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月刊「根本宗子」第16号『愛犬ポリーの死、そして家族の話』 2018年12月24日(月・休)14:00@本多劇場
no image 本当に楽しみにしていた月刊「根本宗子」、今回は主演が直前に体調不良で交替というアクシデントが合ったが、始まってみればそんなことを微塵も感じさせなかった。今回はまず事前公開されてきたアートワークがとてもかわいいし、YouTubeではポリー役の村杉蝉之介が犬になるまでというミニドキュメントシリーズがまた面白いので、どんどん期待が高まる一方、何と言っても根本宗子なのだから、こんなカワイイにどれだけの毒が仕込まれているのかという猜疑心に満ちた期待が増すばかり。主人公の花、それぞれに問題だらけの結婚をした三人の姉と、突然死んでしまう愛犬ポリー。登場人物すべてがとんでもない不安や苦悩や逆境を抱えていながら、表面上は取り繕って生きている様子が、もう期待以上に毒々しいのだが、現れた作家(杉村)と花が付き合い始めるところから、カタストロフの予感が高まる。そしてとんでもない結末が。いやー今回も濃密な後味の悪さ。でもこの味をなかなか飲み込めずに口の中で転がすようになってしまったから、また行きますよ根本宗子。

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DADARAY "DADARAY vol.1"  2018年12月12日(水)@渋谷WWWX
no image WOMAN WOMANで幕を開けたライブ、場末や殴らせてなど屈折した女性の歌が続くと、このバンドの不思議な非現実感に捕らえられる。川谷の歌詞は、どのバンドでもそういうところがあるが、普通では思いつかないような語法や描写がコラージュされていて、良くも悪くも引っかかりを生む。その引っかかりに引きずられるとふと醒めるのだが、振り回されると捕らわれるのである(何言ってるんだか)。ダダックスのゴリゴリしたベースから、演奏のパワーにも圧倒されて、申し分のない熱気に包まれてしまう。アンコールでは新曲、そしてやはり来た僕らのマイノリティ。ライブ後には配信シングル発表、さらにツアー「場末で会いましょう」(ってネタにしてもライブハウスに失礼じゃないのかなと思ったが、スタートが千葉LOOKとあるからまあ・・・)発表と、これからの活動も期待。

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ichikoro / JYOCHO Dead Foxx Presents "ichikoro and JYOCHO 2-MAN LIVE!"2018年12月7日(金)@渋谷サイクロン
no image やっとichikoroのライブが見られる!しかもJYOCHOの対バンとはすばらしい組み合わせである。ところで渋谷サイクロンは初めての会場。ラウドロックというのか、わりとハードなバンドが使うイメージだったから、ちょっとどきどきした。同行の妻ともども、あまり体調が良くなかったので(神経痛が・・・)、後ろのほうにいたから実はあまり見えなかったのだが、まあ予想以上に聴き応えのあるライブだった。やはり人数の多いインストバンドは楽しい。ichikaのギターは神業、他のメンバーもだがやはりちゃんMARIのピアノは傑出している。ゲス乙女もそうだが彼女の演奏がどれだけ全体を支えたり包み込んだりしているかは、これらのバンドのイメージに大きくかかわっていると思った。続くJYOCHOも、もちろんだいじろーの超絶ギターが聞き逃せないけれど、フルートとピアノボーカルというメンバーの演奏がバンドサウンドを特徴付けていて、このバランス感覚もまた絶妙。この二つのバンドのカップリングはすばらしい。ところで陽気なスタッフのDAVIDさん(違ったかな)、最高でした。

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バスクのスポーツ "yonder landscape" 2018年12月2日(日)@下北沢GARAGE
no image 台風で中止となったライブの振り替え公演で、私は元のライブは都合が合わなくて見送っていて、キャンセル分の追加でチケットが買えたので行ける事になった。しかしこの日もかなりぎりぎりの時間となり、GARAGEはステージ上手前が入り口なので、入ってすぐのところでかなり横から見る形になってしまった。映像もステージもかなり見切れていたのは残念だが、それだけ満員の入りであったわけである。奥に進むのはあきらめて、圧巻の演奏をずっと楽しんで来た。見える範囲では映像のコンセプトはまったく分からなかったが、改めて彼らが美大のバンドなのだということを認識させてくれるのは確か。ノウミさんのキーボードはじめとんでもなく上手いのだが、そもそもここまで70年代プログレをリスペクトしつつ、カミヤさんのパフォーマンスは突き抜けていて、しかもボーカルレスである。このストイックなのかエピキュラスなのか聞き手を混乱させる存在感が、もっともプログレなバンドでありながら、紋切り型のプログレを凌駕してしまうのである。とか何とか言うけど、次は良く見えるところで見たい笑。

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"マスロック・フェスティバル" 2018年11月23日(金・祝)@新宿MARZ+新宿Motion
no image 今年で5回目、私は一回だけ泣く泣くパスしているが4回来てる。今年も脚が痛いけど来てる。それだけの魅力があるから。ちょっとどたばたして開演間に合うかぎりぎりだったけど、何とか間に合って、まずはSirFennek。スリーピースでギタボとベースは女子。印象的なギターリフに英語のボーカル。ベースラインもメロディアス。4+3の前奏や間奏が入る後半2曲がよかった。cyclamenは黒づくめの男子4人。5弦ベース?にバスドラの重低音が響く。照明音響にも凝っている。Nojikasはスピード感ある4ピース。静か→(くるぞ〜)ゴリゴリ重低音きたー!っていう王道。1inamillionは気持ちよい疾走系、重低音でも程よくて、バンドサウンドの個性とまとまりがハッキリしてきて満足感。CAMELLIA「今日で一番、苦しい時間にする!」ってかっこいい。やっぱりピアノが入っているバンドは好きだと思う。もうウォーキングベースまでやってしまうマスロックってどうなのよ、最高だよ。お前らふだんも来いよって、千葉のバンドだそうだから、機会があればぜひ。low-passまだ生きていると拡散してほしいとのこと。ドラムスの三ノ宮さんが産休中で、MCでは近くリリース予定とか言ってた。俺たちはぜんぜんリリース関係ないとか。しかし数年前!からそろそろといっている音源、来年あたりとか言ってるけど、とにかく出してほしいですね。さてさて主宰一押しのvalerian swing。なんだこのスケール感の違い。マスロックというとまず緻密さのイメージはあるんだけど、そこにパワーをどう込めるかだろうか。ベースレスでバリトンギターていうのかな、低音もクリアでありながら倍音のせいか迫力がある。見た目も強烈で長髪とベリーショートとヒゲ、これに最後休日課長みたいなデカめの人も加わっての盛り上がり。大満足のステージだった。WOZNIAK待ちの間、前の人がスマホで数独やっていて、別の人はタブレットで英文の数学の論文らしきものを読んでいて、ああこれがマスフェスか!と思いましたね。そのWOZNIAK、感謝系フェスティバルセットとか、オトコ6人組超絶悶絶パワー全開ものであった。星さんの小脳や延髄がどうなっているのか、知りたいですね。オサカナちゃんたちも良くがんばりました。つぎのloqtoからJYOCHOはフルートやボーカル入るから、トリには本当にふさわしい(けどチルアウト感はないのがマスフェス風!)。脚の事もあるので途中休み休みだったが、10バンド楽しめて3500円ってどうよ。最後の主宰のたけさんのあいさつ、お子さんも生まれてマスフェス主宰続けるのも本当に大変そう。どうか家庭第一で。

