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ichikoro / SANOVA "OFF-SIDE" 2019年12月5日(木)@新宿MARZ  
no image この日のichikoroはSANOVAとのツーマン。ichikoro目当てで行った4月のSYNCHRONICITYでも、たまたまSANOVAを選んでいたわけで、まあこれも偶然とも縁とも言えるが、テクニカルであるほかにもそれぞれに個性的なノリがあるから、面白い組み合わせだと思った。OAは最近話題に上ることも多い諭吉佳作/men。打ち込みのmacをバックに、一人で歌うタイプだが、予想に反して意外にエモーショナルで本格的なボーカルだった。バンドにしないでこのスタイルを通すことが彼女なりのやり方なのだろう。良い具合に温まったところにSANOVA登場。スリーピースで盛り上げられる限界まで盛り上げるスピード感と音圧が圧倒的。とにかく陽性なので堀江さんは勝手に関西だとばかり思っていたら、長野出身の千葉大卒だったのですね。さてトリはichikoro。今回も川谷MCのソロ回しやNAGAN SAVERのラップも加わって、短い分めまぐるしいほどの密度の濃いステージだった。けっこうギチギチでせめぎあう感じが魅力なんだよね。強烈なテクニックの密集部隊の集中攻撃で正面突破という感じだ。みんなそれぞれに忙しいから奇跡に近いバンドだが、ichikaのカラーが表立つような新曲が出たらよいなあなどと想像してみる。終演後はちゃんMARIと課長があわてて物販の準備をしていて忙しそうだった。本当に自分たちで何でもやるバンドなのだな。

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ゲスの極み乙女。「変人大集合」in Tokyo 2019年12月3日(火)@東京国際フォーラムhallA  
no image  とうとうこの日が来た。今年の12月3日はゲス乙女の単独ワンマン。国際フォーラムでのライブは前回行けなかったので、今回は本当に楽しみにしていた。入場は大混雑したが、物販は先行で済ませていたし(今回のグッズは充実している)、指定席だからまあ急ぐ必要もない。席番があまりよくないので、まあ椅子があるからゆったり聴ければいいや、ぐらいの気でいたが、なんとPA席の真後ろで、座ったままでもステージがまあまあ見えるという、足腰の弱った老人にはなんともありがたいポジション(始まってからはモニター画面が気になって落ち着かないという問題もあったにせよ)。
 「変人大集合」というツアータイトルだから、まあ何かの趣向はあるのだろうと思ったが、さらば青春の光の森田と電線礼賛女優の石山蓮華が司会役で、「変人大集合」というテレビ番組が進行するという形になっていた。途中、メンバーやスタッフ、ゲストが「変人#01」みたいな形で紹介されていく(もちろん会場に集まったファンも変人である)。実のところ私はそこまでこのような構成には入り込めない(石山蓮華は大好きなのでそれはうれしいけど)。グダグダのMCと超絶の演奏が聴ければ満足だ。逆に、演出するならもっととんでもない意外性(これまでまったくつながりを知られていないゲストとか)があればとも思う。だが考えるまでもなくゲス乙女というバンドの成り立ちからして「行き当たりばったりを猛然と推し進めていく」というコンセプトだと思うので、こういうあえて言えば「中途半端なのにやりすぎ」な感じが、彼ら(というか川谷)らしいのかなあ、とも感じる。
 セトリ的には「はしゃぎすぎた・・・」でスタート、「心歌舞く」「勤めるリアル」「ホワイトワルツ(adult ver.)」などなど、ライブではわりとレアな曲もやったし、人選のセンスが「私以外私じゃないの2」をやったし(そのいきさつが司会と川谷の間のやり取りで明かされたのも面白かった)、配信開始されたばかりの「キラーボールをもう一度」までアンコール入れて22曲の内容は、クオリティ的にも満足のいくものだった。MCはそれなりにグダっていてよかった。
 告知としては何と言ってもニューアルバム『ストリーミング、CD、レコード』(このタイトルをめぐる寸劇あり)が4月に出ること、そして5〜6月のツアー「ゲスの極み乙女。をもう一度」が発表された。当日未発表だったツアーファイナルは、後日6月20日(土)、神奈川に4月オープンの「ぴあアリーナ」と発表された。東京がないのはオリンピクイヤーということだろうが、新しい一万人規模のアリーナ公演というのは(ちょっと遠いけど)楽しみである。

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チーナ "チーナー感謝の日" 2019年11月23日(土祝)@渋谷7th floor  
no imageno image  産休中の椎名さんの復帰はすでにアナウンスされていて、新譜のリリースツアーを楽しみにしていたところに、心のこもったファンサービスをほんとうにいつも提供してくれるチーナのびっくり企画がアナウンス。なんと417(しいな)円にドリンク代(通常であれば600円)を加えて1000円のライブ告知である。もう大好き。今日の特別メニュー、滋養強壮カレーをいただきながら、高揚感に満ちて開演を待つ。始まれば新譜からの曲はもちろん、大好きな曲の数々、椎名さんは相変わらずマイペースで何も変わっていないし、メンバーはみな、活動再開のうれしさを隠せない、本当に幸せに満ちた時間と空間。まだ未完成のMVを途中まで公開という企画も。この途中まで公開、というのが、チーナらしいのですよね。作家に間に合わせて作らせてしまうとか、未完成だからまだ公開しないとかではない。できたところまで見せちゃうよ、だって見たいでしょ?というチーナー心理をよくわかっていらっしゃる。リーダーの提案であの「ステップワゴン」をみんなで合唱というのも本当に楽しい。2016年1月9日、同じここ7th floorで、「さよならステップワゴン」昼夜二部ライブで声を合わせて録音したあの曲。これはまたうれしい。アンコールでは歌詞が飛び気味の椎名さん、一所懸命に言葉を探して、手つきがほとんどラッパーのよう。なるほど、まさにリハビリを兼ねたファンサービス、チーナーでなければ経験できない、特別のひと時を過ごすことができた。とうぜん赤字ということで、ギターケースが置いてあったので、もちろん投げ銭してきた。このあとEPフルリリース、MV完成(これほんと独特の不思議な作品)、そして活動再開ツアーが待っている。

