- TALE
- SENZA FRONTIERE 94/CD/ITA/ITA KALIPHONIA KRC008
*デウス・エクス・マキナと同じレーベルなので、アヴァンかなと思って聴いたら全然違った。ギターが主でフルートも入る叙情派プログレといったところ。近い感じなのはキャメルあたりか。シンフォっぽい音作りだが曲がダラダラしていなくて変化もあり、メロディもベタ甘でもなく、演奏もそこそこ上手いので、さわやかに聴ける。
- TALKING HEADS
- REMAIN IN LIGHT LP/GBR/JPN PHONOGRAM RJ7691
*イーノのプロデュースで、イーノとバーンのコラボレーションの強力さを感じさせる名作。
- STOP MAKING SENSE VC/GBR/JPN RCA RPBT1021
*ジョナサン・デミ監督による、コンサート・ライブ・ビデオの常識を覆した傑作中の傑作。確か吉祥寺だったか渋谷だったかで公開されたとき見に行って、完全に参った。ライブが「映像作品」になる、ということに素直に感動しました(デミ監督と言えば NEW ORDER の "Perfect Kiss" のビデオクリップもクール!でした)。ラジカセと生ギターを持って登場するデヴィッド・バーンのかっこよさから、ほとんど無彩色のセットと衣装に浮かび上がる表情や動き、そしてもちろん演奏と映像が、見る人を釘付けにします。でもこれベータのテープで、だいぶ痛んでしまった上に、ついに手持ちのベータのデッキがオシャカに・・・(T^T)。
- STOP MAKING SENSE WIDESCREEN 84(99)/VC/GBR/USA PALMVHS3015-3
*15周年記念再発売、DVD版もある。ワイドスクリーン版を買ったが、映像も音もリフレッシュされているようで、あらためて感動。ただしボーナストラックは、かつて持っていた日本盤「完全版」に収録のものと同じものだった。私にとっての「カッコよさ」の基準はこの作品だ!ということを再確認した次第。ラジカセとギターでセット未完成のステージが始まり、ヴァリライトぐるぐるの時代にスポット一個手にして影絵を作っていた演出の大胆さ! ジョナサン・デミもデビッド・バーンも最高です!
- TALLARI
- KYMMENEN PENNIN RYYPPY 91/CD/FIN/FIN FORK MUSIC INSTITUTE KICD24
*カウスティネン出身の草分けトラッドバンドの4作目。哀愁漂うメロディ、衒いのまったくない素直そのものの歌と演奏が、素朴な感動をもたらす。
- TANGERINE
- DE L'AUTRE COTE DE LA FORET LP/FRA/FRA ARCANE 87014
- TARKAN
- AACAYIPSIN 97/CD/TUR/TUR ISTANBUL PLAK CD005
*ついに "SIMARIK" の入ったアルバムの日本盤も2000年5月に発売が決まったようだ。たまたま見つけたこのトルコ盤らしきアルバムは少し前のもので、フランス盤も出ているようだが、本格的なヴォーカルアルバムだ。生ギターの力強いカッティング、イエスのロンリーハートを思わせる歯切れの良さ、深い憂愁漂うバラード、エキゾチックなシンセサイザーとコーラスの掛け合い、民族音楽と西洋音楽の楽器のクラシカルな響き合い、・・・さまざまな表情を見せながら展開する、素晴らしい作品だ。音楽的伝統からすればいわゆる欧米など翳んで見えるトルコの実力が、ポップミュージックにもごく自然に現れていると感じる。どんなに西洋のテクノロジーやイディオムを用いても、西洋の物真似ではなく、西洋を呑み込んでしまうのだ。この力はすごい。
- SIMARIK 98/CDS/TUR/DEU URBAN 563 465-2
*たまたまテレビで見たワールドミュージックアワードで、二つほど「こ・・・これはっ!」というのがあって、そのひとつがこのトルコのタルカンというシンガー。タイトルはキスという意味で、オリエンタルでテクノな曲にあわせて不思議な踊りを踊りながらトルコ語で歌い、キメの部分で「ちゅっちゅっ」とやるのだ。最初見たときは腰が抜けそうになったが、ビデオで何度か見ているうちに癖になってしまって、このシングル盤まで買ってしまった。音楽テクノロジーを巧妙に自文化の音楽性に取り入れて成功した典型例かもしれない。でもあの踊りを見ないと、面白さは今ひとつ伝わりにくいかも(ところで「これはっ!」のもうひとつはミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」)。