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東京塩麹 / ASA-CHANG&巡礼 "「You Can Dance」Release Tour" 2018年11月17日(土)@渋谷WWW
no image 個人的には今もっとも注目している東京塩麹、新作"YOU CAN DANCE"リリースツアーファイナルは見やすいWWWで。ゲストのASA-CHANG&巡礼とはどういうバンドなのかまったく予備知識なしで出かけたので、まず驚いた。音源なのかシーケンサーなのかエフェクターやミキサーなのか、まあその全部なのかもしれないけれど、青い箱が「巡礼」ということらしく、ASA-CHAN(exスカパラ)に加えてサックスの後関好宏(ex在日ファンク)、菅尾なぎさ(クリウィムバーニーというダンスカンパニーをやっている人)という、なんかすごい構成(あとから調べた)で、なんとも奇抜なパフォーマンスだった。終わって電源落とされた「巡礼」が転換で運ばれていく様子は、電源の落ちたペッパー君もかくやと思わせる不思議な光景だったので、そこまでを楽しんだような気もする。さてさていよいよの東京塩麹は、ermhoi、Aokid、坂藤加菜、Que(VJ)を加えた12人。ステージスクリーンの映像も楽しみながら、ややこしい演奏を軽やかに響きよく奏でる若い人たちのステージにただただ歓喜。アルバムタイトル、この複雑な楽曲にほとんど冗談だと思っていたけれど、二人のダンサーが登場する名曲「そこはか」のステージには驚嘆するばかり。ダンスというジャンルにはこれまであまり興味がなかったのだけれど、そういえばゲスの極み乙女。でも最近良く使うし、ichikaの妹さんもダンサーでワンマンに出ていたなあと思って、これから注目していかないといかんか。そしてこのボーカル、音域も広いしすごい声だけど、さらにトランペットソロまでやっちゃうんだ・・・!MCがグダり気味なのは好み。東京塩麹にはマネージャーがいないらしく、メンバー紹介のときに、楽器にくわえて「フライヤー作ってくれます」「車の手配をしてくれます」「ツイッター更新してくれてます」とか、ベースの人は法務担当とか。ちなみにこれだけメンバーがいて運転免許を持っているのが二人しかいないというのが現代っ子(死語?)だよなあ。私も持ってないけど。あとステージ見てやっと分かったのが"WONDA BOSS AND FIRE GIORGIA"。この実演は種あかしみたいなもので、加えてホーン女子二人が一斗缶持ってきたのには爆笑。このユーモアのセンスも好きだし、ステージを見逃せないという気にさせる。本当にすばらしいものを見た。

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椎名杏子  "短編曲集 「におい」発売記念 ワンマンライブ" 2018年11月10日(土)@下北沢ハーフムーン
no image 初のソロステージ、ソロ作発売とのこと。会場は北沢の住宅街の中にある地下ホールで、グランドピアノがあり、いすを並べて80席ほどと思われるきれいな場所。時おり雨の振る中、なんとかたどり着いたが、とても雰囲気がよいのでそれだけでまずうれしくなる。 靴を預け、ドリンクを買って、降りていくと踊り場でチーナの柴さんが手作りキッシュを販売。野菜たっぷりで食べ応えがあって、とてもおいしかった(売り切れたそう)。さらに期待の五曲いりソロCD「におい」を購入。木村ウニさん手作りのクッキーも付く。さらにフロアに下りて、席について開演を待つ。 数日前に産休を発表した椎名さん、幸いつわりなどもほとんどないようで、「さすが私のところに来た子」だそう。なんとなく勝手に心配していたけれど、ステージでは不調はまったく感じなかった。MCは相変わらずの椎名節が楽しめて、キリのよさそうなところで茶々を入れるリーダーもいないので(フロアにはいたけど。あと動画はハッピーさんが撮影していたのでぜひ販売してください)、グダグダ感がすばらしかった。そうはいっても、大学を出て一年、ソロをやっていたがまったくお客さんが付かず、グループを組んで10年、こうしてソロライブができることを、ファンとともに本当に喜んでいて、ほろりとさせられた。アンジェラアキが武道館に出るまで10年かかったという話など交えるあたりが椎名流なわけだが。 演奏はピアノ弾き語りのみのシンプルなもので、それだけに実にピュアで研ぎ澄まされたもの。ソロCDは3曲入りだが11分くらいしかなくて、椎名は要らないものをそぎ落としていくとどんどん短くなっちゃって、と語る。CDからも披露された曲、間奏が良い曲はヒットしないらしいけれど、この曲は間奏が良いです、とか笑わせておいて、しかし本当に間奏も良くて、椎名の人柄が良く出ているなあと。初期の手売りCDに入っていた曲から、チーナでおなじみの曲のアレンジ、カバーまで、バラエティにとんだ選曲で、あっという間に終演。 私としてはやはり名曲「テレビドラマ」のソロバージョンには泣いた。もうホントこの曲好き。ピアノの和音が染みる。チーナやチーナフィルでやっても、もちろんドラマチックでよいけど、ピアノ弾き語りだけというのは余計に歌詞がくっきりと浮かび上がる感じ。アンコール何が良いですか、元気系、しんみり系、と聞かれたとき、私はこの曲と同路線?のしんみり系「キャラメルの包み」と言いたかったけれど、実際には元気系(Granville Island Market)だったので、言わなくてよかったと思った。でもいつか聴きたい。 あと行けるのは産休前最後、2月のチーナフィル(今からすごく楽しみ!)だが、どうか無事のご出産を。

