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ハラフロムヘル / TENDOUJI / Qomolangma Tomato / katyusha / チーナ "ハラフロムヘル 1st album 「みのほど」レコ発企画「第5回 タテジマよーこそ!」" 2016年12月25日(日)@千葉LOOK | |
この企画に行こうと思ったのは、もちろんハラフロムヘルの結成5年目にして初のフルアルバム「みのほど」レコ発に加えて、katyushaのライブが久しぶりだったからなのだが、チョモランマトマトが年内いっぱいで活動休止というし、TENDOUJIはまだ生で聴いたことないし、これは超お得な企画じゃないか、と思っていたら、何と最後に解禁となったのがチーナ! これはもう、一年間歯を食いしばって働いてきたワタシへのクリスマスプレゼントに違いない!と思うほどのメンツである。神様ありがとう。 改装中の千葉駅に感動しつつ、栄町の風俗街の手前にある千葉LOOKへ。入り口でkatyushaのえつこさんに軽くごあいさつ。ここはドリンク代がアルコールとソフトドリンクで入場時から違うという、私のようなお酒に弱い人間にはたいへんうれしいシステムである。あえて難を言えば・・・看板のバンド名誤字が2つ笑 スタートはチーナから。当然、「はじまる」ではじまる。ステージが近いので、椎名さんのピアノ、柴さんのバイオリン、林さんのコンバス、指さばき手さばきにもすっかり見とれてしまう。どの歌もよいけど今度のチーナフィルのCDにも入った「蟻の行進」は泣ける。この日はチーナ&チーナフィルのダブルレコ発直後ということで、メンバーの意気込みもなかなか、フロアの雰囲気もよくて、すばらしいステージだった。年明けにはツアーが始まり、2月のチーナ&チーナフィルの対バン(笑)が今からとても楽しみである。 2番手はこれもお目当てのkatyusha。えつこさんのピアノボーカル、白神真志朗さんのベース、川野栄里子さんのドラムス、どれもキレッキレで迫力もすごい。フロアも地元感あふれる声援(「はっとりー」とか笑)で盛り上がるしもう最高。大好きな「YES」も生の気迫はすごい。 続いてはQomolangma Tomato。ついに生で聴けると思ったら年末で活動休止とか。まあ最高に狂っている笑。もうメンバーは持ち込みのエビスビールで酔っ払い、ボーカルはフロアに飛び出すはマイクコード喉に絡ませながら走り回るは密度薄いところにダイブするはで、なんだかもうたいへん笑。なかなか聞けなかったので、こういう機会に聴けて良かった。そういえばBASEMENT TIMESでゲスの極み乙女。がチョモに似ているというような記事があったけれど、あれは何だったんだろうな。あのときから両方ともベクトルの方向が変わってどんどん来たのだろうか。 さてチョモすげーってなったところでTENDOUJIである。率直に言って、英語で歌う日本のロックバンド、ほとんど興味がなかったというか、英語で歌う米英っぽいロックになってしまっていて、なんとなくいたたまれない気持ちになっていたのだが、TENDOUJIを聴いて思うのは、しっかりと「英語で歌う日本のロック」になっているということ。素直に気楽に聴けてしまう。何だろう。メンバーのフレンドリーな雰囲気もあるのかもしれない。まあとても楽しく乗れる。今どき長髪が二人もいるのも絵的に良いなあ。 トリはいよいよハラフロムヘル、オープニングはもちろん「マトリョーシカさん」。タテジマヨーコさんはお母様に作ってもらったというペンギン柄の衣裳をまとって、不思議かつ激しく舞い歌っていた。ニューアルバムからの曲は予備知識なしだが、演奏もタイトでハードに、癖を保ちつつパワーアップした印象。ことばは相変わらず面白くて、迷路にはまるよう。面白さ抜群、唯一無二のバンドだなあと思う。 |
ゲスの極み乙女。"ワンマンツアー「林檎を落としたのはだーれだ?」"2016年12月3日(土)@ZEPP Tokyo | |
とうとう、ライブ活動の自粛期間に入ってしまう、そのラストライブ。ネットでも現場でも、その盛り上がりぶりはたいへんなものだったといえるだろう。近年まれに見る個性と実力を兼ね備えたバンドが、こうして表舞台をしばらく去るということには、やりきれない気持ちでいっぱいである。会場を埋め尽くしたファンの多くも、いろいろな思いを抱えていたと思うが、開演を待ちわびる雰囲気は、とにかく熱く高まっていた。 客電が落ちて上がる歓声の中、近日発売されるはずであったアルバムのリード曲「シアワセ林檎」で始まったライブ、例えば武道館公演の時のような張り詰めたような緊張感は全く感じさせず、最初からとてもリラックスした、テクニカルな演奏もこなれていて、実にすばらしい、期待以上のものだった。立てつづけに演奏して息もつかせぬ展開を見せるのも最近の彼ららしさ、本当に楽曲と演奏の質の高さは格別である。 思いすごしかもしれないし、もともとそういう歌が多いからかもしれないが、前半のセトリは何となく川谷の自省録のような流れを感じた。「サイデンティティ」「だけど僕は」「crying march」「ロマンスがありあまる」など、どれをとっても川谷の胸の奥の思いをさらけ出すような歌だ(私としては大好きな「いけないダンス」「シリアルシンガー」の並びは感涙モノ)。それが「スレッドダンス」あたりから切り替わって、「ホワイトワルツ」からははちきれんばかりの全力ノリに入って後半になだれ込んだという印象である。 アンコールも面白い組み合わせ。課長が好きな「デジタルモグラ」も案外、最近聞けなかったし、「Mr. ゲスX」をここで入れるという絶妙な切り返しに、「キラーボール」のアダルトバージョンで締めるとは。私としてはこのアダルトバージョンは生では初めてだったので、とてもうれしかった。 アンコール含めて22曲、客電が点いてからも去りがたいファンからはダブルアンコールを求める拍手や、当日が川谷の誕生日であったことからハッピーバースデーを歌う声が続いたりしたが、さすがにこの状況では無理だっただろう。 活動休止前のラストライブだから、感想を書いていて思い入れが強くなったり、感傷的な気分になったりするかと思ったが、実はライブの最中も含めて、そのような感じはしなかったのである。MCもいつものグダグダさで、本当に何一つと言ってよいほど変わらない、ゲスの極み乙女。の、ライブハウスのライブ、だった。そこがまた、何とも彼ららしいし、それでこそファンを思いやったステージだったとも言えるのではないか。とはいえ、次がしばらくないのだ、と思うだけで禁断症状が出てきそうなので、どうか一日も早い復帰を。発売延期の新譜を早く聴きたいし、ライブの再開はまずは、音も距離感もちょうどよい、ライブハウスから、ぜひ。 せっかくなので、珍しくセトリを載せておく。
シアワセ林檎 |
ORIE / yEAN /asayake no ato /ATLANTIS AIRPORT "ORIE pre. Autumn tour final 食欲の秋"おいしい" 2016年11月25日(金)@下北沢GARAGE | |
なかなか予定が合わず最近行きそびれていたアトランティスエアポート、この日はORIEのツアーファイナルに出演ということで出かけてきた。この日はORIEがツアーやこれまでの企画で知り合ってきたバンドを呼んでの和やかな企画で、その象徴がオープニング「おともだち」アクトと題してのTHEサラダ三昧。札幌のギターロック4ピース。通りのよいボーカルでさわやかなメロディラインがいきいきしていた。yERNはTOKYO CALLINGで初めて見て気に入っていたが、今日はステージも広い分、さらに元気だった。元気すぎるギターは今日もフロアに降りてきた笑。そういえばMCでしていた千葉駅が品川駅みたいになったという話、全く別の人がインスタで同じ例えをしていたのを思い出して面白かった。asayake no atoは京都のバンド、エモ系の4ピースギターロックで、なかなかカッコ良かった。ATLANTIS AIRPORTはワンマン約一週間前ということでどの曲の仕上がりも前聞いた以上。まなぶさんだけじゃなくしおんさんも裸足になって、なんかバンドの妖精感?みたいなものがアップしていた!あべさんの髪型も・・・。そして久々のORIE、わかつきるなさんもまなぶさんと同じ、ちっちゃな女子ベース!両サイドの男子がシュっとしているので余計目立つ感じだけど、すごくパワフルですかっとするボーカルがすばらしい。個性あるバンドの組合せで、最後まで楽しみつくせるライブだった。 |
"BAHAMAS FEST 2016" 2016年11月19日(土)@新宿MARZ&新宿motion | |
さて待ちに待った三度目のマスフェスである。昨年は来そびれているので自分としては2度目。今回は2会場で、しかもmotionは5階なので結構きついかもしれないが、とにかくできるだけたくさん聴く!というのはサーキットフェスの鉄則である。今回の参加バンドは21だから、とにかく過半数は見るというのを、自らのノルマとした。仕事か苦行か。 オープニングからさっそくMARZへ。トップの1inamillionはツインギターに6弦ベースにドラムスのインスト。若いバンドのようでいきなり覚醒させられるできで満足。次はsajjanu。二人体制のsajjanuはとんでもなかった。背の高い長髪の人と、上裸のマッチョな人が、ちょっと怪しい感じの絡みを見せながら、聞いたことのない音の洪水を流し続ける。sajjanuはsajjanuとしか言いようのない世界である。ここでmotionに移動してfulusuを聴く。とにかくドラムが凄すぎる。ベースはサポートの二人組ということだが息もぴったり(というかこのジャンル、息が合わなきゃそもそも無理だよな)。 ここでちょっと一休みしてからMARZに戻ってdoesn't、マスロックの手本のような上手さとカッコ良さ。そして、これも今日の目当ての一つヨソハヨソ。本日の上裸第二弾である。まあとにかく、パーカッションとドラムスの複雑なリズムに、ベース他が絡み合い、想像を軽く超えた痛快なバンドだった。あまりライブがないので、ここで見られて本当に良かった。そしてマスロックと言えばモテるインストのmarmalade butcherの登場!という流れは最高だ!安定の超高速超絶インストマスロック。もはや何をかいわんやである。 ここでmotionに移動して、途中からになるが札幌から来たCuckoo。精緻な音と演奏を聴かせるインストバンドだ。そしてloqto。スリーピースのテクニカルなバンド数多ある中で、端正な演奏で知られる彼らも、あまりライブで見られないだけに、満足。ここもベースはサポートだったがとてもそうは思えない。ところで、この後はMARZで、loqtoも「みんなもみたいだろうし自分たちも見たいので」とちょっと早めに切り上げるという、元宇宙コンビニのだいじろーなのだが、ちょっと体力的にきつくなってきたので、このままmotionで次のDAGS!