- TARKAN 00/CD/TUR/JPN UNIVERSAL PHCF3533
*ついに日本盤が出てしまった。タイトルは「CHU! CHU! は恋の合言葉」・・・うーん合言葉なのかあれは? ちょっと投げやりでは・・・。しかし中味は予想に反してちゃんと原語で歌っていて、ダンサブルな曲でさえ独特の哀感漂う節回しが美しく、今までなかったポップス。いいですよ凄く。
- KARMA 01/CD/TUR/TUR ISTANBUL PLAK 8693953000559
*久しぶりに出会ったタルカンのアルバム、オフィス・サンピーニャが日本ディストリビュートしたやつで帯付きライナー入りの中古盤、某店のボサノバ(!)コーナーで315円で拾った。オーケストラルな曲もあればエレクトロニックな曲もあって、手が込んでいる。タルカンの歌もリズミカルな曲もバラードもこなして、表現力は幅広い。しかしやはり聞いていて楽しいのはトルコ風のメロディとリズムに乗せた曲だ。
- TASAVALAN PRESIDENTI
- LAMBERT LAND 72/LP/FIN/GBR SONET SNTF636
*ユッカトローネンのジャズロックバンドによる名盤。意表をつく展開と抜群のテクニック、切れ味のよさと不思議な温かみがあいまって、たいへんに聴き応えのある作品。
- TAZENDA
- TAZENDA 88/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6389
*日本盤も出ているので知名度は高いと思う。明るいメロディとさわやかなコーラスが特徴。こういうグループはイタリアのバンドにはありそうでなかった(のか、ジャンル的に重ならなかったから聞いていなかっただけかもしれないが)。ギターやシンセの音も当時としてはカッコイイ方だったと思うが、やはりあくまでも技に幅のあるこの歌を聞かせるバンドだろう。アカペラなんかが好きな人には勧められるのでは。
- LIMBA 92/CD/ITA/ITA VISA TVICD3
- TELAIO MAGNETICO
- s/t 75/CD/ITA/ITA MUSICANDO MUS012
*バッティアート、カミサスカらによるライブプロジェクトのようで、キーボード、ヴォイス、パーカッション、リードの6人編成で、この種のものとしては変化に富んでいて飽きさせない展開、ライブのせいか迫力もある。バッティアートやカッチャパッリャなどの当時の音を思わせる現代音楽の佳品。
- TELLU ---> GARMARNA / HEDNINGARNA Special
- TEMPIDURI ---> FABRIZIO & CRISTIANO DE ANDRE Special
- 10CC
- s/t 73/LP/GBR/JPN KING SLC525
- SHEET MUSIC 74/LP/GBR/JPN KING SLC531
- THE ORIGINAL SOUNDTRACK 75/LP/GBR/JPN PHONOGRAM RJ7001
- HOW DARE YOU! 76/LP/GBR/JPN SRM11061
- DECEPTIVE BENDS 77/LP/GBR/JPN SRM13702
- GREATEST HITS LP/GBR/JPN KING GP151
- TERESA DE SIO
- VILLANELLE POPOLARESCHE DEL '500 78(05)/CD/ITA/ITA LUCKY PLANETS LKP552
*またまたやってくれましたラッキープラネッツ。幻の?ファーストソロアルバムの再発です。といっても、音楽監督はエウジェニオベンナート。ですから一連のソロアルバムよりはムジカノヴァにつながる流れです。ミュージシャンもベンナートにデリエンツォらが参加。とにかく声が瑞々しい! 最近の彼女の声しか聞いたことのない人は、認識を新たにするのでは。アコースチックな伴奏も練達の技巧を響かせます。音がよいのにも驚きました。ムジカノヴァファン必聴。
- TERESA DE SIO 82/CD/ITA/ITA POLYGRAM 558 378-2
*リマスター盤が出ていたので買ってみた。音質最高。おそらくこれはセカンドアルバムだと思う。一曲目の "VOGLIA 'E TURNA' " は彼女の代表曲だと思うが、いい歌である。彼女の独特の歌い方がたっぷりと堪能できる。
- AFRICANA 85/LP/ITA/ITA PHILIPS 824 810-1
- TOLEDO E REGINA 86/CD/ITA/ITA MERCURY 830 542-2