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FUKUSHIGE MARI solo EP release party "hetero"  2019年11月22日(金)@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE  
no image  今年最大のまさかまさかの狂喜イベントがちゃんMARIことFUKUSHIGE MARIの配信&ワンマンといっても言い過ぎではない。まずソロEP配信からして、MARIさんのまろやかな声が前々から好きだったので、これはすばらしいと感激。バックメンバーも幅広く、ジャケットデザインのmarieさんの作品もとてもかわいい。MARIさんの「息をするように聴いてほしい」というコメントもよいなあ。と喜びを引きずりつつ、初めてのホールへ。先行物販でmarieさんと少しお話もできて、ホールも居心地よく、ドリンクはやはりここへ来たらマウントレイニアだよねえ、と納得しながらいよいよ開演。MARIさん自宅で愛用のベヒシュタインのグランドピアノ、ホール特性かもしれないけれど中音域の豊かさ(なのかな)が魅力的で、小柄なのに(関係ないかな)力強い、ダイナミクスあるピアノソロでまず聴衆を魅了。ピアノソロに慣れていない私たちは拍手のタイミングがわからず、それに気づいたMARIさんがぴょこぴょこ動いたので皆安心して拍手。ソロは5曲ぐらいだったか、いずれもEPには入っていないし、ライブならではの楽しみであった。バンドセットになれば配信では聴いていてもまあ当然、まったくの別物といってよいですね。クラシック、ジャズ、ロック、それに琴の師範も持っているそうだから純邦楽、そしてロックと、なんとも多彩なバックグラウンドから、きっともっともっとこれからあふれ出てくるものがあるのではないかと思わせる。アンコール含めて14曲ぐらい、短いといえば短いけれど、しかし初ソロがワンマンて、バンド感覚でいえばすごいことで、それだけの満足度はまさに満を持してのソロデビューでした。

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Vityazz 1st Full Album『11034』リリース ライブ 11月4日(月休)@渋谷7th floor  
no image  待ちに待ったVityazzのリリースワンマン。着席で楽しめる7th floorの快適さに、VJのHello1103が幻想的なイメージを映し出すという趣向もすばらしい。これ以上も以下もない、完璧な三角形のようなバンド。どのメンバーもとてつもない技巧派なのに、3人そろうとどのメンバーも尖らないのである。そこに多彩な歌い手である嘴音杏がノーセッツ風のヴォイスで煌きや艶を加えた、テクニカルで緻密な演奏はきわめてスリリングかつ心地よい。リリースライブと言いつつも未発表曲も織り交ぜての二部構成で、後半はなんと、nicaの江川さんがゲストで登場である。フルートとサックスがさらに響きを豊穣にする。アンコールも未発表曲。これからどのような世界を展開していくのだろうか。ますます楽しみである。

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別冊「月刊 根本宗子」 「墓場、女子高生」 2019年10月21日(月)14:00 @ザ・スズナリ
no image  平日午後の追加公演にもかかわらず大入りの盛況。根本がほれ込んだ脚本を根本の演出で。墓場に集う3人の幽霊と、授業を抜け出した女子高生たちが行き交う場面。笑い所も盛りだくさんだが、どこか居心地の悪さを伴うのがむしろ快感で、役者たちの性格付けもすぐに輪郭がハッキリするけれど、記述的な説明は何もないから宙ぶらりんにされる。途中から徐々に不安を高じさせていく展開は、根本オリジナルの脚本作品にも通じていて、私のような初心者にも違和感がない。根本演じる日野が死を選んだ理由もはっきりとはせず(はっきりとしないということがむしろ勘所)、ラストシーンの舞台上の閑散さに引っ掛かりを残して終わる。終演時の拍手のタイミングを測る客席の空気も、この観劇の体験の一部である。先生役のもりももこさんが強烈で、劇団かもめんたるが気になりだしてしかたない。

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DADARAY "ワンマンツアー東名阪Σ" 2019年10月10日(木)@東京キネマ倶楽部
no image  DADARAYはキネマ倶楽部に似合いすぎるバンド。帰ってきた!感があふれている。開場待ちで外照明が消えていたり雨が降ってきたりして、もう舞台も整いすぎ。東名阪Σのファイナルということで、先行する関西の盛り上がりも伝わっていたので、期待が上がる一方。私はといえば例によってヒザが痛むので、端っこの仕切りの手すりを頼りに開演に備える。中二階から降りてくるメンバーに上がる歓声。このツアーではニューアルバムからの曲も加わって、定番曲も良いのだがこの新曲群の熟成度(というのもおかしいが)がとても高くて、全体的に毎回密度の濃いライブになっていてすごい。
 いっぽうでMCや余興?的な部分も楽しくて、えつこがようこそえつこ倶楽部へといえば、REISはREIS倶楽部へ、そして課長はようこそ尿酸倶楽部へと言うし、えつこがノリで昔はいろいろあった的なことを言ったため、物販PRに出てきた川谷がプロポーズを音楽のために断ったエピソードを暴露して、今日はお母さんが来ているのに、とうろたえれば課長は自分もお父さんが来ているのに、と引き受ける。「僕らのマイノリティ」をちゃんと踊れるか課長が突っ込まれて、階段を利用して後半怪しいヒゲダンス(最近課長良く踊るな)などなど。
 今回は東名阪だったが、新たな大規模ツアーのお披露目もあり(その後テレビ露出も増えていて)、川谷が忙しくてどうなるのかちょっと心配していたけれど、今後の展開を安心して楽しみにできる。

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"新松戸へんてこ祭" 2019年9月17日(火)@新松戸FIREBIRD
no image  いつだったかツイッターで「平日医長」さんという、休日課長リスペクトの方を見つけて、最近新松戸(通勤経路)のライブハウスに出ているようなので、たまたま時間の都合が良かったので途中下車してふらりと寄って見た。正直、まったく初めてのハコで出演者もまったく知らないし、ちょっとはらはらしていってみたら、何の衒いもない、気さくなところだった。予約はしていないけど平日医長さん聞きたくてと告げたら前売り料金にしてくれたし、ドリンクチケットで水をもらおうとしたら買ったら100円(だったかな?)なので他の方が得ですよと言われてビンのコーラにしたりと、もうなんというかあっという間になじんでしまうようなところですね。そんな中で、おおっとなったのが Khoomei KIYOSHIという人。なんと、ホーメイや民俗楽器(自作?)を聞かせてくれるのである。少しお話もさせていただいたが、民族音楽の研究をしつつ、本業は美容師さんらしい。本業と言えば、平日医長もそのとおり本業は勤務医さんらしい。平日医長さんのトンデモ歌詞のコミカルさはもちろん面白いが、音源化した「しまメモリー」や、iPadを使った二胡だったかの演奏とかKhoomei KIYOSHIさんとのコラボとか、なかなか聴き所があって面白かった。まだなじむには時間がかかるが、何せ往復の時間がかからない場所なので、たまに寄ってみたいと思う。

