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MUSIC FOR AIRPORT vol.4 2014年12月12日(金)  @新宿MARZ 

 ATLANTIS AIRPORT企画の第4弾ということだが、私は初めての参加となる。AA以外のバンドは、Vampillia が吉田達也関連で名前は知っているという程度で、ほぼ初物ばかり。とはいえATLANTIS AIRPORTのセレクションだけに、期待十分である。入場券と引き換えのタイムテーブルと搭乗券(!)のデザインもまた凝っていてうれしい。
 まずはMENOZからのスタート。5ピースのバンドで女性ボーカルが明るくて、オープニングにはまさにぴったり! バックの演奏の上手さはもちろんなのだけれど、曲想や歌い方でふと昔の小川美潮あたりを思い出したりしてどこか懐かしさや、親しみを感じてしまう。とはいえやはりこのボーカルの元気はうれしい。さっそく、物販で2枚購入。
 続いて、レミ街。これには、はまった。基本はボーカル、ベース、キーボードの3ピースで、レミ街以外にもそれぞれ多彩な活動をしているようだ。今日はサポートにギター、ドラムスに、フルート&サックス、チェロが入って7人編成と超豪華な感じ。凝った楽曲に透き通った声が、アコースティックな楽器とバンドとの絶妙なアンサンブルに溶け合って、情感豊かに感動を生み出す。というわけでレミ街も物販でCD2枚購入。
 次がもうセッティング段階からすでに怪しいVampillia。白塗りメークの人がフロントなのかと思ったらベースで、マッチョな人のほうだった。この人も途中でもじゃもじゃの衣装で出てきて、それを放り投げたかと思うと脚立を持ち出して2階の人たちを煽る。えーと9人編成だったっけ?とまあ思い出せないくらいですが、バイオリンまで含めて全員音圧高すぎてマッチョな人のデス声ボーカルが聞こえないほどだった。ちなみに前の中央付近にいた私たちは脚立を支えていたけれど、これ普段は梯子使うそうで、高いところが苦手な自分からすると信じられないパフォーマンス。ドラムスは吉田達也ではなく竜巻太郎だったが、そのストイックでパワフルなドラムスが実は一番怖かった。とまあ、得体の知れないワイルドさ絶頂のバンド、すごかった。
 次はTAMTAM。最初のエレクトロニクスの音が耳に刺さってちょっとつらかったけど、ダブバンドということで音響的に面白いのかなと思いつつ、演奏が始まればあまりそういう意識なく、爽快なロックバンドとして自然に聞いていた。kuroさんというボーカルの女性が美しいうえに、トランペット吹いちゃうんで、Vampilliaの後にコレって、考えましたなあ。ジャンルを超えて新しい音楽を作る人たち。
 さて最後は言うまでもなくATLANTIS AIRPORT!マスフェス以来だったが、自主企画のトリだけあって気合が違うのか、レベルアップというかかなりパワーアップしている感じ。soneちゃんの存在感は相変わらずで、何の脈絡もなくドラムの○○さんはロリコンです!とか言い出すし面白すぎ可愛すぎ。しかしいったん歌いだすともうシャーマンのように音と言葉で輝きだす。どんどん磨きがかかってきている分、新曲もあるので早くCDが聴きたい。
 というわけで、5バンドそれぞれよかったし、その組み合わせも絶妙だった。敢えておっさんくさいことを言うけど、どのバンドも、美しくはつらつとして輝く女性たちに激しく感動させていただいた。次回企画もまた、大いに期待するし、ATLANTIS AIRPORTの飛躍も楽しみだ。

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ゲスの極み乙女。 『ゲスな魅力?』ツアー 2014年12月7日(日) @豊洲PIT
 先週に引き続き、今日もゲスを聴きに行く。全然飽きない。というか、東京公演が1200の赤坂BLITZと3000の豊洲PITという、キャパの違うハコで行われることに、興味津津であった。赤坂でも川谷が「両方来ても楽しめる」と断言していた。もっとも赤坂では「チケットちょうだ〜い!」との声がフロアから飛んだし、豊洲では川谷が「赤坂も来た人?」と訊いてフロアで上がった手はまばらだったことから、両方来られる人はなかなかいないようだ。実際、抽選当たらないんだよね、チケット・・・
 さて、豊洲PITはまだ今秋できたばかりの会場だが、ゲスはすでにここを開業翌日のイベントや、無料招待ワンマンですでに使っている。ツアー中盤で使うということは、会場を知った上での満を持しての演出が期待できる。
 いざ入場してみたら、倉庫か体育館のような四角いハコである。これは、定在波を考えたら音質は期待できなさそうと思ったが、始まってみたら予想に反してかなりよい。私は中央やや左寄りで後ろの段差の最前列にいたのだが、ZEPP TOKYOのようなゴツゴツした音ではなく、レンジは程良いという程度だがよくこなれた聴きやすい音質で、演奏のニュアンスもよく伝わってきた。もっとも、これは聴取位置によっても異なるかもしれない。
 ステージは左右いっぱいまで開いていて、かなり間口があるので、演出は腕の見せ所だろう。フロア横には左右2基ずつ大型ディスプレイがあるが、やや中途半端な大きさと位置からいって、ステージの補助にはあまりならないように思う。フロアは2段(たぶん)ぐらいの段差しかないが、後ろの段をあがったところでもステージは思ったより良く見えていた。二階席などはなさそうである。
   赤い照明に照らされた、グループ名の書かれた巨大な横断幕がステージを覆い隠したまま、両脇のモニターを使った「列車クラシックさん」のアレでオープニング、と、赤坂とは異なった構成を期待させる。横断幕の照明が消えると、背後にいたメンバーの影絵が映し出され、文字通りの開幕である。例によってまだツアー中ということで、ここからの展開はあまり明かせないのだが、次々とたたみかけるように、いつも以上のハイレベルな演奏が繰り広げられ、フロアはまさに興奮のるつぼである。
 驚かされたのは、いつもならそろそろMC、という曲数を超えても、一向にその気配がないのである。・・・と、ぱたりと途切れたところに、何と! School of Lock の校長と教頭が登場! これには大喜びである。メンバーとのゆるい掛け合いでは、おなじみハイセンス太郎ネタで笑わせてくれる。そして、二人からのリクエスト曲がなんと! いつも課長がセットリストに入れてほしがるけれども入れてもらえない、ベースがかっこいいあの曲! というわけで、ここからまた怒涛の展開へ。
 後半にはいつもの和やかな?MCタイムが入る。話題の中心は課長の炭水化物ダイエット。これもまた爆笑もので、ツイッターフォローしている人は「その後」の写真も目にしているであろう。課長、ただいじられているわけではなくて、他のメンバーは本気で心配してくれているのである。ぜひ堅い意志で、ダイエットの成功を祈りたい。
 さて、赤坂と同じように素晴らしい「bye-bye 999」で幕を閉じるかと思いきや、である。川谷曰く、赤坂でこの終わり方をしたら微妙な空気だったので、まだやります! もちろんそれだけでもフロアは大喜びなのだが、何とここでスペシャルゲスト、スガシカオ登場である! テレビではスガシカオの曲をゲスが一緒にやったので、今度はゲスの曲を一緒にやるということで、「パラレルスペック」共演である。例のアソコで川谷×スガのギター&ヴォーカルの掛け合い、こんなものが見られるとは、だれも予想していなかった。更にもう一曲追加して、2時間半のステージはついに幕を閉じた。
 メンバーのコンディションも会場の雰囲気もよく、ダブルサプライズが用意され、おそらくこれまでのどの単独ライブよりも豪華な夜だったのではないかと思う。もちろん、小さな会場でのライブでは、それにふさわしい工夫がされて、温かい親近感にあふれたものになる(ロッキンジャパンの長崎公演レポートと写真を見ればそれが伝わってくる)。ツアーを追っかけて、あちこちの公演を聴いてみたくなるほどだ。恐らくメンバーやスタッフで苦労してアイデアを出し工夫をしているのだろうが、そのことをとても楽しんでやっているのだろうな、と勝手に想像するのもまた楽しみであったりする。
 次の東京は2月の新木場STUDIO COAST2本。これも行ってみたいものであるが・・・。