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ゲスの極み乙女。"FAN CLUB限定LIVE「男女は変わる」" 2018年10月29日(月)@渋谷WWWX
no image  引越しやそれにともなうあれこれに加えて、坐骨神経痛の悪化もあって、3ヶ月近くライブから遠ざかっていた。しかも3日前のゲス東京フォーラム、とても楽しみしていたのに、身内の不幸があって行くことができず、もうこれはここにかけるしかない!という意気込みで、妻と渋谷へ。PAブースの後ろに陣取って、落ち着いて楽しむことにする。距離はあるけれどステージは良く見渡せるポジションだ。  ハロウィーンとあってウォーリー姿のメンバーに(みんなメガネがかわいい)、一人課長だけが灰色のデブネコ?かと思ったがトトロらしい。そんな感じでスタート。キラーボールをいきなりぶつけてきたのにはさすがにビックリ。次の星降るも課長のベースが吼えるパワフル曲、さらに最高の疾走感のクライングマーチ!特別なライブらしい飛ばし方である。その後も定番曲が続いて、10曲目に「はしゃぎすぎた街の中で・・・」で新し目に転換する。このさわやかな曲、新しい地図の皆さんが歌ってくれたのを見て、本当にぴったりの曲だと思った。攻めの曲が続くうちに、なんと「ぶらっくぱれーど」、そして「サイデンティティ」と来て、「スレッドダンス」で本編を閉める。アンコールでは「ドグマン」も聴けて、再び「キラーボール」で特別なライブは幕を閉じた。クイズ企画や「山田さん」ネタもファンを楽しませてくれた。やはりこの規模のライブは良いなあ、と思わせてくれる夜だった。

1.キラーボール
2.星降る夜に花束を
3.crying march
4.ドレスを脱げ
5.パラレルスペック
6.JAJAUMASAN
7.猟奇的なキスを私にして
8.ロマンスがありあまる
9.私以外私じゃないの
10.はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした
11.戦ってしまうよ
12.颯爽と走るトネガワ君
13.僕は芸能人じゃない
14.某東京
15.song3
16.餅ガール
17.ぶらっくパレード
18.サイデンティティ
19.スレッドダンス
アンコール 20.僕は芸能人じゃない
21.あなたには負けない
22.ドグマン
23.キラーボール

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田中茉裕 / Promenade / Foi /Wasalabo. "Dazzling Diva" 2018年8月1日(水)@新宿MARZ
no image  なかなか都合が合わずライブにこられなかったわさらぼ。この日も仕事の段取りがつかずにかなり綱渡りのスケジュール。結果的に大幅に遅れてしまって、ちょうどトリ前が終わったところに何とか到着である。MARZは転換中に幕が下りるけれど、透けているので、紗越しに見るセッティングもなかなか面白い。楽器の準備のないみおさんはしきりに柔軟体操をしていた。幕が上がり、久しぶりの生わさらぼにワクワクする。気のせいかもしれないがリズム隊が元気がとてもよいというか、迫力がすごい。もちろん軽やかなピアノに乗るみおさんの声の輝きがすばらしい。ここまでのバンドがみな若かったので、負けないようにがんばったといって客席を笑わせていたけれど、実際とても瑞々しい音ですばらしかった。あわただしかったけれど、わさらぼに間に合っただけでも大満足の夜だった。

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"GFB'18 つくばロックフェス" 一日目 2018年7月14日(土)@石岡市つくばねオートキャンプ場
no image  今年で10年目を迎えるということで、3日間開催。伊香賀さんが茨城の音楽シーンを支えるために手作りで取り組み続けているのがすごい。  私は5年前(もうそんなに・・・!)の2013年7月14日、ゲスの極み乙女。目当てで初めて行ったのだが、そのときのラインナップが今思えばすごい。チェコ、シェフ、KANA-BOON、セバスチャンX,tricot、赤い公園、オワリカラ、などなど。で、このとき初めてチーナを聴いて、気に入ったのだった。  その後、豊里ゆかりの森から今のつくばねオートキャンプ場に移って、アクセスが厳しくなったため、躊躇してきたのだけれども、10周年はぜひ祝いたい気分だったのと、たまたまこの日だけがうまい具合に空いて、しかもラインナップがやはりなかなかということもあって、出かけてみた。  つくば駅からのシャトルバスで片道40分ほどということで、このところめっきり足腰の弱った自分としては、座れなかったらどうしようと案じつつ、一番乗りしたらまだだれも来ていなくて、引き返して売店で買い物して、それでも二番手ぐらいで乗れたので、まずは好調なスタート。何せチーナがトップだから、遅れるわけにはいかないのである。  着いてみればメインの坂ステージまで、ずっと下りていかなければならない。しかしなんという見晴らしのよさ!天気がよすぎて暑いけれど、これはもう仕方ない。シートを敷いてスタンバイである。つくばロックフェスのよさは、基本的には大きな坂ステージと小さな丘の上ステージがあるだけで、その気になればすべてのアクトを見ることができる点にある(ただ豊里のときとは違って高低差が半端ないので、脚力が必要になった笑)。  オープニングはチーナ。場所は違えど、5年前の初めての出会いを思い出して感慨無量である。バイオリンのいるバンドは珍しいというほどではないが、コントラバスとの組み合わせはなんともユニークで、椎名さんがかもし出す天然さ、リーダーのツンデレ?ぽい語り口も、脇からバンドの音楽性を引き立てる。今回も椎名さんがやってくれた。ステージ前方に進んだらそのまま落下!ビックリ!しかしステージが低く、下は芝生ということもあってか、無事まっすぐ着地! なかなかステージに上がれない椎名さん、リーダーがもうしょうがねえなあ、という感じに引っ張りあげる。もう本当に、ごくごく自然に、伝説を作ってしまう。もちろん、新曲2曲を交えた演奏はいつもながらすばらしく、アゲハチョウや子供のシャボン玉がステージを横切るのも、チーナらしくもあり10周年記念らしくもあって、  続くTENDRE、これもまたよかった。河原太郎がそもそもかっこいいんだけど、周りがうまく突っ込みを入れたりするので、かっこよくなりすぎない?キャラクターがよい感じ。AAAMYYYさんたちのサポートメンバーも楽しげで、クールな演奏がよかった。  続いては、今、私が非常に好んでいる東京塩麹。楽器の多いバンドは、セッティングやリハーサルから見て楽しいので好きだ。野外ステージは珍しいかもしれないが、のびのびと音が広がるのが気持ちよい。撮影、SNS投稿OKということで、圧巻のミニマルミュージック、少し録画する。今回もクラッピングミュージックのお楽しみあり。メンバーが多いし、活動の幅も広いだろうから、なかなかライブも頻繁というわけには行かないだろうが、ぜひさらに進化していってほしい。  バックドロップシンデレラは、第一回に参加したときに暴れすぎたらしい。今回も暴れまくり。おなじみのウンザは、私のような年寄りがマネすると確実にアキレス腱を傷めるであろう。よい老人はまねしないように。子供は大いにまねして跳ね回ってください。  このあたりで、フードやイベントを見て回る。地元のいろいろな出店があって、フードではやはりキッチンソイヤのトマト丼は欠かせない。温かいご飯にトマトの角切りをそのままのせて、特製のたれをかけただけなのに、ウマい! フェス飯というとどうしても肉系に目が行きがちだが、これはだまされたと思って試してほしい逸品である。子供たちはロープをつけて木に登るやつが楽しそうだった。もちろん私は体重的に無理。  続いてはやはり今年話題のMONO NO AWARE。リハーサル中に丘の上ステージからクリトリック・リスが輿に乗ってやってきて乱入というハプニングも楽しい。独特の陰影がありながらも伸びやかな演奏がすばらしい。  ドミコ、bonobos、homecomingsと、この後もすばらしい顔ぶれなのだが、明日のことがあるので後ろ髪を引かれつつ丘の上ステージへ。バスが来るまでの時間、奇妙礼太郎を見ていた。やがて、坂ステージからドミコのリハの音が聞こえ出す。やおら、歌い方やギターの奏法を俄然力強いものに転換したのである。すごい・・・最後にえらいものを見たと思った。こういう奇跡のような瞬間に出会えるのが、このローカルフェスなのではないか。つくばロックフェス、まことに恐るべき空間と時間である。今年は3日間だったし、キャンプもできるので、もっと見たかった。予約さえ取れれば、隣のつくばね荘に泊まりもありかと。次回以降、検討したい。