を待つことにした。これがまあ、イタリアのバンドだけあって?熱い熱い。歌入りのバンドも少ないし、女性のベースがカッコイイしで、思い切り楽しんだ。 MARZに移動してWOZNIAK。サポートにおみたおさんが入るのも見逃せない。で、これはやっぱりものすごかった!事実上ドラムスのプロジェクトになっているようだが、当然この人が叩く叩く。ものすごい疾走感である。おみたおさんの透明感ある声も聞けたし、予想以上の満足感。さてあと一息というところで、最後の踏ん張りでmotionへの階段を上がり、general fuzz sound systemを途中から。演奏の激しさもさることながらボーカルのシャウトが斬新。何歌っているのかはほとんど分からなかったけれど、乗りの良さがすごかった。そのままテキサスのバンドHIKES、タイトでホットなバンド。 ちょっと早めにMARZに急いで、いよいよの大トリハイスイノナサへ。ここまでのいくつかのバンド同様、なかなかフルメンバーでのライブは見られないので、今回は新メンバーやサポート含め男女4人ずつという、マスロックにはあるまじき女子密度の高いステージでもあって、これはもう重厚かつテクニカルでありつつ女声ボーカルも美しく、マスロックの至高というべき、圧倒的な演奏であった。 というわけで、私としてはハイスイノナサとWOZNIAKだけでも満足できるほどの企画だったが、目標を上回る14バンドを楽しみ、sajjanuやloqtoといったなかなか見られないバンド、初モノいろいろも安定のマ肉も、さらにアメリカにイタリアまで楽しんで、ものすごい密度の一日であった。企画運営にかかわったすべての人びとに感謝である。 |
MENOZ 5Years Anniversary ”MESANPO ワンマン篇”2016年11月13日(日)@TSUTAYA O-Crest | |
これが事実上のラストライブというのは悲しすぎる・・・ 私のMENOZとの出会いは2014年12月の、Atlantis Airportの企画だ。それ以来、ほぼ2年で9回目のライブ参加になる。それほどライブに行く人間ではないから、この数字は自分としては結構な回数で、それだけお気に入りということである。 実は今、感想を書こうとしていて、セットリストが全く思いだせないことに気づいてちょっと焦っている。それだけ、いつものMENOZだったということだ。大好きな曲を並べれば用は足りてしまうかもしれない。まずは何と言っても私は「僕らのナツ。」が好きすぎる。季節にかかわらずやってくれたが、この歌はメロディも歌詞も、夏の景色を思い出させるだけではなくて、草や風や雨の、夏のにおいを脳裏によみがえらせてくれる、稀有な歌なのだ。今調べてみると、2015年も2016年も、7月1日にAtlantis Airportとのツーマンでこの曲とAAの「なつめいろ」を聴いている。つまり、MENOZを知ってからの夏の風物詩がこの2曲だということだ。来年からはどうしたらよいのだ。 定番曲としては「ファンタジア」も大好きだ(シングルに入っていた長めのバージョンの方がより好きだが)。しかしそれを言ったら「未来少年」も「現代のケモノ」も・・・きりがない。MENOZの歌詞は、少年時代の思い出に触れてくる。実際にはなかったはずの事までも。 特に最近聴き込んでしまったのが「blue」だ。爽快な、懐かしさと未来とをともに感じさせる、ということはつまりMENOZの時空にはまり込んで夢を見せてくれる、もっともMENOZらしい曲。 音源になっていない新曲もあるし、やっぱりまだまだ聴きたかった。もちろん、メンバーそれぞれがそれぞれの道を歩むという意味で、発展的解消なのだろうし、ひかるさんはその後のソロ活動も精力的にしているようだ。一人一人個性的なメンバーのこれからの活動を大いに期待していようと思う。 |
"Bowline 2016" 2016年11月5日(土)@新木場STUDIO COAST | |
キュウソネコカミがキュレーターとなってのタワレコ企画BOWLINE。各地を回るが特にラストとなる東京は新木場スタジオコースト版は、8組のアーチストが出演という豪華版。目当てはゲス乙女とキュウソ、岡崎体育である。 オープニングではヨコタと、はいからさんが運んできたねずみくんがMC。全バンドについて、一言ずつ紹介する。そして一発目は赤い公園。ライブで見るのは久しぶりだが、白い衣装でのびやかに歌い演奏するスタイルに揺らぎはない。ヨコタが一番好きなバンドと言っていて、楽屋に1000円置いておいてよかった、キュウソの企画だから関西弁になるなどとMCも楽しい。個人的には昔住んでいたあたりに近い「西東京」の♪新青梅あたりの歌詞はツボ。〆はさすがにもう「ふやける」ではないのでした(「黄色い花」だった)。 転換時にねずみくんマークのアイスコロネを食べに行く。4種類の味があって、なんか良く分からない名前。怪しげな「リア充味」はバニラソフトにキウイソースだった。コロネが揚げパンになっているところがミソ。なかなかおいしかった。ラベルが可愛いので切り取って取ってある笑。そのあと物販に並んだのだが、明らかにフォーリミ狙いのお客さんが多いようで、列がなくなっていく。限定Tシャツは大きなサイズは黒が売り切れ、白は私で売り切れた。危ないところだった。お買い得3個入りで300円の缶バッチとか、ゲス乙女のTシャツとかを買って戻る。 二番手はもうすっかりお馴染の04 Limited Sazabys。フロアにはサークルモッシュが起こり、完全にフェスのノリが沸騰する。当日はダブルヘッダーで、終演後は横アリということで、楽屋に怪しい精力ドリンクが差し入れされていたところから、けっこうきわどい内容も織り交ぜて、いつもの流暢なMCで煽る。メジャーデビュー後の勢いそのままに、次があることを感じさせない熱さだった。ちなみにフォーリミ、オーラル、ゲス乙女というのは、今年のイナズマロックフェスと同じ顔ぶれである。 さてお次はCreepy Nuts。予備知識ほぼゼロで、HIPHOPにも全く親しみがないだけに、どうなるのかと思いつつ、本人たちも「エゴサしてみたらクリープハイプ出るのかと思ったら何?クリーピイ?みたいなのが」と自虐したり、童貞ネタもあったり、アメリカではこう!みたいな身振りや掛け声をやらせたりといったお笑いで盛り上げたかと思うと、会場からお題を拾っての即興ラップなどの凄技を見せてくれて、大いに楽しませてもらった。 次は忘れらんねえよ。私は結構このバンド、好きである。正式メンバーは二人だけで、ドラムスとキーボード&ギターの二人はサポート。とにかくギターボーカルの柴田の強烈なキャラクターとメッセージを、バンドという形で表現していて、この日も[Alexandros]の「ワタリドリ」で客席後方から登場、クラウドサーフでステージに運ばれるという出だしから楽しませてくれる。童貞ネタをはじめとする下ネタもぞろぞろ出てきながら、長年あこがれていた女の子を見かけたら左手薬指に光るものを見つけた悲しさをこのステージにぶつけるというような、ほとんど中学生のようなMCで笑わせて、勢いのある痛快な演奏を聴かせた。エンディングテーマ曲?「忘れらんねえよ」ではスマホの明かりをサイリウムのように振るのがお約束らしい。 いよいよ今日のお楽しみ、岡崎体育。何と言っても途中口パクとばらす「Explain」、分かっているのに面白い。むちゃくちゃ面倒くさくて覚えられないコールアンドレスポンスやハンドクラップで客に絡むのとか、本当に楽しい。でも身のこなしや歌いっぷりはキャリアを感じさせる本格的なもので、そのギャップも魅力かと思う。あの体型でよく動くし。「FREINDS」はメジャーデビューバージョン?になっていて、YouTubeのMVで見慣れているのと違っているのも面白かった。 濃いめのキャラクターが続いた後に、次はTHE ORAL CIGARETTE。今日のプログラムではフォーリミと並んで直球勝負、観客熱狂のガチなロックバンドである。案の定、一曲目からフロアの熱気急上昇、サークルモッシュに次々と起こるクラウドサーフ(終了後、落ちていた靴を高く上げて持ち主を探す親切な人がいた笑)と、盛り上がりっぱなしだった。やまたくが岡崎体育にきちんと挨拶しなければと思っていたのに、車で胡坐をかいたような状態で挨拶をしなければならずどう思われたか不安というようなMCで笑わせたが、後でツイッターでは岡崎体育がやまたくさんはすごく丁寧に挨拶してくれて感じよい人オブザイヤーと突っ込み、それにフォーリミのこうへいがさらに絡む、という展開を見せた笑。 次はお待ちかねのトリ前、ゲスの極み乙女。である。この日は、「ハツミ」でスタート、私が大好きな曲「シリアルシンガー」に続くという、あまり聞いたことのないセトリ。わずか6曲のセトリに「シリアルシンガー」が入るとはうれしかったが、しんみりが2曲続きは珍しい。しかし次はベース大活躍の「星降る夜に花束を」で観客熱狂。MCはいつもの調子で安心。キュウソと対バンした時の思い出として、あまりにもキュウソが盛り上げるので自分たちも何とかしないとと焦り、自分はいやなのでちゃんMARIにダイブさせたが、ちゃんMARIもやり方が分からずうつ伏せに出たものだから観客もどこを支えてよいかわからず、微妙な空気だったとか。新曲の「シアワセ林檎」、ラストは「キラーボール」で、がっちりと盛り上げて終わった。この後、ツアーに入り、年内ラストは12月3日の東京でのライブ。当面自粛ということで極めてさびしいが、必ず復活してくると信じている。こんなバンドは他にないのだ。 ついに大トリ、今回のBOWLINEのキュレーター、キュウソネコカミの登場である。「ウィーアーインディーズバンド!!」「キュウソネコカミ」「ファントムバイブレーション」と、勢いのよい曲を絶唱するセイヤ、盛り上げまくるヨコタと、息のあったメンバーたち、キュウソにしかできない、カッコ悪さを最高にカッコよく昇華するバンドの存在感は格別である。「サギグラファー」から「DQNなりたい、40代で死にたい」では観客の上を歩くとフロア中央のミラーボールが降りてきて、あのサタデーナイトフィーバー状態に!「こみゅ力」「KMDT25」「わかってんだよ」と来て、「ハッピーポンコツ」で終わると、アンコールは「ブルース」で再びフロアに出て、最後ステージに戻ると「ビビった」で大団円。新曲の売れ行きがいまいちのような発言が出ていたが、今日で知ったバンドとか、みんなで(タワレコで笑)CD買って、シーンを盛り上げようという願いは、決して自分のことだけで言っているわけではないだろう。 結局、8バンドすべてを、ほぼフルに楽しんでしまって、クタクタになったものの、充実の企画に大満足の一日だった。 |
indigo la End / ゲスの極み乙女。"インディゴラブストーリーvol.1" 2016年10月12日(水)@恵比寿LIQUID ROOM | |