*この人の声を、聞いたことのない人に説明するのは難しい。ほんのりと甘く暖かいのにきらきらと明るく、しかも自在にびりびりと共鳴する・・・。あえて洗練されることを拒んだ、絢爛な声とでも言うか・・・まあとにかく一度聞いてください。好き嫌いはあると思いますが、うまさという点で納得しない人はいないでしょう。ポール・バックマスターの指揮でオケがつく曲も、少ない楽器でしっとりとまとめる曲も、それぞれ彼女の声が本当に生き物のように音楽にまとわりつくのです。なんと怪しくも力強いのでしょうか。
- SINDARELLA SUITE 88/CD/ITA/ITA PHILIPS 834 301-2
*6作目のアルバム。明るくきらびやかな音作りが、はりのある声を引き立てている。小曲は、メロディ的にはややマンネリに感じられるところもないではないが、16分あまりの組曲 "LA STORIA VERA DI LUPITA MENDERA" は、語りやミニマルな演奏、アンビエントな響きが織り交ぜられた異色作。
- OMBRE ROSSE 91/LP/ITA/ITA POLYGRAM 510292-1
*テレーザ・デ・シオの歌を初めて聴いたのは、マウロ・パガーニのソロアルバムで、まさに地中海的な歌い回しが素晴らしかった。このアルバムでも、パガーニが一曲参加している。多くの曲はテレーザ自身の作詞作曲、強力なバックとの息もぴったりで、明るくはあるが情熱的というよりはむしろ抑えの効いた情感のこもった、力強くもしっとりした歌が実に魅力的。
- LA MAPPA DEL NUOVO MONDO 93/CD/ITA/DEU CGD 4509-93545-2
*9枚目のアルバム。生ギターやピアノなどの素朴な響きに彼女の声がよく引き立つ。歌い上げるとアクの非常に濃い声なので、これくらいのしっとりした情感がバランスよくて、けっこう好きなアルバムである。
- UN LIBERO CERCARE 95/CD/ITA/DEU CGD 0630-11376-2
*10枚目のアルバム。コラージュ風のジャケットの写真の雰囲気がとてもよいのだが、中味もその通りで、肩の力を抜いて楽しめる曲が並ぶ。タイトル曲ではファブリツィオ・デ・アンドレ、M6ではフィオレッラ・マンノイアも歌う。ヴィットリオ・コスマ、マウロ・パガーニなどなど、サポートメンバーもあいかわらず豪華。
- A SUD! A SUD! 04/CD/ITA/ITA LUCENTE LUCE009
*旗持ってギター背負ってタイトルも「南へ! 南へ!」・・・この勢いに一瞬、引くが、中味はすばらしく充実。自作曲やダンジオの曲が並び、それはもう勢いに乗ったアレンジで、巧みに歌い聞かせる。「南の」曲が好きな人には無条件におすすめです。ベンナートファミリーは元気だ!
- "SACCO E FUOCO" 07/CD/ITA/ITA EDEL 0181822ERE
*街角の寸劇のような幕開けにまずぐっとひきつけられます。こういう演出には私は一も二もなく降参です。久しぶりの新譜ですが、前作より曲のバラエティがさらに豊かになり、とりどりに地中海風味濃い目の楽曲が並びます。声も相変わらずの力強さですが、むしろ力みが抜けて滑らかさのようなものが加わり、艶も響きも魅力が増したように感じます。私は最高傑作と思います。
- TERJE RYPDAL
- AFTER THE RAIN LP/NOR/JPN TRIO PAP9055
- WHENEVER I SEEM TO BE FAR AWAY LP/NOR/DEU ECM 1045
- ODYSSEY 2LP/NOR/DEU ECM 1067/8
- WAVES LP/NOR/DEU ECM 1110
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- TERPANDRE
- s/t 81/LP/FRA/FRA MUSEA FGBG2018
*フランスの幻のプログレバンド。ムゼアから再発盤が出て、ようやく聴けた。ジャズ系ということだが、あまりジャズっぽくなくシンフォ寄りで、聴いた感じはアトール辺りが近い。バイオリンがカッコよく、またメロトロンのコンディションが非常によくて白玉バックがなんとも甘美な味わいなのも魅力。
- TETES DE BOIS
- PACE E MALE 04/2CD/ITA/ITA MANIFESTO CD132
*この人たちは誰? バンド名は「木の頭=ばか」という意味のフランス語。一枚目は超本格派の演奏力にフレンチなセンスでアヴァンジャズともエスノポップスとも決めがたく、曲はオリジナル中心にデアンドレ、ブラッサンス、レオフェレなんかもあり。ピッキオ風に聞こえるところもあったり、パガーニのヴァイオリンがしんみりと泣いているM10やデアンドレのM11は絶品、CD2はライブも含み人声を多用して徹底的にアヴァンギャルドに展開し、さらに只者で無さを突きつける。