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ゲスの極み乙女。6th Anniversary live 「乙女は変わる」2018年6月22日(金)@NHKホール
no image  ネーミングからも「何が変わるのか?」という大きな期待をはらんだライブ。NHKホールは紅白以来で、しかもあの紅白直後にはよくない方向で状況が変わったから、今度は何かよい変化をと願うばかりである。ホールライブなので座席が決まっているから、お馴染の行列がなくてちょっとさびしい反面、余裕があるのでホール周りのファンの皆さんも記念写真を撮ったり和やかな雰囲気。ガラス越しに中を覗き込む姿もほほえましい(というか自分も覗き込んだけれど笑)。  徐々に席が埋まり、満席となる頃にはすっかり熱気が高まる。客電が落ちて登場のし方もあれこれ予想していたら、ステージ中段のスクリーンの後ろからノーマルアタマのMV風にポーズを取って登場、さらにオープニングが何と「ラスカ」である!「ラスカ」で始まったのは初めてではなかろうか。「戦ってしまうよ」で盛り上げた後はダンサーが登場する「私以外私じゃないの」、久しぶりの「無垢な季節」と、今までにない演出。「いけないダンス」(これも久しぶりかな?)まで名曲を畳み掛けて、これまでの歩みについてのMCからはMVもほほえましい新曲「もう切ないとは言わせない」とくる。ああもうどれも何回も聞いたよい曲ばかりなので、幸福感しかない。音もよいし。  「煙る」ではステージのスモークに隠れて消えた川谷が、「サイデンティティ」の後楽屋から戻ってくる映像と見せかけて「某東京」を歌いながら別人が入れ替わっている(ボイスパーカッション芸人でそのまま共演)という余興めいた展開も。  円熟すら感じさせる重厚な演奏に、本編ラストの「キラーボール」にいたる定番曲も、またさらに魅力が増して聞こえる。アンコールでは新曲の「オンナは変わる」、そして川谷の心境を語りながら、おそらくはその時々の自分を重ね合わせるであろう「だけど僕は」で幕を閉じた。  そして特報。unBordeから独立、ワーナー内にtaco recordsを設立して、さらに自由にやっていくのだろうか。アンボルデの鈴木竜馬氏は騒動のさなかもゲスの極み乙女。を認め続けていた人だったから、独立はもう大丈夫という見極めもあったのか。などといろいろ考えてしまうが、大写しになっていた課長の、安っぽいタコの被り物をした表情は、まああまり深く考えず、と語りかけているかのよう。あの紅白以来のNHKホールで迎えた6周年、これからもこのバンドは、変わりながらも変わらずに続いていく。付き合い続けるほかはないではないか。

1. ラスカ
2. 戦ってしまうよ
3. 私以外私じゃないの
4. 無垢な季節
5. crying march
6. ロマンスがありあまる
7. いけないダンス
8. もう切ないとは言わせない
9. オトナチック
10. 心地艶やかに
11. 煙る
12. ルミリー
13. サイデンティティ
14. 某東京
15. ドレスを脱げ
16. 猟奇的なキスを私にして
17. 両成敗でいいじゃない
18. キラーボール
アンコール:
en1. オンナは変わる
en2. だけど僕は

