが知れる。実際、どの曲も個性的で、楽器の音も一つ一つ選び抜かれたように響きあい、渋い歌声をイタポップの枠を大きく超えた独自の世界に踏み出させている。
LINDBERGH 92/CD/ITA/NLD EPIC 471496 2
*美しいジャケットのこのアルバムは題名どおり、リンドバーグのことを歌ったコンセプトものらしい。枯れてはいるが温かみのある声質で、情熱を秘めた抑えの効いた印象の歌を歌う。一曲一曲丁寧な音作りもドラマチックな展開も見事。最後のタイトル曲の弾き語りまで一気に聴かせる。
MACRAME 96/CD/ITA/NDL SONY COL 484174 2
*一曲目を聴くと、いきなりエスノジャズ風のテクニカルなアレンジと斬新な音作りに、漂う香ばしさは身震いするほど刺激的。それでいて、渋さで聴かせる語りに近い歌が最近のバッリョーニあたりにも通じる円熟の味でしっとりとなじむのに驚かされる。全編にわたって完璧というべき緻密な構成。とにかく一曲目の印象は飛びぬけて強烈だが、他の曲も聴くごとになんら劣ることのない歌心が滲み出す。ジャケットデザインもすばらしい。
LA DISCIPLINA DELLA TERRA 00/CD/ITA/HOL SME COL495072 2
*今度のジャケットはなんと顔アップだ。切れ味の良い一曲目のつかみは毎回おなじみだが、バックの盛り上がりがプログレファンもびっくりの二曲目や七曲目、オケをバックにピアノの弾き語りというにはあまりにも濃い三曲目、ルヴィ・デ・アンドレと歌うトラッドで、ファブリツィオの面影が髣髴とする八曲目などなど、これまた聴き所がいっぱい。
NOT ONE WORD 01/CD/ITA/NDL SONY SK896899
*"IVANOFOSSATIDOUBLELIFE" という名義になっている。各国語で "NOT ONE WORD" がタイプされたタイトルそのまま、なんと全編、インストアルバム。イヴァノのピアノ、ビブラフォンを聞かせる。チェロに Martina Marchiori、ドラムスに Claudio Fossati(息子か?)、さらにオーケストラが付きます。ジャズ風の曲が多いか。グレイのクラフト紙風にカラー風景写真というデジパックのアートワークも美しい。
LAMPO VIAGGIATORE 03/CD/ITA/ITA SONY COL510540 2
*一曲目は威勢の良いギターのカッティングで、何となくジャケットの絵から機関車を思わせるが、タイトルは「哲学の店」だって? 二曲目は「パンと勇気」、三曲目は「ランプ、鉄道技師の夢」・・・と言った具合で、何だか凄く凝っているんですが、歌詞が分かればねえ。曲想も多彩で、ピアノをバックにしっとり語ったかと思うと軽やかなリズムにさらりと流したりもする、枯れたような滲んだような、あっさりとした中に旨味の染みた歌が絶品。デジパック、歌詞つき。
TOUR ACUSTICO - DAL VIVO VOLUME3 04/CD/JPN/JPN SONY COL518965 2
*特にアコースチック楽器にこだわるというようなことではないようだが、嗄れ声も気張ることなくじっくりと歌いかけあるいは語りかけ、リラックスしたムードのライブ。楽器やメロディにさりげなく漂い知られる地中海の出自も好ましく、気がつけば聞き終わっている心地よさ。
L'ARCANGELO 06/CD/ITA/EU 828767 79342
*さらに燻された声の渋さ、曲ごとに手の込んだ音作りで、もうずっとイタリアの歌に付き合わせてもらって、言葉が分からないのにどうしてもやめられないのはこういうアルバムに出会うからだ。"Cara democrazia", "La Cinese", "Reunion" あたりのタイトルも潔く、思い切り個性と主張の表れた作品だろう。イタリアの歌モノとしてはやはり2006年の一番のお気に入りか。
MUSICA MODERNA 08/CD/ITA/ITA EMI 5099923781825
*前作とちょっと趣が変わって、エレアコっぽいギターのバックが印象的な、ちょっとアーリーアメリカンな音作りで、テールフィンのアメ車を思わせるデザインがまさにモダンなジャケットのイメージだが、しかし曲が進むにつれ、声の質としてワタシがいまやラニエリと並んでめちゃ好きな渋みのフォッサーティ、ひねりを効かせたアレンジに唸らされるばかり。きっと歌詞も凝っているのだろう。