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ゲスの極み乙女。 / indigo la End "馳せ合い" 2019年9月15日(日)@新木場STUDIO COAST
no image ゲスの極み乙女。とindigo la End の対バンという企画、年に一回ずつぐらいはやっているような気がして、近くは2018年2月の、DADARAYも交えたスリーマン以来かと思うが、メジャー同時デビュー5周年記念の今回は割りとシリアスと言うか落ち着いたツーマンのような予感がしていた(外れたけど笑)。会場はメンバーの写真展示やお勧めの厚焼き玉子ドッグのキッチンカーなど、ファンを楽しませる企画で彩られ、入場50人目まで川谷がモギリに出てくるというサプライズ演出まで。ガチのファンであふれる会場の熱気は言わずもがなである。入場中にはスクリーンにメンバーたちのインタビューが流れたり、募集で選ばれたうえのがギター弾き歌いを聴かせる。やってくるファンも自然と耳を傾ける、良い声とやさしい歌だ。暖かい拍手のあと開演時間になると、川谷のインタビューが流れて、うんこれは、確かにシリアスだぞと(そのときは)思った。
 今日予告されていたのは、両バンドがメジャーデビューアルバムをそれぞれ再現するという聞かせどころである。まずindigo la Endは「あの街レコード」のオープニング曲「夜明けの街でサヨナラを」からスタート。しんみりしたエピソードを語る「アリスは突然に」までの6曲(たぶん)を聴かせた。ゲス乙女と違って、インディゴはメンバーが入れ替わっているから、古い曲をやっても、また新鮮というか、密度が高まっている楽しみがある。後半は「小粋なバイバイ」「結び様」と新曲を繰り出して、話題の「夏夜のマジック」で盛り上げて、ラストはなんと、ロングバージョンではない「渚にて幻」! 新旧の橋渡しとして、これはさすがだった。
 さて、ここで突然、上手の二階席に注目。やはりただならぬ展開、お笑いの井戸田潤によるハンバーグ師匠というネタが始まる。私はお笑いには疎いので、この辺になるともうまったくついていけないのだが、川谷始めメンバーによる「東京ハンバーグ」(だったかな)なるテーマソングが披露され、テレビでも歌われるとのこと。もちろん楽しみではある。
 というところで、いよいよのゲスの極み乙女。である。代表曲と言うべき「パラレルスペック」から、「みんなノーマル」の6曲を次々と進めていく。皮肉の聞いた歌詞と裏腹のとぼけて明るいメロディが楽しいし、「市民野郎」なんて本当にライブでは久しぶりで、それが一部の隙もなく重厚というべきほどに演奏されていくのには圧倒される。美しい「ユレルカレル」で再現が終わると、グダグダMCを楽しませた後で「透明な嵐」へ。「オトナチック」や「無垢な季節」(これもわりとレアかな)からの「星降る・・」「キラーボール」でミラーボールも降りてきて(じつはそのせいで2階席からアンコールの課長の怪しげなダンスなどが見えなくなってしまったのだが笑)、本編は大盛り上がりで終了。アンコールは「秘めない私」からの「ハツミ」というやや意外な流れと思いきや、インディゴが合流して「ドレスを脱げ」という、後鳥や佐藤も持ち替えての4本のギターがかき鳴らされる(さらにハンバーグ師匠も加わる)という、ものすごい大団円となった。
 本当に楽しいツーマンライブだった。どこかで川谷が「5年経ったといっても実感がない、また次の5年後が楽しみ」というようなことを言っていたが、まだまだ10年20年と楽しませてほしいと強く願っている。

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バスクのスポーツ / 東京塩麹 / Omodaka "The VSQ presents UPST vol.2" 2019年9月14日(土)@渋谷CIRCUS TOKYO
no image  初めての会場で、渋谷駅の新南口からだとすぐ。埼京線の場合は便利だけど、この日は職場から銀座線だったので、案の定迷う。もう最近の渋谷駅は、行く度に変わる迷路(そんなに行かないからだけど)。さて、迷ったせいでちょっと遅れたけど、受付でTシャツくれた。入ってみたら、巫女さんの衣装で白い仮面をつけた怪しい男が、PCやらカオシレーターからゲーム機まで使って、ディスプレイ二台も並べて、あやしいパフォーマンスしていた。これがOmodakaという人らしい。途中、フロアに降りてきて、うまい棒を配って、これをサイリウムみたいに振るとか、カオシレーターを観客にさせるとか、まあいろいろで面白かった(後で調べたら、なんかすごい人だった)。東京塩麹、Tシャツをお揃いで着ているけれど、トランペットの渡辺さんは小柄なので、ワンサイズのシャツが大きすぎてメンバーにいじられていた笑。比較的小さめの箱でどうかなと思っていたけれど、これがとても聴きやすかった。もともとアコースティックな楽器が主だから、箱の音響特性と相性が良いのだろうか。フロアは狭いけれど上に吹き抜けていくのをうまく設計しているのかな。演奏はますます生き生きしていて、これはもう来月のワンマン企画が待ち遠しい。そしてバスクのスポーツ、すみジャズぶりだけど、やはりこういう箱でこそ本領発揮だなと。音圧が心地よい。ドラムスはじめみんな本当に楽しそうに、複雑なことをやっている。いやまじで複合リズムに乗るのは四つ打ちに乗るよりも脳内麻薬の分泌量は数倍なのではないかと思う。初めての Omodaka 、大好きな東京塩麹とバスクのスポーツなんて、本当にお得なイベントでした。