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ゲスの極み乙女。 『ゲスな魅力?』ツアー 2014年11月29日(土) @赤坂BLITZ
 ツアー半ばの東京公演の一回目は赤坂BLITZ。高松公演を急性咽頭喉頭炎で延期していただけに、前日の金曜日、ミュージックステーションに元気な姿を見せた川谷にほっとさせられたファンが多かっただろう。この日のステージでも、声にはまったく問題がなかった。
 キャパ1200くらいの会場は、ステージとの距離感も客席の雰囲気も、聞く方にすればちょうど良いし、音も良いけれども、地方ならともかく東京近辺であれば大きめの会場はいくらでもあるだろうに、今の動員力でもったいないような気もしていた。しかし、ちょうど発売されたROCKIN'ON JAPANの長崎公演のレポートを読むと、ツアー中にいろいろな規模の会場で、いろいろな構成を試しているようだ。翌週には3000の豊洲PITが控えているので、見比べてみたい。
 ツアー中ということであまり詳しく感想を書くのははばかられるが、ROCKIN'ON JAPANが長崎公演の取材で載せている範囲で言うと、スタートは長崎と同じく「星降る夜に花束を」。攻撃的なリズムセクションに乗せる川谷の語り。ここからは一気に、多彩なレパートリーが繰り出される。当然、ニューアルバムの曲はほぼすべて演奏される(ruinsはなかったかな?)。MCもいつもの調子で、ミュージックステーションのKANA-BOONとの対面式配置についての話など、面白かった。
 ステージの楽しみとしては、いつもの餅ガール登場などに加えて、「列車クラシックさん」と「bye-bye 999」には、すばらしい演出に感動する。この二つの演出に関しては、赤坂BLITZは、まさにうってつけの形とサイズだったと思う。
 それにしても、である。聴くたびに密度が濃くなるというか、着実にグレードアップしていくバンドの勢い、まさにこれこそ「ゲスな魅力」である。そしてそれを支える四人の演奏力が、ゲスの「すごさ」である。ツアー中にもどんどん進化しているようで、後は課長の食生活だけが心配である。

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exPoP!!!!! volume77  2014年11月27日(木) @TSUTAYA O-nest
 jizueをなんとか生で聴きたい!とずっと思っていて、10/3の渋谷WWWが仕事で行けなくてくやしかったのだが、なんとCINRAとviBirthの企画による無料ライブに出ると言うではないか! 小さなO-nestでワカモノだらけだと居づらいかなあと思いつつも、ラインナップを見たらもう一つ気になっていたMoccobondも出るので、勇気を出して行ってみた。
 着いてみればやはり、関係者と思しき人を除けば、おっさんは他に見当たらない。それに関係者はおっさんでもおシャレなので、あか抜けない私などが余計目立つような気はするのだが、まあ最近悟ったのは、いまどきの若者はやさしいので、普通のおっさんがいても気づかないふりをしてくれるということ。自意識過剰になることはない。「おれはどれかのバンドの誰かのお父さんなのだよ」とでもいうような気の持ちようでいればよいのである。いまどきのバンドマンは、お父さんとはけっこう仲良しのようなのだ。ステージを温かい目で見守っていればよいのだ。そのうちに、みんなが自分の息子や娘みたいな気持になる・・・こともある。確かに。
 幕開けは阿佐ヶ谷ロマンティクス。6ピースだし、ボーカルの女性の声も低めなので、音に迫力がある。けれどもその割に、持ち味はシティポップ的なからっとしたメロディライン。MCの茫洋とした感じもユニークだった。
 次は、Moccobond。これは期待以上に面白かった。4ピースだけどvo&g, dr, kbdが女性で、b&voだけ男性という、旧tricotのような男女比。テクニックはみな上手いし(というか下手なバンドは本当に少ないけど)、曲作りもうまい外し方するなあというセンスが光る。キーボードが時折挟み込むいたずらっぽいエフェクトが効いていたり、ヴォーカルが男女いるので曲によって変化があったりと、楽しく飽きないバンドだった。早速、発売予定のミニアルバムをアマゾンで予約してしまったほどである。
 続いては、内村イタル & musasabiband。シンガーとバックバンドという形なのかと思ったが、そうでもなくて、5ピースのロックバンドの一体感で楽しめた。歌も確かにうまいし、ガットギターとセミアコとプレシジョンベースという、弦の組合せは、音の分解能がすごくよいなあと思った。キーボードはピアノとオルガンでバックを支えるさりげない感じ。
 にわかに混み始めたのが SHE'S の番。かっこいい系(と私は勝手に呼んでいる)のバンドで、詳しくないけどストレイテナーとか[Alexandros]とか、そういうバンドを思い出す感じ(なんて雑に言ったら怒られるかもしれないけど)。フロントがギターではなくてキーボードというのがお洒落っぽくて珍しいかも。彼らが始まるところで若い女子密度が高まり、終わったら・・・(時間遅いからその方がよいとも思うけど・・・)空いた。いやあここで出てっちゃうって・・・いくら無料でももったいないというもの。
 いよいよ、待ちかねたよjizue! もう、始まりから何曲かメドレーだったのかな、超絶テクと一体感とスピード感が異次元。4ピースのインストバンドで、何のMCを入れる必要もなくフロア一気に盛り上がりである。CDで聴いているうちは、むしろテクニカルなジャズ系のクールなバンドというイメージで、それでも十分気に入っていたのだけれど、生jizueは同じメンバーが同じテクニックで同じ曲をやっているのに、まるで違う生き物のような音楽だ。さっき異次元と言ったけれど、二次元が三次元になったくらいの驚きと喜びだ。どっかの誰かのお父さんのふりは終わった・・・えーと、真ん中くらいまでは出ました。一休止の後の"shiori"は、もう美しくて泣きました。すばらしい。結論、jizueは別格でした。
 もちろん、それぞれに個性のあるバンドで企画として楽しかったことは言うまでもないが、Moccobondとjizueだけでも、2ドリンクと交通費の元は取った気分で大満足! 終電が気になって物販素通りは辛かったが、この2バンドは必ず次の機会にじっくりと味わわせてもらう。