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ichika "Signal" 2018年6月17日(日)@青山月見ル君想フ
no image  若き天才ギタリスト、と呼んでよいと思う。ギターソロ、ベースソロで独自の音楽世界を切り開くのみならず、セッションバンドichikoroでは川谷ファミリーのミュージシャンたちを率いてジャジーなバンドサウンドも奏で出す。そんな彼の、ワンマンとしては初のライブである。  会場の月見ルは、まさに彼のソロサウンドにはぴったりの雰囲気といえる。やはり太陽や星ではなく月が似合う世界である。一曲目から空間系の音の響きと広がりの中に、複雑に紡ぎだされながらも空気に溶け合っていくichikaサウンドが、フロアを包み込む。
 非常に緊張しているというたどたどしいMCに人柄がにじんでいるようだが、持ち曲を全部やっても30分しかない(もっとあると思うのだが)からといって、女性ボーカルを探したところ課長の紹介ですぐに気にいったといういであやかとのコラボ。英語と日本語で一曲ずつ、これも澄み切った声質がまさにぴったりだった。ベースに持ち替えるタイミングではスタッフが後ろに立っているのに気づかずにしばらくMC、やっと気づいて持ち替えて今度はベースソロ。ゲストの休日課長は、歳が一回りも違うのにすっかり友達のようで、課長もまんざらではなさそう。ベース二本だけのコラボなんて想像もつかないが、知っている曲をということで久石譲の「風の通り道」には驚いた。実際にあの場に立ち会った人でないと、その時何が起こっていたかは分からないだろう。上手く伝える言葉が見つからないが、それは他ならずベース二本の音だったのである。ベース二本の音で、あのオーケストラルでどこかトラディショナルな曲を歌い上げたのである。実に感動的。さらには妹であるバレエダンサーhiinaとのコラボレーション。休日課長の見た目を除けば、すべてにおいてアートの美に満ちた時間であった。
 アンコールでちょっととぼけた物販の紹介をするichikaを見て、本人もそうだろうけれど見ている方も何かほっとしたというか、無事こっちの世界に還ってきたような、ちょっとさびしくもあり安心もありの気分であった。ichikoroも楽しみだが、やはりこの一人の世界も突き詰めつつ広げていってほしいと思った。

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"やついフェスティバル" 第一日  2018年6月16日(土)@渋谷O-east, west, crest, nest他12会場
no image  仕事が忙しいのに加えて5月にぎっくり腰と肉離れを立てつづけにくらって、すっかりライブ離れの進んでいたところで、実のところサーキットフェスなど当分控えなければと思っていたのだが、DADARAYのバックが入れ替わったと聞き、またその組み合わせはこのやついフェス限りのようなので、急きょ参加することにした。そうとなれば、まあさすがに無理は利かないのでcrestなど「階段を上らないといけない」会場はできるだけ避けつつも、聞きたいバンドを選んでマイタイテを組んで行った。
 仕事の都合で、概ね二番手からの参戦。ここで集団行動など見たいバンドはいくつもあるが、あえてのGateballersである。MV見て、けっこう私の好きな、無茶なコード進行などからちょっと期待していた。オルタナにしては手堅い演奏の4ピース、引っかかりのあるサウンド、癖の強そうなメンバー、ちょっと斜に構えたMCと、なかなかよかった。これで景気付けはばっちりである。
 次も迷ったがDADARAYは見逃せないので同じ会場に先行することにして、少し頭が切れたがWESTに入って川本真琴ビッグバンド。ビッグバンドにしたのは今年に入ってからというから、この演奏のまとまりとグルーブ感はすごい。川本の歌声もハリがあるから、ビッグバンドはむしろちょうど良い様子に彼女の歌を引き立てていた。入れ替えを利用してトイレを済ませて開放されている2階席に上がると、中央最前列に座れることがわかって一安心。しかも照明席の前なので立ち上がり禁止とは、好都合すぎて何も言えない笑。
 DADARAYのセッティングからリハを見物していたが、えっちゃんのキーボード周りで何やらあれこれと。後で知ったが、結局一台は音が出なかったらしい。そのためにアレンジもちょっと違っていて、聞き手としては悪くない体験。バックはドラムスにkatyushaでお馴染のえりこさん、そしてなんといってもギターは元MENOZの哲くん! MENOZ結構通っていただけに、ここでつながるのか、とびっくりして、何が何でも聞きに行こうという気にもなったのである。これからもサポートは入れ替わるようだが、基本は3人のグループなので、ドラムレスとかギターレスとか、サポート楽器も違うものにするとか、これまでにとらわれない方向性を求めるのもありなのかもしれないと思った。それだけのポテンシャルのあるメンツであるし、既存曲もまだまだ自由に新しいアレンジで更新されていく価値があると思う。勝手な思い込みだが。
 坐っていられるうえに、続けてトクマルシューゴが聴けるというのは最高に贅沢。もうセッティング段階からわくわくする。女性二人の前に並ぶ、様々な楽器。サウスポーのバイオリンベース。パワフルなドラムス。リーダーでギターのトクマルシューゴ。迫力あるロックサウンドと、多彩な楽器が作りだす現代音楽や民俗音楽のフレーズが競い合って、本当にユニークで高品位の曲の数々が楽しい。こんな風に気軽に、彼らの音楽が聴けるとは。ちなみに6月22日にはらららクラシックでスティーブライヒについて語るとのこと。
 次もいろいろと迷ったのだが、やはり高いところや遠いところを避けて、曽我部恵一ソロへ。こんな機会でもなければ聞きに行くことはないのであるから。ギター一本で聴かせる歌唱力はさすがのベテランで、さらにやはりほっとするのは、その歌詞の素直さかもしれない。正直なところ、日本語の使い方があまりに自由だと、世代的なものかもしれないし職業病かもしれないが、どうしても引っかかってしまうことがある(だんだん気にならなくはなってきたものの笑)。その点、いいなあ、と素直に聞ける。それでもMCでは、最近は紫陽花の花が一つなどと歌うとネットで紫陽花は一つ咲くということはないのではなどと文句いわれるけど、どうでもいいわ!などと言ってフロアを湧かせていた。ほんとどうでもいいよなあ。新しい学校のリーダーズがお気に入りで、後で一緒に写真を取るのが楽しみらしい。枯れないねえ。
 次は、これはもうあらかじめ決めていたあらかじめ決められた恋人たちへ。おいしくるメロンパンにも行きたかったけど、生のあら恋はどうしても味わいたかったから。ベテラン揃いだけどやっぱりこのメンバーの一人一人の個性は強烈。クリテツさんとオータケコーハンが並んでいる絵がもうたまらない。ベースがずんずん来てドラムスにギターが暴れて、そこにツインピアニカやテルミンですよ? このステージは体験してみないと! 今日の私のタイテでは、ここにクライマックスをもってきたので。最後のテルミンブン回しに手が届かなかったのがちょっと残念ながら、あの最前の熱狂には近づけなかった。
 同じテルミン使いながら、これまた決めていたザ・ぷーは全く色合いが違う!時間が続いていたのだが向かいのハコなのでぴったりと間に合った。川島さる太郎のMC?で幕を開ける街角マチオ・マチコのパフォーマンス、考えてみればお笑いと音楽の祭典やついフェスにはぴったりのステージではないか。観客をステージに上げてしまう恋愛契約書はじめ、愉快な怪曲?揃いで、とにかく笑った。
 原田ちあきのライブペインティングも、生のやついちろうも見られたし、サーキットフェス参加復活第一弾としては、このあたりかなと自粛して、人間椅子なども見たい気はしたけれど明日に備えて離脱。この分なら、まだまだいけそうだぞ、と手ごたえを感じた還暦爺でした。