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Natural Hi-Tech Records 20th Anniversary "Home Sweet Home 2019" 2019年9月7日(土)@神田明神ホール
no image  Natural Hi-Tech Recordsが20周年ということで、そのパーティ的な企画なのだろうか。一階のみやげ物売り場で、妻に頼まれていたうにのかきもちを購入して、外階段から二階へ。ここはホールの横幅が広いので、ステージを左右に区切って、片方で演奏中にもう片方をセッティング、合間10分で音だしという転換時間短縮。外のホワイエは別に進行して実質3ステージという形式。フロアは椅子やテーブルもあって、ゆったりとくつろぎならでもステージが楽しめるのが、膝の痛い爺にはありがたい。
 まずはHINTO。ほんとに久しぶりに聞いたけれど、このノリはすごい。続く高井息吹は初めて。バンドセットのこともあるようだが今回はドラマーの石若駿(後で調べたらこの人もすごい人だった!)とのデュオ形式。コシのあるとても好みの声質で聴いていて幸福。ピアノと歌とドラムという組み合わせ、時々出会うが、なんだかいつも良くて。楽器音がパーカッシブだからなのかな。わからないけど。そしてずっと楽しみにしていたのがキツネの嫁入り。もうマドナシはじめバンドが絵的にかっこいいんだけど、ややダークなムードに言葉の呪術、それにサックスとマレットが独特の味わいを加える演奏が唯一無二ですごい。
 ここで一休み。ホワイエに出てキツネの嫁入りの音源を買う(お釣りがなくてサックスの人がパニクっていたのでサコッシュまで買っちゃいましたよ笑)。フードのカレーがすばらしくおいしかった。ドリンクは神田明神水ですねやはり。
 おおくぼけいと建築も初めて。ヘンなのに妙にゴロが良い気がするバンド名。これまた後で調べたら、おおくぼけいはアーバンギャルドの人で戸川純(!)や頭脳警察(!)や大槻ケンヂとも演っている、と。・・・すごい人だらけだ。サックスにフルートもいて、音も厚くてユニーク。MUSIC FROM THE MARSもかっこいい! 管が二本の迫力も。ピアノの人のお子さんが「パパがんばって!」終わったら「パパ上手だったよ!」ってのも、アニバーサリーパーティー的にほんと最高でしたね!
 fresh!は、HINTO、 Music from the Marsなどとメンバーが混じっているらしいのだが、これまた超絶に複雑かつパワフルなリズムとサックスが咆哮するバンドだった。さらにガチタンバリン奏者大石竜輔という人がゲストで、初めて見たけどこれがまたすごい(見た目もだけど)!
 そして、もちろん、henrytennis は最高なのだ! 今回はカジュアルな企画だけにリラックスムードで入るけれど、演奏の隙のなさ、音源では味わいきれない熱量が言葉を失わせる。プログレやカンタベリーの親和性で近づいたバンドだけれど、毎回、そんなことを忘れるほど陶酔させてくれる。私にとってとても大切なバンドだ。
 ステージのバンドをいろいろ聴いて、またまた後からNatural Hi-Tech Recordsについて調べて、なんとなく会社というか社長のカラーも感じて、腑に落ちるところもあった。しかしこの「後から調べてビックリ」でいうのがよいのか、予習しっかりして臨むのがよいのか、難しいところです。自分は予断なしで聴くのが好みですが。
 ところで外のホワイエステージは、通り道でもあるし物販とカウンターの間でもあるしで、ちょっと落ち着かないスペース。ホールのドアが開くと音が漏れてくるし。目当ての鎌野愛は菅原一樹サポートのデュオ体制、目の前で聞けるし楽しみだったのだが、中のステージが押して、henrytennis終わりですぐにつなげるはずが最後の一曲しか聞けなかったのがなんとも心残り。まとまって聴いたのは日本松ひとみ。チーナ/チーナフィルのキネマクラブで、カランコロンや椎名さんウニさんと三兄弟(いや姉妹)やってたの以来で、ピアノ歌い語りをしっかり聴いたのは初めて。で、これがすごく良かった。曲も良いし、歌声のきらびやかさがありながらのまろやかさも最高。もっと聴いていたかった。
 少し早めに退散したが、初物も(大物も笑)多かったし、もう大満足、音楽の至福の一日だった。

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Mime / Vityazz / 衛星都市 / YONA YONA WEEKENDERS "MARZ TRIP!! vol.18" 2019年8月20日(火)@新宿MARZ
no image  先日のヒソミネで久々のVityazzにぐっと来て、MARZ企画に駆けつけた。Vityazz以外はいずれも予備知識なしの初物ばかり。スタートは衛星都市。歌も演奏も良い感じの軽味があって聞き心地良いけど、シンプルなさわやか系というわけではないメロディラインが残る。Mimeは女性ボーカルバンド。声量のあるボーカルにセンスのよいバッキングのコンテンポラリーポップで、華やかさもあってよかった。さてVityazzである。嘴音杏がボーカルに入っての生は初めてなので、転換からもうワクワクである。「11034」で私世代にはノーセッツを彷彿とさせておきながら、杏さんのソロアルバムはまたぜんぜん違った個性が爆発していたし、中川さんとのデュオプロジェクトもあるようで、不思議な人。ものすごく上手くてかっこいい3人組でもちろん最高だと思ってたけど、そこにノーセッツ(違うけど)の声が乗るのですよ?最高の上を行くという矛盾。もうこのバンドとアルバム、どういう好みの人にも躊躇なく薦めてしまいますよまったくもう。YONA YONA WEEKENDERSを少し聞いたところで退散。どうやら今というかこれからの都会的なグッドミュージック?を集めた企画だったのかなと気づく(遅い)。

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"すみだストリート・ジャズ・フェスティバル" 2019年8月17日(土)・18日(日)@錦糸公園ほか
no image  猛暑の中、どれだけ見ても聴いても無料という、太っ腹な地域密着型フェス。とはいえあまりにも暑い! 初日は久しぶりのLOOP POOLと、ちょっと離れているけど室内のバスクのスポーツ、二日目はjizueだけは聴きたいと、無理しないと自分に言い聞かせて錦糸町へ。駅前でパンフレットをもらう。町中が盛り上がっている感じがすでに伝わってくる。
 到着してまずはLOOP POOL前の錦糸公演キリン・ハイネケン・ステージに行くと、ニューオリンズ・ジャズの Stank Da Phunkという、熟練のバンド。これが良い。会場内を練り歩くバンドとの掛け合いもあって、ジャズフェスに来たなあという気分に。転換中、会場をうろつくと中央競馬会(場外があるので)、自衛隊、警察や消防もブースを出していて、子供たちがいろいろ楽しめるようになっている。塩焼きそばを食べながらステージに戻り、めあてのLOOP POOLが始まる。この癖のあるノリが最高なんですよ。もともとマスフェスで知ったわけで、テクニカルなジャズロック好きにはたまりません。11月発売予定の新譜の特別先行販売、もちろん手に入れましたとも。
 次は、ちょっと離れているすみだパークスタジオ倉を目指して移動。これが暑いし遠いしで、ちょっと参ったし、リハ中の会場が暗くて段差を踏み外してコケるしで散々だったけど、始まってみればもうこれまたいつものバスクのスポーツ。ステージが広いので開放感あってよし。すみジャズに合っているのかは、この際問わない笑。あの光る椅子、たまたま来ている子供たちが喜んでいた(親は困ったかな笑)。カミヤさんの決めポーズ、写真撮り損ねた・・・。
疲れ気味なのでどうしようかと思ったが、戻る途中にたまたま賛育会病院駐車場に通りかかり、飲み物いただけてスタンダードジャズを鑑賞。この病院は、地元の医療を長年支えてきたところのようだが、老朽化して建て替えのためにチャリティコンサートなどもしているようだ。人心地ついたので、南口広場でADAM atを見て行こうと思ったが、これがまたすごい人で、私の角度からはベーシストの緑色の髪の毛ぐらいしか見えなかったが、愉快なMCと爽快なピアノは十分に堪能。というところで土曜日は帰宅。
 翌日はもう、だいぶ体力が落ちてきたし、腹具合も良くないし、下北沢でも行きたいライブがあるし、どうしようかとは思ったが、最近行けてないjizueを聴こうと、気合を入れて出かけた。すみだパークスタジオ倉には早めに来たつもりだったが、すでに入場待ちの列。入れ替え制ではないから、予想通り、入ったときにはほとんど空席がない。後ろの方に何とか滑り込んだが、フロアにもどんどんお客さんがやってくる(入場規制が入ったらしい。jizueが無料でこのキャパではね)。もう期待しかない。四人のそれぞれのテクニックと全体のグルーヴのクールさと熱量が空間に満ちる、あのライブ。短時間だったけど、それだけのために来た甲斐があった。この日はこれだけで帰宅。暑くて熱い二日間だった。もうちょっと涼しくて、こちらの体力もキープしていられればなあと。もう若くはないわ。