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ROCK IN OPPOSITION JAPAN 2014 day1  2014年11月15日(土) @TSUTAYA O-EAST
 凄い企画を、よく実現していただいたと、まずは関係者の方々に敬意と感謝を表したい。1978年に第一回を刻む伝説のRIO、私が当時持っていた印象は、やはり政治的な「反対派ロック」の集会だが、実際には商業ベースに乗りにくい良質な音楽家たちの集う場であったという側面が強いようだ。2007年、フランスでゆかりの音楽家たちや共感する者たちによって復活、そしてついにその日本版が実現したというわけだ。
 メインアクトは5バンドずつ二日間。私が参戦した初日はTHE ALTAUD BEATS, る・しろう, RICHARD PINHAS, 高円寺百景, PICCHIO DAL POZZOである。残念ながら見送った二日目がARANIS, HAPPY FAMILY, SOLA, MATS/MORGAN BAND, PRESENTである。転換時のサブステージが一日目BOEVES, 二日目ジンタらムータ、鬼怒無月である。とんでもないラインナップである。
 私としては、まずどうしてもピッキオ・ダル・ポッツォは見たかった。70年代にリアルタイムで聴いたアルバムの中で、結局彼らのファーストアルバムにはもっとも衝撃を受けたし、散発的とはいえ近来もアルバムやDVDが健在ぶりを示していて、これを目の前で体験したいという思いは強かった。あとはエルドンが好きだったのでリシャール・ピナス、チェンバー系ではプレザンなどよりはむしろアラニスを聞いてみたかった。他のバンドももちろんすごいのだが、案外、単独来日もあるのと、実のところエトロンフーやストーミーシックスはともかく、ヘンリーカウやユニヴェルゼロやマグマには当時あまり思い入れがなかったということもあるのだ。
 さあ、いよいよ当日。開場間もなく座席を確認。パイプ椅子が並べられている。私の体型ではちょっと窮屈かなあと思いつつ、7時間の長丁場にやや不安になる。近くの同年輩と思われる二人の会話が聞こえてくるのだが、「きっとパイプ椅子だと思って、ハンズでクッション買ってきましたよ」「用意がいいですねえ。私も腰がちょっと心配で」「ぎっくり腰やりましたよねえ」・・・。うーん音楽フェスの会場で最初に耳にする会話がこれだ!というところに、70年代少数派リアルタイマーたちの祭典らしさがある。
 実際、客席が埋まってくると、年齢層の高さは明らかである。後ろの方は空席も目立つ。興行的にはなかなかたいへんなのだろうとは想像が付く。一日、14000円という料金は、いわゆる「フェス」としても高い方だ。サブステージがあるとはいえ、基本的にはワンステージを開始の15時から22時まで聴き通す(しかも直前に知った「再入場不可」という衝撃・・・途中息抜きに逃げるわけにいかない)というのは、それなりの思い入れがないと、チケットを買う気にはならないだろう。私も二日間参加するには経済的にも体力的にも余裕がなく、顔ぶれ全体としては二日目もかなり魅力的だが、何と言ってもピッキオはどうしても聴きたかったから、一日目のみの参戦となった。
 まずはまさにレジェンド、THE ALTAUD BEATSからである。ジェフ・リー、クリス・カトラー、ジョン・グリーヴスという、ヘンリー・カウ勢に、ユミ・ハラを加えての4人組。難解で精緻な、変拍子や無拍子のめまぐるしさ、境界の見えないアドリブとアレンジのめくるめく展開を目の当たりにすれば、気分はすっかり70年代である。年寄りには一番眠くなる時間帯で、ビートが失せるたびに何度か落ちたことは告白せざるを得ないが。
 転換時はサブステージで、フランスのRIOの首謀者のあいさつ。
 続いて、る*しろうである。金澤美也子さんがとにかく若いっ! もちろんおっさんたちもすごいパワーなんだけど。20年間の活動が生み出す有機的な一体感が、びしびしと叩き出す音の躍動感は驚異的。これですっかり目が覚めた。
 次の転換時から、BOEVESの登場。KIKION, ZABADAK, SOLAの女性たち+男性一人のアコーディオンカルテットで、ラーシュ・ホルメルの曲名から取られたバンド名。実は、このサブステージの演奏が、とてもよかったのである。る*しろうの後にアコーディオン。リシャール・ピナスの後にアコーディオン。・・・正直、これで生き返る。
 さて、ピッキオの次に期待していたのがリシャール・ピナス。エレクトロニクス系もまたあまり興味がなかったというか、こういうのは聴いているよりも自分でアナログシンセをいじっている方がずっと楽しかったので、人がやっているのを聞いてもそんなに面白いと思うことがなかったのだが、ギターリフとドラムスがそれなりの存在感を持つエルドンは案外よくて、リアルタイムでは4枚目ぐらいから聴いていた。しかし、最近のアルバムは聴いていない。この日のパフォーマンス、いつの間にか始まって、途中いったんいなくなって、あれこれで終わり?と思ったらまた出てきて、同じようなパフォーマンスで終わった。ループエコーの音がすぐに塊になってしまうので、ちょっと物足りなかったというのが率直な感想である。このフェスの後、吉田達也とのツアーがあるので、そっちは面白そうだなと思った。
 BOEVESの二回目が入ってほっとしたところで、高円寺百景である。もうこれは、椅子に座って聴く音楽じゃないと思うので、スタンディングゾーンで楽しむ。キーボードやギターのメンバーは(たぶん)若いし、吉田達也のドラムスはパワフルだし、サックスやヴォイスもめまぐるしく、この迫力はすばらしい。私としては歌のイメージがときおり、大好きなCOSを思わせるので、親しみと懐かしさすら感じる。
 さて、いよいよピッキオ・ダル・ポッツォである。この転換時はサブステージがないので、席に戻って間近にセッティングを見ていた。おーピッキオのおじさんたちではないの! というところである。最近出たDVDで予習していた通り、ビデオとのコラボレーションで、回転寿司とチェルノブイリという展開は象徴的。演奏の完成度が高く、不思議なくらい40年たっても変わらない音なのに、それが素晴らしいのだ。やはりこのバンドは、私にとって特別なのだ。終演後、ステージに近かった私たちは一緒に写真を撮ったり、嬉しいことにアルドと握手までできた。
 終わってみれば大満足だし、二日目もいきたかったというのが本音だが、後はこれがどのように若い世代につながっていくかということが、よけいな心配かもしれないが気になるところ。

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BAHAMAS FEST 2014年11月2日(日) @新宿MARZ
 マスロックとは何ぞや、ということは、ネット上でもはっきりとした定義が見つからず、私には未だにもやもやしたままである。大好きなATLANTIS AIRPORTが出るのでこのフェスを知ったわけだが、たまたまその日は新宿某所で出張仕事。AAの出番には間に合いそうなので、行ってみることにした。マスロックについて何か分かるだろうし、それによってもし好きなジャンルと思えれば趣味も広がるだろう。
 仕事が思ったより早く引けたので、新宿MARZに着いた時は、まだ半分のバンドが聴けそうだった。
 まずは、LOOP POOLである。ガットギター、サイレントベース、ドラムスの3人組で、6/8拍子のミニマルっぽい展開で、たいへん気持ちよく乗れる。楽器はアコースチックだが、ループエコーが効果的で、ライブ向けの陶酔感も加わる。後で物販でCD買ったほどたいへん気に行って、しょっぱながこのバンドだったというのはラッキーだったかもしれない。で、もしかするとマスロックというのは、インストで、アコースチックで、ミニマルなやつを言うのか?と、その時は思った(結果、ちょっと違ったけど)。
 次はchikyunokiki。札幌のバンドとのこと。構成は一転してエレクトリックで、ギター二本にベースとドラムス。ギターの一人はときどき歌を歌い、ほかシンセサイザーなどを時々使う。ギターのコードリフをガシガシぶつけてくるような曲が多かったが、後からOTOTOYで確認するとレパートリーの幅はいろいろあるようだ。LOOP POOLとは全く違った印象で、マスロックはヴォーカルが入ることもあって、エレクトリックなコードリフが多用される、という定義にちょい修正。chikyunokikiの個性とはずれるが、以後わりとこの定義は落ち着きを見せる感じの展開となったかも。
 次はMarmalade Bucher。このバンドも4ピースでインスト。マスロックでは有名どころで、RO69JACK 13/14にも入賞している。キャッチフレーズが「モテるインスト」ということだが、MCやサイトの印象にはユーモアがあって和むけれども、演奏は高速で音圧高め。マスロックのテクニカルな側面を代表しているのかもしれない。略称が「マ肉」というのは面白い。
 続いてLOW-PASS。京都の3ピースでインスト。ここまで来るとマスロックのイメージがなんとなく像を結んできた感じだ。自分も落ち着いてきて前の方に出て見ていたのだが、速いからギターはよくタッピングを使う。ベースも同じなので、激しい女性ドラムにフロント二人が両方ともタッピングしている画はなかなかの見ものだ。
 さていよいよAtlantis Airportである。念入りな音合わせの後いったん引っ込んで、再登場。前回がナリフェスの野外ステージだったので、ようやくライブハウスという環境でガチで楽しめるわけである。メンバー3人にサポートの5人編成だが、テクニカルで隙のない演奏がすばらしい。音的にはこれまでのバンドとはうってかわってy0denのピアノがリードしsoneのボーカルが飛び交うのだが、BONOのベースもよく暴れていて、マスフェスの中にちゃんとはまっている印象。どの曲も素晴らしいし、ここまでのフェスの流れで正直なところちょっとメロディと声に飢えてきているので、じつに快く潤う音楽だなあと思う。soneのステージドリンクはコーラだが、噴出状態になってあわてるというハプニングも楽しい。y0denの紹介でマスロックのパイオニアらしいキンセラ兄弟の曲(曲名分からず)というのをやったが、これも変化に富んだよい曲だった。あっという間のステージで、聞くたびに好きになるバンド。物販のマスコットにうなりくんが置いてあったのには和んだ。
 最後のmothercoatにも興味はあったのだが、さすがに昼間からの仕事の疲れが出て、帰ることにした。というわけで、わずか5バンドではあったが、楽しく充実した夜になった。マスロックとは何かがつかめたとは思えないが、興味をひかれた事は確か。時間があれば12バンド聴けて2500円という、超お得な企画である。次の機会もあれば挑戦してみたい。