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DADARAY "01 鬼 03ツアーファイナル" 2018年4月6日(金)@恵比寿LIQUIDROOM
no image  もちろん偶然なのだが恵比寿リキッドって意外に雨に降られる気がする(リキッドだけに)。天候がいまいち、当日券も出たようだが、結果会場はみっちりと埋まり、この入りでファイナルを迎えられたことにまずはファンとして喜びしかない。会場は期待感に満ちて開演を待つ。オープニングからバンドの意気込みが伝わってくるような熱気に、ステージもフロアも一気に盛り上がった。3月9日の稲毛にも行っていたから、ひと月のツアーでどう変化したかも楽しみにしていたが、ハコが大きくなればそれだけのスケール感のあるバンドであることを実証する、厚みのある音と熟練の演奏を聴かせてくれた。えつこもREISもフィナーレには感涙。サポートのパワーも毎回思い知らされるステージだった。怒涛のアルバム発表に続くツアーもファイナル、夏フェスシーズンを終えてからは何か新しい動きがあることを楽しみにしたい。

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ゲスの極み乙女。"MTV unplugged"  2018年3月25日(日)@豊洲PIT
no image  これはもうほんとに楽しみにしていた企画。何と言ってもMTV Unpluggedである!前日にはichikoroの活動が始まるというサプライズがあったばかりで、どこまで行くのか川谷軍団。
 豊洲ピットはずらりといすが並べられて、撮影のためのスペースも取られたゆったりとした印象。ステージ背景は英文がデザインされたスクリーンで、これは後から、歌詞を英訳したものだとわかった。シンプルだが今までになく洗練された雰囲気。期待と緊張で息苦しいほどの開演待ちであった。
 「ユレルカレル」「ルミリー」と、なるほどアンプラグドに似合う曲からのスタートで、一気に夢のような世界に入り込む。課長はウッドベースと持ち替え。ちゃんMARIはグランドピアノとフェンダーローズとピアニカ。曲によって管弦がつき、奏さんもギターで参加と、選曲も今までにないユニークな組み合わせが選ばれ、さらにどの曲も全く新しいアレンジで、曲の魅力を塗り替えている。
 やはりアコースティックセットとなると、最大の注目は、休日課長のウッドベースである。全曲ではなかったものの、実に堂々とした演奏ぶりで、本格的に取りかかったのが今年に入ってからとはとても思えないものだった。特に「ホワイトワルツ」は、ウッドベースとブラス隊という組合せで聴かせる最大の見せ場、課長やりきった!という絶賛の拍手に包まれた。
 あまりやらないがファンの人気が高い曲と紹介されれば「ラスカ」、これも実に魅力的なアレンジだった。「キラーボール」はお馴染の?やり直しでお得。川谷も課長もこのアレンジはこれまでで一番好きと言っていたが、13人(かな)編成の音の厚みも、もともと川谷がギター弾かない曲なので、圧巻の迫力だった。このとき「席を立たないように」いわれていた観客も、川谷のあおりでついに立ち上がり(監督のツイッターではこの時スタッフ全員がパニックになったらしい笑)、最高の盛り上がりになった。
 アンコールではid1とbye-bye 999という、これまた普段のライブにはない選曲。たしかにどちらも、この日のためにふさわしい曲だ。聞きなれた曲も新しいアレンジ、そして全体を通して普段ありえないようなセットリストで、何とも貴重な、しかも感動的なライブとなった。MTVでは放映されるであろうが、ぜひ完全な形でDVD化してほしい。

1.ユレルカレル
2.ルミリー
3.ロマンスがありあまる
4.息をするために
5.影ソング
6.ホワイトワルツ
7.某東京
8.ラスカ
9.オトナチック
10.心地艶やかに
11.ハツミ
12.スレッドダンス
13.キラーボール
【アンコール】
1.id1
2.bye-bye 999

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大橋ちっぽけ / Co shu Nie / edda  "SOGO PR.0322"  2018年3月22日 (木) @TSUTAYA O-nest
no image  去年の年末、インフルエンザにやられて涙をのんだコシュニエのライブ、ようやく機会が巡ってきた。しかもチケット1000円で、開演から終演までいればキャッシュバックという、太っ腹な企画である。
 コシュニエは一番手。生で聴くのは実に久しぶりだが、この間、ドラマーの正式加入、人気アニメのエンディングテーマが決まるなど進展もあるし、ツイッターで見ていても次々と創作活動が進んでいるようで、なんともこれからが楽しみだ。中村のギターもキレ味よく、あのセクシーな息つぎがアクセントのボーカルも研ぎ澄まされ、リズム隊のテクニックも言うまでもなく、3ピースとは思えない密度と、似たものがない個性を迸らせている。そして6月にはついにワンマンという告知!何とか都合をつけて行きたいものだが・・・。
 二番手は大橋ちっぽけ。愛媛から大学に入って東京に出てきて今度2年生というから、若いな〜。ギター一本で歌うが、これがなかなか上手い。ギターも良いし、声の質がしっかりしていて、芯がある。どうやら人柄もよさそうな感じで、頑張ってと応援したくなる。
 三番手はedda。白装束にランプと本を持っての登場と、ファンタジー仕立てのようだが、バンドセットの曲はむしろストレートでポジティブな感じ。後半のピアノだけになってからがしっとりした所にちょっとダークな隠し味的で良かった。バンドセットとピアノだけを交互に組み合わせるようにはいかないのかな。  それぞれに個性豊かな組み合わせ。これだけ楽しんで結局チケット無料というのは、なかなか気の利いた企画であった。