滅多に見られない、「インディゴのライブのゲストがゲス乙女」という組み合わせ。しかも、川谷がまたやらかしてしまって、活動休止宣言後の、最初のライブである。それにしても、完成していたアルバム『達磨林檎』の発売中止には愕然とした。MV先行公開の「シアワセ林檎」、「勝手な青春劇」からそのクオリティの高さは期待するに十分だったので、何とも歯がゆい。川谷のやったことがどうであれ(よほどの重大犯罪でも犯したのならともかく)完成した音楽作品がこのように封じられるということには違和感しかない。ネット民が騒ぎ続けるのもどうかとは思うが、それ以上に大のオトナがテレビで寄ってたかって叩き続ける様子は、ほとんど異様である(叩かないと自分もネットで炎上するから?って、いじめの構図だ)。視聴者はあんな様子を、楽しんで見ているのだろうか? さて、気を取り直して、肝心のライブである。それはもう、「最高でした!」と言うほかはない。 まずは、ゲスの極み乙女。から。いきなり「ゲスな三角関係」から始めたのは、前回のファンクラブ限定ライブを知っているファンにとっては、「よし!行け!」という合図みたいなものだ。前半のセットリストは新旧織り交ぜての名曲ぞろいだったが、「シアワセ林檎」に続いてインディゴの「悲しくなる前に」をカバー、しかも長田ギターと後鳥ベースを課長が一人でベースで再現するという神業を聞かせる。あとは「ホワイトワルツ」「ドレスを脱げ」「キラーボール」の怒涛の三連発。対バンありだから11曲と少なめだったとはいえ、大満足のステージだった。 いよいよindigo la End。「さよならベル」で幕を開けて、前半は美しいメロディラインの佳曲が並ぶ。実際、私はインディゴのライブというと中野サンプラザぶりなので、ライブハウスでの彼らというと「大停電の夜に」が何とも懐かしくうれしかった(まだ課長が在籍の頃にライブハウスで聴いた)。「実験前」も好きな曲だ。インディゴはゲス乙女の「キラーボール」でカバー返しだが、ちゃんMARIのショパンを全員で手分けしてやります、って、課長がいじめられ過ぎでしょう笑。インディゴらしいしなやかなアレンジで、これも楽しかった。そして「夏夜のマジック」から「渚にて幻(long ver.)」が大迫力の爆音で響き渡るエンディングは圧巻。最近のライブを知らないが、「素晴らしい世界」で終わるのではないところに、妙に安心をおぼえる。そしてアンコールの新曲と「名もなきハッピーエンド」で幕を閉じた夜。終わってみれば、途中に挟み込まれた真剣な報告といつものゆるゆるなMCとの両方もあって、ファンの間にも「彼らは大丈夫」という喜び、「待ってるよ!」という期待が満ちていたように感じた。 とまれとうぜん、マスコミは来ているわ翌日にはネットやワイドショーでMCの言葉尻を捉えていいように使われるわで、そのことをツイートしてまた炎上と、めまぐるしいが、川谷自身はそれも見越したうえで、委縮して優等生発言をしようというようなそぶりはなく、例え誤解を受けても、いつもと変わらずに、そこに来ているわれわれを楽しませようという意気だったと思う。 |
ゲスの極み乙女。"ゲスリクエストvol.1" 2016年9月20日(火)@恵比寿LIQUID ROOM | |
待望のファンクラブ限定ライブ。事前に募ったリクエスト曲を中心に演奏するという企画で、このところ夏フェスで披露していたものとは大きく異なったセットリストを楽しみにしていた。あいにくの雨で会場に着くころには濡れそぼっていたけれども、物販に並ぶファンたちの期待感と熱気はすでに高まっていた。ライブハウスのライブは久しぶりだし、リキッドルームの規模はゲス乙女のステージと音楽を楽しむにはちょうど良いというか、贅沢なサイズである。ファンはライブハウスが一番似合うバンドであることをよく知っている。 先行物販で限定Tシャツとキーホルダー、それにファンクラブ限定のパスシールを手に入れて、整番がかなり後なのでゆるりと会場へ。壁際も確保できないので覚悟して、そこそこ前方へ。高まる期待のなか登場した四人は、リラックスムード。「猟奇的・・・」からはじまって普段なかなか聞けない過去曲のオンパレードで会場の興奮はどんどん高まる。サビの大合唱ももうたいへんなレベル。「封印していた」という「ゲスな三角関係」とか、私の大好きな「ラスカ」、懐かしや「誘惑バンジー」など、ダブルアンコール含めて26曲という、申し分のないラインナップだった。MCも砕けた雰囲気で、結成から今日までを振り返る過程では、川谷「ロマンスがありあまるを出して・・・」課長「ありあまってね!」で会場爆笑、川谷「両成敗を出して。」課長「そうね、続けざまの!」爆笑、川谷「1月、2月は飛ばして」爆笑、といった具合。 アンコールのキラーボールでは、例のアソコ(いつもそうやってるの?)が今日は「みんな大好きだよ!」、そしてなんと、終演後がメンバーが物販に出ます!ということで、一人一人にメンバーが挨拶するという大サービスだった。 まあ次から次へと「騒動」があるので、彼らの音楽のファンとしては気が気ではないのだが、川谷のひねくれた詞と、メンバーの高い演奏力で練り上げられた曲の魅力は、他のバンドでは替わりの効かないユニークなものなので、何とか乗り越えてバンドを次の次元まで高めていってほしいものである。 |
Eggs presents TOKYO CALLING 2016 day2 2016年9月18日(日)@新宿loftほか | |
今年が最初となる東京の下北沢・新宿・渋谷3地区を3日でめぐるサーキットフェス、規模からして充実したものだが、都合で2日目の新宿のみの参戦となった。まあ都合がよくてもこの歳で3連戦は不可能だったとは思うが。 あいにくの天候不順で、雨がぱらつく中ではあったが、チケットも売り切れたようで出足も好調。リストバンド交換した後、まずはLOFTの列に並ぶ。ヤバイTシャツ屋さんからである。たぶん新宿LOFTがキャパ最大の会場だと思うが、タイテを見るとこれかなり入場規制が出そうと思って、とりあえず確実な一本目は押さえたかったというのもある。どうやらやはり規制がかかった様子の、ぎっちりの入り。ヤバTは評判通りのライブバンドだった。もうむちゃくちゃMCが面白いし、スリーピースでストレートでダンサブルなビートをガンガン打ちだしてきて、目が覚める。 会場を出れば次の、魔法少女になり隊待ちの行列で、この後はたぶんLOFTには戻れないなあと直感。隣のLOFT BARでyEANを聴く。で、これが期待以上に面白かった。「魔法少女になりたくない人たちが集まってくれてありがとう!」みたいなMCでスタート。小さなステージに6ピースという気の毒な状況だが、すごく背の高いキーボードボーカル、女子のキーボードボーカルとベース、ギター二本にドラムスという構成。このギターが対照的で、一人がやたら暴れるというかお祭り男。狭いステージから降りてきて、お客さん煽るは踊るわでたいへん。もう一人は顔を伏せて黙々と弾いているので、なんか面白くないのかなあと、かえってそっちが気になったりするが、終盤にっこりしていたので、なんかホッとしたり。千葉のバンドらしいが、見た目も華やかだし音楽もポジティブで乗りもよくて、これからも楽しみだと思った。 その後はLOFTで最終少女ひかさを狙っていたが、並んでも規制がかかりそうだったのでさっさと移動、Marbleでshimmerをちょっと聴いた後でMotionに上がって、FouFouを聴く。聴き心地良く明るい、メロディアスな音に柔らかなボーカルが魅力的な4ピースのギターロック。その後、RUIDO K4に移動してさしすせそズをちょっと聴いたところで、やや聴き疲れてきたので抜けてコーヒーブレイクした後、Marbleに戻ってそこに鳴る。これがなかなかの入りである。これもスリーピースで勢いがあって凄かった。タッピングも聞かせるテクニカルかつパワフルな演奏がとにかくかっこいい。観客のあおりも演奏に力があるのでのりやすかったし、私のように初めての客もすぐに引きこまれた。ベースとギターがフロアに降りたはいいけど、ステージには楽屋を通って戻るという演出?も面白かった。ヤバTといい、大阪のバンドの力を認識させられた感じだ。 次はMotionに上がって、これも楽しみにしていたFINLANDS。女性のツインフロントがなぜこんなに厚着?と思ったけどそれがスタイルなんですね。ボーカルとコーラスがさすがにきれいで、サポートとかみ合って歌もののロックとして聴き心地良かった。次はいったんMARZに移動してFOLKSをちょい聴きした後、またMotionに戻ってuguis、これは気に入った。MCが面白いし曲も詞も凝っていてけっこう文学的かつプログレッシブ。気になるバンドがまた増えた。 その後はお待ちかねのAtlantis Airport。この時間帯、LOFTの岡崎体育はじめ有名どころがかぶりまくっていて、フロアゆったり目だったが、新衣裳のAAはこの日初めてだったので(しおんさんサポートも私はこの日がお初)まずそこから新鮮、聞く毎に音楽の密度が増していく演奏を間近で楽しんだ。やっぱりすばらしい。次も迷ったがMARZの愛はズボーンへ。これが大当たり、もう最高の楽しさだった。大阪アメリカ村から来ました!というやり取りからはじまって、もうガチガチのダンスビートと爆笑もののMC、これが大阪のロックだなあ、と再確認した(今回のサーキット、この大阪ロックのパワーを思い知ったことが最大の収穫だったかもしれない)。 さて本日のラストは、もうこれは迷いなしにクウチュウ戦である。テクニカルでプログレッシブでありながらメロディアスでもあって、変態ポップでもある。何が出るかわからないすごいバンドである。キーボードの暴れ具合、ベースの怪しさ、ボーカルギターの不思議さ、ドラムスのパワフルさ。もうどこを見ていても飽きない。ゆるすぎるMCと演奏とのギャップも。まあこれはもう、しばらく付き合うしかないバンドだ。ところでクウチュウ戦のギター聴いていてふと思ったのが、一日中ギターロックのバンドを回っていて、泣きのギター聴いたのは初めてだったのでは?ということだった。ハードなやつ、テクニカルなやつはたくさんあったけど。正直なところ、いわゆるギターロックというのはあまり得意な方ではないなあと思っていて、キーボードが入るのが好きなのだが、クウチュウ戦を聴くと、なんかやっぱりギターも良いのである。どうやら、最近のバンドサウンドと私が聴いてきたロックとのギャップがここら辺にあるのかもしれない。なんてことも感じた一日だった。疲れたけれど、最高に楽しかった。サーキット万歳である。 |
jizue "ONE vol.2" 2016年8月27日(土)@代官山 UNIT | |