- THEORIUS CAMPUS
- THEORIUS CAMPUS 72/CD/ITA/ITA BMG 74321773502
*Francenco De Gregori と Antonello Venditti の合作というか競作のような構成だが、アルバムとして通してすんなり聴けてしまう。リマスターで音はきれいだし、基本的にはさわやかな歌モノだが、音響やシンセの音、飛び交うフルートあたりに70年代の雰囲気もじわりと効いて飽きない。
- THIRD EAR BAND
- EXPERIENCES 69/LP/GBR/JPN EMI EMS80617
- THROBBING GRISTLE
- 2ND ANNUAL REPORT LP/GBR/GBR FETISH 2001
- D.O.A. LP/GBR/GBR INDUSTRIAL IR0004
- 20 JAZZ FUNK GREATS LP/GBR/GBR INDUSTRIAL IR0008
- HEATHEN EARTH LP/GBR/GBR INDUSTRIAL IR0009
*いわゆるインダストリアル・ミュージックなのでしょう。演奏があまりにも下手なので、そのうちすっかりクセになりますけど。
- TIEMKO
- ESPACE FINI 88/LP/FRA/FRA MUSEA FGBG2025
*フランスの、ドラム・ギター・キーボードのトリオ。と言えば ELP タイプなのだが、このバンドは緻密に構成された、厚すぎず薄すぎないインストメインの曲を演奏する。それほど強く印象に残るインパクトはないが、演奏のクールさがたいへんに心地よい。このアルバム以降どんどんパワーアップしているらしい。このアルバムも最近CD化されたが、ボーナスが3曲も入っていてちょっとくやしいかも。
- OCEAN 90/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4013AR
*フランスのプログレトリオの2枚目。三人がそれぞれ作曲しているが、いずれ劣らぬ佳曲。テクニカルな部分と幻想的な部分があいまって、変化に富んだ作品になっている。
- PARADE 92/CD/FRA/FRA/MUSEA FGBG4057AR
*サードアルバム。トリオだがドラマティックな構成がすばらしい。なじみの音色とフレーズがさまざまに展開していくのがなんとも心地よく、90年代初頭、ここにプログレがちゃんと存在していたか、という感動を与える傑作である。これで物足りなかったらDEBOCOを聴くべし。
- CLONE 95/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4156AR
*フランスのテクニカルプログレの傑作。全員が演奏力も作曲センスもすばらしいトリオなんて、そうそうあるものではないだろう。キラキラした粒立ちのよいとでもいった感じの音で、変拍子であれ不思議な転調であれ、ごくごく自然に聴かせて、飽きさせない曲作りはすごい。
- CA TOURNE... 03/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4539.AR
*確かドラマーが亡くなったのでは・・・と思ったら、これは企画モノ。94,96年の音源とマルチメディアの盤で、ヴィデオ、ディスコグラフィ、センスのよいCGが楽しめる。音源は32分あまりだが、インプロヴィゼーション風のトラックもあって聴き応えは十分。
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- TILBURI
- ALCOCEBRE 76(05)/CD/SPA/SPA FONOMUSIC 5046772362
*デジパック再発シリーズ。まったく知らなかったバンドだが、これがなかなかよかった。ギターふたりとベースという3人組で、アコギとコーラスが実にさわやかな響きで聞かせる。ドラムレスだがベースがきっちりリズムを取る。ギターも節回しがスパニッシュではないので、歌がなかったらイタリアともイギリスとも聞こえないでもない。ちょっと似たバンドを思いつかないユニークさで、詩情あふれるきわめて洗練された作品。
- TIM BLAKE
- CHRISTAL MACHINE LP/GBR/FRA EGG 900545
- TITO SCHIPA JR.