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ピロカルピン/秀吉 ワンダーワールド ピロカルピン10周年×下北沢GARAGE20周年 2014年10月22日(水) @下北沢GARAGE
 下北沢ガレージは雨天にもかかわらずほぼ満員の入り。ピロカルピンのコアなファンが多いと思われる(概して静かな感じの人が多いような・・・)。下北沢はもう何年ぶりというレベルで、じつに懐かしい感じ。ドリンクは例によって水をもらって、フロアの隅での物販でTシャツ買って、年寄りにはうれしいベンチに座って、開演を待つ。
 まずは秀吉から。群馬で活動しているスリーピースのバンドで、息の合ったタイトなビートで聞き心地がよい。歌詞やMCには、ポジティブな世界観とそれを伝えるメッセージがあって、ピロカルピンと通じ合うものがあるように思った。
 ピロカルピンは、10周年記念ライブの第三弾となる。ガレージは結成当時の拠点だという。まずは、再現ライブ人気投票で次点となった『落雷』全曲演奏。ライブには欠かせない「京都」はじめ、聞きなじんできた曲も多い。この日は特に区切ることなく後半に流れていく。「箱庭の世界」、「ワンダーワールド」、「南十字星」などの新曲が並ぶ。「ワンダーワールド」はこの日の企画タイトルでもあり、ピロカルピンらしい爽快かつ温かみのある曲だった。何れの曲も、まだライブで聞くしかないので、耳になじむまではいかない。次のCDリリースが早く実現するよう、期待して待ちたい。
 サポートベーシストの「むかいさん」、長い付き合いとのことで、すっかりバンドになじんでいる。秀吉もそうだけどベーシストってがっちり大柄でヒゲの人が多い?一見、怖そうだけど、しゃべるとそうでもなかったり声ちっちゃかったりする。スズキヒサシもがっちり大柄だったな(ゲスの課長はヒゲだがぽっちゃりでタイプ違うか)。
 ところでこの日のもう一つのヒーローは、岡田がこの日に倒してネックを折ってしまった愛用のギターで、ステージ後もフロアで記念写真用に置いてくれた。岡田はネックを折ったのは3度目であること、しかもその最初が10年前だったことを明かし、その偶然が新しく生まれ変わることを意味していると語ったが、松木も再現ライブによって過去との一区切りを宣言、恐らくこれから新曲もさらに増えて、グレードアップしたライブステージが繰り広げられるのだろう。とても楽しみである。
 居心地の良いガレージで、ステージとの距離も近く、外は雨だったせいもあってぬくもりが伝わったツーマンだった。ところで写真のTシャツは、行けなかった「夏の大三革命」のもの。今回の新作もあったんだけど順番にそろえようと思ったのだが、品切れが近いとか。そっちを買っとけばよかったかな・・・。

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ATLANTIS AIRPORT in ナリフェス2014 2014年10月18日(土) @イオンモール成田
 アトランティスエアポートが、イオンモール成田で行われるナリフェス(成田市民祭り的なもの)に出演するとツイートで知って、ちょっと眩暈がしました。タイムテーブルを見ただけで、アウェイ感が半端じゃない・・・。場所柄を考えても、そうそうファンが集まるとは考えにくいと思い込んで、これはおっさん一人でも枯れ木も山の賑わい的に、ファン魂を発揮しなくては!という余計なお世話感あふれる気持ちで、休日の成田に向かいました。
 イオンモール成田は、中国からの観光客が目立って独特の雰囲気。会場はその第三駐車場という屋外のスペースで、すぐ脇を京成とJRの線路がかすめていて、特に地上の成田エクスプレスが通過するときはけっこうな騒音です。テントの野外ステージは、音響はそれなりにされているけれど照明がないので、客席の方が明るいだけでなく、そろそろ逆光で見づらい・・・。両側に屋台が並び、会場の半分はフリーマーケット。市民祭りとしてはなかなか規模も大きい方で、二日間の野外ステージの出演者も、プロも含め国際色を出しているようにも思いますが、基本的には地元の人たちです(他に知っていたのはジバニャンだけ)。ここに、あのアトランティスエアポートが・・・ていうかそもそもどうしてブッキングされたのだろう?空港つながり?
 出演時間まで間があったので、モールでコーヒー飲んだり楽器屋を冷やかしたり。休日のモールの楽器屋にしてはお客さんも少なめで、シンセいじっていたら素敵な女性の店員さんがつなぎかえとかしてくれて、音出して遊べるようにしてくれてラッキー。んーMOXFとかいいなあ欲しいなあ・・・というところで、そろそろ時間です。
 ライブハウスなら早めに入って場所取りするところ、前の出演は地元のフラダンス教室らしく、ステージ前に並べられたパイプ椅子席には、その家族が出入りしながら写真やビデオを撮っている、発表会状態。小さな子どもたちのフラダンスは超カワイイ! けどおばさまたちになると・・・目を泳がせておくしかない・・・次から次へとチームが出てきて、時間は押しています。ようやく終わったところで、出演者の家族もあらかた引けてしまい、かなりさっぱりとした客席になりました。私は難なく最前列のパイプ椅子に腰かけます。この状況では、スタンディングで手を振り上げるわけにもいくまい・・・。
 セッティング中は、進行役のお笑い芸人さんのコンビと、バルーンアーティストの人が出てきて、余興が始まります。バルーンアーティストとしては世界コンテストで3位とかいう触れ込みなんだけど、さっきのフラダンスと同じで、やっていることがどういうレベルなのか全く見当がつかない。フラダンスに出ていた小さな女の子のリクエストでクマを作り、あらかじめ作ってきていた作品を子どもたちに配って終了。うーん頭の切り替えが追いつかない・・・
 セッティング終了して、いよいよスタート! 最前列の正面に、地元の関係者らしくずっといる二人のおっさんと、もう一人のなぜかキュウソT着た太ったおっさん(ワタシ)が陣取っているという、実に不思議なオーディエンスを前に、すばらしいパフォーマンスをしてくれました! サポートメンバーも含め演奏はタイトでパワフル、soneさんも思いっきり歌ってくれました。このところヘビロテの『映画の中の出来事』はだいぶ歌詞も覚えてきたので口をついて出てきました。新曲の『光と影の間』、これ、私にとってはプログレとSFと女性ボーカルという、大好きな要素が三拍子そろったハマリ曲で、最高です。
 ツイート見てても感じていたのですが、soneさんはイオンモール成田はほぼ成田空港だと思っていたのではないかと・・・。ここから空港は近いんですか?なんて聞いていたし。というわけで、ほぼ30分、気分はsoneさん一人占めでした(バカ>自分)。
 終演後、次の出し物の前の成田市長さんの挨拶・・・は抜け出して、物販に向かいます。生でsoneさんに会うと、緊張してうまくしゃべれません。「CDは・・・もうお持ちですよね、歌っていらっしゃいましたから」なんて言われちゃったら、もう舞い上がりまくりです。もう一枚買うんでサインしてもらえますか、と頼んだら、他のメンバーもわざわざ呼びに行ってくれて、3人のサインをいただいてしまいました。12月のライブ行きます!と伝えて、うーんこのおっさんは結局どういう人?と(たぶん)思われつつ会場を後にしました。
 アトランティスエアポートの感想以外の部分が長くなってしまった・・・。12月のライブでしっかり感想書きます。もしかするとマスロックのフェスもちょっと覗けるかもしれないし。まだまだ奥が深くて、いろいろなものがあふれ出てきそうなこのバンド、なるべく追っかけてみたいと思います。