久しぶりのjizue、新譜"STORY"リリースツアーファイナル、代官山UNITで開催される「ONE vol.2」に行った。注目はもちろん新アルバムの曲を生で聴くことだが、とりわけ今回はなんとチーナフィルから、柴バイオリン、角谷ビオラ、林コンバスが加わるということ。またまた、別々に大好きになったバンドのメンバーが共演するという、もう私にとって得でしかない企画である。 ぎっしりと埋まったフロアに"Prologue"の時計の音がきこえて、一気にたたみかける四人のアンサンブルが、聴衆を圧倒する。私は世代的なものか彼らの音楽をすんなりとジャズロックと呼んでしまうのだけれど、テクニカルで複雑、しかし聴き心地のよいインストルメンタルバンドの音は、最先端なのにずっと聴き続けてきたようななじみすら(それはもちろん錯覚なのだけれど)感じてしまう。 いよいよ"City"でまず柴さんが加わる。jizueのアルバムには泣きの美メロ曲が必ずあるのだけれど、新譜ではまさにこれがそうなので、ストリングス入るとしたらまずここかな、と思っていたのだが、まず柴さん単独で入るというのが予想外だった。片木ピアノと柴バイオリンの掛け合いは、抒情性たっぷりかつスリリングでもあり、その素晴らしさで肌が粟立つ。次からさらに二人が加わって、ふだん片木さんがおっさんおっさん言っている男子三人組に対して、女子四人という勢力逆転的なステージが何となくほほえましくもある。これまでにもヴォーカルなどの共演で新しい試みをしてきたけれど、弦楽隊との組合せはとてもしっくりくるというか、バンドの音像が厚みを増すのは当然として、広がりだけではなくて、緊張感のある高揚感が漲っていた。 終盤は4人に戻って圧倒的な迫力のソロ廻しの醍醐味、さらにアンコールで再び弦楽隊が入って感動のフィナーレと、素晴らしい構成のライブだった。記念写真を取る時の山田さんのMC?も面白かった! jizueはライブがあまりにすごいので、その後でCDを聴くと何となく物足りなくなってしまうのだが、今回で言えば弦楽パートを脳内で補って聴くことはできそうだ。しかしやはりライブアルバム(できれば映像も・・・)にして欲しいステージだったなあと思う。もれなくお土産にステキな記念グラス付きというのも気が利いている。 |
Srv.Vinci / Via tov / RAMMELLS / nica / ヤミアガリ "FABRIC #43" 2016年8月9日(火)@新宿MARZ | |
平日の夜、お手頃な料金で楽しめるお馴染の企画。今回は5バンドの出演で私には3つが初モノ、ただし翌日があるので最後までは居られないな〜という状況で行ってみる。 一番手の初モノ、ヤミアガリがスタートした時はフロアも数人しかいなかったが、なかなかの好演だった。4ピースと思ったらMCでピアノボーカルとベース&プログラミングの2人のユニットで、ドラムスとキーボードはサポートとのこと。2人でやる時の音像は引き算で想像するしかないが、今日のバンドだとやや声が埋もれがちだったが、良いバランスなのだろうと思う。低めで丸みのある声質が好みだ。 二番手が目当てのnica。キーボードのイケメン安田さんが加わっての7人編成だが、安田さんは脱退したのかしてないのか、いや脱退しているのだろうが結局前と同じようにステージにいるわけで、なんだか不思議な感じ。おがやさんのベースがとにかく印象的なアレンジで残る「きっとあなたを」からはじまって、車に乗って出かけたい感じで作った新曲も加えて、聴きごたえのあるセットリスト。江川さんのサックスはこのバンドのキモ。アリサさんと青木さんの男女ボーカルも洗練されていて、テクニカルとおしゃれが両立するかっこいいバンド。 なんだか急にフロアがにぎやかになって、あまりライブハウスのお客っぽくない大人(まあ自分もそうだが)の知り合い集団的な何かが漂いつつ始まったのが三番手。MCで「アンメルツ」と聞こえてしまったバンドはRammells。やたら背の高いベーシスト、一見大人しそうだがヒネたギターを鳴らす黒服のギタリスト、そして独特の妖艶さを匂わせるピアノボーカル、複雑なリズムを支えるドラムの4ピース。最初はつかみどころがないなあと思ったのだが、それはポリリズムがあるだけでなくスイングしていたリズムがぱたっとジャストビートに切り替わるとか、意表を突く動きをするのである。ぱっとストレートなポップスを聞かせたり、全体にはフュージョン風味の味付けなのにリズムやコード進行で掟破りをする。油断ならないバンドだ。デビュー間もないのに秋には全国流通版が出るとか。今日もよい音楽に出会えたという喜びとともにここで失礼。 |
toitoitoiほか "JAPAN LIVEART MEETING 2016" 2016年8月7日(日)@柏駅東口駅前デッキステージ | |
ひたちなかのロッキンでは妻が友達とゲス乙女やら何やらで楽しんでいる一方、私は用事を済ませた午後、柏に寄った。駅前のデッキで "JAPAN LIVEART MEETING 2016" というイベントがあって、そこに toitoitoi が出演するというのである。 イベントが始まるまで時間があったので、付近をうろうろしていたら、ビルの2階のテラスでバンド演奏が始まった。地元のライブハウスなどで活動している人たちのようである。歩行者天国のなかでちっちゃな子が踊ったり、調子っぱずれの手拍子にブラボーとコールする爺さんがいたり、まあ和やかな雰囲気。しかし演奏はなかなか聞きごたえのあるもので、ちょっと得した気分だった。 その後、柏駅の歩行者デッキへ行ったが、準備している様子もなく、間違えたかな?と不安に。うろうろしていて見つけました、会場は旧マルイ側の一階だった。確かに真夏の炎天下の歩行者デッキではやってられませんな。toitoitoiの二人の姿も含め、踊り手さんたちや絵描きさんたちがくつろいだ雰囲気でスタートを待っている。時間になると、まず初めに数人の踊り手さん?たちによる、ダンスではなくてコントーション?というのが始まる。続いて数人の絵描きさんたちがそれぞれの作品を仕上げながら、toitoitoiほかのミュージシャンが歌い、ダンサーたちが踊ったりポーズをとったりする、という展開。前衛な感じでとっつきにくいのは嫌だなと思っていたが、全体の雰囲気は明るく楽しく、それというのもコントーションからペインティングと音楽に移行する時のtoitoitoiのまきさんの、通りがかりの観客も、絵描きさんたちも巻き込んでいくパフォーマンスの素晴らしさによる。絵描きさんたちの紹介もすらすらと覚えているし、歌いながら歩道橋まで駆け上がってしまう場の支配感は、どんなところでもどんな観客でもすっと懐に入りこんでいってしまうパフォーマー精神。心底、感動した。 |
Atlantis Airport / heavenstamp /タカハシヒョウリ "Thanksgiving Day vol.2" 2016年7月30日(土)@渋谷7th floor | |
Atlantis AirportのTerminal企画参加者への感謝イベント的な位置づけのアコースティック企画。2000円でフード付きで着席、日曜日の昼時を気楽に過ごしてもらおうという、気遣いが感じられてうれしい。そねさんがだいぶスタッフにお願いを聞いてもらったと言っていたが、さもありなん。そねさんのお願いは聞かないわけにはいかないのである。 トップはTerminal企画では4ピースバンドで聴かせた heavenstamp 。このあと東北でライブがあるので、出演後すぐ旅立たなければならないとのこと。それでも引き受けたところに、この企画の魅力がある。オリジナルメンバー2人のみのパフォーマンスで、キーボードは生ギターに持ち替えての伴奏だがこれがまたすばらしく上手い。もちろんボーカルの迫力も、かえって実力を遺憾なく見せつけたような、パッションの伝わる感動的なステージだった。 続くタカハシヒョウリは、いつもながらカッコ良くて、レフトハンドで生ギターかき鳴らしつつ歌う姿には圧倒される。AAにちなんで、飛んでいる歌をセレクト、そしてやはりあの名曲、"New music from big pink" を歌いあげてくれたのだが、力が入りすぎで弦が切れて、最後の曲に使えなくなってしまった。急きょ「だれかピアノ弾けます?」という呼びかけに、そねさんがやってきて、ヒョウリさんに楽譜を手渡され、「スリーコードなんで、ここでA、Fm、・・・」しばらくしてそねさん、「Aって、何?」一同愕然! 見かねたまなぶさんがやってきて交替、すぐに要領を得て伴奏が始まる。なんとエンディングまでノーミスどころかきれいに弾きこなして一同絶賛! しかし考えてみるとAAのキーボードってyOdenさんだったんじゃ。・・・というようなハプニングで盛り上がったが、ギター一本で聴かせるヒョウリさんの歌には、バンドで暴れている以上に抗いがたい魅力があふれている。どこまで深い人なんだろう。 さていよいよ Atlantis Airport である。ピアノの前に座って鍵盤ハーモニカを構えるそねさん、生ギターのy0denさん、小さめのパーカッションいろいろのJ氏。リズム隊はいつもの構えである。CloudWorldはじめ新曲定番曲が、アコースティックセットで展開されるのだが、元歌のメロディラインがしっかりしているからだろうか、アコースティックで物足りないというようなことはないばかりか、そねさんのボーカルが浮き出て、よい感じだ。聞いている方もゆっくり腰かけて、軽食やドリンクを楽しんでいるから、リラックスして、普段以上に詞の世界にも入りこめる。あっという間のステージだった。 以前のアコースティック企画とはまた違ったアプローチで、ファンサービスを繰り広げてくれたAA、ますます好きになってしまう。 |
ミツメ / PunPunCircle "NO MUSIC, NO LIFE. Special party vol.2" 2016年7月29日(金)@CUTUP STUDIO (渋谷タワーレコードBF) | |
PunPunCircleとミツメのジョイントライブを楽しみに、渋谷タワレコ地下に行ってきた。このハコはずいぶん久しぶりだが、少しのテーブルといすも用意されていて、開場後すぐに入った私はさっそく席を確保した。年寄りにはありがたい。 この日はネット放送で最初対談が少し入って、その後でプンプン→ミツメと言う流れだった。どちらもアメリカでツアーをやってきたので、その経験なども織り交ぜながら、バンドの成り立ちや新譜の解説など充実した内容だった。どちらのバンドにも予備知識がほとんどないからためになった。 続いていよいよ PunPunCircle 、最大規模のバンド6人編成である。ヴォーカルギター、ベース、ドラムス、キーボード、パーカッション、アコーディオン。小宮山さんとマメルダさんがチーナフィルでお馴染というのが PunPunCircle を知ったきっかけで、アルバムも買ったのだが、沖縄はじめアジアンな風味がありつつ無国籍で心地よいワールドミュージックという感じですっかり気に入ってしまった。特に、今日のバンドセットは迫力も響きの豊かさ、変化もあって、本当に善い雰囲気で、この人はやはり生で聴くべき!という感を強くした。 ミツメは私にとっては全くの初モノ。といってもインディーズシーンでは知られたバンドのようで、通りの良いボーカル、軽快なカッティングのギターサウンドが聴き心地良い。私は世代的なものかウェストコースト風のアメリカンロックを思わせる懐かしさもあって、楽しめた。 |