DECADANCING 11/CD/ITA/ITA EMI 5099967988327
*今回はまたいっそうよいメロディ、温かく深みのある歌が揃っています。二曲目なんかカッチャパッリャかと思っちゃうくらい、ピアノがよくて、ギターなども含めてアコースチックな楽器の音がこの作品の気品を高めていると思います。何時もながら、一回目はサラッと聞けてしまって、物足りないかなと思うのですが、結局二度三度と聞いているうちにメロディが心に残っていきます。
IVANO ARBERTO FOSSATI + OSCAR PRUDENTE
POCO PRIMA DELL'AURORA 73(05)/CD/ITA/ITA BTFVMCD104
*BTFの紙ジャケ再発シリーズからまたまたうれしい作品が。名ソングライター二人の共演。もともとデリリウム時代にプルデンテが曲を提供していて以来、フォサーティの独立後のソロアルバムにも協力するなどつながりが深かったようで、この作品は連名のものになる。歌とギターのプルデンテ、歌とフルートのフォサーティが、和やかに歌の世界を広げる。地中海の音も、マカロニウェスタンの音も、美しいプログレッシブなインストナンバーも、すべてあの70年代の音であり、この二人のコラボレーションだからこそ実現した音楽だ。プルデンテの "INFINITE FORTUNE" にあまりにも衝撃を受けたワタシも、フォサーティ好きのアナタも、聞いて損はないアルバム。
IVAN SEGRETO
PORTA VAGNU 04/CD/ITA/EU SONY 88697129542
*"Ampia" がとてもよかったので、旧盤に遡って聴いてみることにした。これはデビューアルバム。一見、ちゃちな紙ジャケットだが、良くできていて、CDを取り出そうと右側に引き出すと、鍵盤の絵が描いてあるフラップが顔を見せる仕掛け。アコースチックなバッキングに知的で洗練された軽いピアノとヴォーカル。上品なジャズヴォーカルのアルバムとして、良い作品だと思うが、このアルバムから聞いたらあまり耳に残らなかったかもしれない。
2006 FIDATE CORRENTI 06/CD/ITA/EU SONY 82876803732
*2005年発表のセカンドアルバムに、サンレモ若手部門参加曲 "Con un gesto" を加えた2006年バージョン(DVD入りの二枚組も発売されたが、ワタシは入手できず残念)。サンレモ曲は、"Ampia" で聞かれる言葉の響きの面白さやちょっと高音域に近づいた時の声の色気が、軽快なリズムに乗って気を惹く。残響などの色合いも凝っている。
AMPIA 07/CD/ITA/ITA BMG 886970 92982
*淡淡とした歌声、ピアノメインのバック。妙に引っかかるのはそのシンプルなのに磨き上げられたような音作りで、5拍子や7拍子で流れていくメロディは美しくも現実から隔絶したような時間の流れの上を漂う。生ギター、ベース、PAOLO FRESUのフリューゲルホルンの震えなど、伴奏の音一つ一つも引き立つ端正さ。クールなのに優しい音楽。バッティアートもタイトル曲で、掛け合いで歌う。
IVO PAPASOV
DANCE OF THE FALCON 08/CD/BGR/AUT 450004
*ブルガリアのジプシー・クラリネットの名手の新作は、お家芸の超絶高速複合拍子のインタープレイで、聞いているほうが息切れするほどの痛快さ。バルカン音楽の魅力が詰まっている。ピンクパンサーのテーマ(なのか?)のアレンジも。
IZUKAITZ
IZUKAITZ 78/CD/SPA/SPA ELKAR KD-11.103
*バスク・フォークの名盤と言われる一枚。クレジットされているメンバーは8人のようだ。女性ヴォーカルがフロントで、素朴なコーラス、エレクトリックギターやベースが入っているもののフルートが飛び交うアコースティック寄りの演奏が、バスクと言う以上に無国籍ともいえる独特の浮遊感を味わわせてくれる。

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