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ロックンロール三国志?っと!? 黄巾ゾックゾクの乱 N'夙川BOYS, キュウソネコカミ, The Mirraz 2014年9月23日(火) @新木場 STUDIO COAST
 RIJFで見たかったのに見逃した夙川と、ワンマンではちょっと行く勇気がもてないキュウソ、さらに初物だが曲タイトルが好き(笑)なミイラズ。夙川の企画で、「ロックンロール三国志?っと! ? −黄巾ゾックゾクの乱」のスリーマンが、ワタシにとっては交通至便な新木場STUDIO COASTで開催というので、出かけてみました。これまたRIJFで買い逃したキュウソのBBT Tシャツも欲しかったし。この企画のいきさつは夙川のサイトの動画でわかる。
 早めの物販で無事Tシャツを手に入れて、駅に戻りSUBWAYのサンドイッチ買って、夢の島公園でマッタリと時間つぶし。天気は良かったが夕方の時間つぶしは季節的にもうそろそろおわりだなーと、去りゆく夏を惜しみつつ(ウソ、暑いのは苦手)、しかしながら蚊に刺されてデング熱はこっちには来てないよなとちょい弱気になったりしながら、頃合いを見て会場に戻ります。事前にちょこっとツイッターに流れてはいたけれど、ステージの構成が尋常ではない。正面ステージの下手のフロアに、直角に置かれた第二ステージ、そして上手後方の上段、こちらも普段は客が入るところに、かなり無理無理に置かれた第三ステージがあります。ライブ観戦歴のごく浅いワタシが言っても説得力はまるでありませんが、こんなの見た事ない!
 セッティングから何となく見当をつけたファンが、ひいきのバンドが見やすい位置に陣取ります。ワタシはそれよりも長時間楽にいられることが最優先ですから、下手の二段目の最前列端っこに立ち位置を確保。第二ステージから見ると右斜め後方(ただし非常に近い)、正面ステージは第二ステージのスピーカーに部分的にさえぎられるがまあ良く見えるが、第三ステージは真反対なのでほぼ見えない、というポジション。って文章で書いてもさっぱりわからないかも。
 ライブのタイトルから見当は付くが、旗と衣裳でまあ一応なんか三国志っぽくしました的3バンドがメインステージに現れ、それぞれのステージに散る。メインステージは夙川、目の前の第二ステージにはミイラズ、ほとんど見えない第三ステージがキュウソ。かわるがわる一曲ずつ演奏して行く。もちろん、それぞれの曲も演奏も申し分なし。ミイラズはスピーカーの指向性で歌が小さいのは仕方ないが、「斜め後ろのちょっと高いところから間近に見る」というのはなかなか面白い。ベースの人、かっこいいとか、ドラムのスティックさばきもよく見える。キュウソは遠いんだけど、セイヤは早々にフロアに飛び込んでいた。でもトレードマークともいえる赤いスニーカーは目印になる!どんなに遠くからでもパフォーマンスが楽しめるようにというファンサービス精神だったのかな?そうだとしたらますます好きになってしまうな。
 二曲ずつ演奏したところで、セイヤがマーヤに絡む。正直なところ、西宮の言葉で盛り上がってしまうと、もうワタシにはほとんど聞き取れないです。そこからはメインステージを巡る戦いが始まるわけで、これがなんとも、子供向けのトラック型の大きなビニールボートに馬の首の被り物をガムテープでくっつけた「騎馬」(変換して気が付いたけど木場にかけている・・・わけではないか)にメンバーが一人ずつ乗って、フロアの観客の上で騎馬戦をするというもの。同じものがそろわなかったのか一つはさらに小さなゴムボートだったり。案の定、観客に支えられるボートは不安定で、グダグダな展開ののち、キュウソがメインステージ獲得、夙川が第二、ミイラズが第三へ移動することに。
 当然、セット替えに時間がかかるのだが、その間、メインステージの下手で夙川がミニアンプを鳴らしての演奏、弾き語りを披露、飽きさせない仕組みになっている。キュウソがメインステージで盛り上がり、良く見えてうれしい。今度は私の目の前はN'夙川BOYS!本当に楽しいバンドだ!しかも間近に見るリンダがすごくカワイイ!横から見ているのでシンノスケの右ひざのサポーターが気になったりする。
 で、予想通り2曲ずつ終わったところでミイラズがメインステージを狙う。またあのボートが担ぎ出されるが、今度はできるだけ遠ざけてゴムパッチンをやるという無謀さ、、、さっきの騎馬戦以上にグダる展開に、もう可笑しくて仕方ない。それにしてもリンダは身軽、あのボートの上で何回も立ちあがる。結局、順にステージが入れ替わることになり、この間、セイヤが何と人生初の弾き語り! 緊張して裏でギターコードブック見ていたなんてからかわれながらも、披露した「何も無い休日」は素晴らしかった! ぜひライブの定番にしてほしいくらい。
 ついに第二ステージにキュウソ、目の前で見られるというラッキーさ。もうこの歳この体力では、正面最前列などというのは命がけになっちゃうので無理だが、あまりにも隅っこ過ぎて若い人はほとんどやってこない(おっさんはまわりに3人ほど、というのは一般席ではかなり高いおっさん密度ではないか?)「右斜め後ろやや上方最前列」は楽チンなのだ! しかもオカザワさんが結構われわれのいるあたりを向いてくれて、ああやっぱりキュウソ、気遣いのバンドなんだなあと更に感心してしまった。特にタイプの女の子でもいたのかもしれないが・・・いや、そんな事はないだろう!
 最後は「争う三国の隙をついて、城は黄巾族に占領されてしまった!」という、どうでもよいと言えばどうでもよい設定で、黄色いTシャツに着替えたメンバーが集合、豪快な演奏を聴かせる。トリプルリードギターの音圧はすごい。最後はメンバー12人が横一列に並んで礼という、これ何のコンサート的な終演でした。
 演奏されたコラボ曲「超めんどくせえ!」のCD500円なりを買って、ストレスぶっ飛んだ感じで帰路に就いた次第。

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ゲスの極み乙女。『ゲスなパーティ 〜東京編〜』 2014年9月17日(水) @Zepp Tokyo
 素晴らしかった。
 会場が大きい、というスケール感も、2時間半という、贅沢な(それでも、終わった時にはまだもっと続いてほしい、と感じるものだけれど)時間も影響したかもしれないけれど、CDでは聞けないイントロやつなぎのアレンジ、これまで経験したことのない「だけど僕は」〜「市民野郎」で幕を開けるセットリスト、前半の歌い方や演奏の力の入り具合と、バンドとステージが明らかに次の段階に進んだ、という興奮を、これまで繰り返し彼らのライブに足を運んだファンは共有したのではないでしょうか。
 前半の飛ばし方はすごかった。川谷の歌い方もパワフルで、「ドレスを脱げ」や「ホワイトワルツ」もこの段階でやりきってしまう。そして「猟奇的なキスを私にして」「アソビ」と旬なナンバーをたたみかける。「スレッドダンス」を川谷がいつになくワイルドに歌い終えたところで退場、ちゃんMARIもキーボードソロを終えて退場、課長のベースといこかのドラムスのリズム隊が、体育会系ともいうべきアツアツのリズムセッションを繰り広げ、課長も退場した後にいこか様がなんと物販紹介!という傑作な展開(新しいタオルはワタシも買ったよ!Tシャツとトートもだけど)。
 「いこかなでしこ」でちゃんMARIと課長が戻ると、なんとえのぴょんがフロアに登場! 続けて「jajaumasan」を歌い終えるまでにステージに戻るはずがもみくちゃで戻りきれず(名古屋ではどうにか間に合ったとMCで言っていました)。
 いこか様は母親や妹が来ていることを、前置きは相変わらずディスりながらも喜びと感動を込めて語って(それでも父親からは「課長はいかん」というアドバイスを受けたというオチで笑わせたけれど)、ポニーテールがかわいいちゃんMARIは不思議天然、いつも濃い目の課長はあいかわらずボケて、この二人がもしかすると感傷に流れそうな、今の段階の大団円を、ゲスらしくはぐらかして、この四人でなければ成り立たない絶妙な役割分担に、結局は感動してしまいます。
 新曲も二曲。SLSだったかでサウンドチェックに演奏していたのを聴いたという同行者から、「走り出したら〜止まらない〜っとかっていう歌詞の曲は何?」と聞かれていて分からずに、もしかすると新曲では?と言っていたらやはりそう、「crying march」でした。「デジタルモグラ」も、曲名同様、面白い曲。「キラーボール」「song3」「餅ガール」と、おなじみの盛り上げキラーチューン(3人の餅ガールはちゃんMARIの友達で、うち一人が例のトートバッグの作者であることが後で明らかに。メンバーも気づかないうちに、振付が完成していたとか)でいったん幕を閉じ、アンコールでは「パラレルスペック」「ノーマルアタマ」で決め打ち。締めて20曲、ありきたりだけれど、バンドのパワーはまさに怒涛の如しでした。
 あふれる才能は否定しようのない川谷が、ゲスの活動の中で一時は音楽を辞めようかとまで思いつめた、というMCでの告白は、驚きをもって受け止められたのではないでしょうか。しかし「だけど僕は」を作って吹っ切れて、このエピソードを語った後の挨拶や取材で見せていた笑顔が、やはり「次の段階」の証左であるように感じました。10月に初のフルアルバムを出した後のツアーには、まさに走り出して止まらない、予測をいつも上回って変わり続けるバンドへの期待が詰まっています。つまり、ものすごく楽しみだ、ということ!