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nikkie / katyusha / いであやか / 立花綾香 "nikiie meets friends vol.3" 2019年7月5日(金)@渋谷7th floor
no image  nikiieが企画して、息の合った女性ボーカルを集めた企画。7th floorはまさにぴったりの会場。立花綾香は初。(K)NOW NAMEでnikiieとともに活動していて、凛々しい表情に張りのある声質がすばらしい。ドラムサポートがUさんとはうれしい。いであやかはいつもながら(名前から連想するわけでもないだろうが)あでやかな雰囲気。それでいてピアノも歌声も力強く、魅力を再確認。katyushaはこの取り合わせでも独特のユーモアと個性を放ちつつの迫力の歌。そしてnikiieは、DADARAYのREISとして知ってから、TRANSFER で別の魅力を知ってはまったので、こうして聴くのを楽しみにしていた。ややカジュアルで、かつ大人の雰囲気が漂う歌。やはり自分の歌を歌う喜びにあふれている。最後みんなで歌った "You've gotta friends"にはもう、感動感涙。それぞれの個性を輝かせながら進んできた人たちが、こうして仲間になって、歌を聞かせてくれているという自分のうれしさが、逆に伝わってほしいと思うひとときだった。

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關伊佐央+Vityazz / kumagusu / ほたるたち / テコの原理 "Oblique Architecture" 2019年6月28日(金)@大宮ヒソミネ
no image  住まいを移したので宮原はさらに遠くなったけれど、なかなか観られないVityazzからギターとベースが出るので、久しぶりにヒソミネへ。小さいけれど居心地の良いスペース。今回は椅子も出ていて、老体にはありがたい。一番手はKUMAGUSU。南方熊楠から取ったのかな、と思ったけれど特に民俗っぽさ?は感じなかったが。プレシジョンベース、テレキャスのギターボーカル、サンダーバードのギターのスリーピース、ラウドオルタナ感。曲のタイトルが長かったが芝浜なんとかいう曲が印象に残った。サンダーバードの人の腰が決まっていた。二番手はほたるたち。同じくスリーピースだが、ちょっと驚いたのがジャズベの長身女子のボーカル、ハスキーを超えてデス声的な、一度聞いたら忘れられない個性的な声。もう少し安定したら、すごいんじゃないかと。さて続いていよいよ關伊佐央Vityazz。Vityazzのドラムスはツアーサポート中で、さらにドラムスが太古既視という人。さらにダブ担当ということで第五のメンバーが紹介される。關伊佐央、こんなかっこいいカッティング、聞いたことないわという一曲目から、これはすごいわと。歌はサンプリング多用してエフェクト的なのかなと思いきや、ヴォーカルもしっかりと取るし、ドラムスもカチッと決めるし、もちろんVityazzの二人も実にインテリジェントに絡むし、一気に世界が変わった。これは本当に良いものを聞いたというひと時だった。最後のテコの原理、ボーカルの人が衣装も含めてパンキッシュな雰囲気で、最初に不思議な小冊子を配ったり、パフォーマンス含めてユニークだった。見た目で驚くけれど、曲はわりとストレートでよかった。電車の都合で途中までで失礼してしまったが、出掛けにVityazzのギターの人が挨拶してくれて、前から思っていたけど丁寧な方だなと思っていたら、後から知ったのだがaomuneの人だった! このときも少し、Vityazzの新譜最高ですとか、次ライブいつですか、みたいな会話をしていたのだが、私はたぶん昔aomuneを聞きに行っていたはずで、企画ライブ行く→目当てとは違うバンドで気に入る→そのバンドのライブ行く、というのが本当にすばらしいというか驚くべき偶然のつながりがあるから、本当やめられないよね。次のライブで会うのが楽しみで仕方がない。

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1inamillion / skillkills / ichikoro "ERA 17th anniversary" 2019年5月28日(火)@下北沢ERA
no image  早く着いてレモネード飲んだりしてふらふらしていたら、カレー屋に入ろうとするichikoroメンバーに出くわす!というところが下北沢だなあと喜びつつ、ERAの階段を上る。ヒザに来る・・・いつまでこられるかなあ、と思いながらもエミネコが励ましてくれるからがんばれる。
 skillkillsは初めて。苦手なジャンルかなあと思っても、生で出会うとホント楽しめるというのが、ライブハウスに行くと思うことのひとつ。音がヘヴィなヒップホップなんだけど、変拍子なのがビックリ強烈。こういうヒップホップもあるのだと認識を変えさせられる快感は無類。
 1inamillionは、もともとはマスフェスで知ったけれど、シンクロニシティでも聴けたり、こうしてichikoroと対バンというのも感慨深い。迫力も尋常ではないけれどリズムが複雑で、ハイエナジーハイテックとでも言うか、それでいてほんとに楽しそうに演奏しているのがすごい。
 さてさてichikoro! みなそれぞれ本家の活動が忙しいから、こうしてバンドがそろうのはなかなか大変なのだろうな。インストバンドといいながらNAGAN SAVERのラップが入るのは、そうかskillkillsとワンミリと来てichikoroか!という組み合わせだったのか!と腑に落ちる。それぞれまったくタイプの異なる3人のギターというところもこのバンドの魅力と思うが、やはりichikaさんのギターが立つところが好きだ。ichikaさんこれから活躍も国際的に広がりそうで、ichikoro見られるときはほんと無理しても来るべきだなと思った。とにかくすごいメンバーがこの組み合わせで目の前にいるということが奇跡に近いわけだ。