【番外編】チーナフィルのレコーディングに参加してきた! 2016年7月28日(木)@都内某スタジオ | |
チーナ・フィルハーモニック・オーケストラがミニアルバムを出すために、Eggサポートのクラウドファンディングを利用しました。完成したCD1枚(2000ポイント)からリターンはいろいろあるのですが、何と言っても10000ポイント以上のサポートには「レコーディングのコーラスに参加して、CDにもクレジットが入る」というのが含まれています。なかなかこんな機会はありませんので、私も思い切って参加することにしました。 サポートプロジェクト自体も、目標越え(108%だったかな?)してめでたしめでたし。コーラスを含むリターンに30名以上が集まったようで、3回に分かれてのレコーディングとなったとのこと。指定された時間に、平和島にあるスタジオに着くと、何となくライブ会場で見たことがある感じの人が続々と集まってきました。 待合になった会議室には、柴さんとHAPPYさんが話し相手にやってきて、それだけでもううちとけてリラックスした雰囲気に。実は私もコレのために休みを取って、カラオケボックスで練習してきました。他のメンバーも入れ替わり立ち替わりで来てくれて、いよいよスタジオへ移動。今日の録音に来ているほしやまさんやマメルダさんたちも出迎えてくれてうれしすぎ。 最初に練習。当然、椎名さんが指揮者、マメルダさんが伴奏のアコーディオン、はっぴーさんと柴さんがサポート。椎名さんはいつもの自由さで、まずはマメルダさんにたまを歌わせて発声練習?から。続いて、急きょ紙を張り合わせて作ったらしい、ピアノロール風のカンペ、盛り上げ用?のうちわを使って、サウンドトラックを流して練習。コーラスパート自体は同じフレーズの繰り返しだから、難しいことはないので、あとはタイミングとパワーだけです。リーダー曰くピッチがもっと合わないかと思ってたらもうぜんぜん問題なし、となって、二、三回の練習で録音に。最後の繰り返し回数を椎名さんの指示があいまいで?しくじったので、「普段はこんなことはぜったいないんですけど、そこだけ録り直しますよ、パンチインとか普通は絶対やらないんですけど、特別ですよ」というわけで最後だけもう一回歌って、ほとんどあっけないと言ってもよいぐらいの時間で完了してしまいました。その後、ミキシングルームに移動して出来栄えを聴きました。ど素人の自分が言うのもなんだけど、元気のよいコーラスがしっかり入ったと思います。 翌日ももう2班が録音するので、この3倍の厚みのあるコーラスになるのだと思うと、完成が楽しみで仕方ありません。 |
アサミサエ/Su凸ko D凹koi/Menoz/vivid undress 「真夏の蜃気楼」 2016年7月22日(金)@下北沢シェルター | |
MENOZが出るのと、まだ生では見ていないSu凸ko D凹koiが出るという、アサミサエ自主企画。MENOZの角谷さんからお誘いのメッセージをもらったので、一発目のすっとこに間に合わせるために仕事のやりくりをつけて駆け付けた。 Su凸ko D凹koi を知ったのは、 Atlantis Airport のCDを買いに吉祥寺のタワレコに寄った時のこと。見当たらないので尋ねてみたらまだ池袋店しか取り扱いがないという。仕方なしにふらふらしていたら、DVDからとんでもない歌が聞こえてきて、それが音大出身パンクバンドすっとこの "MOMANAIDE" だったわけである。あまりにもアレな歌詞だったのでその場で購入するのはためらってしまったものの、どうしても記憶から拭い去ることができず、結局Atlantis Airportと一緒にタワレコオンラインで注文したのである。さて生すっとこはどうだったか。よい意味で予想通りであった。しかし想定外だったのは、おうむさんの声が柔らかい美声だったことと、どいさんの表情がかなり怖かったことである。川柳も含めてたっぷりと楽しめた。 続いて二本目はおなじみ MENOZ 。もちろん今日の目当てだが、毎回裏切られることのない全開パワー。飛び跳ねるひかるさんは勿論、角谷さんのシャツも毎回楽しみなのだ。先日のめさんぽでフリを楽しんだ新曲「あの日の幽霊」や、大好きな「僕らのナツ。」で大いに盛り上がり、勢いで11月のワンマンのチケットを購入してしまった。 三本目は全く予備知識なしの vivid undress 。これが結構ツボだった。ボーカルがとてもかわいいのはともかく、パワーとスピード間のある演奏が気持ちよく、どのメンバーもすごく楽しそうで明るい。MCに入ってキーボードが話し始めてまあびっくりするわけだが、さらに退場の時にキレのよいドラムが女性だったのに気づいてまた驚いたりして、いやーキャラの立ったメンバーぞろいという点でも面白いバンドだった。 トリはアサミサエ。熟練を感じさせるベースとドラムスを従えて、これまた可愛らしい感じの見た目に似合わず思い切りのよい歌とピアノ、最近やっと人に感謝することをおぼえたとか、アンコールの時にもほんとに話すことはないので曲やりますとか、なかなかユニークなキャラクターも手伝って、くっきりとした個性の際立つミュージシャンだった。というわけで4本とも大満足の企画だった。言われてみれば、個性的な女性ボーカルバンドを集めた今回の企画だったわけだが、8月にもアサミサエ企画第二弾が予告されている。どんな顔ぶれを揃えるのか楽しみである。 |
Wasalabo./Gecko & Tokage Parade/Satomimagae/暮らしのヒント "Wasalabo. レコ発企画 LIVE「epiphany labo vol.1」" 2016年7月9日(土)@下北沢ERA | |
Wasalabo.のミニアルバム発表記念企画。休日出勤の仕事帰りだったので一本目は見逃したが、二本目のGEKKO AND TOKAGE DRIVEには間に合った。4ピースのインストバンドで、ピアノがリーダーのようだが、演奏的にはそれほどキーボード弾きまくりと言うことはなく、むしろドラムの手数の多さが特徴かもしれない。ベースも上手いし、ストラトで泣きのフレーズを決めるギターもなかなかの味。往年のプログレファンにも受け入れられそうな盛り上げ上手な構成とテクニカルなアンサンブルで聴かせるバンドで、これはかなり気に入った。三本目は暮らしのヒント。背の高い神経質そうなギターボーカル、女子ベース、男子ドラムスのスリーピース。ボーカルの声質が意外にまろやかな感じで、固めのビートに割とシンプルなテレキャスのコードを乗せつつ、緊張感のある演奏を聴かせる。さてトリはもちろん、この日ミニアルバムepiphanyを発表したWasalabo.である。企画ライブが初めてということで、MCでも言っていたがとにかくマイペースでやってきたバンドのようだ。キーボード、ベース、ドラムスをバックにみおさんが歌う、ギターレス4ピース。前に聴いたときも思ったがこういう構成であれば、唯一のメロディー楽器であるキーボードがバンド全体のバランスをとる決め手になると思うが、それがよく決まっていて、ボーカルを本当によく引き立たせている。そして何と言ってもこの声がよいのである。勝手な想像だがいかにもバイオリン弾きらしい節回しに聞こえる。定番のwasabossaは本当にうっとりする。フロアも最後はぎっしりと埋まり、温かく見守られているバンドなのだなあと思った。 |
MENOZ/deronderomderon/メメタァ/ATLANTIS AIRPORT "MESANPO〜きもだめし編〜" 2016年7月1日(金)@渋谷TSUTAYA O-Crest | |
MENOZ5周年企画、メサンポ肝試し編は、階段がしんどいクレストで。オープニングは、予定されていたバンドがメンバーの負傷で出られなくなり、急きょ出演が決まったメメタァ。もちろん私にとっては初モノ。ストレートな4ピースのギターロックなのだが、案外よかったのが歌詞の素直さで、けっこうジンときたところもあって、気に入った"I wanna be" という歌が入ったシングルを物販で購入した。2番手はおなじみ、Atlantis Airport。そねさんのメイクはひかるさんがやったということで、キラキラしていた。ワンマンの後でどんなテンションかなと思っていたら、パワー全開のままに良い意味でのびのびした演奏が素晴らしかった。3番手は名前は知っていたが生は初めてのderonderonderon(名前は一度聴いたら忘れないよね笑)。ドラム、ベース、キーボードが女子(しかも3人の見た目のキャラクターがバラバラ)、ギターとボーカルが男子という五人組。おそろいの科学特捜隊的な衣裳を着て、やんちゃに暴れる楽しい連中だった。ついつい煽られて、普段はいかない最前列で楽しんでしまった。年甲斐もないことで。 トリはいよいよMENOZ。「いよいよ宇宙」で幕を開けてからずっとひかるさんもバンドの演奏も飛ばす飛ばす。「アドベンチア」や「Yo Ro Z」のような元気な曲もよいし、「現代のケモノ」や(今回はやらなかったが)「ファンタジア」のような、ちょっとした寂しさみたいなものがふとよぎる曲も好きだ。どこがきもだめし編なんだという点については、新曲の「いつかのユーレイ」が解答で、振付を覚えてみんなで踊って楽しく盛り上がった。本編ラストはもうたまらない「僕らのナツ。」大好きな曲だ。アンコールは「未来少年」。11月のワンマンの予告に期待が膨らむ、楽しい夜だった。 |
チーナフィルハーモニックオーケストラ mini/HINTO/戸渡陽太/Tempalay "Eggs×CINRA presents「exPoP!!!!! volume86」" 2016年6月30日(木)@渋谷TSUTAYA O-nest | |