- ORFEO 9 72/2LP/ITA/ITA FONIT CETRA - VINYLMAGIC LPP427
*TITO SCHIPA JR. 作詞作曲による、ポップ・オペラということだが、オーケストラ指揮に BILL CONTI、ナレーションやキャスト、演奏に LOREDANA BERTE、 RENATO ZERO、 TULLIO DE PISCOPO といった名前が見える。かなり大掛かりな作品のようで、ストーリーが分からないのでいささか印象が結びにくいものの、キーボードの音などに当時のイタリアのプログレシーンの息吹が感じられる。
- IO ED IO SOLO 74(06)/CD/ITA/JPN ARCANGELO ARC-7144
*名盤の名高い一枚がついに紙ジャケCD化。バンドにオーケストラ、ファルセット風のヴォーカルで、アラン・ソレンティやマウロ・ペローシに通じる、しかしそれほど陰鬱でもない情緒的な雰囲気は、私の好みではないのだが、70年代イタリアの濃い味を味わえる。
- TODD RUNDGREN
- SOMETHING/ANYTHING? 72/2CD/USA/USA RHINO R2 71107
*発売当時中学生だった私には、2枚組のLPなどとても手が出ず、"I saw the light" (確か邦題は「瞳の中の愛」だった)や "Hello, it's me" のシングル盤を、むさぼるように聴いた。アイデアの斬新さ、メロディの良さにまずひきつけられたし、一人多重録音にもすごいと憧れていた(かのチューブラーベルズよりも一年早いことに今になって気づいた。もちろん音楽性はまるで違うのだが)。DISK2の前半までが一人多重、残りがバンドだがオペレッタ風の構成と、凝りに凝っている。それでいて、一曲一曲を抜き出すと、それぞれがまたシングルヒットが狙えそうなほどのポップセンス。捨て曲なし。歴史的名盤。
- A CAPPELLA 85/LP/USA/USA WARNER 9 25128-1
*もともと曲作りもワンマンバンドもお手のものだったのに加えて、これだものな。もちろんエレクトロニクスは欠かせないにしても、トッドにできないものはナシってこと。すごいよ。
- TOHPATI
- TRIBAL DANCE featuring JIMMY HASLIP & CHAD WACKERMAN 14/CD/IDN/IDN DEMAJORS
*インドネシアの音楽シーンのことは結局よくわからないのだが、このアルバムはアメリカでも発表されたらしい。インドネシア盤と曲順は異なるとのこと。ガムランで始まるのでわくわくするが、曲間にインドネシアの民族音楽の断片を挟み込んであるだけで、曲自体はカンタベリー系を彷彿とさせるテクニカルで高速のジャズロック。アメリカ向けということでこのような作りになっているのだろうか。
- TOM NEWMAN
- FAERIE SYMPHONY 77/LP/GBR/GBR DECCA TXS123, 77(00)/CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9034
*マイク・オールドフィールドのエンジニアでもあり、ミュージシャンでもあるトム・ニューマンであるが、これはフルートとギターが美しい、マイク風のトラッドな組曲。ジャケットもたいへん美しく、すばらしい(外側は夜の、内側は昼の光景、という設定であろう)。
P.S.*ボーナストラックつきの再発CDは出ていたが、この日本企画盤は、紙製オリジナルジャケットのみならずレーベル面も再現、リマスターながら廉価なので、買ってしまった。LPの音質が今ひとつだったので大満足。
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- TONI(TONY) ESPOSITO
- TONI ESPOSITO LP/ITA/ITA NUMERO UNO ZSLN55677
- PROCESSIONE SUL MARE LP/ITA/ITA NUMERO UNO ZSLN55686
- STORIE D'AMORE CON I CRAMPI 96/CD/ITA/ITA SONY CGM481720 2
*映画のサントラで、ヴォーカルも担当している SASA FLAUTO という人との共作曲が多い。前半は歌モノ、後半にはインスト部分をメドレー風にまとめたものが入っている。どういう映画かわからないが(舞台はアフリカの砂漠で二組の若いカップルが主人公かも)、音楽はアコースティックでなかなかよい感じだ。
- VIAGGIO TRIBALE 03/CD/ITA/ITA NICOLOSI PRODUCTIONS NIC90012
*うーんこりゃ景気よし! 気持ちよし! とにかくパーカッションの音の洪水だ! 地中海の音と今風のつくりがパーカッションの熱気に捲かれて一つになる。聴いていて時間を忘れさせる。FRANCO BATTIATO, EDOARDO BENNATO らも参加。