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ゲスの極み乙女。"7周年記念ワンマンライブ〈大展開〉" 2019年5月12日(日)@豊洲PIT
no image ゲス乙女の豊洲ピットは、2018年3月のアンプラグド以来。あの時は椅子席だったし、そもそも特殊なライブだったから、スタンディングのライブで来たのは2014年12月以来か。この会場は最初も思ったが見た目に反して音がとても良いので、楽しみである。満員の会場はオープニングが「キラーボール」で一気に盛り上がる。「シアワセ林檎」からの「ホワイトワルツ」、あと「Ink」もやったし。「いけないダンス」からの「シリアルシンガー」と私にとっての必殺曲の連鎖。「ドグマン」、「はしゃぎすぎた・・・」も好きだし。まあ、好きといえば全部好きかもしれないけど。「アオミ」も良い曲だよねえ。バリエーションすごい。アンコールでは新曲「秘めない私」(日付が変わるところから配信開始)、「crying march」、「餅ガール」はバズーカで餅撒きという新手法。「ドレスを脱げ」から「jajaumasan」で締めとはなるほどの盛り上げで、トータル24曲!新旧取り混ぜての一大カーニバルのような熱気だった。6月配信は急遽、ライバルバンドとなる人選のセンス(?)による「私以外私じゃないの2」の配信とか、9月15日(日)にメジャーデビュー5周年記念の、indigoとの2マンライブとか、まさに人を煙に撒くような展開。その後、ワンマンツアー<変人大集合>(東京は12月3日東京国際フォーラムホールA)の発表。もう、楽しみばかりだ。

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Group / NETWORKS / バスクのスポーツ / henrytennis "Freaking Happy" release party 2019年4月21日(日)@渋谷O-nest
no image ほぼ10年ぶりに新作を出したhenrytennisのレコ発、バスクのスポーツも出るし、シンクロニシティでたまたまフライヤー配っているみんみんさんに会ったしで、行ってきました4つのインストバンドの競演。実は去年の企画「グランドスラム2018」があまりにも魅力的なラインナップにもかかわらず仕事で行けなかったという無念があったので、今回の機会は逃したくなかった。着いたらまず物販を覗いて、素敵なデザインのTシャツ(なんと1000円!)、旧譜2枚を確保。奥村さんがもうCD残り少ないからと、意外にも?巧みなセールストーク。これで準備は完了である。トップはGroupというグループ(ってMCでも言ってた笑)。ギター2本にベース、ドラムス、トランペット、サックスという6人組で、見るからにベテランぽいと思ったら、なんとこちらは15年ぶりのアルバムを出したところというからヘンテニの上を行っていた。これがすこぶる渋くてかっこいいジャズロック(なのかな?ファンク?)。続くNETWORKSは、ギター、キーボード、ドラムスのELPタイプ3人組。まず面白いのが、3人が三角形の頂点状に向き合って並び、客席を向いているのはドラマーだけというスタイル。なにせ超絶ハイスピードアンサンブルなので、そうやってタイミングを合わせているのかもしれないが、私はわりと奏者の手元が見たいほうなので、うろうろして下手の高くなっているところに落ち着いた。そこだと、ギターの手元が何とか見えるのである。続いては12月のワンマンぶりのバスクのスポーツ。今回は映像はなかったが(カミヤさんが対バンの演奏をずっと見ていたので、少し話ができたのも楽しかった)、MCがサンプリングというのが気が利いていた。演奏はアグレッシブで、先ほど確保したポジションからはノウミさんの手元や楽器が今度は良く見えるので、これも楽しかった。トリのhenrytennisは、さすがにセンターよりで聞きたいので場所移動。まだ新譜は聞き込むというまでには聞いていなかったが、ライブ演奏が始まってみれば、あれこんなにハッピーでパワフルだったっけ、と目が覚めるような勢いに巻き込まれていった。なんともエキサイティング。サックス2本とトロンボーンというホーン隊の強力さはもちろんだが、こだわりのオルガンサウンドのキーボード、協力で安定のリズム隊、そしてやはり変わらずにこにこ(ニヤニヤ?)して軽やかにギターを弾く奥村さん、かっこいいです。こんなゴージャスな編成なのに、音の塊の圧ではなく繊細に紡がれる音の模様が広がる感じ。CDで聴くと、あのころのカンタベリー系の音の懐かしさも強いのだが、生音で聴くと、確かな新しい個性に心が揺り動かされる。三日連続のライブは正直、老体にはきついかと覚悟していたが、むしろ精神的にはとても満たされ、翌日も軽やかに仕事に向かえた。

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DADARAY "場末で会いましょう ツアーファイナル" 2019年4月20日(土)@渋谷WWWX
no image たまたま良い整番が取れていたので、そそくさと会場へ。なんと最前列でえつこさんのまん前ポジションを確保。場所キープしての開演待ちはしんどいかと思いきや、あっという間に時間がたってメンバー登場。今回の衣装はとてもゴージャス。REISさん「下乳を出してがんばっています」とか天然に言っていたが、透き通るえつこさんの衣装も、二人の女性を美しく輝かせていた(課長もかっこよかったと思うがあまり印象に残っていない)。ツアーファイナルといっても、間がずいぶん空いているから、独立したワンマンといえるかもしれない。REISさんはもう最初からテンションが上がりっぱなしで、他のメンバーもすぐに引っ張られていって、おそらくこういう雰囲気こそ「エモ」いというのだろうというのは、えつこさんの頬の涙も見えてしまう最前列から見ていたからというのもあるだろうが、どの曲もすっかりメンバーの血肉に同化しているかのように強く脈打って、一体の生き物のように迫ってきたり包んできたりする。サポートメンバー二人のスーパープレイももはや一体のものだ。遠くはなんとブラジルからのお客さんも含む満員のフロアを満たした、生きた音楽のダイナミクスに酔ったり醒めたりの、すばらしい体験だった。ライブを欠かせないバンドがどんどん増えていく。東名阪ツアーの告知画像がなかなか出てこなかったのもご愛嬌。