exPoP!!!!!の企画に行くのは久しぶりになるが、今回はチーナフィルミニが何と言っても目当ての上に、Tempalay、HINTOも聴きたいバンドなので、これで無料とくればいかない手はない。無料によくある2ドリンクというパターンながら、EGGSのアプリをインストールしてあると1ドリンク分は無料という太っ腹。その浮いた分でチーナの眼鏡ふきを買った笑。 手の甲にスタンプを押してもらって受付を終え、足下が怖いらせん階段を下りて会場に入ると、明らかにチーナフィルハーモニックオーケストラ(mini)が最初なのが分かるセッティング。ハープがあるし。ミニの8人構成はサックス、ハープ、パーカッションだった。驚いたのは、たったの+3かと思っていたがこれでもうしっかりとチーナフィルの音になっている。ステージが低くて近いのはネストの良さで、ハープのほしやまさんがけっこう近くてドキドキものだったり、林さんのコンバスの弦の動きが見えたりするのもうれしかったり。EGGSのタイアップでクラウドファンディングのアッピールも。ワタシはもちろん協力済み、というかコーラスに参加するので今から楽しみなのだ。時間が短く小編成ではあったが、チーナフィルの楽しさが伝わるステージだった。 戸渡陽太はメジャーデビューしたばかりのSSWらしい。ドラムスとの2ピースという大胆な構成だが、声量もあるしギターも強く響かせるので迫力が凄かった。 Tempalayは変わったバンドだ。サイケなところもあるしソウルっぽい所とかもあるし、確実にこのバンドならではの個性が際立っていて、耳を奪われる。海外のインディーズにデモテープを送ったり、宅録やiPhoneでの録音などでローファイな仕上がりにしたりと、ガレージバンド的な動きや作りが、日本ではかえって新鮮に聞こえるのが不思議と言えば不思議。3ピースにサポートキーボードはeimieのAMYさんで、ちょっとコーラスも入れたりしてこれがまた、よかった。とにかくクセのある彼らならではの音楽は、これからも聞きたい。 トリはHINTO。実は生では3年前ぐらいに聞いている。「タワーレコード新宿店15周年大感謝祭 怒涛のライブ15連発〜新宿ROCK〜」@新宿LOFTで、その時の対バンはKANA-BOON、キュウソネコカミ、ゲスの極み乙女。というもの。ちなみに当時は圧倒的にKANA-BOON目当てのお客さんが多くて、残りの3バンドはアウェイな感じだった。その時の印象は、ノリがよいしテクニカルなロックだなあと好感していたが、それ以来機会がなく、今回聞いてみて、こんなバンドだったっけ?と思うほどパワーのある、エモーショナルなロックだった。お祭り乗りなんだけど、引っかかりのあるアクの強さ。楽器の主張もそれぞれ粒だっていて、聴きごたえがある。ルックスも含めてメンバーの個性も強そう。 前回もそうだったが、この企画はライブハウスのブッキングとはまた一味違う、なかなかユニークな組合せになっているように思う。これからも注目である。 |
ATLANTIS AIRPORT "Terminal3 ONEMAN FLIGHT" 2016年6月25日(土)@新宿MARZ | |
ついに迎えたTERMINALシリーズ3か月連続企画の最終版はワンマンにして、とうとう新宿MARZソールドアウトも果たして、そねさん曰く、離陸する前の最終段階を迎えたという通りかと思う。ファンにとっては常に空から宇宙まで飛びまわっていたかのような彼らだが、ここまでの歩みは音楽的な飛躍を目指しての助走だったというべきなのだろう。オープニングにいきなり「光と影の間」をぶちかまし、「ナイトオンザプラネット」「とある邂逅」と畳みかける挑発的なセトリがそのことを物語っている。 今日はもれなくシェアCDとして2枚もらえた新曲「クラウドワールド」はもちろん山場を盛り上げる、まなぶさんが加わった初の音源でもあり、アンサンブルもきっちりと仕上がっている。覚えやすいメロディラインにラップも挟み込まれる歌詞も楽しい。アンコールではそねさん作曲の新曲、そして懐かしいクライマー!からの、ダブルアンコールは期待通りの「なつめいろ」だ!そねさんの声質や歌い方は、決してしっとりしたものではないので、こういうはかない響きのある歌を歌う時の魅力はどこから来るのかというと、それは永遠の少女性なのかもしれない。 アンコール含め14曲(たぶん)、これだけまとめて、久々の曲も新曲も聞けた幸せに浸りつつ、ほぼ一週間後のMENOZ企画が次のライブと言う告知も。出口では角さんクマさんてつさんにフライヤーもらって、次の楽しみに浮かれて帰路についた。 余談ながら、前髪をバッサリと切ったJ氏の素顔、私は勝手にあの前髪に隠れて引きつった表情で演奏しているものと想像していたら、笑顔全開ではないですか。あべさんの髪のウェーブはナチュラルだったが、ツイッター含めてこんなに饒舌な方だったとは(そねさんは相変わらず厳しくて鳴き声とか言うけど)。まなぶさんやよでんさんがスタイルを変えることはあるのかな。 そねさんが言うようにいよいよこれからが離陸とすれば、見たことのない眺めが広がるだろう。ますます期待をしたい。 |
ATLANTIS AIRPORT/Heavenstamp/テスラは泣かない。/ORIE "Terminal2" 2016年5月27日(金)@新宿MARZ | |
3か月連続のAtlantis Airport企画、第一回目は来られず、ようやくこの2回目で来られた。仕事終りにやや遅れての到着、一番手のORIEは小柄でちょっとYUKI似の女子ベースボーカルと、男子ギターボーカルに、ギターとドラムスの4人組。コーラスワークもさわやかなギターロック。きめの粗さはあるのだが、メロディも魅力的なので、ちょっと聴き込みたくなる魅力がある。物販でCDを買って、楽しんでみようと思った。二番手のテスラは泣かない。は、生で聴くのは初めて。「アンダーソン」のパーカッシブなピアノを含むタイトなリズム感と乾いたボーカルの取り合わせが気にいっていたので、期待のライブだった。鹿児島出身なのでATLANTIS AIRPORTよりも飛行機や空港のことはよく知っている、とMCで笑わせてくれる。休止中のベースのヘルプにはQOOLANDから菅さんが加わって、息もぴったりの熱い演奏だった。キレ味が良くて爽快な聞き心地のバンドだと思う。三番手、heavenstampは全くの予備知識なし。多彩な活動を続けている男女のデュオグループのようなのだが、ボーカルギターのサリーシナモンがまず目を引くし、Tomoya.Sの音作りが音響系かと思いきや、ドラムスとベースの女子リズム隊がものすごくかっこよくて、グルーヴィなロックバンドだった。後で調べて分かったのがSuperflyに楽曲提供したり、サポートのリズム隊もバックやってたりするようだ。彼女たちのつながりで聴いてみたいバンドがさらに増えてきた。そしてトリはもちろんATLANTIS AIRPORT!リズム隊はさらにタイトに、そねさんのボーカルは力強く、もうこれ以上ないほどの安定感あるきらびやかさとパワーである。次回はいよいよワンマン。となれば、何かしらの集大成と新機軸を期待してもよいだろう。 |
ゲスの極み乙女。"ワンマンツアー「ゲスな宇宙旅行」" 2016年4月28日(木)@Zepp Tokyo | |
武道館公演を挟んでのライブハウスツアー後半は、久々のZepp Tokyoでのライブだ。今回は初日の都合がつかず、二日目のみの観戦となった。 やっぱりゲスの極み乙女。は、バリバリのライブバンドだ、と確信させる、すばらしいライブだった。前方のモッシュも含め会場のノリは最高潮。えのぴょんがフロアに降りて歌おうとするが、もう降りることもできずにストップがかかってしまうくらいだった。その後えのぴょんは2階席に出現し、ハイタッチして回るというサービスだった(私もハイタッチ成功!)。 しかしそれだけではない。幕張、横アリ、武道館といった大会場では、どうしても感じてしまう「音」の不満。これが、今回は全く感じられなったことがある。キラーボールはもとより、川谷がギターを弾かない曲もあるのに、たったの3人の演奏でここまで「音」をも楽しめるバンドの実力は、ちょっと他には見当たらない。ソロにメロディにバッキングに八面六臂の活躍のちゃんMARIの、ピアノを主としたキーボードプレイは言うまでもないが、タイトでスピード感の上がりまくるほないこかのドラミングと、緻密で選び抜かれた音を紡ぐ休日課長のベースとで生み出されるリズム隊の、冷静に耳を傾ければぞくぞくするほどの構築美、熱狂におぼれればたちまちに陶酔させるグルーブは、聞くたびに高まっている。 セトリは『両成敗』メインの武道館とはまた趣向が変わり、旧曲やレアトラックなど織り交ぜてアンコールまで24曲。パラレルスペックはオリジナルバージョンだし、誘惑バンジーやもう全部終わりにしようといったレア曲も。ホワイトワルツも帰ってきた。川谷は曲がたくさんできていること、でもシングルは出さないこと、何か面白いことを考えていること、などなど、ファンを安心させるコメントを聞かせてくれた。このところ披露されることのない新曲がどのようなものなのかが楽しみだし、それを含めて彼らのどのようなたくらみがこれからさらされるのか、期待しかない。 |
ゲスの極み乙女。"ゲス乙女大集会〜武道館〜" 2016年3月30日(水)・31日(木)@日本武道館 | |
年度末の二日間、ゲスの極み乙女。の武道館ツーデイズを楽しんできた。時はまさにお花見シーズン、特に高齢の団体客であふれる北の丸公園に、逆風にもかかわらず集まったファンで、武道館はにぎわった。いや、逆風であったからこそ、ファンの期待は大きかったかも知れない。そして、ゲス乙女はその期待に真正面から応えてくれた。 初日は一階南東スタンドからの観戦となった。ステージとの距離はさほどではなく、全体が見下ろせるポジションは有難い。勤め人にはギリギリの平日18:30スタートとあって、開場後の一時間、席が埋まるのを見ながらハラハラしていたが、開演時間にはアリーナ席もほぼ埋まって、ほっとしてのスタートとなった。一般席はソルドアウトしていたものの、人気絶頂期の売り出しであったため、転売目的の高額チケットが出回ったとすれば、追加販売の見切れ席や立ち見の方は売れても、指定席である以上一般席に空席がちらほら見えているのは残念なものである。それでも、見切れ席の埋まり具合も上々で、一部の悪意あるネットの書き込みにあったような「空席が目立つ」ような状態ではなかったことは、はっきり言っておきたい。 ファンにとってはもやもやした気分を吹き飛ばすように、オープニングの「ロマンスがありあまる」から一気に、畳みかけるように『両成敗』からの曲をガンガン演奏していく。横アリの時からとにかく演奏重視の傾向はあったが、今回は初日はなんと本編ではほぼMCなしで突っ走った。さすがに前半は緊張感が強く、川谷の声にもバンドアンサンブルにもやや堅さを感じたし、観客の方にも戸惑いがあったかもしれない。しかし次第に全員がいつもの安定感を取り戻していくとともに、観客の肩の力も抜けていったようだ。 今回はまったくの新曲披露はなかったが、「いけないダンス」のバリエーション「いけないダンスダンスダンス」(そう言っていた)がライブ中盤、衣装替えタイムの見せ場だった。下手寄りにマイク2本が向い合せに立てられ、コーラスのささみおとえつこが圧倒的な掛け合いのパフォーマンスをきかせる。この二人がこのバンドのコーラスとして歌い続ける理由を見せつける場面である。実際、他の曲のコーラスの場面でも二人の声がさらに前に出ていたように思う。二日目のMCで課長が「この6人でやれることがうれしい」と言っていたのがよくわかる。初日アンコールではえつこの持ち歌をソロで聴かせる場面もあり、「無垢」ではささみおのバイオリンも聞ける。