- GREATEST HITS 03/CD/ITA/DEU ZYX SIS1040-2
*ドイツのシルバースターというこのベスト盤のシリーズは、シカゴだのジョニーウィンターだのスリーディグリーズだのからロッシ、クトゥーニョ、チェレンターノといったイタモノまで、なんでもアリ、よくわからないコンセプトだ。その一枚にエスポジトが入っているわけなのだが、とにかく最近のディスコグラフィをまったく知らないので、収録曲がいつごろのどれほどのヒットなのかさえわかりません。しかし、なかなかよい曲ばかりなのである。今風の音で軽快なロック、ヴォーカルはうまいというほどではないがそこそこ聞かせるし、パーカッショニストだからかリズムが強調された曲作りで気持ちがよいし、インストナンバーもあって、特にM4など、地中海風味抜群だったりで、最新作ばかりがすばらしいというわけではないというだけでも発見でした。
- TOTO TORQUARTI
- GLI OCCHI DI UN BAMBINO 73(03)/CD/ITA/ITA BMG 82876544112
*マルチ・キーボーディストであり、おそらくクラシックの素養も深いと思われ、オーケストラも導入された作曲やアレンジがとても凝っている。ピアノやオルガンのプレイは申し分なくテクニカルかつカッコイイ。しかしコンセプトや歌い方からは非常にソウルフルなものが感じられて、クラシカルな曲の合間にもろゴスペルな曲もあったりでそれはもう個性的。音楽的な品位の高さも含め、当時の作品群の中でも際立って存在感のある一枚。
- TRÄD GRÄS OCH STENER
- AJN SCHVAJN DRAJ 02/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD4758
*「木と草と石」というこのバンド、69年にバンド名タイトルのアルバムを出しているが、その後活動があったのかどうかわからない。謝辞の羅列の中に「孫」まで含まれているところや、ギター2本、ベース、ドラムスの四人というあたりまえな構成からは想像のつかない、怪しい音楽を紡ぎだすバンド。サイケやアヴァンギャルドには当然繋がるが、この冷たく深い湖にたゆたうような、鋭くもけだるい雰囲気はなんだろう。案外、クリムゾンあたりが好きな人にいけるかもしれない。英語とスウェーデン語、それに一部だがなぜか日本語の解説もついていて、意味も字体も比較的自然な日本語で、落款まで押してある(印影は読めない)。とにかくナゾのバンドである。
- TRANSIT EXPRESS
- PRIGLACIT 75(01)/CD/FRA/FRA PIANO BASS MUSIC PBME03
*ようやく3枚のアルバムがCD化された。これがおそらくデビュー作なのだと思うが、とてもそうは思えない。オーソドックスな四人編成のジャズロックで恐ろしくタイトな演奏である。といっても、音がびっちり詰まっているというのではなくて、たとえばピアノだけが淡々と鳴っているようなところでも息を呑むような美しさがあったりする。
- OPUS PROGRESSIF 76/LP/FRA/USA PETERS PILPS9015
*かつて日本盤で聴いて以来ずっとご無沙汰だったのだが、アメリカはなつかしのピーターズ盤でようやく再会。あらためてこの硬質な、がっちりとしたジャズロックを堪能すると、「天然色」の軽みが実は計算され尽くしたものだということがよくわかる。
- COULEURS NATURELLES 77/LP/FRA/FRA RCA PL37020,CD/FRA/FRA PIANO BASS MUSIC PBME05
*イヴ・シモンのバックバンドだが、リズム体は強力だし、変拍子でギターとバイオリンが掛け合ったりすると、やっぱり興奮します。ちょっと薄めだけど、かなり、かっこいいです。P.S.*久しぶりに聞きたくなったシリーズ。LPジャケットの、光沢のある白地に、鮮やかな赤の絵具というデザインが大好きだった。"Visite Au Manoir" の雨音から足音、ドアを開けて・・・のSEとギターアルペジオ、そして甘くひずんだバイオリンの音色から・・・来るぞ来るぞ・・・!・・・そして最後のベースとバイオリンのリフ・・・(溜息)・・・フランスのプログレの超名曲。アルバムの構成も見事。"AuDela du Mirror" と "L'image du Mirror" で繰り返されるピアノのフレーズ、まさにタイトルどおり "Qui Donc a Reve?" がスリリングなリフレインで目覚めさせてくれる・・・いやあやっぱり、これは名盤です。
- TRETTIOARIGA KRIGET
- TRETTIOARIGA KRIGET 74/CD/SWE/SWE ?