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DADARAY "01 鬼 03 ツアー" 2018年3月9日(金)@稲毛K's Dream
no image  DADARAYの全国ツアー、千葉稲毛K's Dream。小さいけど居心地の良いライブハウスで、えつこさんもずっとお馴染の場所。雨にもかかわらずソルドアウトしただけあって会場はぎっしり、おそらくkatyushaあるいはそれ以前からの地元ファンも駆けつけたかと。温かな雰囲気の中、ライブが幕を開ける。イキツクシの最後でREISが歌詞を飛ばすというハプニングで、一気に会場の和やかムードが高まる。新曲披露、いつものバック含め6人の演奏のクオリティの高さ、ツインキーボードボーカルの厚みとバリエーション、本当に魅力たっぷりのバンドで、もっと聴かれるべきと思う。大好きな僕らのマイノリティ初め、たくさん聴けて、先の企画の物足りなさを十分埋め合わせて、満足のひと夜となった。
 MCも地元トーク満載。えつこさんの出身高校とか、茨城のREISさんは柏や松戸がどう思われていたかとか、埼玉から千葉の中高に通っていた課長がどう言われていたかとか、まあいろいろ。物販の案内も楽しかったし。終演後は3人とも物販に出てきて、少しお話しなどもできた。小さな箱ならではのファンサービスの楽しみが味わえて、幸せな夜だった。次はツアーファイナルの恵比寿リキッドルーム。 P ALIGN=RIGHT> ページの先頭へ

ゲスの極み乙女。 / indigo la End / DADARAY / ほか "ゲスの極み乙女。久しくシングル出してなかったから何かシングル出す時の感覚忘れちゃったし、ワンマンするのも何だから仲間を呼んだぜ!あんまライブ無いから来てくれよな!PARTY" 2018年2月10日(土)@ 新木場STUDIO COAST
no image  年末に沖縄でDADARAY、indigo la End、ゲスの極み乙女。の3バンドが揃ったライブがあって、うらやましいなと思っていたら、新木場でも同じ、しかもジェニーハイつながりで小籔千豊、野性爆弾のくっきーの二人も登場という、特別なイベント。
 オープニングはDADARAY。夢アドの「大人やらせてよ」からのスタートが意表を突きながらも一気に盛り上げる。後から聞いたところではDADARAYですでにモッシュが起きてたいへんだったそうだが、盛り上がりと迷惑行為は違うから、そのあたりは気配りもよろしくお願いしたいところ。それはともかく演奏の方はツアーを控えて仕上がりも上々、メンバー3人+サポート3人の息もよく合って、課長+栄太郎のリズムが強力なところに、どんどん伸びやかになるREISのボーカル+渋みのあるえつこのボーカルがかぶさるのは無敵。ボーカル的にはDADARAYが一番贅沢で好きだ。セトリは6曲と短めで、大好きな「僕らのマイノリティ」やらなかったのが残念だが、この後のワンマンツアーの楽しみに取っておく。
 転換中には小籔とくっきーのトークタイム。これがとんでもないぶっちゃけも出て、困ったものだ。もちろん大笑いさせられたわけだが。
 続くindigo la Endは、3バンドの中ではそこまで聞きこんでいないから、これまた大好きな「瞳に映らない」やらなかったなあという印象はあるが、メロディラインにやられる夏夜や「見せかけのラブソング」に挟まれたビリオンから「実験前」への流れなど、攻めのセトリだった。冬夜ではREISも再登場、大いに盛り上がった。この日のMCはいつになくシリアスで、けっこうファンは聞き入ったと思う。
 次の転換中はまず小籔一人が登場。こんどは自分が新喜劇に移ったいきさつや長年外出しなかったおばあちゃんが見に来たときのエピソードなど、なかなかよい話で感動した・・・と思ったら、くっきーが川谷と課長を連れてベンジャミンボーナスという超有名音楽プロデューサー?のギャグで登場、元ネタを知らないので、あっけにとられてしまった(帰ってからAmazonPrimeで見たけど、これはひどい笑)。課長はいつもいじられ役だなあ。
 さていよいよゲスの極み乙女。だ。課長のベースがブイブイ言わすので大好きな星降る夜からキラーボールというオープニングは初めてか。キラーボールのちゃんMARIのショパンがいつもより長いぞ?と思っていたら、川谷が2階席に登場。ちょうど見上げる位置に来たので、よく見えた。そのまま2階席を移動して歌いきる。「ドレスを脱げ」や「餅ガール」は演出抜きヒートアップ、crying marchからえつこのX振りからのゲスX、ユレルカレル、そしてほないこかボーカル栄太郎登場の「シアワセ林檎」で本編終了と、とにかくパワフルな9曲だった。
 アンコールは「私以外私じゃないの」を小籔+くっきーを入れてのツインドラム+ツインベースというお祭り編成で。くっきーがすごく一所懸命だったのがとにかく印象的な、ちょっとヒヤヒヤしつつも和やかな共演だった。そしてラストはもちろん「戦ってしまうよ」。強い曲である。
 今日のタイトル通りであれば、今年はあまりライブやらないということだが、レコーディングが進めば年内にはアルバムが出るのではないだろうか。そうなればいずれツアーの計画は出てくるものと期待している。まずはDADARAYのツアーを楽しむが、その後のゲスロスが長引くのはつらいよ。

DADARAY
01. 大人やらせてよ(DADA ver.)
02. 少しでいいから殴らせて
03. ダダックス
04. 東京Σ
05. 9月に落ちるひとしずく
06. イキツクシ

indigo la End
01. 夏夜のマジック
02. 想いきり
03. 夜明けの街でサヨナラを
04. billion billion
05. 実験前
06. 見せかけのラブソング
07. 冬夜のマジック
08. インディゴラブストーリー

ゲスの極み乙女。
01. 星降る夜に花束を
02. キラーボール
03. ロマンスがありあまる
04. ドレスを脱げ
05. 餅ガール
06. crying march
07. Mr.ゲスX
08. ユレルカレル
09. シアワセ林檎
<アンコール>
10. 私以外私じゃないの
11. 戦ってしまうよ