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J-WAVE LIVE 813  2014年8月13日(水) @Zepp DiverCity Tokyo

 ロックインジャパンフェスの興奮も冷めやらぬ中、J-WAVEの日813の記念ライブに行ってきた。KEYTALK、赤い公園、ゲスの極み乙女。の豪華3バンドの競演であるが、当日券も出ていたのはちょっと意外。私の整理券番号はAの1500の後のBの20番台なので期待していなかったが、入ってみたら一階の2段目が余裕であいていて、バーには寄りかかれずデブ中年には足はしびれるけど、センター寄りの、ステージがよく見えてなかなかのポジションを確保。
 FMのパーソナリティの人のすべりがちな司会で幕を開けたライブ、一発目はKEYTALK。剛毅なタテノリお祭りギターロックは、イベント始まりには最高。小野武正が走り回りあおりまくりふざけまわって楽しいのなんの、そのサービス精神はすばらしい。
 2本目は赤い公園。「塊」や「絶対的な関係」といった、歌詞とメロディを覆う茫漠とした不安が私にとってはこのバンドの魅力なのだが、新曲の「サイダー」などこれからのバンドの方向性にも期待十分。佐藤千明の自虐的なMC(反抗期の弟の自転車のキーホルダーがゲスだった件とか)は大ウケ。やっぱり「ふやける」の轟音でシメというのはお約束の楽しみ。しばらく耳と目がバカになるけど。
 トリはいよいよゲスの極み乙女。。私が立っていた周りはやはりゲスファンが多く、前に立っていた一人で来たと思しき青年はシャツを脱ぐと下はゲスT、後ろの若い女性たちは、休み時間になるとゲスの曲を歌い始める。もう、絶好調の盛り上がりである。30分もののセットリストはめざましライブとロッキンとかなり共通していたし、今回も「パラレルスペック」から始まったから、同じセットリストだろうかと思ったら、2曲目は「ホワイトワルツ」。これは飛ばし方が違うな、と思ううちにあれよあれよのスピード感ある展開。しかしMCがはいるとグダグダになるのはいつも通りなのはほっとする。「キラーボール」からアンコールは「餅ガール」であっというまの8曲はやっぱり楽しかった。
 Zepp DiverCityは2度目だが、今回感じたのは、聴いていたポジションもあるのかもしれないが、どうも音の分解能というか粒だちが今一つなこと。硬質で攻撃的な音なのは良いとしても、ギターやピアノの早いパッセージがダンゴになってしまう。ゲスのようにテクニカルに聞かせる部分になるとちょっと惜しい気がする。
 ところで、このライブはスポンサーのコニカミノルタからうれしいお土産があって、プラネタリウムの割引券と、立体コピーで撮った今日のミュージシャンの誰かの手形がもれなくもらえる。このコピー見ただけではわからないが、触ると立体的になっていて不思議。視覚障害の支援などにも使われる。私がもらった袋に入っていたのは、赤い公園のドラマー歌川菜穂さんのもの。重ねると同じくらいの大きさだった。立体的で触感があるので、なんか照れる<バカ。

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ROCK IN JAPAN FES 2014 第3日 2014年8月9日(土) @国営ひたち海浜公園
<前日まで>
 行ってきましたロッキンジャパン第3日! アラ還の私、去年から屋内や、小規模な野外フェスには参戦してだいぶ慣れてきたとはいうものの、この手の本格的なヤツは気が引けていた。しかし妻がライブ好きの友達に誘われてすっかりその気になってしまい、ゲスの極み乙女。の出演日にどうしても行くというので、チケットを購入、もう後には引けぬと覚悟を固める。さらに、一人だったら普通列車で行くところ、特急の指定券を買ったり、台風の影響で雨模様との予報が入って、前日にあわててワンタッチのテントを買ったりと、準備万端。つまりチケット代(一日券は一人1万2千円也・・・)以外にもそこそこ元手がかかっているので、これはもうガッツリと楽しまなければ、と意気込みも高まるわけである。
<出発から到着まで>
 曇りのち雨の予報が不安をあおる中、家を出て、柏から特急に乗り換え、指定席に座って約1時間、勝田に10時ごろ到着。開場間もなくを狙う熱心なファンがやってくるピーク時を過ぎたためか、広い駅前の通りにシャトルバスは列をなして停まっているし、並んでいる若者たちもいたって行儀がよい。案内もわかりやすく、地元のシルバー世代から若者まで総出のスタッフもしっかりしている。あまり詰め込まずにバスを出してくれるので、われわれはすわれたし、立っている人もわずかである。道も案外空いていて、たぶん普段とあまり変わらないと思われる20分程度で到着。順調な滑り出しである。
 チケットを渡してかわいいピンクのリストバンドをつけて、いよいよ入場。次の関門はテントの設置である。グラスステージのテントエリアはもはや見切りをつけていて、レイクステージ寄りのテントの森に向かう。この時間ではここもほとんど先客で埋まっていたが、トイレ脇の斜面に見つけたスペースに、選り好みせずにさっさとベースキャンプを設置。幼少時ガールスカウトでさんざん悪条件のキャンプをこなしてきたという妻には文句もなく、松林の中で落ち着くのと、トイレや森のキッチンが近いのと、レイクステージとサウンドオブフォレストの音がよく聞こえたのとで、結果的にはいろいろとよかった。
<まずはキュウソ!>
 荷物を置いたところで、さっそくパークステージへ。今日はゲスの極み乙女。とキュウソネコカミの二つだけは、絶対に外せないのである。さて久しぶりの生キュウソ、年寄としてはなかなかライブハウスのワンマンに行くのは勇気がいるバンドなので、非常に楽しみにしていた。「ネコ踊る」などサービス満点の全力リハの頃には会場もいっぱいになって、「良いDJ」でスタートした時点から絶好調。ヤンキーこわーいのコールアンドレスポンスや、ウォールオブデスができないので両手を合わせたら上にあげてクネクネするという、インド風?ハンドオブデス(笑)パフォーマンスでも盛り上げる。メジャーデビューであの「ウィアーインディーズバンド」はどうなるのかと思ったら、ウィワーインディーズバンドと歌って、「ビビった」につなぐ巧妙なストーリーになっていて笑った。終演後もウェーブで観客を見送ってくれるという、ライブハウスとはまた一味違ったファンサービスに徹する彼らには頭が下がる。
<プリシラ・アーンでなごむ>
 さて、とにかくこれで勢いに乗ったぞ!という私であったが、周りの盛り上がりに加えて隣に立っていた若い女子二人組が超踊りまくりだし、バンドのノリもあってすっかりあてられてしまった妻にはすでに疲労が・・・というところで、映画『思い出のマーニー』を観て以来、すっかり虜になったらしい次男がお勧めのプリシラ・アーンを聴きに、隣のサウンドオブフォレストへ向かう。キュウソとはうってかわってというか、真逆ののどかな雰囲気で、妻は木陰で涼みながらほっと一息。私は前の方で目の保養も。それにしてもこのステージにこれほどマッチする出演者もいないと思った。さわやかだなあ。
<昼休み的なあれこれ>
 気分的にリフレッシュが済んだところで、隣接する森のキッチンで釜揚げシラス丼やら焼きそばやらを買い込んで、テントにもどって腹ごしらえ。私としてはグラスステージ方面に向かって、宇宙まおからくるりの流れを考えていたのだが、先も長いことだし、私自身もちょっと休んでおくことにした。そのかわりに近場ででんぱ組inc.、赤色のグリッター、POLISICSなどを少しずつ聞いて、その後でちょっと狙っていた森は生きているをじっくりと聴きにウイングテントへ。30分一曲という思い切った構成で、クラリネットやビブラフォンの入った魅力あるインスト主体の組曲が新鮮。歌はちょっと物足りないので、オールインストで編曲したらどうだろうかと思ったが、それだけユニークで可能性の広がるバンドだと思った。
 われわれのテントからは、レイクステージとサウンドオブフォレストの音はかなりよく聞こえるので、寝ころびながらグッドモーニングアメリカZAZEN BOYSが聴けてしまうのはお得だったかも。このタイミングでグラスステージ側にグッズを見に行ったが、キュウソはバスタオル、ゲスは旧タイプのトートバッグしか残っていないし、次男に頼まれていたマーニーのコラボTシャツも全サイズ売り切れ。やはりグッズは朝のうち・・・
<ソウル・フラワー・ユニオンが凄い!>
 その後、チームしゃちほこ、一曲目に私の好きな「いいくらし」をやってくれたので、しっかり楽しんだ後、気合を入れなおした妻とともにパークステージへ。ぱくぱくパークでソーセージと生搾りシークワーサーソーダ(どちらも当たり!)でおやつを済ませて、妻の友達とその娘さんたち(家族でフェス好き!なファミリーで、ロッキンも4日間参戦だそうだ)と待ち合わせ。もちろん、このために来たゲスの極み乙女。の入場規制対策で、ひとつ前のバンドから入っておかねば、ということなのであるが、そのソウル・フラワー・ユニオン、これがまあ、何ともカッコよかった! ニューエストモデルとメスカリンドライブが合体してできた社会派バンド、というくらいで、予備知識なしに行ったら、強靭で骨太のロックとエスニックの融合が独特の魅力。正直、ゲス待ちの人数が多くて彼ら目当てのファンはそれほどではなかったと思うが、このバンド聴いてお地蔵さんでいられるというのは気がしれない。あ、沖縄の人だ!と明らかにわかる手の動きのおじさんもいた。長崎原爆の日に、原発の多い茨城県で、こんな平和な楽しみができていることのありがたさを思うと、彼らのアベはやめろ!コールが胸に響かないわけがない。政治的主張を最後におっぱいコールに昇華してしまうしたたかさもすばらしい。
<いよいよ本命、ゲスの極み乙女。!>
 さていよいよのゲスの極み乙女。である! ときどき小雨が降る中、リハで「ぶらっくぱれーど」と未発表曲を聞かせるあたりでもう会場は盛り上がり、グラスステージで矢沢永吉が大観衆を集めているにもかかわらず、やはり入場規制がかかってすし詰め状態。私の背丈ではほとんどステージが見えないので、せめて課長だけはちらちら見えるように下手やや前方にいたのだが、「パラレルスペック」で幕を開けると横から後ろからさらに観客が押し寄せ、サビになると大合唱状態で、いやありがたいことです。全くナンセンスな歌詞でのりやすい「餅ガール」に続いて、はや「ドレスを脱げ」の課長のコール。シニカルな歌詞がゲスらしく、シンプルな分音選びに相当こだわったのではないかと想像するキーボードソロが印象的な「市民野郎」は私と妻のお気に入り。新曲2曲はポップで歌詞もわかりやすい「猟奇的なキスを私にして」と、プログレの側面がもっともくっきりとした「アソビ」(私はこの曲が大好きで、キャラクターは違うけれどインディゴの大停電と並ぶプログレテイストでお気に入りです!)、そして「キラーボール」になだれ込む。時間が30分ということで、めざましライブとセットリストはほぼ同じだったと思う(アソビがめざましではアンコールだった)が、規模、シチュエーション、観客の違いで、ロッキンの特別な祝祭性がわかる。もちろん彼らに限ったことではないが、これだけ曲が増えてくると、聴くという意味ではフェスの短いステージはどうにも物足りない。やはり、ライブハウスのワンマンにどうしても行きたくなる。一方でフェスは、めざましの時もそうだったが、老若男女幅広いオーディエンスが楽しんで、これではまった、という人も出てくるだろう。これでますます、チケットが入手しづらくなるのだろう。
<帰路について>
 真心ブラザーズの「どか〜ん」を耳にしながらテントの森に戻る。帰りの特急の時間まで余裕はあったが、シャトルバスの混雑が読めないので、ここで諦めて帰ることにした。レイクステージのandropに後ろ髪を引かれつつゲートを後にする。バスは行きと同様、帰りもすわれてスムース。結果的に一時間ほど余裕があったので、駅前で腹ごしらえして、いい気分で帰途につく。帰りついてくたくた、すぐ寝ちゃうつもりが、録画してあったWOWOWの中継で復習してしまった。よく見えなかったゲスも見られたし、あきらめた宇宙まおはインタビューも見られたし、Base Ball Bearくるり、それに何よりも一度生で見たかったけど今回も断念のN'夙川BOYSも見られて、さっきまでそこにいたというバーチャルな臨場感を補って、ようやく納得して寝た。しかしこれを書いている今も、まだ余韻が残っている。
 自分一人であれば見送っていたであろうロッキン、妻の友達が妻を誘ってくれたおかげで、楽しむことになったのは感謝である。もちろんそれ以前に、ゲスの極み乙女。がなければ日本のロックバンド主体のフェスに興味を持つこともなかったわけだが。来年も行きたくなったなあ。健康に気を付け、節約に励むことができるかどうか・・・。