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鎌野愛 "SOLO 1st album "muonk" release party" 2019年4月19日(金)@代官山 晴れたら空に豆まいて
no image ハイスイノナサで知った鎌野愛、脱退後のソロ活動アルバム"muonk"は期待以上の傑作で、ミニマルをベースに自在に展開されるオペラの声楽出身の確かな歌声がすばらしく、ぜひバンドセットの生音で聴きたいとやってきた晴れ豆。この日から3日連続でライブ通い予定の私には、椅子席はありがたい(ゆず果汁ソニックおいしい)。バックバンドもピアノはGekko & tikage paradeのwataru sato、バイオリンは須原杏、マニュピレータ菅原一樹、ドラムスGOTO 本人はいたって飄々とした風情で、自ら下手というアコギ弾き語りまでやってしまう衒いのなさ。次はもっとポップなアルバムになるはずだというけれど、いったい鎌野のいうポップというのはどのようなものなのか、興味が募るばかりである。

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"SYNCHRONICITY 2019" 2019年4月7日(日)@TSUTAYA O-EAST, O-WEST, O-nest, O-Crest, duo MUSIC EXCHANGE, clubasia, VUENOS, Glad, LOFT9
no image 膝の痛みがあるのと翌日が仕事なので、無理はできないが、かといってあきらめるのもなあ、ということで、早めに離脱する覚悟で、久しぶりのサーキットフェスに参戦。目当てはichikoroだから、時間的には夕方でちょうど良い。ということで景気づけの一本目はBRADIOと迷ったが、敢えてのSANOVA。堀江沙知のピアノ・インスト・プロジェクトということで、5弦ベースとドラムスのスリーピースは圧倒的なスピード感とパワーで盛り上げてくれた。次はLUCKY TAPESのつもりが早くも入場規制になっている。時間を無駄にしたくないのでそそくさとO-WESTのYasei Collectiveへ。最後の曲だけだったけれど、聴けただけ良かった。そのまま残ってbohemianvoodoo。4ピースインストのジャズは10年超えの貫禄を見せて実にグルービー。続いてはお待ち兼ねのichikoro。ちゃんMARIの髪が赤くなっている!とかichika太った?とか、まあそういうどうでもよいことから見てしまうのは、ファンのしょうもないところ。奏さんはあいかわらずスリム、課長はあいかわらずの・・・。栄太郎さんは今日は髭そってた。近くにいたカップルの良く知らないけど見るか見ないかの会話に割り込んでしまいそうな辺りでリハから本番へ。とにかくギター3本の圧がすごい。近かったのでichikaさんの手元ずっと見ていられたけど、いやこれはすごい。あととにかく川谷の無茶なソロ回し、「ドラム、ハットだけ!」とか「奏、速弾き!」「課長もタッピングできる!」とかでメンバーが次々とそれに応えていく。まあもうちょっと、圧倒的も圧倒的な迫力だった。ツアーに同行のNAGAN SERVERも登場して、川谷との掛け合いも。新曲もまたユニークとしか言いようがない。終了後は物販で課長とichikaに会えた。次はduoで久しぶりのfox capture plan。やはりすごいバンド。ピアノトリオを聴いていると、うんピアノが主役だね、という聴き方になるのだが、このバンドはバンドとして聴いてしまうのである(うまく言えないのだが)。ものすごいテクニックなのに、バンドの曲として聴いてまとまりに圧倒されてしまう。転換中にすかさずO-EASTのサブステージの1inamillionへ。さっきichikoroがワンミリとスリーマンやるとの告知があったが、マスフェスでなじみのワンミリ、確かにichikoroと相性良さそうだとピンと来て、楽しみだ。4ピースのギターマスロック。それにしてもskillkillsを加えたスリーマン、体力要りそうだ。ドリンクチケットをやっと使えて、ちょっとずつVUENOSとclubasiaのリハ覗いたあとで、duoに戻る。やはり最後はこれしかないだろうと踏んでいたOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND。BRAHMANにMARTINとKAKUEIが加わった6人編成のアコースティック・ジャズ・トラッド・ロック?とでも。TOSHI-LOWのMCのあおりも面白いけれど、ついに最後までsynchronicityと言えなかったMartinも愉快。どうやら最後の曲はMartinがその場で勝手にセットリストを変更したようで、TOSHI-LOWが目を白黒させている様子にも爆笑。いやこれは、演奏もすばらしかったけれど、良いものを見た。最後はこれで離脱としてよかった。まだまだ聴きたいバンドはあったけれど、本当に良い気分で、ほどほどの時刻に渋谷を後にすることができた。サーキットは自分なりのタイテを組むのがほんとに重要だなと毎回思う。

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M&O plays プロデュース 「クラッシャー女中」 2019年3月29日(金)@本多劇場
no image よりによってなぜ年度末の平日の夜公演に申し込んでしまったのか、とあとから気づいたものの、結果的にはこれは案外正解で、年度末に追い込みかけて気分転換にちょうど良かった!さて本多劇場に入ると、たくさんの花も出されて、高まりが感じられる開演前、根本宗子目当てのいつものロビーとは何かちょっと違うな、という感じは、中村倫也ファンと思しきマダム比率の相対的な高さからくるのかと思う。実際、座席についてから漏れ聞こえる周りの会話からも、根本宗子は初めて云々と、これは面白いことになりそうだと余計な雑念も沸いてくる。とはいえ私ももちろん話の筋は知らないが、今までの少ない経験からして、あらかじめ紹介されているあらすじから素人が予想するような展開や落ちには絶対にならないという確信と期待があるので、はてさて終演後はどのような感想が聞こえてくるのであろうか。 いよいよ開演、かと思いきや、いつの間にか本筋に流れていくという始まりからして、根本脚本・演出の本領発揮である。麻生久美子、中村倫也、西田尚美といった人気俳優が並んでも容赦がない。中村が演じるのは大人気デザイナーで、これがとんでもない我儘ないやなやつなのだが、その我儘な好みにあまりにピッタリな女性(この趣里がまたとてもよいのだなあ)と婚約、麻生はそのお付きの女中である。同居している貧しい幼馴染(こちらもおなじみ田村健太郎)との関係や経緯が次々と明かされていき、ついには・・・「えっ?これで終わりなの?」という、あっけに取られるクライマックスに。このあっけに取られ感が、根本作品を見る醍醐味なのだ。 席が後ろから二列目と良くなかったのだが、途中、中村が後ろから現れるシーンがあり、期せずして間近で見上げることになって、中村ファンの気持ちが分かるような気がした。そんな近くのマダムたち、終演後の感想がほとんど聞こえなかったのは残念であった。私はといえば、次の月刊根本宗子が楽しみすぎるのに加えて、趣里がとても良くて「風博士」や「オレステイア」を観にいきたくなっている。