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チーナフィルハーモニックオーケストラ / MODE OF DETAIL / うたたね / TRI4TH / HONEBONE / UHNELLYS "Shibuya HOME 10th Anniversary"  2018年2月3日(土) @代官山UNIT
no image  渋谷HOMEには2回ほど行っていると思うが、小さいながら名前通りのアットホームな雰囲気で、ステージ間近に着席で楽しむアコースティックセットなど好印象だった。今日のMCでちらほら聴けば、いろいろと制約のある中で、工夫して特徴を出しながら10年続いたということは、本当に頭の下がる思いだ。クラブ規制が物議をかもしているこのごろ、ライブハウスで楽しませてもらっているわれわれ観客は、感謝とお礼の気持ちを持って行きたいものだ。
 で、その10周年をUNITでやるというのもなかなかユニーク(もっともHOMEのこの一か月ほどのスケジュールを見ると、10周年を冠した企画がいくつもあるが)。確かに、チーナではなくてチーナフィルをHOMEでやるのは無理だろう。そのチーナ・フィルハーモニック・オーケストラが一番手で、今日も本当に美しく楽しかった。最初のうちは、チーナフィルは大所帯だけど構成を流動させながらやるのかなあなどとぼんやり思っていたけれど、考えてみればアレンジ変えるなどそうそう簡単にはいかないし、若干の入れ替えはあれど基本パーマネントなバンドとして続いてきて、本当にうれしい。こうなるとそろそろ、チーナフィル独自の新曲など期待してしまう。
 続くMODE OF DETAILはサンプラーの人以外の3人でバンドをやっていたのが休止になって、洋服屋さんを開いているとのことだが、やはりバンドやりたくなって4人組で再出発したということのようだ。ドラマーがHOMEの店長さんらしい。さすがに衣裳もセンスが良い。
 メインステージ転換中にサブステージではうたたね。男女二人ずつの4人組で、ギターボーカルの男子とキーボードボーカルの女子があたたかくも力のこもったハーモニーを聴かせる。雰囲気の明るい気持ちよいバンド。
 TRI4THはがらりと変わって超速ジャズバンド。これは気持ちよい!トランペット、サックス、コンバス、ピアノ、ドラムスの5人組。「踊れるジャズ」がモットーのようで、あおるあおる、ソロ回しも超かっこいい。
 サブステージのHONEBONEは「ホネボーン」と読むようだ。男女二人組で、ハーフモデルでもあるエミリがボーカルとMC、カワグチがギター。エミリのMCはかなり面白いので、むしろ芸人?と思わせておいて、歌はどちらかといえば重い歌詞で、ギターも迫力があって、そのギャップにやられる。
 そしてトリはUHNELLYS。ボーカル、ギター、トランペットのkimと、ドラムス、コーラスのmidiによるユニット。kimがHOMEの音響さんらしい。即興演奏をサンプリングしてループしながら音を重ねるのだが、非常にシャープだ。生ドラムスの迫力に負けない、攻撃的な音に圧倒される。途中、白塗りのダンサーが登場して、舞踏とのコラボも。これはすごい。海外のツアーもこなしていて、今年はロシアに行くようだ。
 長丁場であったが、大好きなチーナフィルと、初モノばかりだがいずれも個性あふれるアーチストで、セレクションが素晴らしいと思った。このブッキングセンスもHOME10周年の秘訣なのだろうか。終演後はHOMEでアフターパーティをやるそうだ。

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henrytennis / Vityazz / harineko / ササキヨシコ+ヨシオリョージ "wET sKIN?" 2018年1月25日(木)@三軒茶屋グレープフルーツムーン
no image  去年の春に知ったVityazz、ツイッターでフォローしていたのだが、なんとフォロワー招待に当たって、無料で行けることに。この日のトップなのでいそいで三茶に向かう。年末年始はインフルの余波もあって全くライブに行けていなかったから、たまたまだけどグレープフルーツムーンで終わってグレープフルーツムーンで明けることになった。
 昼飯もあまり食べていなかったので、カルボナーラ(美味!)を食べながら開演を待つ。Vityazzはクールなスリーピース。ドラムス、アコースティックベース、セミアコ(だったかな)にスキャットボイスという構成で、複雑なリズムを決める。キーボードがないのにプログレ好きな私がはまるのは、あのリズムとボイスが、70年代カンタベリー系のジャズロックを思わせるからかもしれない。MVもあるがぜひライブを聞いてもらいたいバンドだ。招待ありがとう!といったところ。帰りしなにお礼のあいさつをしたけど感じの良い人たちだった。
 それにしてもこの日の企画、2本目のササキヨシコ+ヨシオリョージが何と言うか、豪快だった。ピアノボーカルの女性とドラムスのユニットで、洋楽を翻訳して歌うということらしいのだが、とにかく彼女が見た目も歌も豪快なだけじゃなく、(小瓶ではあるが)日本酒二本をラッパ飲みして歌うのである。最後には私でも知っている「カントリーロード」を歌ったので、翻訳の方もなかなか豪快らしいことは良く分かった。今までなかったタイプに出会った。
 harinekoも久しぶり。ボーカルのSaChiのプロジェクトで、Gt松坂勇介(QUATTRO/Lowtide)、Ba Sohey(SOUR)、Dr富樫大樹(サンガツ)という4ピース。リズムもそうなのだがメロディやコードが不思議な展開をして、ポップになりそうなところで現実が壊れていくような怖さとでも言うべき感覚がある。ユニークなバンドだ。ベースの人、どこかで見たことがあるなあと思ったら、所属しているSOURは夏の数寄屋橋の野外ライブで聴いて、かっこいいと思ったバンドだった。MCの紹介ではSOURは休止中らしい。
 トリはhenrytennis。gt,ba,dr,keyにサックス二本とトロンボーンが加わる7人編成インストバンドだ。。サックスの人は一人はシロホンと持ち替え。ギターの人がニコニコというよりニヤニヤしながら、楽しそうに弾くので、つい目がいく。凝ったリズム、変化にとんだアンサンブルがとても心地よい。ところでここでもトロンボーンの人見たことあるなあと思ったら、一年近く前にアダチヨウスケグループで吹いていた人だった。もともと人の顔を覚えるのは苦手だし、そんなにライブ行く方ではないのに、こういうつながりがあるのは面白い。というわけでVityazzのおかげで楽しい夜を過ごすことができた。

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