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めざましライブ ゲスの極み乙女。2014年8月5日(火) @お台場新大陸 Great Summer スタジアム
 ゲスのライブになかなか行く機会のなかった次男と二人で、出かけて行った。チケットも1700円とお手ごろ。時間は短いけど。物販に並んでいるうちに集合時間になってしまい、終了後に行ったときにはあらかた売り切れという、いつもの失敗を繰り返しつつも、オープンなスペースでのライブは楽しかった。整理番号は1000番台以降もあったようだから、決して少人数ではなかったが、開放感があって、ライブハウスとはまた違った気分で気楽に楽しめた。フジテレビのイベント企画の一隅で行われるライブなので、子ども連れやベビーカーも見られて、これはファン層も広がるかもという、和やかな雰囲気。定番曲に翌日発売のシングルから2曲を交えて、30分と短いながらもバンドの魅力をしっかり伝えるライブだった。

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ゲスの極み乙女。『ゲスにノーマル〜東京編〜』 2014年7月6日(日) @恵比寿リキッドルーム
 ほぼ一週間ぶりのゲスの極み乙女。、飽きずに参戦。もともと、こちらがミニアルバム発売記念のツアーファイナルで先に決まっていて、28日のゲスでいこかvol.2は先立ってのツアーの追加で後から入ったんだと思う(しかもまだ続く笑)。前日5日(土)と連続のリキッド、それぞれ趣向があるから連日でも楽しめると28日に川谷が請け合っていたが、まず衣裳からして土曜日は黒白で日曜日はノーマルアタマPVの4色衣装とカラフルだった。課長の緑は汗が目立って、体型と相まっていじられまくっていたのもいつものご愛敬。客の入りも追加チケットが出たせいもあってかギッチギチで熱気も沸騰気味。ノーマルアタマでは例のダンサーが2名ステージに現れて、あの動きを披露したり、整理券番号の抽選で二人の観客がステージに上がり、いこかなでしことjajaumasanのコーラスに参加などと、趣向も凝らしつつ、和やかに楽しく進行して行く。しかし、何よりこのバンドの演奏はすごい。28日と比較しても、音の密度がさらに増して、パワーでもテクニックでもロックバンドとしてがっちりと地歩を固めたことを確信させるライブだったと思う。どれだけゆるゆるのMCで笑わせても、ひとたび演奏が始まれば一瞬のスキも見せない一体感がすばらしく、アルバムで聞く以上の完成度に愕然とする。やはりこのバンドのライブはやめられない。なじみの曲に新曲が入れば曲のよさも再認識。秋のワンマン、ニューアルバム等の情報も出て、楽しみで仕方ありません!

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ゲスの極み乙女。『ゲスでいこかvol.2 東京公演』 2014年6月28日(土) @恵比寿リキッドルーム
 抽選に落ちて諦めていたんですけれど、ストレイテナーが対バンに決まって追加チケットが売りだされ、これに当たってなんとか行くことができました。ストレイテナーは初めてで、ベテランの安定感がさすが。リーダーが川谷の高校の7コ上の先輩、と言っていたが、あとで川谷が10コ上であると訂正していたのがおかしかったです。「7コ下だったら、おれ課長と同い年になっちゃうよ」「そうだねえ、そりゃね」というような、いつものやり取りがあったわけで。さていよいよのゲスの極み乙女。、CMでもおなじみになった「パラレルスペック」から始まって、その悪戯っぽいまでに個性豊かな曲の数々が繰り出されていきます。新曲は2曲、うち一曲は、壇密ドラマの主題歌「猟奇的なキスを私にして」で、これがまた新境地を思わせる、厚みのある演奏になめらかなメロディラインで、一発で気に入ってしまいました。「キラーボール」から「ドレスを脱げ」と仕上げた後は、アンコールでやっぱり出ましたゲスの四カ条「ホワイトワルツ」、シメは「song3」。あっという間の全11曲の楽しい夜でした。本当にどんどんうまくなるんだこのバンド! しかし相変わらずMCはグダグダなのが楽しい。川谷と課長の、延々と続くテラスハウス談義って・・・。次は7月6日のワンマンに行く!7月7日のNHKホールはさすがに落選したけど、めざましライブ当選するといいなあ。

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ピロカルピン・10周年記念ワンマンツアー『箱庭の世界』 2014年5月27日(火) @渋谷WWW
 10周年記念東名阪ワンマンツアー『箱庭の世界』初日、ほぼ一年ぶりの東京ワンマンに行ってきた。その日の夕方に京都から戻るという日程がきつかったんだけど、絶対行かないと後悔すると思って、頑張って行った。もちろん、行ってよかった。
 渋谷WWWはもともと映画館だったフロアなので、階段状になっている。ワタシはPAブースの横に居心地の良いポジションを確保。去年のリキッドルームに比べれば小ぢんまりしたハコだが、見やすさ聞きやすさは年寄りにはありがたい。開演前には新作のバンドT、松木のトリがカゴを出ているBE FREEデザイン、ピンクのLサイズ購入、ボールペンもいただく。全員のサイン入りのツアーパンフ、10年の歩みが詳しくて、岡田が大阪転勤→会社を辞める、のところがまず泣ける。バンドを10年続けることの苦労がひしひしと感じられる。
 さて、第一部はミニアルバムからの人気投票で再現ライブ。何とこれ、『落雷』と『宇宙のみなしご』で決選投票となり、当日発表というお楽しみスケジュールになっていた。私はとにかく「見えざる手」、「メソポタミア」、「ベンジャミン」と大好きな曲だらけの『宇宙のみなしご』推しだったが、オープニングで時計が刻む音、前の方で歓声が上がっていた。結局どのアルバムにもキラーチューンがあるので、どんな結果でも満足しただろうけど。
 小休止を挟んで第二部は「メトロ」で幕開け。おしくも再現ライブからは外れたが、ここで『落雷』から「京都」も演奏してくれて、京都帰りに「京都」が聴けるなんて、嬉しすぎる偶然!ツアータイトルの新曲含め、アンコールの「モノクロ」(これ泣ける)、「人間進化論」が終わってみれば、二時間超の充実したライブだった。このツアー限りでベースのスズキヒサシが脱退、マネジメントも変更と、なかなかたいへんな局面となったらしい10年目。松木+岡田を軸にこれからも個性の強く出た歌を聞かせてほしいし、スズキのこれからにも期待したいし。なによりも、ワタシは松木の歌と声がとにかく好きだ。ずっと聴き続けていきたい。