*私の持っているこのCD、これを書いていて気づいたがレコード会社名も番号も書いていないんだけど大丈夫か? ジャケも盤もちゃんとしているんだけど、最近分からないですから・・・。しかしこれはやはり傑作です。太陽と戦慄の頃のクリムゾンやリレイヤーの頃のイエスを髣髴とさせるハードプログレです。とにかくかっこよい硬質の音、変拍子でキッチリ刻まれるがゆえにかえって不安を掻き立てるビート感、余分なものを一切殺ぎ落としたところに凛とそびえ立つプログレの枢軸とでも言いましょうか。でかい音で必聴。
- TRI YANN
- /MARINES 03/CD/FRA/FRA SONY EPC5120862
- TRIADE
- 1998:LA STORIA DI SABAZIO LP/ITA/JPN KING K25P414
- TRIANA
- s/t 76/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 170678/7
- HIJOS DEL AGOBIO 77/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 170907/9
- SOMBRA Y LUZ 79/LP/SPA/SPA MOVIEPLAY 171439/4
- TRIANGULUS
- TRIANGULUS and BJÖRN J:SON LINDH 86/CD/SWE/USA BREAKTHRU ABCD3
*サイレンスから出ていた盤だと思うがアメリカのレーベルのものをやっと見つけた。RAGNAROK の Peter Bryngelsson, サムラ&ニンバスの Hans Bruniusson, KAIPA の Roine Stolt にフルートで Bjorn J:son Lindh という組み合わせで、まあ俗な言い方をすればスーパーグループと言っても良いのでは? これはもう断然カッコイイです。生ギターにドラムスやパーカッション、シンセの音がたいそうスマートな上に、7拍子やらフルートやらSEが入って豪華でプログレなジャズロック。でもメロディが美しいし音は無駄がないしはっきりしたビートのノリそのものもわりとノーマルだから、聴き心地も良い。それにしてもこの不思議な雰囲気を何かにたとえるのは難しい。もちろんアンサンブル・ニンバスが気に入っている人にはOK。
- TRIBUTE
- TERRA INCOGNITA 90/LP/SWE/SWE HEAVENLY HEIGHTS RP2000
*80年代初期の作品にピエール・メーレンが参加していたというので知られていたグループだが、当時のフュージョン的な作品の評価は今ひとつだった。あまり期待しないで聴いたこの作品だが、クラシカルでトラディショナルな、美しい作品で驚いた。B面全部を費やしたタイトル曲など、ヘナヘナなシンフォとは一味も二味も違うアレンジの厚みが味わえる。
- TRILOK GURTU
- KATHAK 99/CD/IND/USA MINTAKA MR1073
*ジャズ界で活躍しているインド出身のパーカッショニストのリーダー作品。今回の録音はドイツとボンベイで行われている。いかにもインド風の味付けをしながらも、仕上がりは軽快な無国籍ジャズロックになっている。
- TRI MUZIKE
- PAUSE 10/CD/ITA/ITA FELMAY FY8063
*バルカン寄り地中海トラッドを聞かせる7人組バンド。ブズーキ、ダルブッカ、ネイなどおなじみの民族楽器の音を楽しみつつ、サックスやトランペットがジャジーなアレンジを聞かせるタイトルもあったり、アコーディオンに乗せたさわやかな女性ヴォーカルが明るく軽快に歌うかと思えば、哀愁を帯びた東欧風の歌もありで、かなり楽しめる一枚。
- (THE) TRIP
- CARONTE 71/LP/ITA/JPN EDISON CR10061(ERS28011)
*フリオ・キリコが在籍する前のトリップのセカンドアルバム。ギリギリ歪んだオルガンの音が印象的で、ブルージイというか非常に重く暗い雰囲気が個性的。独特の泥臭さの反面、緊張感もあって、サードアルバムより全体としてまとまりの良い感じはする。
- ATLANTIDE 72/CD/ITA/JPN EDISON ERC32018
*このトリップのサードアルバムは、変形ジャケットの人気もあってか、かなりのプレミアものだった。この再発CDも、広げると3倍の幅になる地図のインナーがうれしかったりする。フリオ・キリコが加入してドラムスがうるさくなった(笑)し、ピアノやオルガンの音はペラペラだし、ベースの音はビヨンビヨンだしで、いかにも70年代イタリアを感じさせる音である。アンサンブルはあまり巧妙とは言えず、ヴォーカル入りのわりとストレートな作風の曲と、アドリブっぽい曲が入り混じっている。ジャズっぽくもなくハードでもシンフォでもない、ちょっとクセのあるイタリアンロックといったところ。