彼女たちそれぞれのバンドのライブにも行ったことがあるが、いずれも個性あふれる素晴らしいバンドである。そもそもゲス乙女は川谷が一緒にやりたいと思ったメンバーに声をかけて始まった、いわばセッション仲間だった。コーラスの2人もおそらくは同じように一緒にやっているうちに、欠かせない「6人」になったのだろう。こういうところにも川谷の才能があると感じる。 二日目はアリーナの、やや端の方の席だった。見易さでは昨日の方が良かったかもしれないが、椅子席とはいえやはりアリーナの雰囲気、一体感は独特である。客席の埋まり具合も(見る角度が違うので単純に比較できないのだが)昨日以上にびっしりで、それはTwitter公式アカウントで公開された終演後のステージからの写真で分かるだろう(正面の「関係者席」は空いているが)。 バンドも2日目とあって、出だしから絶好調、当然観客のノリもオープニングから全くためらいはない。本編のセトリは前日とたぶん同じだったが、短いMCが入るなどリラックスした雰囲気。そしてアンコール、「昨日の倍やります!」の声に観客席の大歓声。前作の『魅力がすごいよ』は、私は大好きなアルバムで、とくに「crying march」や「ラスカ」、「サリーマリー」といった、シングルカットされていない名曲に溢れていたと思うのだが、川谷はインタビューで必ずしもアルバムの出来に満足していないと言っていたし、ライブで披露されることも次第になくなっていた。それはそれで、常にアップデートされていくセトリに満足していたし、今回も当然、『両成敗』からの選曲に何の不満もなかったが、アンコールで「crying march」が流れた時のフロアの反応は、同じ思いのファンが多かったことに、嬉しさもひとしおといったところ。「jajaumasan」や「餅ガール」のライブ定番盛り上げ曲も聴けて、この2日目の満足度はさらに高かった。 川谷の「俺は死ぬまで歌う!」、「また武道館に来る!」という宣言、ステージからの記念撮影、全員の挨拶が終わった後も一人で挨拶を繰り返す様子を見て、ああまた次のステップに、淡々と踏み出したのだ、と確信させてくれた。このあとは九州でのホールライブを含むツアー後半、東京ではZEPP Tokyoツーデイズである。おそらく演出もまた更新され、ライブハウスの濃密な空間に戻って、新たなゲス乙女の未来が感じられることだろう。もしかするとそろそろ、新曲も聞けるか? 何となく嬉しかったのは、銀テープがアリーナ席の端の方まで飛んでこなかったのだが、たくさん取れた人たちが、取れなかった人たちに回していたのを見たとき。とくに、親子連れが相変わらず多い中、子どもが喜んでいる様子は何よりだった。 |
Beat happening! 下北沢 CIRCUIT PANIC! 2016年3月13日(日)@下北沢GARDEN, BASEMENT BAR, CLUB251, THREE, CAVE BE, LAGUNA, Daisy Bar | |
ひと月ほど前に痛めた右ひざ、歩くことには特に支障はないものの、長時間のスタンディングのライブはちょっと心配・・・とかいいつつ、顔ぶれの素晴らしさについつい申しこんでしまったこの企画。長年続いてきたビートハプニング企画ライブ、サーキットは初めてだそうで、ちょっと意外感もある。それにしても選りすぐりのアーティストが65組、水口さんのブッキングが流石すぎる。体が2つ・・・いや、7つほしい笑。 リストバンド交換開始の11時ほぼぴったりに、下北沢GARDENに並ぶ。私のように気の早い人は50人ぐらいか、もうちょっといただろうか。スムースに流れて交換完了。はじめてスマチケを使ってみたが、これはなかなか便利だ。ドリンクチケットは500円。使える店が限定されていることを、別の店で使おうとして気づいた。不自由と言えばそうだが、新しい店やバンドとの出会いもあるだろうから、考えてみれば納得である。リストバンド付けてもらって、軽く昼食をとって、まず7つの会場を、地図を見ながら歩いて確認。うれしいことに、一番遠いGARDENとBASEMENT BARとの間でも5分かからないくらいか、これは年寄りにはありがたい。移動経路には飲食店も密集していて、ちょっと高そうなしゃれた店から安いチェーン店やコンビニまで、いくらでもあるのは便利。快適な一日を早くも確信する。 さて一本目は、マーヤのオープニングと悩んだけどシンガーソングライターのカネコアヤノにした。12時の開場間もなく Daisy Bar へ。この時間の一番手なのに結構な入りになって、なかなかの人気。それもそのはず、小さくて華奢なのに力強い歌声で、歌詞もしっかりとした説得力のあるもの。高校生のころからビーハプに興味をもって売り込んだとか。私としては勝手に今日の流れを自分なりの妄想ブッキングのつもりでとらえているので、一本目を弾き語りにしたのは上質のオープニングアクトという設定だったのだが、その期待以上で、早速よいものを聞かせてもらった感が強い。 二番手はGARDENに戻り、これがまた楽しみにしていた笹口騒音オーケストラ。今日の〆がチーナフィルハーモニックオーケストラなので、大編成に始まり大編成に終わるのがコンセプトですね。生は初めて、とにかく見たかったバンドで、これまた期待を大きく上回る素晴らしさ。ホーン3本にバイオリン、アコーディオン、笹口はウクレレとギター、ベースにドラムス、で数あってるかな? MCも面白いし、バラバラで強烈なファッションもキャラクターも最高。いきなりゴージャスなメインアクトというところ。最後は写真タイムのサービス精神、写真付きで本日のベストアクトって呟けとか言っている笑。まだ始まったばかりだよ笑。 次は再びDaisy Barに移動。ウチの長男にビーハプのお勧めを聞いたら、真っ先に出てきたのが、このモルグモルマルモ。全く知らなかったし、息子の推薦というだけで予習しないで行ったら、いやこれは確かに! 演奏はまずカッチリアンサンブルが決まっていて、爽快な一体感がある、かっこいいギターロック。しかしそこに載る歌詞がなんだこりゃ!という突き抜けた代物なのだ。トルクメニスタンに行ったら何を食べたらいいのとか、タクラマカン〜!とか、極めつけはイタリア式の乾杯を歌ったやつだ。このインチキ世界地理シリーズは凄すぎる。思わずCDを買ってしまった。帰り道でこの「KANPAI」のMVをYouTubeで見て、可笑しくてひきつって苦しんでいたのは後の話。 この後、上のLagunaでイロメガネ、またDaisy Barに降りてナンデードーシテーを少し見た後、toitoitoiを見にまたLagunaに上がる。注目の男女デュオということで、これが凄かった。Lagunaは小さな平面のハコで、すぐにステージが見えなくなるのだが、toitoitoiの時はパンパンの入りでどうにも見えないと思ったら、途中から踏み台持ってフロアに降りてきちゃうのである。そしてミラーボールに頭ぶつけたりしながら熱唱。ダイナミックなアコギの演奏も格調の高さと力強さを兼ね備え、強弱の振れ幅が大きい歌を、時にはオフマイクにしながら、情感込めて歌うのに感動。もともとバンドでやっていたせいか、パフォーマンス的にも心得ているのだろうが、それにしても表現力があって凄いものを見た、と言ってしまおう。 次の時間帯は、7つとも聞きたいぐらいの顔ぶれだったのだが、やはり最初に決めていたハラフロムヘルを選んだ。もう「マトリョーシカさん」聞いたら絶対忘れられないバンド。CLUB251はやはり結構な入り。タテジマヨーコのキャラクターは、歌っていてもしゃべっていても強烈で独特だ。ちなみにハラケントとはほとんど話をしないとか言っていて、何とも謎な。でももともとパンクバンドを目指していたのに挫折したという話を聞いて、それはなるほどと思った。猫の皮をかぶった虎、ハラフロムヘルはパンクお化けなんだな。 次の時間帯もかなり迷ったけれど、結局GARDENに戻って、アカシックを楽しむことにした。アンボルデのバンドは何となくよく聴いているが、アカシックは生は初めて。聴き始めたころは理姫のキャラクターの濃さに幻惑されていたが、今回改めて聞いたら、バンドの音が全体として気持ちのよいロックで、気分よく聴いていた。フルアルバム発売を控えて理姫は「もう終電とかやらないかも?」みたいなことを言っていたが、バンドとして次のステージに入ったのだなあと感じた。でもまあやっぱり、「プリチー」は最高楽しいな! 移動中にCAVE Beに立ち寄って、ゲスバンドをちょっと楽しんで、またあの冷房が壊れている小部屋、Laguna に向かう。入れ替えで入ったら眼鏡が曇った笑。目当てはおかもとえみである。私は(今回は聞けなかった)科学特奏隊のメンバーとしては知っていたが、ソロは初である。残念ながら私が入った時にはもはや「(本人いわく)エミソンヌの仮の姿というか、板橋区出身のおかもとえみ」はほぼまったく見えなかった。しょっぱな伴奏の頭がとびまくりというハプニングにもめげず、やわらかい声にすっかり捕らわれてしまう。活動の幅が広いので、ソロどんなかなあと思っていたが、歌の表現の幅もやっぱり広かった。良いものを聴いてしまった。 夜七時になって、さすがに脚の疲れと空腹を感じてきた。でも、飯に時間をかけるのはもったいなくて、コンビニでパン買い食いしてとりあえず空腹をしのぎつつCLUB251へ。私のお目当ての一つでもあり、息子も推薦していたクウチュウ戦である。ずばり、ハードプログレ!最初に見たのが「光線」のMVだったので、ビデオのコンセプトについ引っ張られて誤解していたかもしれないのだが、やはり生の迫力で接して、間違いないバンドだと思った。ボーカルが甘く歌いあげてみたり、MVでは井上陽水の間奏がYESという離れ業を見せつけていたりと、熟練を感じさせるのに何が出てくるかわからない、魅力の詰まったバンドだった。でも確かにベースの人のシャンプーは何か気になるわ笑。 CAVE BEに戻り、ようやくドリンク券を使って喉をうるおしつつ、ぽわんの出番を待つ。実はこの時間帯も最終少女ひかさや指先ノハクといった、この機会に聴いてみたいバンドはいくつかあったのだが、次にチーナフィルが控えていて、リハもできるだけ覗きたかったので、終りの時間が早いという理由でぽわんに決めたというのが正直なところだった。しかし! ぽわんやっぱり凄かった。あししオポチュニティも正式加入したから、もはやガールズ?バンドですらないというか、もうそういう看板はいらなくなった。メイビーモエはやはり「ひねくれカワイイ」し、それでもけっこうテクニカルかつワイルドなバンドの力がみなぎる中で、怪しい人形が(名前言っていたけど忘れちゃった)ダイブするライブ空間の空気は芳しい。私のようなオジサンがふらりと見に行くのはちょっと気が引けるバンドではあるが(しかし最前にはコアなファンらしいオジサンが構えていたけど笑)、こうして楽しめるのもまさにサーキットの醍醐味というかありがたさである。楽しかった。 