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katyusha / マナミ "THE TOUGHER" 2019年3月26日(火)@代官山LOOP
no image 千葉のライブハウスで知り合ってもう10年を超える付き合いという二人、念願のツーマンとのこと。まずはkatyushaことえつこさん。アルバム"I like me"からの曲をピアノ弾き歌い。バンドアレンジとは異なり表情豊かなピアノと歌だけで表現される世界は、何の違和感もなく、澄んだ響きに酔わせる。ほとんど一曲ごとに、歌詞の説明や、バンド演奏でさらに楽しめるからCD持ってきてるんで・・・分かるね?といった愉快なトークが入るのも楽しい。気になったのが当分こういうのはお休みというので、終演後katyusha好きなんですよまたやってくださいよ、と声をおかけしたら「んーがんばります!」とはぐらかされましたが。とにかくえつこさんの作る曲が好みなので、新曲にも期待してしまう。後半はマナミ、初めてだったが、小柄な体で明るく力強い歌声に励まされる。はじめてアコースティックギターをもらったときの話とか感動する。ギター一本と思ったらサンプラー(キーボードかな?)とルーパー使ったアレンジもあって面白かった。アンコールでは二人そろって「春よ来い」。二人の楽しそうな様子も含めて、とても幸せになるツーマンだった。

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チーナ・フィルハーモニック・オーケストラ   2019年2月16日(土)@武蔵野公会堂
no image  ああついに、これでしばらくチーナ/チーナフィルのライブともお別れか、、、という悲壮感は、あまりない。椎名さん産休というそもそもおめでたい話なのだし、必ず活動再開するという確信が持てるから。実際、新曲のレコーディングも終わっていて、再開に合わせて発表されるとのことだし、このライブでも一曲披露され、会場のコーラスを録音するという、これから楽しみな展開もあって、椎名さんの赤ちゃんもだけどこれからの楽しみをワクワクしながら待つイメージだ。
 さて後先になってしまったが、たぶんはじめてのホールコンサートで、編成を考えれば違和感どころか実に雰囲気に合うともいえる。おなじみのメンバーが勢ぞろいで、もちろんあこがれのほしやまさんやかわいいmameldaさん、かっこいいakiragパパ、松崎煎餅社長(になったという椎名さんの、例によってとぼけた「お金かしてほしい」って紹介笑)、などなど!一人ひとりが個性的ですばらしい。
 もちろん「はじまる」ではじまる、おなじみの曲が次から次へと続いて、もう心は幸福感でいっぱいに。とはいえ、特別なライブはまず休憩のリーダーとマメルダの余興。ビールケースがあればこれはもう、マメルダさんのアコーディオン弾き歌いでしょう。本当に楽しいし、マメルダさんの歌はとても張りがあって明るくて大好き。そういえばハープ弾き歌いのほしやまさんの声もとても美しいのです。なんという贅沢なステージなのでしょうか!大好きな「キャラメルの包み」、宝石のようなアレンジだった。
 そうそう、一番驚いたのは、「オー!バナナ」の小宮山さんとHAPPYさんのパーカッションバトルのかっこよさだったかもしれない。正直なところ、HAPPYさんのドラムスがこんなに迫力秘めていたとは気づいていなかった。椎名さんには彼のドラムスを引き立てる曲もぜひお願いしたいです。
 ふたたび全員そろっての後半、思い出の「コーラス賛歌」、そして「蟻の行進」で本編は終了。アンコールは新曲の「名前のない」で、会場の合唱を録音するというのが「コーラス賛歌」のあの楽しいスタジオを思い出す。そして「アンドロイド」で、楽しい夜もついに幕を下ろした。
 椎名さんの安産を祈って。

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集団行動/DADARAY "SUPER MUSIC TOUR"  2019年2月11日(月・祝)@代官山UNIT
no image  久しぶりのUNITは4月に新アルバム発売を控えての集団行動のツアーでDADARAYとのツーマンとは絶妙の取り合わせ。ちょっとこの日は同行者の体調があまり優れなくて、出口の方で音を楽しむ感じになった。DADARAYからのスタートで、12月のワンマン&新曲配信と、3月に始まるワンマンツアーの合間ということで、新たな始動感のあるステージだった。集団行動はどうも自分としては相対性理論のイメージが強くて、MCでこういう面白い?バンドだったのか!というのは率直な驚きであった。ツアーに先立って真部と休日課長との対談記事があって、課長が相対性理論の話をすると真部が嫌がっていたような感じだったが、対談で「グッドミュージック」という言葉が出ていたけれど、齋藤里奈をフロントに立てて真部のカラーはしっかりと出ているという印象。同行者の体調が優れず途中リタイアしたのだが、このあとのワンマンツアーにも興味を惹かれる。あとからツイッターで集団行動の男子3人がDADARAYのアー写ポーズをとっていたのも傑作だったというおまけつき。

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ゲスの極み乙女。"ゲスリクエストvol.2" 2019年1月25日(金)@恵比寿LIQUIDROOM
no image  年明けてしばらく遠ざかっていたライブ、今年の一本目はようやく?2回目を迎えたゲスリクエスト。ファンクラブサイトからのリクエスト投票でセトリが決まる。前回は自由記述だったから、ずらりと並んだ最下位(一票)の曲のリストが面白かったのだが(「いこか花柄」リクエストしたのは私です)、今回はリストから選ぶ形式だったので、そこは遊べなかった。しかし結果はほんとにバリエーション豊かというか、ツボの違ういろいろなタイプのファンがいるな〜ということが分かって、これが川谷ミュージックの幅広さというマジックなのだろうなと思わされる。無垢な季節も久しぶりだったし、誘惑バンジーがまた聞けるなんて最高だ。新しい曲もそれなりに入っているし、サリーマリーは大好きな曲なので、同じ思いのファンも少なくないんだなあと確認できるのもうれしい。封印?されていた「だけど僕は」のMV公開、豊洲ピットでの7周年記念ライブ告知、新曲の5月からの配信リリース告知、それにオマケは撮影会笑サービスと、ファンを楽しませる仕掛けが今日もいろいろ。やはりゲスの極み乙女。は特別だなあ。

1. だけど僕は
2. crying march
3. パラレルスペック
4. サカナの心
5. はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした
6. ルミリー
7. ラスカ
8. 星降る夜に花束を
9. 煙る
10. シアワセ林檎
11. 無垢な季節
12. ハツミ
13. もう切ないとは言わせない
14. ホワイトワルツ
15. ノーマルアタマ
16. 誘惑バンジー
17. サリーマリー
18. キラーボール
19. アオミ
アンコール
20. ドグマン
21. ユレルカレル
22. スレッドダンス

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