- LI TROUBAIRES DE COUMBOSCURO
- LOU PAROUR ??/LP/ITA? (no number)
*アルプス地方の民俗音楽を演奏する。アルバムとしてはこのバンド名ではファーストらしい。ジャケットは見開きでオールコーティングとなかなか綺麗で立派だが、発表年もレコード番号も入っていない。後年の作と比べてあまり構成に凝っていないので、素朴な歌声と演奏が楽しめる。
- ROUMIAGE 86/LP/ITA/? OC004
*なにやら家庭生活の一こまのような始まりから、透明感のある女声ヴォーカルと暖かな演奏が心楽しませてくれる好盤。CD化された "A TOUN SOULEI" よりもはっきりとトラッド寄りで、和やかな雰囲気。バランスやまとまりはむしろこちらのほうがよい。
- LOU PAN CROUSIA 89/LP/ITA/ITA JUMP OC005
*語りがずいぶん入るので、まったく内容を理解していないが、やはりおそらくはストーリー仕立ての作品なのであろう。トラディショナルではあるがどちらかといえば演劇性を感じる。前作の延長上にある作品。
- A TOUN SOULEI 95(02)/CD/ITA/ITA TARGET/VINYL MAGIC VM CD 074
*長らく品切れで悔しい思いをしていましたが、VM2000シリーズとしてついに再版。旧作もCD化されたら幸せなのですが。フランスとの国境に近いあたりの民族音楽バンドらしく、言葉もフランス語ともイタリア語とも違う独特の方言。ゲストの豪華さで有名なアルバムですが、そんなことよりも中身が抜群。というのも、聴き始めはいかにもトラッドらしく、少女風のヴォーカルがなかなか愛らしい、などと思っていると、タイトル曲M3はまるでシンフォ系、続いてELPじゃあるまいしの歪んだオルガンロック、次はジャズ風のバック、といったあんばい。ムシーダのギターのアルペジオをバックにデ・アンドレ夫妻の掛け合いが美しいM7など涙モノ。他にはタゼンダ、アラン・スティヴェール、ガブリエル・ヤクーブなど有名どころも。もちろん、基本はトラッドなのですが、この面白さには脱帽です。ところでスリーブの写真の男の子が連れている動物は何でしょうか(妻に見せたら、ロッキーチャックじゃないの、と申しておりましたが)。
- TUDOR LODGE
- TUDOR LODGE 71(00)/CD/GBR/JPN VICTOR UICY-9030
*70年代ブリティッシュトラッドの名盤。デジタルリマスターで音質がよく、ドラマティックな構成とスケールの大きな演奏、そして何よりも美しいコーラスを思いっきり堪能できる。6面特殊紙ジャケ再現(開くとこんな風になる→)で、ヴァーティゴのぐるぐる内袋までついている凝りようがうれしい。
- TULLIO DE PISCOPO
- DE PISCOPO 91/CD/ITA/ITA EMI 090 7962342
*地中海モノによく参加しているドラマーだが、フランソワ・ブレアンがアレンジとあるので、興味を引かれて聞いてみた。ブレアンといえばシンセサイザーのイメージだったが、考えてみれば非常に映像的なアルバムを作っていた人で、この作品でもその才能というか手腕が生かされ、色彩感豊かな作品に仕上がっている。アフリカ、中近東、ラテンなどいろいろな味わいが取り入れられていて、多彩なミュージシャンが参加、たとえばソロアルバムがなかなか聴かせた GERALDO CARDINALE 、2曲目で歌っているJORGE BEN など。ブレアンのキーボードは、目立たず騒がず、しかしさすがにツボを抑えている。3曲目などは、いかにもブレアンらしいイントロに始まり、エモーショナルなメロディライン、アルベルトラディウスがパワフルになった風のヴォーカルと、涙の名曲。
- TURNING POINT
- SILENT PROMISE LP/GBR/JPN VICTOR VIP6567
- TYTTI-LEENA LAASANEN
- SININEN AJATUS 88/LP/FIN/FIN OLARIN OMLP14
*共鳴胴のある小型ハープ?のような民族楽器カンテレ奏者のアルバム。これまでバンドの中の一楽器としては耳にしてきたはずなのだが、一曲だけタブラが入っているほかはカンテレのソロであるこのアルバムを聴いて、改めてその味わいを確かめることができた。響きは儚げだが、表現力は奏者の技量もあって実に豊かで、一つ一つの曲毎にさまざまに、移ろい易い時や人々の営みに想いをいたらせる雰囲気がある。
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