さていよいよ、そそくさとGARDENに向かい、トリのチーナフィルハーモニックオーケストラを目指す。トリの時間帯は、私には初ものでぜひ見たかったナードマグネット、みるきーうぇいや水中、それは苦しいもかぶるけど、チーナフィルを見逃すわけにはいかないのである。大人数なのでリハの時間も長めで、それが見られるのも楽しみなのである。案の定、柴さんがモニターの「ギターの音うーーーんと下げて下さい」というのが、真面目な要求なのにフロアには受ける(なぜ受けるかは、メンバーのキャラクターが分からないと伝わりにくいのだが)。リハが押して、何となく落ち着かない感じで本番始めちゃうのも一興だったりする。もちろん「はじまる」でスタート、期待がどんどん高まる。「わりとみにくいアヒルの子」、「アンドロイド」、「蟻の行進」となじみの曲が続いて、温かい盛り上がりに包まれる。メンバーみんなも楽しそう。柴さんの明るさにいつも癒されるし、マメルダさんかわいいし(PUN PUN CIRCLEのライブこなしてからだからすごい!・・・小宮山さんもPUN PUNからの流れらしい)、NERA改めほしやまかなこさんのたたずまい美しいし・・・今回は時間が少なくて、リーダーと椎名さんのいつもの掛け合いがなかったのは残念!椎名さんが指揮棒でちょっとリーダーに嫌がらせはしていたけど笑。ラストは「コロファリオ」で、なじみのファンは楽しくサビを合唱。さてさて、トリのバンドのお楽しみはアンコール。ここで椎名さんがやらかしてくれた! 昼からのサーキットでお客さんは疲れているのではないか?ということを最初から言っていたのだが、「皆さん疲れているでしょう! 坐って下さい! どうぞ、坐って!」アンコールで坐るって逆でしょう!!! でももうここまで言われたら坐るしかない笑。そして始まった、スチールドラムとハープが息をのむほどいとおしい間奏を奏でる、チーナフィル版「それでそれから」で、とうとう幕を閉じる。椎名さんの自由さにはだれもかなわない。 さて、ここでゆっくりと余韻に浸ったり、チーナメンバーの出待ち(ったって引っ込み思案のオジサンは遠目に見てニコニコしているだけですけど)したりしたくもあったけれど、オワリカラが始まったくらいの時間である。体力もなんとか残っていたので、CLUB251に早足で移動した。実は、どうしても聴きたい曲があったのである。着いたらステージも後半、案の定、がんがん暴れていた笑。ギター歯で弾いているし。こういうバンドなんだけど、きっとやるだろうと思っていた名曲を、やはり最後の曲としてやってくれた。"New music from Big Pink"。もちろん、ザ・バンドへのオマージュだ。録音とは違ってアレンジは多少賑やかではあったけれど、本当に渋い、良い歌だ。フルステージを見るバンドとしてはチーナフィルで大団円というのが、今日の私の妄想ブッキングなのだが、その後にこの曲でいわばチルアウトして(オワリカラでチルアウトって変なんだけど)完璧な仕上がりとなった! 本当に最高の一日、最高の一人妄想ブッキングだった。だからこのあとアンコールがあったかもしれないが、ここまでで帰ったのである。まあ時間も体力もほぼ限界ではあったのだが。 結果、フルステージ10バンド、ちょい見を入れたらさらに多くのバンドを思いっきり楽しめた。ビーハプ水口さん、本当にありがとう! 来年もやれたらやっちゃってください! お願いします! |
Ring Ring Lonelly Rolls/nica/Menoz/ネス/harineko "Fabric #33" 2016年3月1日(火)@新宿MARZ | |
月が変わっての3月1日、たまたまそうなっただけだけど前日から2連ちゃんである。仕事も何とか片付けて新宿へ。遅れて着いたところでやっていたのがネスのMC。女性のピアノボーカルと男性のドラムス、5弦フレットレス!を弾く女性ベース。スリーピースかと思ったら、ベースはヘルプらしい。で、かっこいい、というのが第一印象。女性たちのルックスがまずかっこいい(後で分かったがドラムの男性もかっこよかった笑)。MCが終わって曲が始まると、おしゃれなだけではなくて、はっとするひねりのあるメロディが、キレとパワーがすばらしい演奏に乗る。この少人数で凄いと思った。思わずCD買ってしまったが、新作を制作中ということで、期待大。さて次はいつものお楽しみのnica。もうこれは、この大所帯がステージに並ぶだけで胸が高鳴る。しかし今回は悲しいお知らせ、キーボードの友田さんが「寿退社」(ってどういうことなんだか)。当日は詳しい話もなく和やかに「おめでとう〜」とか言われていてぜんぜん悲しい感じもなかったが、別に結婚するわけではないようで、バンドもエドガーサリバンと掛け持ちだったし、自分の音楽に時間をかけたいという辺の事情らしい。残念だけど、シンセサイザの抜けた形のアレンジとなると、今後はよりジャジーになるのだろうか。それはそうと、もう毎回書くことが一緒なのだが、どんどんアンサンブルがよくなってきて、そうなるとさらにこの大所帯が生きてくる。CD早く出してほしい。さて次は、名前だけは印象に残っていたがライブは初めてのharineko。基本的にはピアノボーカルのSaChiのプロジェクトで、gt, b, dsを加えてのバンドスタイル。酔っぱらっているらしい(でも見た目はクールで神経質そうな)ギターと、見つめ合うリズム隊、それにSaChiである。もうこれが絵的に面白すぎる。SaChiは声質も歌い方も、ゆるそうに見せかけておいて張り詰めたような響きがあって個性的ですばらしい。風変わりなポップロックときどきパンクがとても面白い。さてトリはMenoz。ひかるさん挫いた足はもう全快な感じで、今日も角谷さんはお洒落なコワモテでした。クマさんもよく歌い、しゃべってた。Menoz特に最近ライブよくやっているような印象がある。いつも振りきれてるステージが最高(気づいたら最前でアリソネの二人がノリノリだった笑)。4/1の企画ライブも楽しみな顔ぶれ。ますます期待が高まる。 |
シーツ/airbag/むえん/畠山旦/わさらぼ/暮らしのヒント "Creating Images" 2016年2月29日(月)@下北沢ERA | |
忙しくなったのと小遣いが乏しいのと、転んでひざを打って痛みが残るのとで、なかなかライブにも行けていないのだが、わさらぼを聴くチャンスはそうないので、仕事の後、思い切って下北沢へ出かけた。着いたらairbagの最後の曲だった。一曲だけでどうこう言えないけれど、ベースレスの三人組のようだが、キーボードの音がよいのと、ギターとのハーモニー、コーラスも凝っていて、厚みのある音が好みだった。むえんは四人組。テレキャスの人が長髪ヒゲメガネ穴あきジーンズで70年代っぽくてうれしい。全体になんとなく年齢高めに見えたが、ネットでもあまり情報が出てこなくて、今の私にはなかなか謎めいている。オルガンボーカルの人の声は柔らかいが、ギターはけっこうヘヴィに決めてくる、全体としてはブルージィな感じの音だった。続く畠山旦(あした)は、本人も言っていたがぽんとギター弾き語りが入るというのがどうなるかと思ったが、ハリも伸びもある声で、聴きごたえではぜんぜん負けていなかった。バンドも宅録ユニットもやっている多才な人のようだ。次が目当てのわさらぼ。ライブは初である。女性ボーカル、キーボード、ベース、ドラムスの4人組。ギターレスなのでキーボードが重要だが、目立つというよりはボーカルを引き立てつつ全体の雰囲気をまとめる役割をみごとに果たしている。リズム隊はがっちりと太く硬く安定。結果、全体のバランスがすごくよく、多彩な曲をうまく聞かせる。CD買って帰ったので聴き直しているが、本当に飽きない。次のライブは決まっていないとのことだが、生でささみおさんの声をもっと聞きたい。明日も仕事の田舎者の年寄りはここでタイムアップ。 |
チーナ "さよならステップワゴン 昼の部/夜の部" 2016年1月9日(土) @渋谷7th Floor | |
新年最初のライブは、チーナワンマン、しかも昼夜の2部構成という、贅沢なもの。動画予告もあったけれど、レーベルメイトのSAWAGIが廃車にするつもりだったステップワゴンを譲り受けて、大切に使ってきたけれど、ついに修理屋からもう乗らないでくれ!と引導を渡され、今度こそ本当に廃車になってしまうということで、その追悼?ライブ的なものでもあるという。会場はやや窮屈とはいえ年寄りにも優しい椅子席で、ちょっと意気込んでというか覚悟してきたのでほっとした。ちょっとノリにくくはあるけど。 まずは、昼の部、いつも通りの5人、客席後方からの登場。「はじまる」ではじまって、「愛とか恋とか」「Tokyo yu-ei girl」など軽やかに楽しく進行して行く。椎名さんとリーダーのきわどい?やり取りはチーナライブの楽しみの一つだが、本領発揮は「ステップワゴン」。この曲は今日のライブのための曲だから再演やCDにはしないので、サビをみんなで歌って録音したものを、300円でダウンロードできるようにする!という企画。楽しい曲で、練習の途中で椎名さん「星野源の声に似ている人が歌うので合わせて」と無茶ぶりでHAPPYさんにバトンタッチ。HAPPYさん意外に良い声でびっくり! そして椎名さん「いちおう録音するから、うんことか言わないでねー」リーダー「絶対いわねーよ!お前しかいわねーよ!」というやりとりに爆笑。「あと○ッキーとか!」「いわねーよ!」(これが夜の部、エンディングの一番最後にリーダーが「うんこ○ッキー!」と言った伏線でした)。なおダウンロードのオマケに星野源と「うんこ」のくだりは入っていました(が、さすがに○ッキーはカット)。「執着曲」やアンコール「Tech Tech」など新しい曲もあって、椎名さんも言っていたがCDそろそろ出てほしいところ。 夜の部はリーダーとHAPPYさんによる、まさかの「ハッピーエンドリミックス」と題されたラップからのスタートから、登場直後にトライアングルを置き忘れてきた椎名さんが走って取りに戻るという出だしからのハプニングで和やかに「Granville Island Market」でスタート。「ステップワゴン」、「プールサイド」と「はじまる」以外、昼の部との重複なしで、曲数も多かったが、何と言ってもうれしかったのは「テレビドラマ」をやってくれたこと。少し前にツイッターで「テレビドラマ」がちょっと話題になって、私も最近ライブで聴けないのでやってほしいな〜とつぶやいていたので、本当にやってくれたのは最高にうれしかった。詞も曲も泣かせるというか、リアルなのに想像を膨らませてくれる、実に名曲だと思う。最後は「はじまる」「コロファリオ」「蟻の行進」と来て、アンコール「世界が全部嘘だとしても」「Go Home!」で、チーナの魅力を存分に楽しめた、楽しい一日だった。 |
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