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VIVA LA ROCK 2日目  2014年5月4日(日) @さいたまスーパーアリーナ
タイムテーブル

ゲスT

 行ってきましたVIVA LA ROCK中日の5月4日、さいたまスーパーアリーナ。昨年の6月9日には、その隣というか一部というか、元ジョンレノン博物館であったイベントスペースで、ぐるぐるTOIRO2013があって、ゲスの極み乙女。を見たのだけれども、まさかその一年後にこっちで入場規制をかけるようになるとは、その勢い恐るべし、である。
 このさいたまスーパーアリーナ、スタジアムモードとアリーナモードがあって、アリーナモードではスタジアムが3分の2くらい?になって、のこりの3分の1くらいに今回のVIVAステージで使われたスペースができる。間に通路もできていて、うろうろしていても、これがスタジアムモードとどのように切り替わってこうなるのか、見当もつかない。動くところを見てみたいものだ!
 さてこのVIVA LA ROCK、なかなか行く決心がつかなかった。基本、ゲスの極み乙女。狙いなわけで、演奏時間も限られる中、一日一万円近いお金を払ってフェスに行くかどうかとなると、もちろん他の出演バンドをどれだけ楽しめるか、イベント自体の魅力はあるのか、といったところがポイントになる。去年はぐるぐるTOIROやつくばロックフェスのような小ぢんまりしたフェスがなかなか楽しく、好きなバンドも広がってきたので、行きたい気持ちと懐具合の厳しさが微妙な駆け引きをしていた。
 一方で、フェスってだいたい、行く決心がつく頃にはチケットが売り切れているので、去年のSLSとか今年のMETROCKなんかはそのパターンで行きそびれた。METROCKはかなり行きたかったのだが(近いし)、仕事の都合が付くかなと思っているうちに売り切れた。ところがVIVA LA ROCK、なかなかしぶとく、一日券が売り切れないのである。結局2日前くらいになって、ガマンできなくなって行く事にしてしまった。これ、売れ行きが悪かったわけではなく、アリーナの収容力がかなりあるからだと思う。
 入場後しばらく会場をうろうろ、当日出演のアーチストの物販はVIVAステージの後方なのだが、新グッズが出たゲスとパスピエは長蛇の列。とにかくゲスのステージ前にTシャツ買おうと思って並んだら、これが一時間ぐらいかかった。STARステージのトップバッター関根史織もといBASE BALL BEARも見に行きたかったんだけど、断念。しかしVIVAステージ後方ということで、VIVAステージトップのゲスの音だしが聞けたのと、後ろに並んでいた女子大生二人組のボケとツッコミがが何とも面白くて、退屈しなかったのは幸い。
 無事グッズを手に入れて、せっかくなのでTシャツに着替えて、開演待っているうちに、VIVAステージにはどんどん人が入ってくる。最終的には入場規制がかかったようだ。ノーマルアタマの振り付けで登場した凸凹不揃いの4人組、いつも本当に楽しそうだ! ただこの日のステージ、川谷の弦は切れるは課長はチューナー外し忘れるわで、トラブルが続く。まあそういうのもグダグダのMCでつなぐのがこのバンドの持ち味で、誰に何が起きても全員が間を持たせられる。結果的に、ちょっと早めに終わったようで、たぶんどこかを割愛したのだと思う。そうはいっても演奏中はいつも以上のアグレッシブさで、オーディエンスを巻き込んだステージ、あっという間に終わってしまった! 初ゲス楽しかったとか、友達がゲス好きなわけが分かったとか、交わされる会話に聞き耳を立てつつ、会場を後にする。
 さて、この後はうろうろするわけだけれど、まずアリーナを使ったSTARステージについて。自然光のはいるVIVAステージに対して、ここは完全に暗くなる。大型スクリーン付きだが、あんがい遠くからでもステージはよく見える。とにかく、上はぐるりと座席があるし、アリーナ後方にも座席があるので、坐って聴けるのである! 私のような年寄りにはなんともありがたい。しかも上階席はリラックスブロックとされていて、気楽に過ごすことができるという設定になっているのが、気が利いている。そうはいっても実際には、アーチストはサービス精神で上の客も煽るので、この辺は微妙なところ。
 連休ということもあって、会場の外もいろいろとイベントやっていて、コバトンやぐんまちゃんやその他いろいろが来ていたり、フードも種類豊富。外で食べたハンバーガーがかなりうまかった。中で食べた台湾風ナントカご飯はいまいちだったが・・・。外の天気も良くて、これは家族で来たかった感が強い。
 会場ではCAVEステージで爆弾ジョニー、STARステージで高橋源など。VIVAステージの神聖かまってちゃんはちょっとワタシには音がきつくて、退散。その後、これは楽しみにしていた赤い公園をフルで楽しんだ。赤い公園を聞くのは去年のつくばロックフェス以来。そんなに曲を知っているわけではないが、後半の展開が何か新境地を目指しているということで、ちょっともやもやとしていたけれど楽しみな予感。そのあとは、一番狭いCAVEステージでSHISHAMO楽しみにしていたのに、完全に出遅れて入れず、次の東京カランコロンも、トリのパスピエも、もはや完全に無理な状態に。スーパーアリーナ全体のキャパには余裕があったと思うが、全体で人が入っている分、一番小さなCAVEステージがすぐに満杯になってしまう。出演バンドの顔ぶれからは、やはりここでは狭いでしょ、というところではあるが、主催者側もそれは想定していたようで、パブリックビューを用意していたから、全く見られないということはないのだが、生SHISHAMO、生せんせいが見られなかったのは、残念だった・・・。
 あと、どうしても気になったのが、STARステージで一人、サイリウム振り回している人がいたことである。野外フェスでも禁じているのに、今回は禁止事項にしなかったのだろうか。暗い室内のSTARステージではきわめて目障りであった。まあ、空気読んでということが通じないことは分かったので、次回は禁止してほしいと思った。もっとも主催者側や参加者の多くがむしろサイリウムで盛り上げたいというのであれば別だが・・・何せワタシはおっさんなので、感覚がずれているかもしれないということはいつも気にはしています、はい。
 終盤はSTARステージでエレファントカシマシを少し楽しんでから、ゲスでスタートしたVIVAステージのトリ、、インディーズからメジャーに帰って来たスガシカオをフルで楽しむことに。正直に言えば以前はそれほど興味があったわけではないのだが、ゲスを評価していて、ついに音楽番組で共演までしていたのを聴いて、興味を持つようになった。今ではプログレスとかヘビロテである。ゲスや赤い公園ではやや遠慮気味に後方エリアに陣取っていたワタシも、思い切って前方のエリアへ。やや高めの年齢層もちらほらいて、居心地良く盛り上がった。すっかり堪能したところで、もうだいぶ足も辛くなっていたので、帰ることにする。
 埼玉でこの規模のロックフェスは初めてとのことだが、ステージ設定の難しさはあるにせよ、うまく屋内を使ってのフェスは年寄りや家族連れにも評判を呼ぶと思う。設備がきれい、坐り心地の良い椅子が余裕である、トイレもたくさんある、など、野外の不便さに比べると天国と地獄と言っても良い。これからは若者人口は減るのだから、中高生でフェス体験した年齢層がファミリー世代になっていってからも参加しやすいフェスはありがたいと思う。まあ、行きたい人はベビーカーに乗せても山中湖とかひたちなかとか行くんでしょうが・・・。あ、次は8月のひたちです。体が心配ですw。

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